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  • 気になる、もしくは愛すべき作品にはついついツッコミを入れてしまう、ドラマの感想中心のちょっとおっちょこちょいなブログです。

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カテゴリー「*DVD・映画・観劇 か行」の34件の記事

2017年6月27日 (火)

怪物はささやく:映画 

2016年 アメリカ・スペイン合作 109分 原題「A Monster Calls」

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公式サイト

監督:J・A・バヨナ/脚本:パトリック・ネス/製作:ベレン・アティエンサ/撮影:オスカル・ファウラ/美術:エウヘニオ・カバレロ/編集:ベルナ・ビラプラーナ、ジャウマ・マルティ/音楽:フェルナンド・ベラスケス
出演:ルイス・マクドゥーガル、フェリシティ・ジョーンズ、シガニー・ウィーバー、トビー・ケベル、リーアム・ニーソン

イギリスの作家パトリック・ネスによる世界的ベストセラーを、「永遠のこどもたち」のJ・A・バヨナ監督が実写映画化。
孤独な少年と怪物による魂の駆け引きを幻想的な映像で描いたダークファンタジーで、スペインのアカデミー賞と言われるゴヤ賞で9部門を受賞した。

裏窓から教会の墓地が見える家で難病の母と暮らしている少年コナー。ある晩、彼の前に怪物が現われ、これから3つの「真実の物語」を語ること、そして4つ目の物語をコナー自身が語るよう告げる。しかもその内容は、コナーが隠している「真実」でなければならないという。嫌がるコナーをよそに、怪物は夜ごと現われては物語を語りはじめる。

 「PAN ネバーランド、夢のはじまり」のルイス・マクドゥーガルがコナー役で主演を務め、母親役を「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」のフェリシティ・ジョーンズ、祖母役を「エイリアン」シリーズのシガニー・ウィーバーが演じる。リーアム・ニーソンが怪物の声を担当し、モーションキャプチャーにも挑戦。(映画.comより)
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@TOHOシマネマズ

原作未読です。
ネタばれがほんの少し混じっている簡単感想です。

ひたすら悲しい、悲しい、悲しい少年の心で溢れている作品。

「パンズ・ラビリンス」のプロデューサーが入れ込んだだけあって、ディズニー風の楽観主義は微塵もない、ひたすら暗い、正統派のダーク・ファンタジーです。

このジャンルの作品を見慣れている人なら、上記の粗筋を読んだだけで、怪物の正体がわかると思います。
わかっていても、暗くて寂しい画面から目が離せませんでした。

怪物の語る物語は絵本タッチ。ヨーロッパ系の映画ではよく使われる手法なので、あまり気にかけなかったのですが、ここにこそ意味があったんですね。

苛められっ子ではあるけれども、シングルマザーの母と二人きりで貧しいながらも自分の世界を築き上げてきた少年。
しかし彼の夢見がちな世界は母の入院によって崩壊していくのです。

縁を切っていたらしい祖母と母の葛藤。
少年を父に渡したくない祖母は、母が入院している間、自分の家に少年を引き取ります。

この母娘の葛藤の原因ははっきりとは描いていませんでしたが、母の家と祖母の家の違いでそれとなく察せられます。
恐らく母の結婚は祖母の意に染まぬだった。それ以前に母と娘は生き方、考え方が違ったのでしょう。

自分のルール、価値観を押しつけてくる厳格な祖母。
アメリカからやって来た父にはすでに新しい家庭があり、優しいし、愛情もあるけれども、少年を引き取るつもりは全くなく、少年が祖母と一緒に暮らすことを望んでいる。

大人たちの都合に翻弄される少年。
そしてエスカレートする苛め。
少年のフラストレーションは次第に高まっていく・・・

哀しくて寂しい少年の瞳を通して、子供を置いて逝かざるを得ない母の悲しみが静かに描かれていました。
そして最初は恐ろしげだった怪物が、ラスト近くでは少年の思念より離れて母の想いに寄り添います。
なぜなら、元々の創造主は母なのだから・・・何を思って幼き母は彼を創ったのだろう。

生き方は全く違うけれども、母を愛している、という一点だけは共通している、と語りかける祖母。
少年は初めて祖母の気持ちを見るのです。彼女もまた娘を想って苦しんでる姿を。

怪物の、慈悲深き瞳に涙。

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2017年6月 2日 (金)

家族はつらいよ2:映画 簡単感想

2017年 日本 113分

公式サイト

監督・原作:山田洋次/脚本/山田洋次、平松恵美子/プロデューサー:深澤宏、三好英明/撮影:近森眞史/照明:渡邊孝一/録音:岸田和美/美術:倉田智子、小林久之/編集:石井巌/音楽:久石譲/音楽プロデューサー:小野寺重/タイトルデザイン:横尾忠則
出演:橋爪功/吉行和子/西村雅彦/夏川結衣/中嶋朋子/林家正蔵/妻夫木聡/蒼井優/小林稔侍/風吹ジュン/中村鷹之資/丸山歩夢/有薗芳記/徳永ゆうき/藤山扇治郎/広岡由里子/近藤公園/劇団ひとり/笑福亭鶴瓶

