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カテゴリー「□おそろし―三島屋変調百物語」の5件の記事

2014年10月 1日 (水)

おそろし―三島屋変調百物語 最終夜「家鳴り」

公式サイト

兄・喜一(石垣琢磨) と久しぶりに再会したおちか(波瑠)。しかし、喜一がもたらした話は、奇妙なものだったで、もしやと思い、おちかのもとを訪ねたのだった。その頃、越後屋の清太郎(川口覚)は、おたか(小島聖)の様。実家の旅籠に松太郎(満島真之介)の幽霊が出始めたというのだ。松太郎の幽霊は、どこかへ向かうと言うの子がおかしなことに気づき、おちかを、越後屋の座敷牢にいるおたかと会わせる。おたかの瞳の中に異様な人影を見たおちかは、ひとり不思議な別世界へと迷い込む...。(公式サイトより)

原作概読です。

最終話ですので、せめてポイントになるセリフのみでも抜き出そうとしたら、めちゃくちゃ量が多くなってしまって(汗)
完璧にはとれませんでした。
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おちかから、百物語を聞かされていると聞いて喜一は怒ります。
ただでさえ惨い過去があるのに、何だってそんな酔狂なことを。怪は怪を呼ぶというのに。
しかしおちかはなだめます。

無理強いじゃないし。
最初のうちはわけがわからなかくって腹も立ったけど、今は違う。

不幸なのは、私だけじゃないってことでちっとは救われたってことか?と喜一。

そんなちまちましたことじゃないの。
うまく言えないけど、二との話を聞くことで、自分が怖がっているものの正体を素人しているんだと思う。
正体がわからないで、闇雲に怖がって逃げ回っているより、そのほうがいいってことがわかってきて。

強くなったおちか。
それでも喜一は、何か怖いものを見なかったか、と心配します。
それは、松太郎の幽霊が丸千の喜一の下に現れて、自分でもよくわからないうちに呼ばれて、迷い出てきてしまった、と言ったからでした。
「そっちに参ります。」と言って消えた松太郎。
そっちとはどこなのか、おちかのところじゃないのか、と心配して喜一は三島屋へやってきたのでした。
でも、おちかは松太郎の幽霊には会っていない。

どうやら、松太郎の幽霊が現れはじめたのは、おちかが松田屋さんの話を聞いた頃らしいことがわかりました。

それまでは思い出すというより、ふいっと浮かんだ記憶を、辛くて悲しくて大急ぎで押し隠していたのだけれども。
変わり百物語をはじめてから、自分で思い出すようになって、しっかり見詰めるようになった。
だから私が松太郎を呼んで、丸千に出てきたのかもしれない。

だったら、なぜ今ここに松公がいねえんだ、と不審がる喜一。
そこへ、おたかの様子がおかしいため、おちかの身を案じた清太郎が駆け込んできます。

伊兵衛に炊きつけられて、清太郎を妹婿として値踏みする喜一。
きっと良助の時もそうだったのでしょう。
一度目の縁談の時は、兄として、とても妹の婿にはできないと思ったから。
二度目の時は、これなら大丈夫、と思ったから。
そこに松太郎の存在が入る余地はなかったのです。

清太郎曰く、おたかが、お客様が来る、その人の名は松太郎、おちかさんの知ってる人、と呟いたそうで、しかも松太郎は死人だと言うのです。
「あの子は死人に憑かれているから。」
だからおちかも"こちら"に来る・・・

なぜ、と不審がる伊兵衛 、お民、喜一と清太郎。

安藤坂のお屋敷が人の魂を求めているから。
そして私はおたかさんを知ってしまったから。
みんな繋がっているの。
あのお屋敷はそういう場所なのよ。
燃えてなくなったお屋敷は、おたかさんの中にあるの。

おちかと喜一は清太郎とともに越後屋に乗り込みます。

座敷牢、と言っても、暗い穴倉のようではなく、本当に格子をはめただけの座敷にぼんやりと座るおたか。
そのおたかの瞳の中に、少女の姿を見、次に松太郎を見てしまったおちか。
その時、家鳴りがして・・・おちかは忽然と姿を消してしまいます。
あわてふためく喜一と清太郎。

おちかは、おたかの中にあるお屋敷にいました。

少女のおたかの後を追って、誰もいないお屋敷の中を走り回るおちか。

ふと視界が開けると、色とりどりの着物が虫干しされている庭。
少女のおたかがおちかを誘おうとしますが・・・

「あんた、一人じゃなかったね。ずるい、うそつき。」

ふと土蔵を見ると、入り口におたかと松太郎が立っている。
ふらふらと歩み寄るおちか。

しかし、その時、おちかの腕をとって止めるものがいました。
それは死んだはずの松田屋さん。
おちかはいつの間にか、曼珠沙華の花畑の中にいるのでした。

「この曼珠沙華の中に隠れていれば、大丈夫」

お墓の花、縁起が悪いと忌み嫌われる曼珠沙華が、今はおちかを守ってくれているのでした。
曼珠沙華が守り花となってくれているのは、松田屋さん、そして松田屋さんの気持ちを聞いたおちかの心が合わさったから。

