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カテゴリー「*DVD・映画・観劇 さ行」の32件の記事

2016年8月13日 (土)

シン・ゴジラ:映画 

2016年 日本 119分 

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公式サイト

総監督・脚本:庵野秀明/監督・特技監督:樋口真嗣/准監督・特技統括:尾上克郎/製作:市川南/撮影:山田康介/美術:林田裕至、佐久嶋依里/美術デザイン:稲付正人/編集:佐藤敦紀/音楽:鷺巣詩郎・伊福部昭
出演:長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、高良健吾、大杉漣、柄本明、余貴美子、市川実日子、國村隼、平泉成、松尾諭、渡辺哲、中村育二、矢島健一、津田寛治、塚本晋也、高橋一生、光石研、古田新太、松尾スズキ、鶴見辰吾、ピエール瀧、片桐はいり、小出恵介、斎藤工、前田敦子、浜田晃、手塚とおる、野間口徹、黒田大輔、吉田ウーロン、橋本じゅん、小林隆、諏訪太朗、藤木孝、嶋田久作、神尾佑、三浦貴大、モロ師岡、犬童一心、原一男、緒方明、KREVA、石垣佑磨、森廉、野村萬斎 他

「ゴジラ FINAL WARS」(2004)以来12年ぶりに東宝が製作したオリジナルの「ゴジラ」映画。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の庵野秀明が総監督・脚本を務め、「のぼうの城」「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」の樋口真嗣が監督、同じく「のぼうの城」「進撃の巨人」などで特撮監督を務めた尾上克郎を准監督に迎え、ハリウッド版「GODZILLA」に登場したゴジラを上回る、体長118.5メートルという史上最大のゴジラをフルCGでスクリーンに描き出す。
内閣官房副長官・矢口蘭堂を演じる長谷川博己、内閣総理大臣補佐官・赤坂秀樹役の竹野内豊、米国大統領特使カヨコ・アン・パタースン役の石原さとみをメインキャストに、キャストには総勢328人が出演。加えて、狂言師の野村萬斎がゴジラのモーションキャプチャーアクターとして参加している。(映画.comより)

@TOHOシネマズ

ネタばれなしの簡単感想です。

ゴジラについては、映像だけでなく文化な面からも語られているので、今更とは思いつつも、今回視聴して再確認したことをメモっておきます。

ゴジラって戦後日本が生み出した最大の「妖」であること。
存在感が強烈すぎるために、その時々の時代を反映して破壊者からヒーローまで姿を変えてきた。
丁度江戸期に、没落した神を含む妖たちが妖怪としてキャラクター化されていったように。
しかしゴジラの原点は、その時代の日本人が抱いている「恐怖」もしくはトラウマを体現した存在であること。
第一作は「核の落とし子」「人間が生み出した恐怖の象徴」、そして空襲の恐怖を映像として再現していた。

本作は、今の日本人のトラウマを真っ直ぐ体現していたと思います。
人間ドラマを描く時間がもったいない、という感じで、ひたすらゴジラという存在、厄災を描いていました。

大災害、大事故、放射能・・・日本人の恐怖がゴジラという形をとっているだけ。「残穢」と同じく日本人のDNAをゆさぶる恐怖。

ストーリーなど、突っ込みどころは多々ありました。例えば避難計画とか・・・
しかし、映像は、今、日本人が何に恐怖しているかを問答無用で突きつけてきました。
白黒をつけたがらない政治家たちのあり方も極めて今の日本的でした。
英雄的なリーダーを登場させたら、作品全体が嘘くさくなったでしょう。

惨状シーンは、コード関係もありますし、これくらいで精一杯だったと思われます。
それに映像化しなくても、十分脳内補填できましたし。
補填できる人たちが多い今の日本だから、成り立った映画だとも言えるかと。
その他、もっと深く描ける部分もあるのでは、という批評をいくつか見られましたが、削ぎとって削ぎとった結果であると、自分は感じました。

ゴジラ、ほんと、怖かったです。子供の時見たら、絶対その晩夜泣きしてそう。

あと、ゴジラを「怪物」「怪獣」として描きがちなハリウッド風の全方位的なエンターティメント作品と比べて、日本人のトラウマで満ち満ちたこの作品がワールドワイドに受け入れられるかどうかは、微妙かな、とは思いました。
外国人の知り合いに、ゴジラのことを説明するのって、とっても難しいですもの。