2

熟年離婚をめぐって大騒動を繰り広げる家族の姿を描いた、山田洋次監督による喜劇映画「家族はつらいよ」の続編。橋爪功、吉行和子、妻夫木聡、蒼井優ら前作のキャストが再結集し、前作から数年後の平田家で巻き起こる新たな騒動が描かれる。

周造はマイカーでの外出をささやかな楽しみにしていたが、車に凹み傷が目立ち始めたことから高齢者の危険運転を心配した家族は、周造から運転免許を返上させようと画策する。しかし、頑固オヤジの周造を説得するイヤな役回りを互いになすりつけ合う家族たちの心を見透かした周造は大激怒。平田家は不穏な空気に包まれてしまう。そんなある日、富子が旅行に出かけることになり、つかの間の独身貴族を楽しむ周造は、お気に入りの居酒屋の女将かよを乗せて車を走らせる。その途中、高校時代の同級生・丸山と意外なかたちで再会を果たした周造だったが、直後に交通事故を起こしてしまい……。(映画.comより)

@MOVIX

前作「家族はつらいよ」の感想でも書きましたが、「小さいおうち」以降、山田作品はストーリー、キャスティングを問わず、全作品を見るつもりでして、本作もその一環です。

ネタばれなしでの簡単感想です。

主人公、周造の旧友として「東京家族」からずっと「沼田」で登場していた小林稔侍さんの役名とキャラが変わっていたのでちょっと混乱しましたが、そのことこそが本作のポイントだったんですね。

今回監督は、小林さんにテーマを託し、逆に周造が狂言回しのスタンスだったように感じました。相棒である妻、富子さんもほとんど登場しませんでしたし。

館内、笑い声は上がっていましたが、自分は笑えませんでした。面白くなくて、ではなく、テーマが身につまされて・・・笑って見ている場合じゃなかったんです。
監督は情緒だけの人ではない、かつてテレビシリーズで寅さんを死なしちゃった人です。今回はその乾いたブラックな一面が見れた気がします、ラスト近くのシーンに至るまで。そういう意味では、楽しめた作品でした。

今回も平田家の細部に漂う昭和感、そして生活感がリアルでした。
周造の、一生懸命働いてきての、定年人生のみみっちさが愛おしい。すったもんだできる家族がいる幸せ。親父の気持ちを汲み取ってくれ、受け皿となってくれる平田家、理想の家族かもしれません。

周造さん、免許、返したほうがいいと思いますよ~(汗

さて、平田家次男、庄太は本作では恋人、憲子とめでたく結婚しており、前作では描かれなかった憲子の家族が、中々複雑であることが明らかになってきました。
続編のネタは尽きまじってことかも(^^.

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2017年5月18日 (木)

カフェ・ソサエティ:映画

2016年 アメリカ 96分 原題「Cafe Society」

公式サイト

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監督・脚本:ウッディ・アレン/製作:レッティ・アロンソン、スティーブン・テネンバウム、エドワード・ワルソン/製作総指揮:アダム・B・スターン、マーク・I・スターン、ロナルド・L・シェ撮影:ビットリオ・ストラーロ/美術:サント・ロカスト/衣装:スージー・ベンジンガー/編集:アリサ・レプセルター
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、クリステン・スチュワート、ブレイク・ライブリー、スティーブ・カレル、コリー・ストール、パーカー・ポージー、ケン・ストット、ジーニー・バーリン、サリ・レニック、スティーブン・クンケン、アンナ・キャンプ、キャット・エドモンソン
ナレーション:ウッディ・アレン

ウッディ・アレン監督が1930年代ハリウッド黄金時代を背景に、きらびやかな社交界(カフェ・ソサエティ)に身を置くことになった青年の恋や人生を描いたロマンティックコメディ。

映画業界で働くことを夢見るニューヨーク生まれの青年ボビーは、業界の有力者である叔父フィルを頼ってハリウッドにやってくる。フィルの秘書を務める美女ヴォニーに心を奪われたボビーは、映画スターやセレブリティを相手に、フィルの下で働きながらヴォニーと親密になっていくが、彼女には思いがけない恋人の存在があった。

「ローマでアモーレ」でもアレン監督と組んだジェシー・アイゼンバーグが主演を務め、「トワイライト」シリーズのクリステン・スチュワート、テレビドラマ「ゴシップガール」のブレイク・ライブリー、「マネー・ショート 華麗なる大逆転」のスティーブ・カレルらが共演。アレン監督が自らナレーションを務める。女優陣が着こなすシャネルなどの華やかな衣装にも注目。(映画.comより)
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@TOHOシネマズ

ネタばれあります。ご注意くださいませ。

1920年代を描いた「ミッドナイト・イン・パリ」ほどおしゃれではなく、本映画の主人公と同じく成り上がりのセレブを描いた「ブルージャスミン」のような毒はなく。
時間は元に戻らない、という切なさがひたすらメインの、ラブストーリーでした。
ヴォニーよりボビーの方がはるかに切なそうなのは、いつの時代においても女性の方が現実的、というアレン監督の感慨の反映かも。実際、そうだし(苦笑

