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カテゴリー「@今月の読書」の103件の記事

2017年2月18日 (土)

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち:映画

2016年 アメリカ 127分 原題「Miss Peregrine's Home for Peculiar Children」

公式サイト

原作:「ハヤブサが守る家」:ランサム・リグズ/訳:金原瑞人、大谷真弓(潮文庫)
監督:ティム・バートン/脚本:ジェーン・ゴールドマン/製作:ピーター・チャーニン、ジェンノ・トッピング/製作総指揮:デレク・フライ、カッテルリ・フラウエンフェルダー。ナイジェル・ゴステロウ。イバナ・ロンバルディ/撮影:ブリュノ・デルボネル/美術:ギャビン・ボケット/衣装:コリーン・アトウッド/編集:クリス・レベンゾン/音楽:マイク・ハイアム、マシュー・マージソン
出演:エバ・グリーン、エイサ・バターフィールド、サミュエル・L・ジャクソン、ルパート・エベレット、アリソン・ジャネイ、クリス・オダウド、テレンス・スタンプ、エラ・パーネル、フィンレイ・マクミラン、ローレン・マクロスティ、ヘイデン・キーラー=ストーン、ジョージア・ペンバートン、マイロ・パーカー、ラフィエラ・チャップマン、ピクシー・デイビス、ジョゼフ・オッドウェル、トーマス・オッドウェル、キャメロン・キング、ジュディ・デンチ、キム・ディケンズ

Photo


「チャーリーとチョコレート工場」「アリス・イン・ワンダーランド」のティム・バートン監督が、ランサム・リグズによる全米ベストセラー小説「ハヤブサが守る家」を映画化し、人とは異なる奇妙な能力を持った子どもたちが織りなす物語を描いたミステリアスファンタジー。
周囲になじめない孤独な少年ジェイクは、唯一の理解者だった祖父の遺言に従い、森の奥にある古めかしい屋敷を見つける。そこには、美しくも厳格な女性ミス・ペレグリンの保護のもと、空中浮遊能力を持つ少女や透明人間の男の子、常に無口な双子といった、奇妙な子どもたちが暮らしていた。
主人公ジェイク役は「ヒューゴの不思議な発明」で知られるエイサ・バターフィールド、ミス・ペレグリン役は「007 カジノ・ロワイヤル」「ダーク・シャドウ」のエバ・グリーンが務めている。(映画.comより)

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@TOHOシネマズ

ネタばれ含む、簡単感想です。

原作未読です。
ですので、あくまで映画を見た限りですが、タイトルはフェイク、主人公は少年ジェイクで、ミス・ペレグリンの存在感が思ったより薄かったです。
ま、それはそれとして。
途中まで、フロリダの、シザーハンズの住宅地のような明るい色調と英国南西部のスリーピー・ホロウのような暗い色調をダーク・ファンタジー系のねじれた時空間で纏め上げ、不穏な雰囲気を漂わしていたのは、さすがはティム・バートンと思いましたが、後半、ディズニー・テーストになってしまったのには、ちょっとがっかりしました。
でも、この部分がなかったら、暗い暗い映画になったでしょう。

時空の流れを漂う子供たちの運命・・・なぜ、そんな運命に陥ったのか、そしてその運命をあどけなく受け入れている彼らに物悲しさを感じました。

amazonに投稿された原作の書評で、子供たちが隠れ住む村がホロガーストというのはホロコーストの投影だったり、ジェイクの祖父がポーランド系ユダヤ人だった、などの物語の背景を知り、さらに切なくなりました。
原作はもっとコクがあって面白そうです。

明るさの中に漂う異形の者たちの切なさを描いて、久しぶりにバートンらしい作品だったと思います。

あと、びっくりしたことが・・・ネタばれになるけれども、本筋には無関係なので。
あの人があっという間に食べられちゃったこと(汗
それからルパート・エベレット・・・コリン、ヒューの三人の中では、やっぱり一番老けて見える~(_ _);;

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2016年5月 5日 (木)

2015年2月の読書 その1

○新読

木暮荘物語 著:三浦 しをん(祥文社文庫)
赤朽葉家の伝説 著:桜庭 一樹(創元推理文庫)
下町の女 著:平岩弓枝(文春文庫)
花のながれ 著:平岩弓枝(文春文庫)
国マニア 著:吉田 一郎(ちくま文庫)

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※読書順、敬称略です。

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「木暮荘物語」

小田急線の急行通過駅・世田谷代田から徒歩五分、築ウン十年、全六室のぼろアパート木暮荘。そこでは老大家木暮と女子大生の光子、サラリーマンの神崎に花屋の店員繭の四人が、平穏な日々を送っていた。だが、一旦愛を求めた時、それぞれが抱える懊悩が痛烈な悲しみとなって滲み出す。それを和らげ癒すのは、安普請ゆえに繋がりはじめる隣人たちのぬくもりだった…。 (「BOOK」データベースより)

木暮荘に住む人々を描いての、連作短編です。
「シンプリーヘブン」の、蘭と伊藤、そして並木の脱力系の奇妙な三角関係は「まほろ駅前」風な味わいがあり、またラストの一編「嘘の味」に繋がっています。
一見普通に見える人々の、普通ではない人生のスケッチ。
「死ぬまで、死んでも、永遠に解くことのできない、ひとの不思議だと思った。」(本編より)

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「赤朽葉家の伝説」

“辺境の人”に置き忘れられた幼子。この子は村の若夫婦に引き取られ、長じて製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれ輿入れし、赤朽葉家の“千里眼奥様”と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。―千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもないわたし。旧家に生きる三代の女たち、そして彼女たちを取り巻く一族の姿を鮮やかに描き上げた稀代の雄編。第60回日本推理作家協会賞受賞。(「BOOK」データベースより)