豪華な顔ぶれには、かつての東宝オールスター映画を思い出しました。懐かしかったです。
テロップの字体は、岡本喜八さんへのオマージュなのでしょう。
岡本喜八さんの、ニヒルでシニカルな笑いがチラと漂う乾いたタッチの作品群そのものへのオーマジュもあったかもしれません。そういう風に見ると、もったいなかった部分はあるかも(大汗

正直、あまり期待してなかったのですが(汗)、とても面白かったです。

最初の進化前のゴジラ、とっても気色悪かったです。なんか不定形っぽくって、生理的にぞわぞわしました。特に正面からの顔ー!そして皮膚ー!!
監督、製作陣の狙い通りでした~(^^;;

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2016年6月 6日 (月)

さざなみ:映画 

2015年 英国 95分 原題「45 Years」

公式サイト

原作:デビッド・コンスタンティン「In Another Country」
監督・脚本:アンドリュー・ヘイ/製作:トリスタン・ゴリハー/撮影:ロル・クローリー/美術:サラ・フィンレイ/編集:ジョナサン・アルバーツ
出演:シャーロット・ランプリング、トム・コートネイ、ジェラルディン・ジェームズ、ドリー・ウェルズ、デビッド・シブリー、サム・アレキサンダー、リチャード・カニンガム、ハンナ・チャーマーズ、カミーユ・ウカン、ルーファス・ライト

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長年連れ添った夫婦の関係が1通の手紙によって揺らいでいく様子を通し、男女の結婚観や恋愛観の決定的な違いを浮かび上がらせていく人間ドラマ。

結婚45周年を祝うパーティを土曜日に控え、準備に追われていた熟年夫婦ジェフとケイト。ところがその週の月曜日、彼らのもとに1通の手紙が届く。それは、50年前に氷山で行方不明になったジェフの元恋人の遺体が発見されたというものだった。その時からジェフは過去の恋愛の記憶を反芻するようになり、妻は存在しない女への嫉妬心や夫への不信感を募らせていく。

「スイミング・プール」のシャーロット・ランプリングと「カルテット!人生のオペラハウス」のトム・コートネイが夫婦の心の機微を繊細に演じ、第65回ベルリン国際映画祭で主演男優賞と主演女優賞をそろって受賞した。(映画.comより)

@京都シネマ

原作未読はもちろん未読です。
S・ランプリングを見たくて鑑賞しました。
ちょっとネタばれが含まれているので、ご注意くださいませ。
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ほとんどランプリングとコートネィの二人芝居。
夫婦の微妙な機微を静かに描いていて、絶妙でした。

夫のジェフは75才。定年まで真面目に工場を勤め上げた人。
定年まで教師を勤め上げた妻のケイトは、10才ほどは年下なのでしょうか。
おそらく、妻の父は二人の結婚に反対だった。
年の差もあるけれども、夫がブルーカラーだったことが原因だった気がしました。妻はきっと知識階級の出身だろうから。

そういういきさつはあったけれども、45年間、大きな諍いなく暮らしてきたと思われる夫婦です。
子供がいないためでしょう、自分たちの写真はほとんど撮らなかった。今思えば、少しもったいない気もする、とケイト。彼女は過去を振り返らないのです。

舞台となった場所は、運河の「ザ・ブローズ」と観光で賑わっている町があるので、イースト・イングランドのノーフォーク州あたり。

ジェフとケイトが住む村は、豊かな田園ではあるけれども、天候は荒い。
夫妻の心情を表していたと思います。

以前ロンドンからケンブリッジ行きの電車を乗った時に、ゲンブリッジから引き返さずに、終着、キングス・リンまで乗って見たことがあります。
ノーフォーク州の北のはずれにある町でして、10月半ばだったのですが、まあ、風が強くて寒いこと。そして晴れたと思えばいきなり大雨の繰り返しだったことを思い出しました。
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上記の粗筋の通り、50年前に行方不明になった恋人が発見されてから、穏やかだった老夫婦にさざなみが立ちはじめます。
氷河に閉じ込められて、骨になることもなく、そのままの姿で発見された恋人。