ストーリーにはほとんど絡んでこないボビーの兄、ギャングのベンが、キーパーソンだった気がする。
ベンが危なっかしいがために、きらびやで明るい社交界のシーンの底辺に、常にいつか兄の悪行が公になった時、生活も家族も崩壊するんじゃないか、という不穏さが漂うのです。自分には、この不安定感の方がラブストーリーより印象に残りました。

表のテーマであるラブストーリーの方も、不倫、という穏やかならぬ形で再開するのですが・・・時は戻らない、というヴォニーの結論によって大きな破綻なく終わるのです。ベンが家族たちに大きな亀裂を生むことなく、しごくあっさり退場するのと同じく。

故郷NYが大好きなユダヤ人青年、ボビーの青春を淡々とセンチメンタルに描いた、御大の感性の瑞々しさが胸に沁みる映画でした。

決断したあの時はもう、戻ってこない。その「時」の重さは、年を経るごとに深く沈殿していく・・・感傷的はあるけれども湿っぽくはない、沈んでいくけれども重くはない。この塩梅の良さはさずがだな、と思いました。

ほか、印象的な部分をひとつ、ふたつ挙げると・・・まず、とっても監督らしい部分として、ベンの凶悪なギャングっぷりがスプラスティックに描かれていたこと。ベンのキャラをブッラクユーモア的に描いたことで、映画全体が軽やかになったと思います。

それから、ボビーの姉エヴリン。無学なんだけれども、インテリの夫が操るこ難しい言葉の咀嚼力が素晴らしく、名言を連発してたことでした。

あと、西海岸の、からっとした空気感を捉えたシーンも綺麗だったけれども、NYの風景が素敵でした。セントラルパークの緑、しらじらと明けていく街、真紅に暮れる空。すべて美しかったです。
薄暗いジャズラウンジなどを含めて、パリの美しさをひたすら撮った「ミッドナイト・イン・パリ」と同じくちょっと絵葉書臭は漂うのですが・・・NYの美しさに溢れた映画でもありました。

そしてNYの夜景と言えばここでしょう、というくらい超有名なブルックリンブリッジ。スクリーンにこんなに華やかに無垢に映し出されたのを見たのは久しぶりな気がする。
1930年代。アメリカがまだ自身を疑わなかった時代・・・とてもノスタルジックでした。

さらっとした作品ですので、コアな監督ファンには物足らないかもしれないけれども、アレン初心者にはお薦めです。

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2016年11月 9日 (水)

君の名は。:映画

2016年 日本 107分 

公式サイト

原作:新海誠「超高速!参勤交代 リターンズ」(講談社文庫)
監督:新海誠/脚本:新海誠、土橋章宏/製作:市川南、川口典孝、大田圭二/企画・プロデュース:川村元気/制作プロデューサー:酒井雄一/音楽プロデューサー:成川沙世子/キャラクターデザイン:田中将賀/作画監督:安藤雅司/音響監督:山田陽/音響効果:森川永子/音楽:RADWIMPS/制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
出演:神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ 、市原悦子、成田凌、悠木碧、島崎信長、石川界人、谷花音

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「雲のむこう、約束の場所」「秒速5センチメートル」など、男女の心の機微を美しい風景描写とともに繊細に描き出すアニメーション作品を手がけ、国内外から注目を集める新海誠監督が、前作「言の葉の庭」から3年ぶりに送り出すオリジナル長編アニメ。
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」などの作品で知られ、新海監督とはCMでタッグを組んだこともある田中将賀がキャラクターデザインを手がけ、「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」などスタジオジブリ作品に数多く携わってきた安藤雅司が作画監督。
主題歌を含む音楽を、人気ロックバンドの「RADWIMPS」が担当した。

1000年ぶりという彗星の接近が1カ月後に迫ったある日、山深い田舎町に暮らす女子高生の宮水三葉は、自分が東京の男子高校生になった夢を見る。
日頃から田舎の小さな町に窮屈し、都会に憧れを抱いていた三葉は、夢の中で都会を満喫する。
一方、東京で暮らす男子高校生の立花瀧も、行ったこともない山奥の町で自分が女子高生になっている夢を見ていた。
心と身体が入れ替わる現象が続き、互いの存在を知った瀧と三葉だったが、やがて彼らは意外な真実を知ることになる。
声の出演は瀧役に神木隆之介、三葉役に上白石萌音。その他、長澤まさみ、市原悦子らが出演。(映画.comより)

@MOVIX

超・簡単感想です。

早くから劇場で予告を見ていたのですが、入れ替わりモノのアニメ、というのに、新鮮さを感じなかったのですけれども、あんまり話題になっているので、3週間ほど前に観に行ってきました。
今更書くまでもない、当たり前の感想しか浮かばなかったのですが、それもまあ、備忘録として書き止めておきます。

自分が見た、実写、アニメを含む入れ替わモノの中では、一番SF的な部分がしっかりしていて、スケールが大きかったように感じました。
地球外からの天災をテーマにしたことも、甘酸っぱいだけの青春ドラマには終わらせなかった要因。
こういう物語は、アニメだからこそ作れたと思います。
東京や飛騨の町並みが美しい。特に東京は、もし実写だったら、美しく見せるために、修正にすごく時間がかかったでしょう。アニメの強みが感じられました。