桜庭一樹氏の作品を読むのは初めてです。帯の、ゴチック大河風なコピーに惹かれて購読しました。

「第一部は歴史小説、第二部は少女漫画、第三部は青春ミステリー」(作者によるあとがきより)

祖母の代を描いた第一部は歴史小説というより、田舎を舞台としたドロドロとした人間関係を描いた横溝正史風世界と幻想小説のコラボ、母の青春時代を描いた第二部はガラっとかわって、荒廃した田舎町を舞台にした紡木たく風世界、第三部は第一部、第二部で残された祖母、母にまつわる謎を追う娘の、透明感漂うミステリー、といった感じの、コピー通りの作品。
大河小説やストーリーテラーな、すなわち筋の面白さでひきつけるタイプの小説が好きなので、一度目はストーリーを追って飛ばし目に、二度目はデティールを味わいながらと、がっつり面白く読みました。
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「下町の女」

昭和四十年代に入り、新橋、柳橋に次ぐ格式と規模を誇っていた下谷の花柳界は、さびれゆく一方であった。そんな下町で芸者屋「福乃家」を営む野崎こうは、現役の名妓。娘の桐子は母を気遣いながらも、芸事とは距離を置いている。ある日、住込みの芸妓見習い・市子がやってきた。女三人三様、日々を精一杯生きる姿が快い花柳小説。(「BOOK」データベースより)

平岩氏の作品をちゃんと読むのは、これがはじめてです。
作者の本だから、というより、以前読んだ岩下尚史氏の芸者論の世界に浸りたくって、購読しました。
杉村春子さん、山岡久乃さんたちが出演されていた、一話完結時代の東芝日曜劇場の雰囲気が切なくなるほど懐かしい作品。
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「花のながれ」

昭和四十年の暮れ、上野、池之端にある江戸から続く老舗糸屋の当主・清兵衛が亡くなった。あとに残されたのは美しき三姉妹―長女として老舗を守るしっかり者の藤代、のんびり屋の次女喜久子、そして若くて活発な末っ子の桃子。下町人情の機微に揺れながら、三人の娘がたどる三者三様の愛と人生の哀歓を描く表題作ほか、二編。(「BOOK」データベースより)

表題になっている「花のながれ」以外は、ごく普通の主婦を描いています。
「おんなの休暇」はおそらく三十路、働き盛りの主婦の小さな反乱を軽快に描いていて、風俗が昭和なのが楽しい一編。
しかし「ぼんやり」は一転。とある老婦人の目を通じて描かれた作品なのですが、生活の全てを亡夫にまかせっきりでほわほわと生きてきた老婦人の、全てに鈍くなってしまった感性を描いて、じわじわと老いることの恐怖を感じさせる作品となっていて、さすがでした。

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「国マニア」

こんな話題で一杯だったら、地理の授業がもっと楽しかったのに。ハローキティ金貨が使えるクック諸島ニウエ、100年以上も働かずに生活しているナウル人、海上の人工島を占拠して独立宣言してしまったシーランド公国、マニア向けの切手を乱発して財政を支えるピトケアンなどなど、ざっと52カ国。常識や先入観を脱ぎ捨てて眺めれば、世界は意外といい加減にできている。 (「BOOK」データベースより)

雑学ネタになるかな、と購読しました。
単なる面白ネタだけではない、大国及び隣国に翻弄される小国の歴史、政治のダイジェストがわかりやすく、思った以上にタメになる本。

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2016年3月27日 (日)

2015年1月の読書 その2

○新読

月夜の島渡り 著:恒川 光太郎(角川ホラー文庫)
なでしこ物語 著:伊吹 有喜(ポプラ文庫)
相田家のグッドバイ 著:森 博嗣(幻冬舎文庫)

○再読 

妖精のアイルランド―「取り替え子」(チェンジリング)の文学史 著:下楠 昌哉(平凡社新書)

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※読書順、敬称略です。

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「月夜の島渡り」

鳴り響く胡弓の音色は死者を、ヨマブリを、呼び寄せる―。願いを叶えてくれる魔物の隠れ家に忍び込む子供たち。人を殺めた男が遭遇した、無人島の洞窟に潜む謎の軟体動物。小さなパーラーで働く不気味な女たち。深夜に走るお化け電車と女の人生。集落の祭りの夜に現れる予言者。転生を繰り返す女が垣間見た数奇な琉球の歴史。美しい海と島々を擁する沖縄が、しだいに“異界”へと変容してゆく。7つの奇妙な短篇を収録。 (「BOOK」データベースより)

めくるめく原色の悪夢の数々と、人間の罪深さを見つめる作者の暗色の眼差しが渾然となった、実に恒川さんらしい幻想小説集。

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「なでしこ物語」

いじめに遭っている少女・耀子、居所のない思いを抱え過去の思い出の中にだけ生きている未亡人・照子、生い立ちゆえの重圧やいじめに苦しむ少年・立海。三人の出会いが、それぞれの人生を少しずつ動かし始める。言葉にならない祈りを掬い取る、温かく、強く、やさしい物語。(「BOOK」データベースより)

恵まれない環境に生きる少女の成長を、淡々と描いていました。
エピソードなり、キャラ造形などに、昔の児童文学のようなもう少し強いアクセントが合ったほうが好みです。
端正だけれども生命力が希薄で線が細い。それこそが今の子供たちの世界そのものなのかもしれません。

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「相田家のグッドバイ」

普通の家庭だったけれど、ちょっと変わった両親。最後に息子がしたことは破壊だったか、それとも供養だったのか?さよならだけが現実だ。血は争われない。森博嗣の家族小説。(「BOOK」データベースより)