着いてきてくれたのは松田屋さんだけではありません。
悲劇的な最期を遂げたお彩と市太郎も一緒です。

驚くおちかに。

「お嬢さんが聞いてくださったからですよ」
「私たちの胸の痛みを」
「生きていた時のあやまちへの後悔を」
「聞いて、わかってくださった」
「心のうちで涙を流してくださった」
「そんな酷いことは人ごとだと、愚かで忌まわしいと、顔を背けず」
「わがことのように悼んでくださった」
「私どもの罪は、お嬢さんの魂の一部になり」
「涙で清められました」
「お嬢さんのおかげで、解き放たれたのです」

口々に礼を述べる三人。

「おちかさんを苦しめているものが呼ばれて、ここに来ている」

と、松田屋さん。

松太郎・・・思わず松太郎を庇うおちか。

「でも、松太郎のしたことがお嬢さんを苦しめている
思いは別でも、しでかしたことは消しようもありません
お嬢さんを苦しめたことで、松太郎もまた苦しみ、迷っている
屋敷はそういう魂を欲している」

ならば、松太郎も放ってはおけません。
みなでここを出て、屋敷をからにしましょう。

その時、鏡が割れました。
お吉の魂が外に出られた、そして宗助もやってきた、とお彩と市太郎。

「おちかさんが思ってくれたから」

お屋敷へ戻るおちか。
長い間、わけもわからず一人ぼっちだったことを怖がるお吉を宗助に任せます。

おたかを探しつつ曼珠沙華の花畑にやってきた清六を迎える松田屋とおちか。
現世では全く見ず知らずの三人ですが、今はおちかを通じて親しき仲になっています。

そこへ辰二郎一家もやってきました。

かつて起こった惨劇の跡形もなく、のどかに挨拶を交わす清六と辰二郎。

子供のおたかさんは一人で一家を守ろうとしていたんですよ。

それで、逆に餌として囚われてしまった。

非道です、ずるいことです。

義憤するおちかに、松田屋さん。

「この屋敷のあるじは、そういうものなのです」

松太郎を連れ出さねば、この屋敷を打ち負かさねば。

「お嬢さんが私たちにしてくださったことを、今度はこの屋敷のあるじにしてやってください」

と、蔵の中からおちかを呼ぶ、松太郎とおたかの姿が。

おちかは、凛と黒白の間の作法を踏んで、蔵にのぞみます。

そんなおちかを、本当は俺を恨んでいるだろう、と鼻で笑う松太郎。
しかし、おちかは負けません。

松太郎さんではない、誰か。あなたはどなたです。
松太郎さんの中に隠れているのは!

赤い光が増して・・・崩れ落ちる松太郎。

我に返り、どうしてこんなところに呼ばれたのだろうと、怯える松太郎の手をとり、あやまるおちか。

思いつめてしまったのは私のせいですよ。
私の驕り、浅ましさ。
私だけじゃない、兄も・・・

そこへ家鳴り。

「うまいこというな、この尻軽女」

松太郎の表情が一変し、おちかの首を絞めはじめます。
おたかが、松太郎の腕に噛み付いて、おちかを助けました。

再び我に返った松太郎は、泣きむせびます。

「俺ははぐれ者でした。生まれてこない方が良かったくらいだ

 

俺を崖から捨てたのは、おやじです

 

丸千のみなさんにはどうしても言えなかった
言ったら、またみなさんにも捨てられるような気がして
親に捨てられるような子を、人様が大事にしてくれるはずがない
だから言えなかった

 

それが俺のひがみになった、怯えになった
でも、丸千のみなさんはこんなはぐれもんに、いつも優しくしてくれた

 

なのに、どうしてあんなことをしでかしたのか
あの時、あの刹那、俺は人でなしになってしまった」

松太郎さんは私たちの家族でした。
松太郎さんが丸千に来てくれて、私は本当に嬉しかった。

また家鳴りがおき、松太郎の姿が消え、蔵の扉が閉まろうとします。
松田屋さんたちが必死で止めようとしますが、力およばず。
何とかおたかを外に出し、一人閉じ込められるおちか。
蔵には鍵・・・あの、いつの間にか空いてしまうという、あまりの禍々しさに清六が焼いてしまった鍵が独りでに掛かってしまいました。
思わず顔を見合わせる、師匠と弟子。

お静まりなさい。
私は逃げません。

おちかは、家鳴りの元と思われる大きな長持の蓋を開けました。
しかし。
中は・・・からっぽ。

こんなからっぽのものが、あなたの正体なのですか?
これがあなたのお話ですか?