避けられぬ災害、という意味では「シン・ゴジラ」と似ています。
地震や地球温暖化の影響による災害、そして壊れてしまった原発などを目の当たりにしている今の日本人は、運命論者というか、ペシミスト的なオプティミストなのかも。

入れ替わりモノに食傷気味だったのと、すでに話題作、というハードルがあったためか、号泣ほどではなかったです。泣いた人、ごめんなさい(汗

ちなみに、ここ最近、自分の観た日本映画、全部、市川南氏・・・つまり東宝映画だったんだな、と今更ながら気がつきました。

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2016年4月 4日 (月)

これが私の人生設計:映画 

2014年 イタリア 103分 PG12 原題「Scusate se esisto!」

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公式サイト

監督:リッカルド・ミラーニ/製作:フェデリカ・ルチザーノ、フルビオ・ルチザーノ/脚本:ジュリア・カレンダ、パオラ・コルテッレージ、フリオ・アンドレオッティ、リッカルド・ミラーニ/撮影:サベリオ・グアルナ/編集:パトリツィア・チェレザーニ/音楽:アンドレア・グエラ
出演:パオラ・コルッテレージ、ラウル・ボヴァ、マルコ・ボッチ、コラード・フォーチューナ、ルネッタ・サビーノ、チェーザレ・ボッチ、エンニオ・ファンタスティキーニ 他

「ジョルダーニ家の人々」のパオラ・コルテッレージと「エイリアンVS.プレデター」のラウル・ボバが共演したイタリア製コメディ。天才建築家として国外で成功をおさめた女性セレーナは、故郷が恋しくなりイタリアに帰国する。しかし、イタリアにおける女性の就労状況は厳しく、仕方なくカフェでアルバイトして生計を立てることに。セレーナはカフェのオーナーであるバツイチ男性フランチェスコと心を通わせていくが、実は彼はゲイだった。やがて、ある集合住宅が再開発案を募集していることを知ったセレーナは、架空の男性上司をつくりあげて応募するが……。監督は「ようこそ、大統領!」のリッカルド・ミラーニ。「イタリア映画祭2015」では「生きていてすみません!」のタイトルで上映された。(映画.comより)

@MOVIX

イタリア映画を映画館で観るのは、本当に久しぶり。

日本ではほとんど知られていないキャスト、スタッフでありながら、大作揃いのシネコンで堂々2ヶ月あまりのロングランとなった作品。

粗筋を読み、ステロタイプな根性風ラブコメだと思ったので、観に行く気が起こらなかったですけれども、こんなにヒットすると、とっても気になる(汗
と、いうことで、何とか最終週に滑り込んで鑑賞しました。

これからDVDやTVで観られる方が多いと思うので、ネタばれなしの簡単感想です。
といっても、ストーリーは上記、映画.comに書いてあることがほとんど全てです。
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飛びっきりの美人ではないけれども、表情のキュートなヒロインが一目ぼれしたのは、飛びっきりの男前で・・・ゲイ、フランチェスコ。
このベタな話を、軽快でお洒落なコメディに仕立ててあって、ヒットする理由がよくわかりました。

テンポの良さと観客を置いてけぼりにしない、中庸なストーリーと展開、映像、ヒロインとフランチェスコのエピのバランス、そして103分という尺。
全て「ほど」が良かったです。

草原を容赦なく分断して立てられた、スラム化した公営団地の描き方も、重すぎず。
ヒロインが明るくたくましこと、待遇や言葉によるハラスメントはあっても、暴力的、もしくは精神的なイジメはなかったこと、そしてフランチェスコとの友情が気持ち良かったです。

おバカなニコルと、社長秘書の哀愁が印象に残りました。
だから、ラストシーンにはほっとしました。←若干ネタばれ、ごめんさい。
画面的にはPG12な部分があっても、サクセスストーリーにはしなかったことに、品格を感じました。

日本とはまた違った形の男社会、イタリア。
建築の世界そのものも男社会、とはいえ、海外で仕事を続けていれば天才としてキャリアを積めるのに・・・とは思いましたけれども。
彼女には、家族が、故郷が必要だったのです。家族は、若干、あれですけれども(大笑。

人々が心を通わすのに必須なのが、美味しい料理、というのがイタリアらしかったです。
冒頭、ヒロインが雪降るロンドンの下宿で、一人寂しく食べるパスタの不味そうなこと。

ちなみに、ヒロインを演じた女優は、監督の奥さんだそうです。
一部、日本がネタに使われていました。背景はともかく、音楽はやっぱりチャイニーズ(苦笑

エンドタイトルに、この映画のモデルであり、実際に公営団地の緑化計画を企画した女性建築家の名前、続いてメイキングや、カットされたシーンが流れるので、最後まで観ることをお薦めします。

フランチェスコの元嫁、幼い息子、会社の人々、団地の住人。みんな、みんな、暖かい。
愛すべきコメディーでした。

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2016年3月19日 (土)

家族はつらいよ:映画

2016年 日本 108分

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公式サイト

監督:山田洋次/脚本:山田洋、平松恵美子/プロデューサー:深澤宏/撮影:近森眞史/照明:渡邊孝一/美術:倉田智子/録音:岸田和美/編集:石井巌/音楽:久石譲/タイトルデザイン:横尾忠則
出演:橋爪功/吉行和子/西村雅彦/夏川結衣/中嶋朋子/林家正蔵/妻夫木聡/蒼井優/小林稔侍/風吹ジュン/中村鷹之資/丸山歩夢/笹野高史/木場勝己/徳永ゆうき/笑福亭鶴瓶/岡本富士太/広岡由里子/近藤公園/北山雅康/関時男