森氏の作品を読んだのは初めてです。
作者の実体験を元に描いているそうで、いわば「私小説」(解説より)。
私小説としては・・・きれいすぎて生温い気がしまいた。でもこれがこの人の体温なのでしょう。

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「妖精のアイルランド―「取り替え子」(チェンジリング)の文学史」

アイルランドは、なぜ「ケルトと妖精の島」と呼ばれるのか?事実、赤ん坊や女性が妖精と入れ替わる「取り替え子」の伝承を信じて自分の妻を焼き殺す事件が、一九世紀末に発生している。幻視的な詩人W.B.イェイツ、『ドラキュラ』のブラム・ストーカー、世紀末の文学者オスカー・ワイルド、小泉八雲ことラフカディオ・ハーン、そして、現代文学の高峰ジェイムズ・ジョイス。一九世紀から現代に連なる「想像力のネットワーク」を手掛かりにして、妖精の正体に迫る斬新な試み。(「BOOK」データベースより)

世紀転換期のアイルランドにおける文化的諸運動を支えたキーとなる概念のみとるが、「ケルト」である。
<中略>
「ケルト」という言葉には、アイルランドの人々に民族的な独自性があることを保証するために、十九世紀後半よりひんぱんに用いられた。(本書より抜粋)

アイルランドの人々にとって、独自の文学を保つことが、大英帝国にたいするプロテスタントだった。
かつ、イングランド生まれの人々にとって、アイルランドの伝承文学はとても魅力的だった。
相互の文化が触発され、イギリス独特の妖精や怪談文学に結実していく流れがとても興味深かったです。

かつ、人々のプライドを支えるのは、軍事ではない、自分たちの文化の保守と発展であること。
夏目漱石が日本文学確立に心血を注いだ理由の一端に触れたような気になりました。

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2016年3月12日 (土)

2015年1月の読書 その1

○新読

中世ヨーロッパの家族 著:ジョセフ・ギース、フランシス・ギース/訳:三川 基好(講談社文芸文庫)
天皇と宮家ー消えた十一宮家と孤立する天皇家 著:小田部 雄次(新人物文庫)
英語の冒険 著:メルヴィン・ブラック/訳:三川 基好(講談社文芸文庫)


○再読 

血脈の世界史ーヨーロッパの激動を家系図で読み解く 監修:児嶋 由枝(青春出版社)
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※読書順、敬称略です。

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「中世ヨーロッパの家族」」

イングランド北部、ノーフォークの紳士階級・パストン家に残された千通を超す書簡から描き出す、十五世紀の社会と一族の生活。家族の健康や家政、商取引きと訴訟、娘の結婚問題などを虚飾のない文章で記した手紙は、英仏百年戦争の末期からバラ戦争にいたる乱世を懸命に生き抜いた人々の姿を今に伝え、圧倒的な生命力に満ちている。(「BOOK」データベースより)

ただ書簡を掲載しただけではない、著者の緻密な編集と語り口によって、壮大なる歴史絵巻になっていて、真実の持つミステリー性も素晴らしく、思わず惹き込まれました。

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「天皇と宮家ー消えた十一宮家と孤立する天皇家」

「消えた十一宮家」とは、昭和二十二年(一九四七)十月十四日に皇籍離脱した、朝香・賀陽・閑院・北白川・竹田・梨本・東久迩・久迩・東伏見・伏見・山階の十一家のことである。本書は、これらの十一宮家の明治維新当初の創設期から戦後の皇籍離脱後の動向までの歴史を描いている。皇族たちは「皇室の藩屏」と称されて、近代の皇室を支えてきた。そして、近年、皇室の男系男子継承に危機があり、旧十一宮家の男子の皇族復帰の声が高まり、熱い議論を呼んだ。十一宮家の実像を考察し、皇室をめぐる問題を照射する一冊。(「BOOK」データベースより)

日本で「一族」と言えば、ロイヤルファミリー。
一族繋がりで購読しました。

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「血脈の世界史ーヨーロッパの激動を家系図で読み解く」

血で血を洗う親子の争い、望まぬ結婚を強いられた王妃…。名家の人びとの生々しい人生劇が、歴史を塗り替える-。現在も複雑にからみあうヨーロッパ諸国の関係を、王朝の血脈をたどりながら明快かつ簡潔に解きほぐす。(「MARC」データベースより)

大分前に読んだのを、やはり一族、及び血族繋がりで再読しました。
同じ人物が、違う国の歴史に顔を出すと、以前登場したページを読み返すので、読了するのにとても時間がかかりました。
本を買う余裕がない時に、持って来いの一冊です。

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「英語の冒険」

英語はどこから来てどのような経過で世界一五億人の言語となるに到ったのか―。一五〇〇年前にフリースランドからブリテン島に入り込んだゲルマン人の言葉。わずか一五万人の話者しか持たなかった英語の祖先は、衰退と絶滅の危機を乗り越え、やがてイングランドの公用語から世界の「共通語」へと大発展してゆく。周辺言語との格闘と成長の歴史。(「BOOK」データベースより)

英語の成り立ちと変遷が、「英語の冒険」のタイトル通り、擬人化された「英語たち」の紆余曲折が生き生きと描かれていて、とてもわかりやすかったです。「フランス語さん」には危うく息の根を止められそうになったのね。多大なる影響を受けつつもしぶとく生き残ったサンプル単語の数々、勉強になりました。
また、世界各国で変貌をとげた英語の発音の例のひとつとしてわずかですが、日本語が取り上げられていたのには思わず赤面。そうか、こんな風に聞こえるんだ・・・。

著者は英語圏では、司会を含め、放送業界を中心にマルチに活動し、議員になった極めて著名な人なのだそうです。

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2016年2月27日 (土)