その時、からっぽの長持の底がなくなり、その先に闇が黒く渦巻くとともに、ぶきみなすすり泣くような、歯軋りするような声が響き渡ってきました。

魅入られたように、底なしの闇をみつめるおちか。

私がここへ入ればあなたは満足なのね。
そして、私は苦しみから逃れられる・・・

長持の中に入ろうとした刹那、松太郎に止められました。

「入ったら、出られない」

いつものおちかに戻りました。

ちょっと弱虫になってたの。

そして長持の底に呼びかけます。

忘れられることが悲しいのでしょ。
忘れられていくことが、悔しいのでしょ。

 

私たちは、忘れません。
すべて遠い昔のこと。
悲しみ、苦しみ、恨みと怒り。
それはすべて、時を越えて残ります。

 

あなたもここから出たいのですね。
私と一緒に外へ出ましょう。

その時、蔵の鍵は清六と辰二郎の手によって、扉が開きました。

そのまま、振り返らすに外へ出ましょうと、松田屋さん。

蔵の扉が放たれた今。
おちかとおたかを残して、曼珠沙華の花畑のかなたに次々と消えていく人々。
おたかはやっと家族にお別れを言うことができました。

何もかも終わった、と思ったその時、辰二郎を惑わし、度々おちかの周囲を伺っていた「番頭」・・・謎の男が姿を現します。
その正体は。

「私はあきんど、私が仕入れて売るものを、欲しがる人たちへ与える。
二つの場所を繋ぐ道筋で、お客様を相手にしている。」

二つの場所・・・あの世とこの世・・・

「あなたのような人がいるおかげで、私の商売も成り立つんです。あきんどですよ。三島屋さんと同じ。」

商売?お屋敷のやってきたことを知っているおちかは、もちろん納得がいきません。

「けどね、おちかさん。
良助さんのことはどうでもいいんですか?
あの人は、丸っきり、殺され損だ。
あんたが松太郎を許したいとばっかり思うもんだから、良助の怨みと悲しみは、棚上げだ。」

謎の男の顔が一変、良助になりました。

「おちか
お前は松太郎を許すことで、自分を許そうとしている
全部自分の都合じゃないか
俺はどうなるんだ」

あなたは良助さんじゃありません!
良助さんを忘れることは、決してありません。

「おちか、おれは・・・」

ここで、謎の男に戻りました。

「あっという間に殺されちまったから、迷う暇もなかったってことか。
仕方がない。
これでいよいよ御しまいですな。

 

あんたはこれからも生きていく。
また会う機会がありそうだ。
あんたの話は終わっちゃいない。
あんたとの商いは、この先、まだまだ続くでしょう。これからが楽しみだ。
腹の底から、楽しみですよ。」

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お屋敷には、かつてそこで暮らしていた人たちの想いが渦巻いていた。
しかし、時がたち、悪い噂ですら、思い出す人々も稀になってしまった。
忘れ去られる悲しみから、次々と新たな悲しみを巻き起こしていたのでしょうか。

おちかに話を聞いてもらって救われた人々。

文字通り、憑き物が落ち、穏やかな表情になったお彩と市太郎。
この二人は姉と弟として生まれてきたのが間違いだったのでしょう。悪縁、とでもいいましょうか。
しかし、その悪縁も清められました。
お吉はお彩と夫のことを知らぬまま、閉じ込められていたのでしょうか。
そうであっても、今は嫉妬や怨みは浄化されたようです。
現世での確執からの解放。

清六と辰五郎の、のどかな挨拶には、思わず涙しました。
成仏する、ということとは、こういうことなのかもしれません。
自分の肉親たちも、こういう表情で旅立ったと思いたい・・・

松太郎の、おちかへの執着心が、男女のことではなく、自分の存在価値への自信のなさから生まれたものだったのが、哀れでした。
丸千にしか、自分の居場所がない。
そう思い込んでしまった、思わざるおえない環境に育った松太郎。
自分の存在が否定されることへの僻みと怯えの心の隙に、魔が入ってしまった。
これは松太郎に限ったことではない、という怖さも感じました。

聞き手の魂を救ったおちか。

負のオーラを出している人には、なるべく近づかないようにしているわが身を振り返ってみて。
相手の話をすべて相手の立場になってきちんと聞く、というのは大変なことだなあ、思わずにはおれませんでした。
しかも、ブラックホールのような悲しみ、苦しみ、恨みと怒りをも受け止めるとは。
考えさせられました。

そして、自らも闇を抱えていたおちか。
だから次の餌として狙われました。
謎の男は、悲しみのあまり怨みと化した魂に、新たな、闇を抱えた魂を「与えている」。

仕入れて売るものを、与えているって、意味深です。
魂を仕入れて、売るのでしょうか。

今回は安藤坂のお屋敷に打ち勝つことができましたが・・・
良助のことは、これで本当に終わったのでしょうか。
おちかは、解き放たれていない怨みや悲しみが渦巻くこの世で、これからも生きていかねばなりません。
新たな闇に巻き込まれ、悲しみ、怨みを抱え込むこともあるかもしれない。

原作はまだ二作目「あんじゅう」までしか読んでいません。
二作目は連作短編だった一作目とは違って、独立した短編集です。
その中に、おちかに良助の影を感じさせる人物も登場するのですが、思い過ごしであって欲しい、と願わずにはおれませんでした。
謎の男は、三作目「泣き童子」に登場するようです。
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原作に非常に忠実で、かつドラマ化にあたっての緻密な計算が隅々まで行き渡った脚本でした。
まさしく本の世界に迷い込んだがごとくでした。
メインライターの金子さんは演出も手がけておられたのですね。
怪談特有の、シーンとした空気感に魅入られました。