名匠・山田洋次監督が「男はつらいよ」シリーズ終了から約20年ぶりに手がけた喜劇。山田監督の「東京家族」で一家を演じた橋爪功、吉行和子、妻夫木聡、蒼井優ら8人のキャストが再結集して現代に生きる新たな一家に扮し、熟年夫婦の離婚騒動をめぐって織り成される人間模様を描く。結婚50年を目前に控えた平田夫妻。夫はもうすぐ誕生日を迎える妻にプレゼントを贈ろうと欲しいものを尋ねるが、その答えはなんと「離婚届」だった。突如として持ち上がった離婚話に、彼らの子どもたちは大慌て。すぐに家族会議が開かれることになるが、それぞれが抱えてきた不満が噴出してしまう。(映画.comより)

@MOVIX

ほぼネタばれなしの感想を、簡単にバラバラと書き留めておきます。

「男はつらいよ」シリーズはほとんど見ていません。自分の笑いのポイントにはまらなかったのです。今回も予想通り、笑いに関してはあまりはまれませんでした。
それでも観にいったのは、リアルタイムで監督の作品を観続けたいからです。
リアルタイムで松竹黄金期の香りをかぎたい、という望みは、今回も叶えられました。
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橋爪さんが大活躍の、人生のゴールが見えてきても、すったもんだしながら精力的に生きる人々を描いたシニア向けホームコメディ。
平田家、築二十数年とのこと。恐らく平成とほぼ同い年なのでしょう。
間取りなどは昭和感が濃厚で、築四十年、といっても通じるほど、懐かしい作りでした。
ラスト近く、別アングルで撮った周造さんのお部屋が素敵でした。あの階段、大変そうだなあ。誰か落ちて大怪我しそう(汗

周造が倒れてすぐに葬儀のことを考えはじめる娘婿は、一見不謹慎ですが、こういう人がいないと困るのです。葬儀は大仕事ですから。
父の余命いくばもない頃、母と葬儀場を探したことを思い出しました。同じ経験を持っている人は多いはず。
だからなのでしょうか、一連の騒動には、館内、シニア層の笑い声が一段と高まっていました。
自分も、家族会議が一転してのシーンはスプラスティックで可笑しかったです。
一番可笑しかったのは「あの人」の登場シーン。出オチってずるいわ(笑

吉行さん演じる周造の妻、富子さんが通う創作教室はもう少し有機的にドラマに絡んでくるかと思ったのですが、富子さんに「想像」を喚起したくらいで終わってしまったのは、ちょっともったいない気もしましたが、これくらいが奥床しいのかもしれません。
富子さんの亡くなった弟が著名な作家だった、というのは、ちょっとした楽屋落ち。

夏川さん演じる長男、幸之助の嫁、史枝さん、ほんと、よくできた人。
亭主関白の見本のような舅の周造と、舅の雛形みたいな幸之助、そしてワンパクな子供たち。(キャッチボールはそとでしょうね(^^;;)
今や平田家は史枝さんなしでは成り立たない。作品的にも、見事に周造及び画面を支えていました。
気になってしかたがなかったのが、7人前の上うな重。急に一人増えた時の史絵さんの表情が絶妙でした。どうしたんでしょう。二万4千円以上もしたんだ。ああ、もったいない。(汗
幸之助、早く仕事第一主義から抜け出して史枝さんに感謝の気持ちを表さないと、取り返しのつかないことになるかも?

一番優しい末っ子の庄太も、プロポーズのシーンで、実はちょっぴり周造に似ているのかもしれない、と感じました。

夜勤明けの恋人、憲子を呼び出したり、段取りを自分だけで全部決めてしまったり。
でも、これくらいの強引さがないと結婚にこぎつけないのでしょう。今は、強引、とか、押しが強いなどいうと、負のイメージになりがちなことが、結婚する人が減少している一因なのかもしれません。
憲子さんが庄太の決断を待っていてくれて、良かったです。強引であろうがなかろうが、相手と気持ちが通じていることが、一番大事。
憲子さんは周造の遺伝子よりはるかに強そうですし。
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親はいつまでも親であって欲しい。
平田家の人々に家族、そして自分自身を重ねつつ、限りある命を生きることを考えさせられました。

若い人がこの作品を面白いと思うかどうかは、ちょっと疑問でしたが、面白くなくても、記憶に残ってくれれば、という監督の願いのようなものを感じました。
上映中、館内笑いが絶えず、その笑い声が愛おしく感じられた作品。

そうそう、エンディングロールは最後まで観て欲しいです。洋画みたく、やたらに長くないですし。
オチがあるというわけではないのですけれども、タイトル含めて、この映画です。

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2016年2月19日 (金)