2014年12月の読書 その2

※このカテの記事を読む人はあまりいないと思うのですが、とりあえず、お断りをば。
記事タイトルにしている日付はあまり気にないでください。個人的な目盛り、くらいな感じでつけているだけです(^^;;

○新読

暗き炎(上下)ーチェーダー王朝弁護士シャードレイク 著:C・J・サンソム/訳:越前 敏弥(集英社文庫)
支配者(上下)ーチェーダー王朝弁護士シャードレイク 著:C・J・サンソム/訳:越前 敏弥(集英社文庫)

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※読書順、敬称略です。

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「暗き炎(上下)」

<上巻>16世紀ロンドン。法廷弁護士シャードレイクのもとに、従弟殺害の罪を問われている少女エリザベスの弁護依頼が舞い込む。少女は黙秘を続け、このままでは拷問死をまぬがれない運命だった。一方、摂政クロムウェルは、少女の審議期間延長と引き換えに、古くから伝わる幻の「ギリシャ火薬」の製法と現物を探し出すようシャードレイクに命ずるのだが…。イギリスで人気の歴史ミステリー・シリーズ第2弾。(「BOOK」データベースより)

<下巻>幻の破壊的兵器「ギリシャ火薬」を追ううちに、関係者のむごたらしい死に遭遇し、自身も命を狙われるシャードレイク。手掛かりがつかめないまま、弁護を請け負った少女の審議期日も迫っていた。クロムウェル以外にギリシャ火薬を追うのは誰なのか?黙秘を続ける獄中の少女エリザベスのみが知る恐ろしい真相とは?猛暑のロンドンをシャードレイクが駆け抜け、思いもよらぬ結末を迎える迫真のミステリー!(「BOOK」データベースより)

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「支配者(上下)ーチェーダー王朝弁護士シャードレイク」

<上巻>1514年夏。国王ヘンリー8世の巡幸に伴う弁護士業務と、北部で捕らえられた謀反人ブロデリックをロンドンに連行するよう命じられたシャードレイク。訪れた北部の町ヨークで、ガラス職人オールドロイドが王に関する不穏な言葉を残して落下死する現場に遭遇する。やがてシャードレイクが幾度と命を狙われる一方、ブロデリックの身も危うくなり…。CWA賞受賞シリーズ、英国で大人気の歴史ミステリー。(「BOOK」データベースより)

<下巻>ヘンリー8世巡幸での役目を終え、あとはロンドンへ謀反人を護送するだけとなったシャードレイク。ヨークを発った晩にまた襲われるが、その犯人は意外な人物だった!さらにロンドンにたどり着いたシャードレイクを待っていたのは、身も凍る過酷な試練。そして、ヨークでの謁見以来、シャードレイクの中に募る王への不信感は、驚愕の事実とともに、一連の事件の真相へとシャードレイクを導くのだった!(「BOOK」データベースより)

「チューダー王朝弁護士シャードレイク」の二作目と三作目です。
英国の歴史に興味がある人には、一読の価値あり。ストーリーだけでなく細部に渡る時代考証を含め、とにかく、面白いです。
三作目「支配者」ではチューダー王朝の影の部分にまで迫っていました。
心配なのは、ヘンリー八世が死去し、メアリーが王位に即位し、プロテスタントの大受難時代がはじまった時のことです。プロテスタントのシャードレイクはどうなるのだろう。

原作は5話まで発行されているのですが、日本では一~三話が、2011年から2014年まで毎年発行されていたのに、4作目は2015年には発行されませんでした。
原作も毎年上梓されているわけではないので、気長に待つしかないです。

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2016年2月 4日 (木)

2014年12月の読書 その1

○新読

パパは楽しい躁うつ病 著:北杜夫、斎藤由香(新潮文庫)
天災から日本史を読み直すー先人に学ぶ防災 著:磯田 道史(中公新書)
明治維新と幕末ー「ノンキャリア」の底力 著:門松 秀樹(中公新書)


○再読 

旗本夫人が見た江戸のたそがれー井関隆子のエスプリ日記 著:深沢 秋男(文春新書)
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※読書順、敬称略です。

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「パパは楽しい躁うつ病」

突然、終わりを告げた穏やかな日々。朝の五時から起きだして、株の売買に明け暮れ遂に破産。夜中に窓を開け放し、家の中で昆虫採集。日本から独立宣言し、「マンボウマブゼ共和国」を建国、主席に就任…。躁うつ病にかかった、どくとるマンボウが巻き起こす破天荒な事件の数々。作家にして精神科医の北杜夫と娘でエッセイストの斎藤由香が語りあった面白エピソード満載の爆笑対談。(「BOOK」データベースより)

ハイティーンの頃「楡家の人々」を読んでから、斎藤茂吉一家に関するエッセイを読み漁っています。

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「天災から日本史を読み直す−先人に学ぶ防災」

豊臣政権を揺るがした二度の大地震、一七〇七年の宝永地震が招いた富士山噴火、佐賀藩を「軍事大国」に変えた台風、森繁久彌が遭遇した大津波―。史料に残された「災い」の記録をひもとくと、「もう一つの日本史」が見えてくる。富士山の火山灰はどれほど降るのか、土砂崩れを知らせる「臭い」、そして津波から助かるための鉄則とは。東日本大震災後に津波常襲地に移住した著者が伝える、災害から命を守る先人の知恵。(「BOOK」データベースより)