キャスティングも良かったです。
黒白の間の語り部たちの話には居住まいを正して聞き入りつつ、三島屋さんたちの明るさと日常に救われました。
特にシリーズの核になっているおちかを演じた、波瑠さんの、か細いけれども、凛とした佇まいが素晴らしかったです。

ぜひ続編を期待したいところなのですが、原作を読むと、そのままドラマ化する、というのは難しいような気もしました。
でも、多少アレンジしてもよいので、ぜひ作って欲しいです。
今回と同じスタッフなら、アレンジしてあっても安心して見れると思います。

スタッフ、キャストの皆さん、ありがとうございました。

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2014年9月26日 (金)

おそろし―三島屋変調百物語 第4夜「魔鏡」

公式サイト

おちかの境遇を知って同情したおしまは、次の語り部に、かつて自分が奉公していた店のお嬢さんを呼んだ。お福(佐藤江梨子) というその女性は、自分の姉兄におきた、鏡にまつわる因縁話をする。恐ろしい体験に心をふさいでいるのは、おちかばかりではないと慰めるお福。しかし、おちかの心の闇は深く、おしまやお福に感謝しながらも、わだかまりが解けるわけではなかった...。(公式サイトより)

原作概読です。

身辺がばたばたとしておりまして、中々PCの前に座れずじまいでした。
今回は感想のみ、簡単に書くことにします。

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繁盛しているお店、優しくて働き者の両親、忠義一途の番頭がいて、美男で優しい兄がいて。
そこへ、絶世の美女に育った姉が、病も癒えて16年ぶりに戻ってきた。
何ひとつ欠けることのない、幸せな一家・・・のはずだったのが、姉、お彩が戻ってきてから、坂から転げ落ちるように不幸になっていく。

それが、お福の語った話でした。
年頃になって、ぴたりと直った姉、お彩に取り付いた病のことを、お福は、呪い、だと言いました。

お彩と市太郎の気持ちは、いくら離れて暮らしていたとは言え、理解しがたいです。
しかし、自分たちでは何ともしがたい思慕の気持ちが、お福の言う通り「呪い」であるならば。
ここで言う呪いというのは、誰かに呪われて、操られて、ということではありません、自分自身の中に潜む、暗い、深い闇のことです。

二人の強烈な思慕の思慕の念が、父と母を殺人者にしてしまった、というのも恐ろしいです。

お彩が、一片の罪悪感もなく、両親に自分の気持ちを伝えるシーンには、薄気味悪さで、鳥肌が立ちました。
市太郎は、最初からお吉をお彩の魂に差し出すつもりで結婚したのでしょうか。形見の鏡は、そのためにとって置いた、とも思えます。

人を好きになる、というのは、一歩間違うと呪いになるのかもしれない、と思うとぞぞっといたしました。

お福の話を聞いても、自分を責め続けるおちか。
では、どうしたら良かったとお思いですか、とお福に問われます。
松太郎を苛め抜いて、店を出て行くようにすれば良かったのですか。
答えられないおちか。

お福は、引き取られて後、姉の亡霊が枕元に出たことを話します。

「私は枕元にいる姉に話しかけました。

 

姉さん、私は元気です。
もう、あんまり泣いたりしなくなりました。
だけど、姉さんが顔を見せると、すこし、怖いです。」

福ちゃん、ごめんね。

「それっきり、姉は姿を現さなくなりました。」

満足、されたんでしょうね、とおちか。

「おちかさん。
亡者は確かにおります。
けれど、それに命を与えるのは私たち。
ここでございます。」

と、自分の胸に手をあてるお福。

「同じようにも、浄土でございますよ。
ここにございます。」

話の途中で、語り手である佐藤さんが化けるんじゃないかと、どきどきしてしまいました(^^;;

お民の言う通り、亡霊になってまで、お店のことを思う番頭や、お吉が哀れでした。
彼らは成仏できたのか、お吉は鏡の中に閉じ込められたままなのかどうか。

次週、最終回。
おたかのうちに潜んでいた土蔵が開く・・・

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「おそろしー三島屋変調百物語事始」読書感想

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2014年9月18日 (木)

おそろし―三島屋変調百物語 第3夜「邪恋」

公式サイト

期せずして、おちかは女中頭のおしまに自らの陰惨な過去を語ることになる。川崎の旅籠に生まれたおちかは、拾われ子の松太郎(満島真之介) と兄妹のように育った。長じて、おちかに縁談の話が持ち上がったとき、ちょっとした行き違いから松太郎が婚約者の良助(松田悟志) を惨殺し、自殺を遂げるという事件が起きる。それは、松太郎の歪んだ育ち方が、積年の恨みとなって噴出した事件であった...。(公式サイトより)