妻は過去をさ迷いはじめる夫に苛立ちを感じざるを得ません。
自分が出会う前の夫の過去。自分の存在しない夫の過去。

穏やかかつ生き生きしていたケイトの眼差しが、徐々に悲しみと苦しみに満ちていきます。
しかし夫は、妻の変化に全く気がつかない。

夫婦して禁煙していたのに、お互いが吸いだしてしまう・・・ランプリングが煙草を吸う姿が実に格好良かったです(^^;;

夫婦の心を描いて、凡庸なサスペンス映画など足元にも及ばぬ緊張感が漂っていました。

そして、衝撃の秘密を知ってしまうケイト。
夫が妻にひた隠す秘密。なんという残酷で哀しい秘密。
秘密以上にケイトを打ちのめしたのは、あくまで秘密にしようとする夫の気持ちでした。
例えその気持ちがいたわりからであっても、隠されることが、ケイトにとっては悲しく、そして屈辱ですらあったのです。

ここからのランプリングが凄い。
眼差しが徐々に鋭くなっていき、結婚45周年を祝うパーティ会場の化粧室で自分をじっと見つめる目つきは、まるであの「愛の嵐」のルチアのようでした。

ケイトは一体どんな決意をしたのか。

全くセリフのない、ケイトの表情の変化だけで物語るラストの長回しのダンスシーンが素晴らしかったです。

見終わった後、まず思ったこと。

シャーロット・ランンプリング、凄い!

でした。

ケイトの、そうか、こんなに遠くまで来てしまったんだ、という思いが、セリフではなく、佇まいから伝わってきて、もちろん環境などは全く違うけれども、我が身の過去とリンクしてしまい、思わず泣きそうになりました。

セリフにすると限定化される思い出が、セリフにしないことで、観ている人々それぞれの過去を想起させるのだと思います。
ケイトと観客の共通項は「過去を想う」だけ。その想いを見事に増幅させたランプリングという女優、やっぱり、凄いです。

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2016年5月19日 (木)

世界から猫が消えたなら:映画

2016年 日本 103分 

公式サイト

原作:川村元気「世界から猫が消えたなら」(小学館文庫)
監督:永井聡/脚本:岡田惠和/製作:市川南/プロデューサー:春名慶、澁澤匡哉/撮影:阿藤正一/美術:杉本亮/照明:高倉進/編集:今井剛/音楽:小林武史/主題歌:HARUHI/音楽プロデューサー:北原京子
出演:佐藤健、宮崎あおい、濱田岳、奥野瑛太、石井杏奈、奥田瑛二、原田美枝子

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映画プロデューサー・川村元気による同名ベストセラー小説を、佐藤健&宮崎あおい共演で実写映画化したヒューマンドラマ。

脳腫瘍で余命わずかと宣告された30歳の郵便配達員の青年の前に、青年とそっくりな悪魔が姿を現わす。悪魔は青年に、大切なものと引き換えに1日の命をくれるという。電話や映画、時計など大切にしてきたものが次々と失われていく中、青年は元恋人と再会を果たし、かつての思いや別れの時を思い出していく。親友や疎遠になった父の思いに触れ、亡き母が残した手紙を手にした青年は、人生最後の日、ある決断を下す。

「いま、会いにゆきます」などの岡田惠和が脚本を手がけ、「ジャッジ!」の永井聡監督がメガホンをとった。人気音楽プロデューサーの小林武史が音楽を担当。(映画.comより)

@TOHOシネマズ

原作未読です。
突っ込み含めてネタばれしていますので、ご注意ください。
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粗筋などから想像出来るとおりの、ファンタスティックなストーリーです。

物語は主人公のモノローグで進みます。名前はわからないまま。
主人公の父親は仕事一筋の無口な時計職人。
時にはぶつかる父と一人息子の間を優しく取り持つ、優しく物静かな母親は、数年前に病死。
その後息子は家を出て、同じ町の中で一人暮らしをしている。

映画好きな大学の同窓生で、今は映画館で働く元恋人。主人公と別れた後でも、母親と親しくつきあっていました。
大学の同窓生、映画マニアで、今はレンタルビデオ店の店長をしている親友"ツタヤ”、本名タツヤ。

時々大きく波打つシーンはあっても、猫がメインテーマのひとつということもあるのでしょうか、基本、低血圧なテーストというか淡々と物語は進んでいきます。

正直言って、両親や元恋人のキャラ造形が類型的で、作品途中まで切なさが伝わってきませんでした。
二人が出会った切っ掛けである電話がなくなったために、元恋人が主人公のことを忘れてしまう、というシチュエーションは良くあるし、母親は良い人すぎるし、画面も、奥行きがあまり感じれなかったです。