史料を著者の目を通じて解き明かしており、多少思い込み気味なところはあれども、地震などの災害が身近に感じられ、自然の中での人間の小ささに改めて恐怖を覚えました。

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「明治維新と幕末ー「ノンキャリア」の底力」

明治維新は、西郷隆盛・大久保利通・木戸孝允ら薩長土肥の志士が中心となって成し遂げたというイメージが強い。進取の気風に富む西南雄藩が、旧態依然たる江戸幕府に取って代わったのは、歴史的必然だったとさえ捉えられている。だが本当に幕府は無為無策で、すぐれた人材を欠いていたのか。本書は、行政実務に精通し、政権交代後も継続登用された中・下級の旧幕臣たちに光を当てるものである。明治維新への新たな視座。(「BOOK」データベースより)

確かに新しい視点です。もう少し旧幕臣たちの仕事ぶりを描いて欲しかったかも。新書ではこれくらいが限度なのかもしれません。

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「旗本夫人が見た江戸のたそがれー井関隆子のエスプリ日記 」

なんと江戸の近いこと!離婚し、再婚。血縁なき家族との円満な暮し。幕政批判、創作、大の酒豪。スーパー才女の克明な日記から浮かび上がる幕末の真の姿、近代の知性の芽ばえ。(「BOOK」データベースより)

跡継ぎに長男をすえることに血なまこになったのは、明治以降なのかもしれません。
当時の武家の女性は、娘、嫁という立場を経て、後家になってはじめて武家の厳しい倫理観に縛られることなく、自分らしく生きれたのかもしれません。
もちろん、それが許されるお金があって、家族があって、そしてキャラがあってのことでしょう。
本書で取り上げられている女性は才女であるだけでなく、おおらかな人柄だったようで、心の豊かさをうらやましく感じました。

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2016年1月23日 (土)

2014年11月の読書 その2

全くの備忘録とは言え、全然更新できないまま1年以上が過ぎてしまいました。
もう年月でくくるのはやめようかな・・・(汗
感想は後回しにして、タイトルと粗筋のみをアップする方式にしようか、とも思っています。

○新読

トム・ブラウンの学校生活(上下) 著:トマス・ヒューズ/訳:前川 俊一(岩波文庫)
○再読 

英国パブリック・スクール物語 著:伊村 元道(丸善ライブラリー)
パブリック・スクールー英国式受験とエリート 著:竹内 洋(講談社現代新書)

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※読書順、敬称略です。

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トム・ブラウンの学校生活(上下)

本当のジェントルマンを作り上げるための全人的教育制度をもって誇るパブリック・スクールの生活が作者(1822‐1896)自身の体験に基づいていきいきと描かれている.そしてこの教育の成果は,本篇の主人公トム・ブラウンの成長の過程が雄弁に物語る.少年社会のあふれるユーモアと,底を流れるキリスト教精神と,スポーツ精神の調和が高い香りを放っている名作.(岩波文庫HPより)

こういうパブリックスクール・ライフを送って欲しい、いや、こうであるべきだ、という思いが込められた教養小説。
当時の英国紳士が如何にして作られていたか。二次創作物にはない、リアル感が楽しめました。

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「英国パブリック・スクール物語」

公教育の発達が遅かった英国においては、公教育の体系とは別に、私立学校であるパブリック・スクールが大きな役割を果たしてきた。もともとパブリック・スクールは地元の貧しい英才を教育するのが目的だったが、一九世紀後半には奨学金も成績本位で与えられるようになり、完全に支配階級に独占されてしまう。名門ラグビー校を舞台とした『トム・ブラウンの学校生活』をテキストに、校長トマス・アーノルド、そして一九世紀のパブリック・スクールの実像に光を当てる。(「BOOK」データベースより)

実はこの本を読んで上記「トム・ブラウン」を読みました。
パブリックスクールの成り立ちなどがわかりやすく書かれていて、大変興味一冊でした。

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「パブリック・スクールー英国式受験とエリート」

英国のほうが日本よりはるかに学歴の社会的地位規定力が大きい学歴社会にみえる。またわれわれ日本人にはパブリック・スクールは灘や開成のような六学年制私立校に、オックスブリッジは東大や京大にみえてくる。だとしたら、なぜ英国で日本のようなはげしい受験戦争がおこらないのだろうか。パブリック・スクール、オックスブリッジへむけてわれもわれもの入学競争がおきないのか。むろん英国でもパブリック・スクール大学受験はそれなりに深刻ではある。大学受験のための受験予備校に似た学校もある。だがこうした予備校も夏は休暇でのんびりムードだ。日本のような過熱状態にはない。不思議になってくる。(本書カバーより) (「BOOK」データベースより)

近現代のパブリックスクールの変遷と、実情を描いて「英国パブリック・スクール物語」の続編とも言える一冊で、こちらも面白かったです。

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2015年8月16日 (日)

2014年11月の読書 その1

自分のための備忘録、再開です。
去年の11月分て・・・ここまで溜まると、開き直るしかないです(汗
ぼちぼち綴っていきます。

○新読

紳士協定ー私のイギリス物語 著:佐藤 優(新潮文庫)
ロックフェラー回顧録(上下) 著:ディヴィット・ロックフェラー/訳:楡井 浩一(新潮文庫)
金色の獣 彼方に向かう 著:恒川光太郎(双葉文庫)


○再読 

ミステリーの人間学―英国古典探偵小説を読む 著:廣野 由美子(岩波新書)
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※読書順、敬称略です。

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「紳士協定ー私のイギリス物語」

1986年、入省二年目の私はイギリスにいた。語学研修に追われる単調な日々の小さな楽しみは、ステイ先で出会った12歳のグレンとの語らいだった。ロンドン書店巡り、フィッシュ&チップス初体験。小さな冒険を重ね、恋の痛みや将来への不安を語りあった私たちは、ある協定を結んだ…。聡明な少年を苛む英国階級社会の孤独と、若き外交官の職業倫理獲得までの過程を描く告解の記。 (「BOOK」データベースより)