原作概読です。

今回の語り部はおちか自身でした。
聞き手は、おしま。

おちかは、まず、半年前に婚約した、と語りだします。
相手は同じく川崎の旅籠の息子、良助。
おしまに、どんな人、好きだったの?と聞かれて、うなずきます。

幼馴染だった二人。
兄、喜一と一緒に、幼い頃は仲睦まじく遊んでいた、と。

ここまでは微笑ましい話。おちかの表情もなごやかです。

ところが、松太郎がやってきてから一転してしまったのです。

松太郎とは、ある寒い晩、断崖絶壁にある松の木の枝に引っ掛かっていたところを宿場の皆で助け上げた、男の子のことです。

おちかの旅籠、丸千に担ぎ込まれ、皆の必死の看病で、左手の指を凍傷でなくしはしましたが、なんとか命は取りとめた少年。
本人が何も語らないので、川崎にたどり着くまでのことも、なぜ松の木の枝に引っ掛かっていたのかも、そして名前すら、一切わかりません。

丸千のあるじ、すなわち、おちかの父の喜兵衛たちは助けられた場所から、松太郎、と名づけて世話を焼きます。
けれども、喜一と良助は松太郎を苛めたのです。
止めるおちか。
松太郎を苛めたことを父から叱られた喜一。
のちになって、父が松太郎の面倒を見ることにやきもちを妬いていたのだ、と兄は言ったそうです。

松太郎を発見した行商人が、自分たちには子供がいない、これも何かの縁です引き取りましょう、と言ってくれるのですが、喜兵衛は、行商という仕事がら、いつもは家にいないだろう、それではこの子が不憫だ、と渡そうとしません。
結局、松太郎の意思にまかせよう、ということになり、松太郎は丸千に残ることを選びました。

その後、松太郎から何か知らせされた喜一は、松太郎を苛めることをすっぱりやめ、なおも苛めようとする良助と仲違いをしてしまい、三人はもう一緒に遊ぶことはなくなりました。

おちか六才、喜一11才、良助九才の時のことです。

この松太郎が、おちかのいいなづけの良助を殺した、と聞いて憤慨し、松太郎をなじるおしま。
しかし、おちかは、自分のせいだ、と苦しげに語ります。

長じて、松太郎は働き者となり、跡取りである喜一が店を出て道楽にうつつを抜かすことが多くなった丸千に、なくてはならない存在となっていました。両親を含めて皆が、おちかが松太郎と一緒になって丸千を継げばよい、と軽口を叩くほどに。

軽口。そんなことはありえない。

うんと深い根っこのところで、線引きをしていたのです。

そんなとき、良助から縁談を申し込まれました。
しかし、良助は遊び人となっており、店も寂れてしまっている。
喜兵衛は、おちかには松太郎がいる、と煽りつつ、すっぱり断りました。

そんな頃、かつて松太郎を見つけた行商人が再び来店し、仕事をみっちり仕込んでやりたい、と、今一度松太郎を引き取ることを申し出ますが、喜兵衛は断ります。

あの時、松太郎を外へ出すべきだったのです、とおちか。
一生、抱えきれない恩を背負って丸千にいるよりは。

顔かたちが美しく、働き者の松太郎。
おちかもまんざらではなかった、いや、好きだった。
そんなおちかの様子を心配した母親は、喜兵衛にもおちかにも釘を刺さします。

父には、もう、心にもないことをいうのはよした方がいい。
おちかには、跡取りはあくまでも喜一。松太郎とは釣り合いがとれない、しょせんよそ者なのだ。喜兵衛は冗談を言っているのだ、と。

そう言われて、改めて周囲を見るおちか。
宿場には、飯盛り女という、家が貧しいが故に客に酌をし、体を売る女たちがいる。
彼女たちと自分たちの間には、越えられない一線がある。

おちかは、給金のいらない奉公人でしかない松太郎と、自分の間にも越えられない線がある、と悟るのです。

松太郎も身の程を心得ていました。
なのに、父や兄は、良助の店の顔を潰すために無責任に煽っていたのです。
それからは、今までのように松太郎と気軽に話をするようなことはしないようにしていたおちか。

しばらくして、もう一度、良助から縁談を持ちかけられました。
良助は改心して真面目になり、お店も持ち直しておりました。
仲違いをしていた喜一に頭を下げて兄さんと呼び、力をあわせてお店を大きくすることを誓う良助に、喜兵衛も喜一も満足そうです。
おちかも、幼き日々の思い出があるので、まんざらでもありません。

こうして縁談はとんとんと進むのですが、ある日、裏庭で二人が話をしているところに、松太郎が偶然居合わせた。
自分が場違いなところに居合わせたと知って、ばつの悪そうな松太郎。

「松太郎さんの顔を見て、どきりとしました。」

もちろん、松太郎は身の程を知っている。しかし、その場を何も言わずに立ち去るには、プライドが許さなかった。

「おめでとうございます。
差し出がましいようですが、お嬢さんをよろしくお願いします。」

ところが、この言葉に良助がキレたのです。

「差し出がましいどころか、図々しいにもほどがある。
つけあがるな!