映画が消えてしまったことで、元恋人が勤めている映画館があっという間に空き地に様変わりするのには、胸が痛みました。
そして親友が不治の病であることを知ったタツヤに、いっとうグッときました。

タツヤは、映画のことになると熱弁をふるうけれども、それ以外の時は割りと無表情。その無表情さの中に、映画のことを語り合う友を得た嬉しさをちらっと覗かせるだけだった。
その彼が、主人公に見せる最後のDVDを探しつつ、取り乱す。
この落差を濱田さんが緻密に演じられていて、彼の感情の爆発が、冒頭の余命宣告を受けた主人公のイメージシーンを別にして、本作の中で一番のアクセントだったように思います。

話が進むにつれ、父親のことが気になり始めました。
妻を亡くし、今またたった一人の子供を失おうとしている。

息子が不治の病に罹ってしまうとは思いもよらなかった母は、息子がいつかたった一人になってしまうことを心配しつつ亡くなった。
しかし、家族で最後に残るのは、父親になってしまうのです。

亡き母の思いは、元恋人によって息子に伝えられ、死に直面した彼の心を癒しました。
では、父親は?・・・と。

父親が余命いくばもない妻と、息子を撮った写真は、手が震えていたため、ひどいピンボケだった。
ラストのシーンは、父が、生まれたばかりの息子を抱いて病院から戻ってきた妻を出迎える時に遡る。
父が息子にかけた言葉

「ありがとう。生まれてきてくれてありがとう。」

何か物をなくせば1日生き延びられる、と悪魔に囁かれた主人公が、そのこと承諾するたびに悪魔の選択した物が消え、物にまつわる記憶が欠けて行く。
それは、主人公が死を向き合うまでの心象風景。
いつ死んでもおかしくない、という現実は変わらないけれども、明日死ぬ、という宣告もまた、ファンタジー。

ということで映画は終わるのですが、ラストを見て、違うイメージを抱きました。

全て、死の床に伏した息子に語ってやった物語だったのでは、と。
息子の心が安らぐように。

もしくは、息子が死んだ後に、思い浮かべた息子の死の間際の煌き、そして苦しまずに逝ったと思いたい、父の願望の物語。

母の手紙は本当にあっただろうし、現実的な仮定として、元恋人や親友との思い出は、それぞれ本人たちから聞くこともできただろう、と。

彼らの記憶の欠片を丁寧に集めて、息子の人生を再構築したのかもしれない。
そういう風に観ると、むしょうに切なくて哀しい。
哀しくて寂しい話なのかもしれない・・・あくまで勝手な想像です。

あ、猫、とっても可愛いです(^^;;
北海道ロケも趣きがあって素敵でした。

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※鑑賞した佐藤さんの映画と舞台の一覧(TV及び感想を書いていない作品は除く)

劇場版 さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン
ROOKIES -卒業-:映画
トリック 霊能力者バトルロイヤル:映画
BECK:映画
ロミオとジュリエット:舞台
「るろうに剣心」(2012):映画
リアル 完全なる首長竜の日:映画
カノジョは嘘を愛しすぎてる:映画
るろうに剣心 京都大火編:映画
るろうに剣心 伝説の最期編:映画
バクマン。:映画

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2016年2月13日 (土)

残穢 ー住んではいけない部屋ー:映画 

2016年 日本 107分 

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公式サイト

原作:小野不由美「鬼談百景」(角川文庫)、「残穢」(新潮文庫)
監督:中村義洋/脚本:鈴木謙一/企画、プロデュース:永田芳弘/プロデューサー:池田史嗣/撮影:沖村志宏/照明:岡田佳樹/美術:丸尾知行/音楽:安川午朗
出演:竹内結子、佐々木蔵之介、坂口健太郎、滝藤賢一、山下容莉枝、成田凌、吉澤健、不破万作、上田耕一