グレン少年との交流など、留学体験は興味深かったです。
しかし、あまり上手くない訳本を読んでいる感じがしました(汗

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「ロックフェラー回顧録(上下)」

<上巻>石油王と呼ばれた祖父の莫大な遺産を受け継ぎ、政治では副大統領と州知事が輩出したロックフェラー家。ニューヨークの都市計画にも深く関与した一族の現当主が語る九十余年の人生、それはアメリカの現代史そのものだった―。チェース銀行頭取として世界の首脳と出会い、各国の政財界の要人とのコネクションを武器に、民間外交を精力的に繰り広げた著者の華麗なる人生。 (「BOOK」データベースより)

<下巻>国際金融家として米中の国交樹立に多大な影響を与え、三極委員会を創設し、日米欧関係に大きく寄与したD・ロックフェラー。一方で芸術やその助成にも精魂を傾け、一家の拠点である都市ニューヨークへの投資や慈善活動を惜しまなかった。そして一人の父として、時に反発する子どもとの関係に苦悩しつつ、一族を継ぐ者たちに限りない愛情を注いだ。激動の生涯がいま明らかにされる。(「BOOK」データベースより)

アメリカの政財界のトップがどのように世界を見ているのかが、何となくわかりまし
た。大富豪が政治に関わることの必然性と恐ろしさも。幸いにも著者はバランスのとれた人物で良かった、というべきなのでしょうか。

実利主義である彼らが、人と関係を持つ時の判断基準は、相手が自分に利益をもたらすか否か、しかありません。
慈善活動と言っても、絶対に損はしないことが大前提なのです。身を削って、なんていう甘い考えじゃ慈善活動は続けれないことがよーくわかりました。
ここまで徹底しないと生きていけない世界に生まれ、勝ち抜いた人です。究極の勝ち組。
美術品の収集も有名ですが、作成した人たちの気持ちは絶対理解不能だと思います。←負け犬の遠吠え(汗
スケールの大きさを含め、あまりに世界観が違いすぎて、驚きの連続の伝記でした。

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「金色の獣 彼方に向かう」

鎌倉の山中に庵を結ぶ僧に、謎めいた旅の男が語り聞かせる驚くべき来歴―数奇な運命により、日本人でありながら蒙古軍の間諜として博多に潜入した仁風。本隊の撤退により仲間とともに取り残されるが、やがて追われる身となった一行を、邪神「窮奇」に仕える巫女・鈴華が思いのままに操りはじめる。(第一話「異神千夜」)元寇に際して渡来した一匹の獣。姿形を変え、時に悠然とたたずみ、時に妖しく跳梁する。古より潜むものたちの咆哮を、瞠目の幻視力で紡ぐ、傑作ダークファンタジー四篇。(「BOOK」データベースより)

「異神千夜」「風天孔参り」「森の神、夢に還る」、そして表題作「金色の獣、彼方に向かう」の全四話。
連作ではないけれども、「風天」と「森の神」、そして恐らく「異神千夜」に稲光山、そして全話に渡って"獣"が登場します。
いずれもページを開いた途端に、恒川ワールド・・・異界に漂う現実、もしくは異界に侵食される現実に惹き込まれました。
一番好きなのは「森の神」です。

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「ミステリーの人間学―英国古典探偵小説を読む 」

読者を謎解きに導く巧みなプロット。犯罪にいたる人間心理への緻密な洞察。一九世紀前半ごろ誕生した探偵小説は、文学に共通する「人間を描く」というテーマに鋭く迫る試みでもある。ディケンズ、コリンズ、ドイル、チェスタトン、クリスティーなどの、代表的な英国ミステリー作品を取り上げ、探偵小説の系譜、作品の魅力などを読み解く。(「BOOK」データベースより)

第一章「心の闇を探る」でディケンズ、第二章「被害者はこうしてつくられる」でコリンズ、第三章「世界一有名な探偵の登場」でドイル、第四章「トリックと人間性」でチェスタトン、第五章「暴かれるのは誰か」でクリスティー、そして最終章で「英国ミステリーのその後ー人間学の系譜」。
英国古典ミステリーを解読した本はいくつもありますが、その中でも非常にわかりやすい一冊でした。
何年かに一度は読み返しています。

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2015年4月29日 (水)

2014年10月の読書 その2

サクサクメモっていきます。

○新読

 

河童のクゥー6年目の夏休み 著:原 恵一、丸尾みほ/原作:木暮 正夫(双葉社)
若き日本の肖像ー1900年、欧州への旅 著:寺島 実郎(新潮文庫)
江戸学講座 講師:山本 博文/聞き手:逢坂 剛、宮部 みゆき(新潮文庫)

○再読 

 

世紀末の街角 著:海野 弘(中公新書)

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※読書順、敬称略です。

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「河童のクゥー6年目の夏休み」

クゥとさよならしてから6年目、康一は進学校の高二になっていた。みんなについていけず、ほんのり鬱な日々…。そんな彼のもとに小学校時代の同級生、紗代子から手紙が…。「わたしね、クゥちゃんに良く似た男の子の噂を聞いたの」「被災地でボランティアをしていて、手伝ってもらったお礼にオニギリあげると、『ありがとうごぜえやす』って云うんだって!」一緒にクゥを探しましょう、という誘いを受けて、康一の夏は俄然暑く、熱くなる! (「BOOK」データベースより)

6年後の康一の話は、プロローグとエピローグに出てくるだけの、アニメ映画「河童のクゥと夏休み」を小説化した作品でした。
でも、この映画が大好きで、DVDも買った自分にとっては、十分楽しめました。
特に、エピローグは、ファンに向けての、素敵な贈り物だったように思います。