お前なんかの居場所はねえ。野良犬。みっともない・・・罵倒したあげく、無抵抗の松太郎を殴り、蹴る良助。

「出て行け!」

引きつる松太郎。

「お嬢さんもですか、お嬢さんもそんなふうに思っていたのですか。」

思わぬ展開に立ちすくむおちかは、声も出ません。その瞬間。

「私の目の前で、良助さんを打ち殺しました。」

凶器はいつも薪を割っていた斧。
良助を打ち殺したあと、松太郎は逃げ去ります。

「許さねえ、俺のことを忘れたら、許さねえ。」

と言う言葉をおちかに投げつけて。

そして、松太郎は、その昔、宿場の人から助けられた、あの崖から飛び降りて死んでしまった。

どうして あの時 私のことを手にかけてくれなかったのでしょう
手にかけるほどの価値もない そんな女だったのでしょうか

泣き伏すおちか。
忘れられなくっても、前を向いて歩くしかない、としか言えないおしま。

遠く川崎の丸千に住む兄、喜一もまた、苦しんでいました。
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松太郎の最後の言葉は、矢のようにおちかを貫き、その矢は、おちかの心深くに突き刺さったまま。
あの言葉は、おちかにだけではなく、丸千、そして自分を取り巻く世界全てに対して吐かれた言葉なのかもしれません。

救われた義理で人生をがんじがらめに囚われてしまった青年。
生涯、ただ働きとは。
おちかの言うとおり、松太郎のことを心から思っているのならば、喜兵衛は手放すべきだったのです。
しかし、松太郎のことなど、本当は畜生と同じほどにしか思っていなかった。
そのことを一番わかっていたのは松太郎でした。なのに。
運命を受け入れていた彼にとって、良助への面当てでおちかとの間を煽られるのは、更なる辱めであり、残酷な仕打ちだったでしょう。

松太郎の話は、今までおちかが聞いた話と重なります。
だからこそ、話したくなるのでしょう。
普段は温厚なのに、かっとなると見境がなくなる青年。
何者かに心を囚われてしまった女性・・・

伊兵衛がおちかを百物語の聞き手にしたのは、今で言うカウセリングのためでした。

おちかの苦しみの根っこは複雑です。
単に松太郎のことを可哀想だと思えれば、楽なのかもしれません。
でも、それでは両親や兄と同じ。だから、そう思ってはいけない。
本当は良助より松太郎が好きだった、という単純なことでもない。

身分違いや親たちの思惑に振り回されてしまった自分が情けない・・・
松太郎を追い込んでしまったのは、誰でもない、私。
いつのまにか、自分を取り巻く、社会の大きな仕組みに取り組まれていた私。
そのことに気がつかなかった、気がつくのが遅かった。

おちかの、手をかける価値もなかったのか、という恨みともとれる言葉は意外でした。
そんなふうに受け止めたとは。
おちか自身の中にも、自分では抑えきれぬ何者かが住んでいるのかもしれません。

唯一の救いは、無慈悲ではありますが、良助との縁談がなくなったこと。
松太郎への態度を見ると、この先、放蕩がぶり返すだけでなく、今度はおちかを殴るようなるような気がしましたので。

今回はこの世ならざる怪奇なものは登場しませんでした。

原作では、松太郎がもう少し不可思議な存在として描かれていたような気がします。
ですので、お話全体の印象が違うように感じはましたが、ドラマもまた、人の心の危うさ、残酷さを描いていて、宮部さんのストーリーテラー(筋の運びのおもしろさで読者をひきつける小説家)としての凄さを存分に堪能できました。

おちかはどうしたら自分と向き合い、前を向いて歩くようになれるのでしょうか。
次のお話はあまり覚えていないので、楽しみです。

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「おそろしー三島屋変調百物語事始」読書感想

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2014年9月10日 (水)

おそろし―三島屋変調百物語 第2夜「凶宅」

公式サイト

叔父・伊兵衛の提案で始まった百物語。今回の客人は、おたか(小島聖)という妙齢の女性であった。おたかは、おちかにある屋敷で起こった不思議な話をするが、なぜかおちかの素性を知っているような口ぶりで、おちかをその屋敷へと誘おうとする。そこへ、おたかの身元引受人である清太郎(川口覚)が飛び込んでくる。おたかを連れ帰った清太郎は、後日、おちかと伊兵衛を、屋敷の跡地へ連れて行き、そこにまつわる因縁を明かす...。(公式サイトより)

原作概読です。

先週に引き続き、原作に忠実に作ってありました。
と、言っても読んだのは2年ほど前ですので、細かいところは覚えていないのですけれども。
雰囲気が、すごくいいです。

お化け話収集に大乗り気の、好奇心旺盛な伊兵衛。
怪を語れば怪来る、なので、やめた方がいいのになぁ、と思ったら、おちかも案外乗り気です。
こちらは好奇心からではなく、人の話を聞くことで、自分に起きた出来事の不可解な部分が少しでもわかれば、と思っている。
いや、今はそうはっきりと自覚しているわけではないけれども。

越後屋の養女、おたかが語りだしたのは、お化け屋敷の話でした。

以下、セリフを含めての、概略です。

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おたかが幼い頃。
流しの錠前屋だった父親、辰二郎におっかさん、兄、姉、弟と、貧しくも仲睦まじく暮らしていました。