キャロル:映画

2015年 アメリカ 118分 PG12

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公式サイト

原作:パトリシア・ハイスミス「キャロル」訳:柿沼 瑛子(河出文庫)
監督:トッド・ヘインズ/脚本:フィリス・ナジー/製作:エリザベス・カールセン、スティーブン・ウーリー、クリスティーン・ベイコン/製作総指揮:ケイト・ブランシェット 他/撮影:エド・ラックマン/美術:ジュディ・ベッカー/音楽:カーター・バーウェル/編集:アフォンソ・ゴンサウベス
出演:ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ、サラ・ポールソン、ジェイク・レイシー、カイル・チャンドラー、ジョン・マガロ、コリー・マイケル・スミス、ケビン・クローリー

「ブルージャスミン」のケイト・ブランシェットと「ドラゴン・タトゥーの女」のルーニー・マーラが共演し、1950年代ニューヨークを舞台に女同士の美しい恋を描いた恋愛ドラマ。「太陽がいっぱい」などで知られるアメリカの女性作家パトリシア・ハイスミスが52年に発表したベストセラー小説「ザ・プライス・オブ・ソルト」を、「エデンより彼方に」のトッド・ヘインズ監督が映画化した。52年、冬。ジャーナリストを夢見てマンハッタンにやって来たテレーズは、クリスマスシーズンのデパートで玩具販売員のアルバイトをしていた。彼女にはリチャードという恋人がいたが、なかなか結婚に踏み切れずにいる。ある日テレーズは、デパートに娘へのプレゼントを探しに来たエレガントでミステリアスな女性キャロルにひと目で心を奪われてしまう。それ以来、2人は会うようになり、テレーズはキャロルが夫と離婚訴訟中であることを知る。生まれて初めて本当の恋をしていると実感するテレーズは、キャロルから車での小旅行に誘われ、ともに旅立つが……。テレーズ役のマーラが第68回カンヌ国際映画祭で女優賞を受賞した。(映画.comより)

@TOHOシネマズ

ケイトのファン、ルーニーも好きなので観に行きました。
少しネタばれを含みますが、具体的なエピは書いていません。

実に丁寧なラブストーリーでした。
今でも理解されがたい同性愛を、50年代のNYの街並、ファッションで彩った美しい映画でもありました。

頭の天辺から足の爪先まで女性である二人が、恋に落ちる。性を超えた恋愛です。
セクシャルな欲求を持ち合うことは理解しにくかったけれども、「魂の片割れ」を求める切なさには深く共感できました。

キャロルが夫を嫌うのは、夫、ハージーが男であることもだけれども、自分のルールを押しつけてくるだけの、理解しがたく、許しがたい人間だから。

相手のことが理解しがたいのは、ハージーも同じです。彼は妻の同性愛傾向に気がついている。男性との不倫ならまだ対処できただろうけれども。
恐らく、ここで彼の思考は停止してしまったのでしょう、愛している、という言葉の下に、妻を自分の支配下に置く事に固執するのです。

こう書くとハージーがとっても駄目な夫のようになってしまうのですが、当然の反応だと思います。普通の不倫でも許せないだろうに、同性愛者と知った時のショックはいかばかりか。

だからこの結婚は、双方にとって不幸な結婚なのです。
けれどもハージーはこの結婚が破綻してしまっていることを認めたくない。その気持ちもわかる。でも、そこあるのは、所有欲もしくは征服欲。
キャロルが同性愛であるかどうかは関係ない、普遍的なすれ違いです。

余談fですが。
例えは違うけれども、女子会が流行るのは、生まれや育ちが違っても根本的なところでわかりあっているため、話をするのが楽だからのような気がします。もちろん、例外もいっぱいありますけれども。

男性と話すと、超えられない壁を感じます。女子だと一言でわかってもらえることに、何十行も費やさねばならない。
それは男性にとっても同じことだろうし、恋愛中はそれもまた楽しいのですけど。

ともかく。
母性と父性を併せ持ったキャロルを演じたケイトの存在感、オーラが半端なかったです。何かなにもかも超越してます、凄いわ、この人。
テレーズが離れがたく思う気持ちがわかります。
ルーニーの清楚感もまた、映画の品を上げていました。オードリーそっくり。

そのためでしょうか、テレーズ目線のぶれるカメラワークが徐々に固定されていくラストのシーンに「昼下がりの情事」を連想しました。

二人の空気感が素晴らしいかったです。究極の女性映画の一つだと感じました。

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2015年11月 1日 (日)

ギャラクシー街道:映画 超簡単感想

2015年 日本 110分 


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監督・脚本:三谷幸喜//製作:石原隆、市川南/プロデューサー:前田久閑、和田倉和利、西原恵/撮影:山本英夫/編集:上野聡一/音楽:荻野清子
出演:香取慎吾、綾瀬はるか、小栗旬、優香、西川貴教、遠藤憲一、段田安則、石丸幹二、秋元才加、阿南健治、梶原善、田村梨果、浅野和之、山本耕史、大竹しのぶ、西田敏行