「河童のクゥと夏休み」の原作本とDVD。
クゥが好きすぎて、ぬいぐるみまで買ってしまいました。今のところ、我が家にある唯一のぬいぐるみです(^^;;

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「若き日本の肖像ー1900年、欧州への旅」

西暦1900年――。『坂の上の雲』の主人公・秋山真之や英留学に向かう途上の漱石はパリ万博を訪れていた。そしてロンドンには南方熊楠、ウィーンには青山光子。二十世紀を迎える欧州で、新しい世紀の熱い息吹に触れた若き日本人たちの精神と足跡をたどり、近代日本の源流と歴史の深層を見つめ直す。新潮選書『二十世紀から何を学ぶか〈上〉一九〇〇年への旅 欧州と出会った若き日本』改題。 (「amazon」内容紹介より)

1900年前後の欧州を並列に描くことで、二つの大戦の予兆がどのような形で現れていたかを著わしています。
欧州の人種問題及び宗教問題の根深さ、深刻さは、現代に至っても、日本人には理解できていないかもしれない。DNAレベルで理解できない気がするのです。それは隣国に対しても同じかもしれない。
しかし、事実を多角的に把握することはできるし、皮膚感覚に囚われないからこその日本の外交はできるのでは、と思いました。
なお、政治的動向は仔細に書かれていますが、文化面は少なかったです。

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「世紀末の街角」

今日、西欧世紀末のデザインは、ファッション、室内装飾、工芸品などに目覚しい影響を与えている。アールヌーヴォーの芸術は美術館や画廊のなかの美術ではなく、ポスターから地下鉄の飾り金具にいたる街の芸術であった。この視点から一九〇〇年のパリ、ロンドン、グラスゴー、ウィーン、ミュンヘン、ミラノ、ペテルブルグ、七都市へのタイムトラベルを試みて、読者をアールヌーヴォーの夢に包まれた都市空間へいざなう架空旅行記。 (帯より)

こちらは、欧州の同じ時代を文化面をメインに書かれています。
専門用語も多く出てきますが、決して堅苦しくなく、例えて言えば、ツアー参加者の中に、ロマンスグレーの紳士な大学教授がいて、ガイドよりはるかに、博識・見識の高い説明を流暢に話してくれる、みたいな感じ。←ややこしい例えでごめんなさい(^^;;

現代から当時の文化を振り返るだけでなく、当時の風俗とともに、もし、リアルタイムでアールヌーヴォ(新しい芸術)に出会っていたら、どう感じただろう、という想像が楽しいです。
白黒ではありますが、挿絵も多く、アールヌーヴォーの入門篇としても大変勉強になった本です。

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「江戸学講座」

能力があり過ぎたため、出世できなかった長谷川平蔵。出張の費用に当てるため、娘を遊女屋に預けて、お金を借りた旗本…。武士たちの出世競争から、治安維持と災害対策、海外貿易まで、二人の人気作家の鋭い疑問に、東大史料編纂所の山本教授が明快に答え、意外な事実が明らかに。手練作家たちも思わず唸った「江戸時代通」になれる話を満載。(「BOOK」データベースより)

テーマは「憧れの就職先、奥女中」「武士の就職戦争」「大名・旗本の出世競争」「勤番武士の日常生活」「江戸の犯罪白書」「江戸の火事」「安政の大地震」「武士の転勤・公務出張」「お伊勢参り」「鎖国」。お上から民衆の暮らしぶりを網羅しています。
話し上手と聞き上手の問答形式で、楽しくすらすらと読めます。
試験には出ないことがほとんどですけれども、時代劇を見るのに、大変に参考になる本です。
江戸幕府がとても高度な行政組織だったこと、しかし、どんなに優れた組織でも、終焉がくることを改めて感じました。

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2015年4月 8日 (水)

2014年10月の読書 その1

サクサクメモっていきます。

○新読

月は誰のものー髪結い伊三次捕物余話 著:宇江佐 真理(文春文庫)
幸子さんと私ーある母娘の症例 著:中山 千夏(朝日文庫)
先生のお庭番 著:朝井 まかて(徳間文庫)

○再読 

天正十年夏ノ記 著:岳 宏一郎(講談社文庫)

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※読書順、敬称略です。

「月は誰のものー髪結い伊三次捕物余話」


江戸の大火で別れて暮らすことになった髪結いの伊三次と芸者のお文。仲の良い夫婦をめぐる騒動を夜空にかかる月が見守っている。伊三次の色恋沙汰、お文の父親のこと、八丁堀純情派に屈した無頼派のその後・・・。長女・お吉が誕生する頃の、語られることのなかった十年を描く傑作長編。大人気シリーズ、初の書き下ろし!(ブックカバーより)

シリーズ9作目「今日を刻む時計」は、8作目「我、言挙げす」で大火事にあって伊三次一家が家を焼け出された10年経過後のお話。
その10年間、伊三次たちがどんな暮らしをしてきたかを描いたのが、このシリーズ14作目です。

火事の後、やむを得ず家族離散となってしまった伊三次とお文一家。
臨月間近でもお座敷に出て日銭を稼がねばならないお文。
いつもと変わらず気丈には振る舞っているけれども、心細さは否めない。
そんなお文を支えてくれる周囲の人たち、そして偶然再会した生き別れの父の、粋な優しさ。
お文と生母の章は、夢かパラレルなのか判然としない設定で、結構シニカルな内容でしたけれども、本作の父との絆はしみじみと描かれていました。
この挿話だけでなく、全体的に以前より、作者の視線が優しくなっているように感じます。

伊三次が家族と離れて暮らす寂しさから、ある女性に淡い淡い気持ちを抱くというのも、ずっと恋女房、お文一筋の伊三次には初めての挿話で、しんみりと楽しめました。
中途で終わった感のある「無頼派」のその後を描いてくれていて、伊三次シリーズファンにはまことに嬉しい一冊です。