ある時、辰二郎は、風に飛ばされて生きた小袖が縁で、りっぱなお屋敷に足を踏み入れます。
番頭、と名乗る不思議な男から、屋敷内にある土蔵の錠前の鍵を作るように依頼されます。
鍵を作成するために錠前を預かる時に、この錠前は妻子に決してみせてはいけない、と言い渡される。

見たことのない錠前に苦戦する辰二郎は、師匠、清六に相談します。
あ、人に見せた。
家族以外なら大丈夫なのか、と思いきや、清六は錠前に「噛まれる」し、清六の孫は大熱を出してしまう。
こんな薄気味悪いもの、と清六は錠前を火にくべてしまいます。

錠前を焼いてしまった・・・屋敷に行って番頭にあやまる辰二郎。
しかし、番頭は怒ることなく、ならばお前が作ればいい、と。
だたし条件がある。
この家に、1年間家族と一緒に住むこと。

何となく薄気味悪さを感じ、すぐに断ろうとする辰二郎でしたが、番頭の出した条件に気勢をそがれます。

1年間住んでくれれば、百両渡そう。

もう、怪しさMAXです。
もちろん、妻も清六も大反対。

しかし、もうすでに辰二郎は屋敷に魅入られてしまっていました。
一家は屋敷に移り住むのです。

屋敷での生活は、思いもよらず、穏やかで楽しく、美しいものでした。
辰二郎の作る錠前がどんどん増えていくことを除いては。

このへん、ちょっと「シャイニング」ぽい怖さがありました。

ここで、おたかのお話は終わり。
え、終わり?と驚くおちかをみつめて、怪しげに微笑むおたか。

今もそのお屋敷に住んでいる。
あなたはどこにも行き場所がないのでしょう、ならば私と一緒に行きましょう。

詰め寄るおたかの瞳に、お屋敷をみたおちか。

「ねえさんっ」

その時、おたかの家のものが黒白の間に駆けつけ、と、同時におたかは気を失います。
駆けつけたのは、清六の孫、あの大熱をだした清太郎でした。
清太郎の口から、辰二郎一家のその後が語られます。

祖父、清六は、何代も住人が代わったお屋敷には、移り住む一家すべてから、必ず土蔵に閉じ込めなければならない人間がでる、という噂を聞きつけます。
番頭やらも素性がわからないらしい。

辰二郎一家を心配した清六は何度かお屋敷を訪ねようとしますが、その度に体のどこかに支障がおきてしまい、果たせません。
仕方がないので、人をやって半月に1度は顔を見せるように、と辰二郎に言付けます。
その約束は律儀に守られました。

が、丁度1年を過ぎた時。
辰二郎がこない。

胸騒ぎがした清六は、お屋敷にかけつけます。

そこで目にしたものは。
空っぽのお屋敷とたくさんの錠前、そして土蔵の前にただひとり座り込むおたかの姿でした。

何やら恐ろしげな気配を感じた清六は、おたかを連れて帰ろうとします。
その時、おたかの口から、おたかではないものの声が漏れました。

次はこの子。わたしのもの。

清六がおたかを連れ出したその晩、お屋敷は全焼してしまった。
以来、おたかは清六に引き取られ、清太郎とは実の姉弟のように育ったのです。
しばらくは、黙り込んだまま、様子のおかしかったおたかでしたが、そのうち口を開くようになり、新しい生活に溶け込んでいった・・・かのように見えましたが、清太郎は、おたかが元に戻っていないことを確信していました。

今のねえさんは、ねえさんじゃない。
今までも「お屋敷」に人を誘い込もうとしていた。
今までは周りの人間だけだったけれども、今度は外に出てしまった。
もう、いけない。
つらいことだけれども、牢に閉じ込めなくてはいけないかもしれない。

おたかの瞳にお屋敷を見た、とおちかから聞いた清太郎は、お屋敷があった場所におちかと伊兵衛を案内します。

更地になったままのお屋敷跡。

清太郎は話を続けます。

あの晩、祖父はお屋敷に戻り、そして、おそらく、火をつけたのです。
火事の跡から、祖父の遺体がみつかりました。
祖父だけでなく、他にもたくさんの骨が、土蔵の跡からみつかったのです。

おちかと伊兵衛は、清六がお屋敷に入ったときに目にしたものを推測します・・・土蔵の中に累々と横たわる、血まみれの辰二郎一家。

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かけてもかけても空いてしまう、土蔵にかけた「鍵のない」錠前。
人に見せてはならない、という禁忌、そして実際に起こった障り。
気味の悪い噂。
これら、怪談のお膳立てが揃っているにもかかわらず、怪異は姿をはっきりと現さない。
お屋敷での一家の生活が和やかであればあるほど、その後の凶事を予感させるのです。

極上の怪談噺。
じわじわとした怖さにどっぷり浸って、まんじりともせずに見入りました。

いつもお世話になっているブロガーさんの言われた通り、ほんと、落語を聞くよう。
今回は、おたか役の小島さん、辰二郎役の半海さんの語りが素晴らしく、映像がその語りと融合されていて、実に丁寧でした。