三谷幸喜の長編映画監督7作目で、三谷映画としては初めて宇宙が舞台に設定され、全員が宇宙人の登場人物たちによって織りなされるスペースロマンティックコメディ。香取慎吾が主演し、綾瀬はるかがヒロインを務めるほか、優香、遠藤憲一、小栗旬、大竹しのぶ、西田敏行ら豪華キャストが集う。西暦2265年、木星と土星の間に浮かぶスペースコロニーの「うず潮」と地球を結ぶ、スペース幹線道路「ギャラクシー街道」は、老朽化が進んで廃止の噂もささやかれていた。そんな街道の中央にひっそりとたたずむハンバーガーショップ「サンドサンドバーガー・コスモ店」には、スペース警備隊やスペースヒーロー、スペース客引き、スペース娼婦など、今日も様々な宇宙人たちが集う。(映画.comより)

@TOHOシネマズ

ネタばれなしの簡単感想です。

自分は、コアではないけれども、三谷さんのファンです。
でもコメディは好みがはっきりと別れるジャンルですので、本作もそれほど期待せずに観に行きました。

点だった登場人物たちが次第に繋がってクライマックスを迎える、というお馴染みの展開。
さすがにクライマックス直前からは面白かったのですが、序盤から中盤にかけてのテンポが悪かったように感じました。

ひとつひとつのギャグはそこそこ(失礼;;)だったのですが、懐かしのハリウッドコメディー風のテーストを重視するあまり、ノタっとしてしまった気がするのです。
編集次第ではもっと笑いが取れたのではないでしょうか。
あくまで自分の好みとしてです。
場内には笑い声があがっていましたですし。

米アニメ「宇宙家族」や米実写ドラマ「宇宙家族ロビンソン」に昭和をミックスさせたレトロなセットや色調、流行っていない古びたドライブインの、ガランとした空気は好きです。

あと、バラエティー番組でエンケンさんのキャラ設定をバラしたのは失敗だったように思います。
一番驚きのキャラであり、クライマックスへの伏線だったはずなのに・・・監督はここがこの映画のマックスだとは思ってなかったにしろ。
変身後のキャプテン・ソックスを事前に眼にしなかったのは、幸いでした(^^

期待値が高くなかった分、がっかり感も少なく、思ったより楽しめました。

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2014年12月27日 (土)

声をかくす人(DVD)

2011年 アメリカ 122分 原題「The Conspirator」

原作:ジェームズ・ソロモン
監督:ロバート・レッドフォード/脚本:ジェームズ・ソロモン、グレゴリー・バーンスタイン/製作:ロバート・レッドフォード 他/撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル/美術:カリナ・イワノフ/音楽:マーク・アイシャム
出演:ジェイムス・マカヴォイ、ロビン・ライト、ケビン・クライン、トム・ウィルキンソン、エバン・レイチェル・ウッド、ダニー・ヒューストン、アレクシス・ブレーデル、ジャスティン・ロング、ジョニー・シモンズ、コルム・ミーニー

「普通の人々」「リバー・ランズ・スルー・イット」のロバート・レッドフォードが、「大いなる陰謀」以来5年ぶりにメガホンをとった歴史ドラマ。リンカーン大統領暗殺の罪に問われ、アメリカ合衆国政府によって処刑された初めての女性メアリー・ラサットの隠された真実を描く。南北戦争終結直後の1865年、第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンが暗殺される。犯人グループはすぐに捕えられ、犯人一味にアジトを提供したという理由で、下宿屋を営む南部出身の女性メアリー・サラットも逮捕される。メアリーの弁護を引き受けることになった北軍の英雄フレデリックは、メアリーがある秘密を守るため自ら犠牲になろうとしているのではないかと考えるが……。フレデリック役のジェームズ・マカボイ、メアリー役のロビン・ライトほか、ケビン・クライン、エバン・レイチェル・ウッドら実力派俳優がそろう。(映画.comより)

ネタばれなしの簡単感想です。

単館にてひっそりと公開された作品。
ジェイムス・マカヴォイのファン、しかも監督がロバート・レッドフォードということなので、ぜひ観にいきたかったのですけれども、とても観づらい時間帯でしかも短期間でしたので、行けずじまいでした。

一時期リンカーンを題材にした映画が相次いで公開されましたが、本作はリンカーン暗殺後を描いています。
話の発端は、上記の通りです。

元北軍のフレデリックは、元南軍のリンカーン暗殺犯グループを匿った女性、メアリーの弁護をしぶしぶ引き受けることになります。
彼女が営む下宿屋に一味が出入りしていたことは揺るぎない事実であること。
そして世論がリンカーンを殺した一味を血祭りにあげたがっている中で、彼女の弁護を行うというのは、新米弁護士にとって荷が重過ぎる。
加えて、まだ軍人気分の抜けきれていないフレデリックは、弁護にすっかり及び腰になってしまいます。
メアリーもまた彼を信用せず、ろくに口もききません。

ところが、民間人であるメアリーを軍事法廷で裁くことに疑問を抱き始めてから、フレデリックは変わりはじめるのです。

焦点は、メアリーが暗殺計画を知っていたかどうかに絞られます。
知らなかった、というメアリーの言葉を裏付けるために奔走するフレデリック。
しかし、証拠や証人は次々と潰されていくのです。

リンカーン暗殺一味を早く根絶やしにすることで、内戦の傷跡をふさごうとする国家がかけて来る圧力、そして生贄を求める民衆たちの怖さと、司法の独立を堅持すしようとする弁護士の戦いをじっくりと描いた佳作でした。