「天正十年夏ノ記」

天正年間―信長は天下統一をめざし将軍・義昭、武田信玄、上杉謙信、顕如上人らとの戦いに勝利を続ける。天皇をも凌ぐ神の座に就こうとする征服者との交渉役をつとめた正親町天皇の秘書官・勧修寺晴豊。この青年貴族の目を通して未曾有の動乱期をしたたかに生き抜いた天皇と公家たちを描く渾身の歴史小説。 (「BOOK」データベースより)」

作者、岳 宏一郎(たけこういちろう)は「多数の文献を参考に作り上げるために、寡作である。」(wikiより)。

本作は資料を駆使しての歴史小説であるとともに、語り部、勧修寺晴豊が、安土城の構造を探ることで、信長の野望の本質に迫っていく、という推理小説でもあります。

今は絶版のようですので、ネタばれを少し書きます。
「安土には神霊が宿っているのだ」「竹生島を浮かべた、ひたすら青い、神秘的な湖があった。まるで宇宙の箱庭であった」(解説より)
つまり、天皇の神性に対抗するために、新たな神性を持とうとした信長の、安土城は依り代である・・・そのことに気がつき、恐れ慄く勧修寺晴豊。

信長が始めて上洛した時から、終焉までのおおよそ15年を、文章の格も高く、リアリスティックかつ、お公家さんが主人公のためか、どこか雅に描かれています。
官位が変わるたびに呼び名が変わるお公家さんの名前って、やっぱり覚えにくい(汗
久しぶりに読みましたが、初読の時と変わらず、面白く読みました。

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「幸子さんと私ーある母娘の症例」

子役、女優、政治家までマルチに活躍した著者が、長年人生を共にした母・幸子さん。彼女に囚われ縛られてきた日々を整理し、分析しながら振り返るエッセイ。家族とは何かを考え直すための思索に満ち、母娘関係に悩む人にとってヒントともなる画期的な記録。  (「BOOK」データベースより)

「ある母娘の症例」よりも、著者、元女優及びタレントの中山千夏氏に興味があって購読しました。
中山千夏、と言えば「ひょっこりひょうたん島」の博士や「じゃりん子チエ」のチエちゃんなので。

本作は母を「幸子さん」としか呼ばない、著者が、亡き母へ思いを整理することを目的として書かれた作品です。
ご本人があとがきに書かれていますが、本作を書いていくうちに、怒りや反発は浄化されていったのでしょう、思ったより生々しくありませんでした。
憎しみや葛藤と同じくらいの愛情がはしばしに感じられるほどです。
でもそれは、もう亡くなってしまったからであって、同じ空気を吸っていたら、このように客観的には書けなかったかもしれません。

著者は名子役でしたが、幸子さんは所謂ステージママではありませんでした。
しかし、自分の望む"娘像”は確固たるものがあったようです。そこには自分の母、すなわち幸子さんの母(著者にとっては祖母)との関係の影響も大きかった、というのが、祖母の生い立ちまで調べた上での、著者の推測です。
やがて、幸子さんから押し付けられた"娘像"から飛び出して自分の世界(主に政治活動)を求めはじめる著者。
しかし、幸子さんは、自分の理解不能な世界に娘が旅立つことが許せなかったのです。女優及びタレントの娘の収入が一家を支えていたためもあります。

本人が認めているように、著者がかなりお金にルーズだったこともあり、別居した後は、お金にまつわるトラブルが母娘の葛藤の要因となっていました。
著者のルーズさが半端ないので、はっきり言って、こういう娘を持ったら、幸子さんも大変だっただろうな、と思っちゃいました。
でも、娘はそれで喰うに困ったわけではなく、何より自分が稼いだお金を自分の好きなように使っているわけですし、幸子さんもそれなりの生活を維持しているのですから、自己責任、と放ってしまえばいいのですが、それができなかった。
そして娘の方も、幸子さんを切り捨てられなかったのです。

母と娘。著者は経済的に自立しているから、まだましだったと思いました。それゆえの問題は起こりましたけれども。
精神的葛藤にお金が絡むなると、重いです。

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「先生のお庭番」

出島に薬草園を造りたい。依頼を受けた長崎の植木商「京屋」の職人たちは、異国の雰囲気に怖じ気づき、十五歳の熊吉を行かせた。依頼主は阿蘭陀から来た医師しぼると先生。医術を日本に伝えるため自前で薬草を用意する先生に魅せられた熊吉は、失敗を繰り返しながらも園丁として成長していく。「草花を母国へ運びたい」先生の意志に熊吉は知恵をしぼるが、思わぬ事件に巻き込まれていく。 (「BOOK」データベースより)

熊吉が崇拝するシーボルトは、美しく、賢く、気位が高くて時に気難しくはあっても、挙措振る舞いも、他の偉人と比べても立派な人です。初めて出会った西洋文化が、シーボルトからもたらされたことは、熊吉にとって幸運でした。
恐らく、シーボルトの弟子たちも熊吉と同じように崇拝したのでしょう。

しかし熊吉は、園丁という仕事を通じて、次第にシーボルトの、東洋の小国への蔑視も多少ふくまれているかもしれない、西洋の考え方に違和感を覚えるようになります。しかし、熊吉はそういう思いに封印して、ひたすらシーボルトのために尽くすのです。
シーボルトが本当は何を感じていたかは、描かれていません。植物を採集がごとく、日本人の習慣や風俗を採取していた一面はあったように思わす部分はありました。
しかし、それは一面であって、人間はもっと多面的なのです。
熊吉を通じて、シーボルト像が浮かび上がってくる作品でした。

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