おたかの話はこれで終わりではありません。
彼女の中に何が住みついているのでしょうか。
最後までじっくり見てくださいませ。

※木曜時代劇の枠で、10月16日から宮部みゆきさんの「ぼんくら」が始まるとか。楽しみです。

NHKドラマトピックス

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「おそろしー三島屋変調百物語事始」読書感想

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2014年9月 3日 (水)

おそろし―三島屋変調百物語 第1夜「曼珠沙華」

公式サイト

原作:宮部みゆき「おそろしー三島屋変調百物語事始」(角川文庫)
脚本:金子修介、江良至/演出:金子修介、榎戸崇泰/制作統括:真鍋斎/音楽:中村由利子
出演:波瑠、佐野史郎、かとうかず子、宮崎美子、阿南健治、麿赤兒、村上淳、満島真之介、豊原功補、小島聖、佐藤江梨子

時は江戸時代、17歳のおちかは、川崎宿で旅籠を営む実家で起きたある殺人事件をきっかけに、他人に心を閉ざした。おちかの許婚が、おちかと兄妹同然に育ってきた男に殺されてしまったのだった。

そして今は、実家を離れ、江戸・神田三島町に叔父・伊兵衛が構える袋物屋「三島屋」に身を寄せ、黙々と働く日々を過ごしている。ある日伊兵衛は、いつも碁敵を迎える「黒白の間」におちかを呼ぶと、そこへ訪ねてくる人たちから「変わり百物語」を聞くように言いつけて出かけてしまう。そして彼らの不思議な話は、おちかの心を少しずつ、溶かし始めていく・・・。(公式サイトより)

原作概読です。

ストーリーは知っているので、ごく簡単な感想をメモることにしました。

公式サイトに宮部さんが書かれている通り、キャスティングがはまっていていました。
波瑠さんは着物姿、所作が美しく、陰のある寂しげな面影はイメージしていたおちかそのもの。
三島屋夫婦を演じる佐野さん、かとうさんも、元気すぎる女中頭、おしまの宮崎さんもそれぞれぴったりです。

1話は、商家の旦那、藤吉の話でした。

三島屋の庭に、なぜか曼珠沙華が咲き乱れます。
お墓の花、縁起が悪いと忌み嫌われる曼珠沙華、おしまたちはさっそく切ろうとしますが、世間から嫌われて肩身の狭い思いをしているだろう、せめてここでは咲かしてやりなさい、と止める三島屋伊兵衛。

しかし、伊兵衛の留守に伊兵衛の碁仇として訪れた藤吉は、曼珠沙華を見て顔色を変え、その理由をおちかに語りだします。

藤吉の、早くに両親を亡くした六人兄妹を守ってくれたやさしくて真面目な長兄は、若いけれども腕のいい建具職人だった。
しかし、たった一つだけ欠点を持ってた。
それは、一旦キレると我を見失なってしまうこと。
ある日、師匠の娘を謗られたときに、その欠点が爆発、謗った相手を殴り殺してしまった。

人殺しの身内ということで酷い苦労を強いられた残された藤吉たちは、出生を隠し名を変え、懸命に働いて、何とか手代にまで昇格することができたのですが、そんな時に兄が島流しから戻ってくる、と、兄の師匠から聞かされます。

嬉しい?とんでもない。

もし、兄のことがバレたら、きっと店から追い出され、何もかも失ってしまうだろう。
あんなに仲の良かった兄弟たちは、もう、どこで何をしているかもわからない。
自分は歯を食いしばって生きてきたのに、島流しから帰ってきた兄はねぎらわれる。

藤吉は兄に会うのをかたく拒否するどころか、憎しみはつのるばかり。
とうとう、兄の殺した相手の墓に参って、兄が死んでくれるように、と拝んでしまいます。

藤吉が呪いを唱えて数日後、兄は首をつって死んでしまいました。
死ぬ前に、曼珠沙華の咲き誇る中に、誰かの姿を見たらしい・・・

兄を見捨てるだけでなく、呪い殺してしまった、という記憶が、藤吉をずっと苦しめていたのです。
身内に犯罪者を持った人間の苦しみと憎しみ。それだけでは割り切れない、愛情の記憶。

因縁話ではありません。
藤吉が死を迎えた時の気持ちを、おちかがどう感じるが、結末でした。

若き日の兄と若き日の藤吉を近江さんが、中年になった兄と年取った藤吉を豊原さん、というキャスティングが効いていました。

不思議を扱って、実は人間が一番恐ろしいことを突きつけつつ、最後に一片の救いを忍ばす。
まさしく宮部ワールドなお話でした。

導入部から、原作の通りでした。
短編というか中篇である原作を、良い感じでアレンジしていて、仄薄暗い雰囲気もそのまま。
NHKらしい丁寧さも好感触、秀作時代劇になりそうです。

原作の「三島屋変調百物語シリーズ」の第一巻は、五話からなる連作短編集、ドラマシリースも5話ですので、それぞれの話をきちんと描いてくれそう。
特に、五話は、どう映像化するのか、とても楽しみです。

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「おそろしー三島屋変調百物語事始」読書感想

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