実話だそうですが、実話のドラマにありがちな総花的な部分は全くありません。
フレデリックとメアリーの交流に的を絞っていて、見応えがありました。

こんな良作が、ほとんど知られずにいるのは、もったいないです。
リンカーンとその時代に詳しくなくても、全く問題なく見れます。

ちなみに、原題はそのものずばり「共謀者」もしくは「陰謀者」。
邦題「声をかくす人」って、おしゃれかもしれないけれども、わかりにくすぎます。かといって直訳だと新鮮みがないし。邦題をつけるのって難しいですな。
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※ジェームス・マカヴォイについては、まだカテゴリーを新設するほどでもないので、ブログを始めてから観た作品の感想の記事へのリンクを貼っておきます。下記以外には「つぐない」「ペネロペ」を鑑賞しています。また、いつか再鑑賞して感想を書きたいと思っています。

X-MEN シリーズ:「X-MEN:フューチャー&パスト」
X-MEN シリーズ:「X-MEN ファースト・ジェネレーション」

<終着駅 トルストイ最後の旅
ジェイン・オースティン 秘められた恋
ウォンテッド
ウィンブルドン

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2014年9月 7日 (日)

桐島、部活やめるってよ(DVD)

2012年 日本 103分

Photo


公式サイト

原作:朝井リョウ「桐島、部活やめるってよ」(集英社文庫)
監督:吉田大八/脚本:喜安浩平、吉田大八/製作総指揮:宮崎洋/撮影:近藤龍人/照明:藤井勇/美術:樫山智恵子/音楽プロデューサー:日下好明/音楽:近藤達郎
出演:神木隆之介、橋本愛、大後寿々花、前野朋哉、岩井秀人、清水くるみ、藤井武美、山本美月、松岡茉優、落合モトキ、浅香航大、太賀、鈴木伸之、榎本功、東出昌大

田舎町の県立高校で映画部に所属する前田涼也は、クラスの中では静かで目立たない、最下層に位置する存在。監督作品がコンクールで表彰されても、クラスメイトには相手にしてもらえなかった。そんなある日、バレー部のキャプテンを務める桐島が突然部活を辞めたことをきっかけに、各部やクラスの人間関係に徐々に歪みが広がりはじめ、それまで存在していた校内のヒエラルキーが崩壊していく。(映画.comより)

@DVD鑑賞

原作未読、大よそネタばれなしの感想です。

今頃観たのかいって感じなのですが(汗)
噂が広まった時には、時すでに遅く、見逃してしまいました。
1年ほど前に、近所のレンタルショップが閉店してからは、DVDを借りることがなくなったのも一因です。

今までネットレンタルには手を出していなかったのですけれども、無料キャンペーンにつられて、試験的に利用してみようかな、と思った時に、まず最初に借りようと思ったのが、この作品です。
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前置きが長くなりました。
もう、色んなところで、色んな人によって語りつくされているでしょうから(いつか観るつもりだったので、レビューは全てスルーしていました;;)、ごくごく簡単に。

この監督の作品は初めて観ました。
映研の感覚そのままに、テクニックを駆使した瑞々しい作品。
監督が、登場人物たち、そしてほぼ登場人物たちと同年齢のキャストたちの、父親ほどの年齢であることに驚かされました。
そして、感覚は年齢ではないことを改めて感じさせてくれました。

ついに姿を現さない桐島。
勉強もでき、バスケットボール部のスターで、恐らくリダーシップもある、学校のヒーロー、女子にも男子にとっても憧れの的であったことが、登場人物のセリフによって、次第に明らかにされます。

桐島の親友で帰宅部、彼自身もまた目立つ存在ある宏樹が月ならば、太陽のような人物だったのかもしれません。
ところが、桐島は突然、太陽であることをやめてしまった。
自分は進路も定められないまま、何となく学校に通っているけれども、桐島は目標を持って進んでいる。
桐島が頑張ること、頑張っている姿を見ることが、自分の中の疑念や鬱屈の代償となっていた。
桐島がいなくなって、今まで「桐島」に背負わしていたものと直面しなくてはならなくなってしまった宏樹。

その他の生徒たちにとっても、部の勝利、恋愛など現実的なものはあれども、桐島が精神的な支柱となっていたのです。

桐島の影響を全く受けていないのが、映研の面々。
まわりのざわめきをよそに、自分たちのやりたいこと、やれることを、よろめきながらも追求します。

桐島が部活をやめた、という学校以外の人間には全く小さな出来事が、学生たちにとっては自分の存在意義を揺るがす大事件であることを丹念に追っていて、緊張の糸が切れることがありませんでした。
BGMが吹奏楽だけであること、効果的に使っていたことも特筆すべきでしょう。

ラスト、それどもなお電話をかけ続ける「彼」の頼りなげなこと。
もし繋がったら、何を言うつもりなのでしょうか。
小さい世界に無限大に広がるミステリーです。

自分が学生の時も、今から思えば小さな事で一喜一憂してたことを、胸の奥深くにうずき続ける苦さとともに思い出させてくれた作品。
口コミでロングランになるだけの魅力を感じました。

この作品が切っ掛けで露出が増えたキャストが多いので、もし、公開時に観ていたら、その後の数々のドラマの見方も変わっていたかも。

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