小野不由美による第26回山本周五郎賞受賞の同名ホラー小説を「予告犯」「白ゆき姫殺人事件」の中村義洋監督により映画化。小説家の「私」に、読者である女子大生の久保さんから届いた一通の手紙。「住んでいる部屋で奇妙な音がする」とい書かれたその手紙に、好奇心から「私」と久保さんが調査を開始する。そこで明らかとなったのは、その部屋の過去の住人たちが転居先で自殺や無理心中、殺人などさまざまな事件を引き起こしたという事実だった。彼らは、なぜその部屋ではなく、さまざまな別の場所で不幸に遭ったのか。「私」たちは、ある真相にたどり着き、さらなる事件に巻き込まれることとなる。主人公の「私」役に竹内結子、久保さん役に橋本愛と人気女優が共演し、佐々木蔵之介、坂口健太郎、滝藤賢一らが脇を固める。(映画.comより)

@MOVIX

極力ネタばれなしの簡単感想です。

ホラー小説は好きなのですが、ホラー映画は得意ではありません。
しかし、原作は両方とも読んでおり、どう映像化されているのか知りたくて観にいきました。
それに「ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館」を観に行った時にわかったのですけれども、ホラーは部屋で観るより、映画館で観た方が怖さを引きずらない(汗

原作「残穢」は、そのものをほとんど描いていない、探偵譚とも、一種の説話譚とも言える、淡々とした長編。
なので、映画化にあたっては、映像的な恐怖を盛り込むために話をあざとくするのでは、という不安を持っていたのですけれども、原作の淡々さを生かしてうまくまとめてあったと思います。
原作を読んだ時に感じた後味の悪さ、無限に広がる恐怖は伝わってきました。

ああ怖かった、で終わるタイプのホラーではなく、澱のように恐怖が残る映画です。日本人のDNAを揺さぶる、恐怖。
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住まいに関する祟り。それは人やモノを介して拡散していく。
VHSテープの祟りより怖いです。
なぜなら、土地、もしくは住居は、人が生きていくためには絶対必要なものだから。
日本人のDNAにすり込まれている土地に対する信仰心、執着心が恐怖の源。自分の居場所に対する信頼がなくなる、それは限りなく不安で薄気味悪い。
原作及び映画でも語られていましたけれども、土地に何代、何十代も前の思念が残っていると感じたならば、日本中のどこにも住めなくなるのです。
そんなの、気の持ちよう・・・と言いきってしまえる日本人は少ないでしょう。
だから皆、無意識的に土地の禁忌から目を背けている。その禁忌を改めて突きつけてくる映画でした。

欧米ではお化け屋敷が人気物件になっているそうです。
彼らにはこの映画の恐怖は理解できないかもしれません。
日本人が、彼らの悪魔に対する恐怖心を理解できないのと同じく。

ヒロインが絶叫したり、逃げ惑ったりしないことが、雰囲気と相まって余計じわっと怖かったのですけれども、視覚的怖さを求める人には、物足らないかもしれません。いや、物足りないでしょうね、きっと。
動きも少ないですし、ソレのシーンは、はっきり言って拙ないと思いましたし。「世も奇妙」っぽくもありました。

まあ、もっと怖く撮ることもできただろうと思うのですが・・・ビビリの自分には、これくらいで丁度良かったです。原作にもショッキングなシーンはほとんどありませんから。
なので、原作の後日談的な映画オリジナルのラスト・・・編集部のシーンだけは蛇足に感じました。
これくらいはやっておかないと、っていう意図を感じて、ちょっと醒めてしまったのです。
観客の想像力をもっと信頼して欲しかったかな。
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2015年5月14日 (木)

セッション:映画 簡単感想

2014年 アメリカ 107分 原題「Whiplash」

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公式サイト

監督・脚本:デイミアン・チャゼル/製作:ジェイソン・ブラム、ヘレン・エスタブルック、ミシェル・リトバク、デビッド・ランカスター/撮影:シャロン・メール/美術:メラニー・ペイジス=ジョーンズ/編集:トム・クロス/音楽:ジャスティン・ハーウィッツ
出演:マイルズ・テラー、J・K・シモンズ、メリッサ・ブノワ、ポール・ライザー、オースティン・ストウェル、ネイト・ラング

世界的ジャズ・ドラマ―を目指し、名門音楽学校に入学したアンドリューを待っていたのは、伝説の鬼教師。常人に理解できない完璧を求め、浴びせられる容赦ない罵声。やがてレッスンは狂気を帯び、加速の一途を辿る―。(TOHOシネマズサイトより)

@TOHOシネマズ

公開直後に観て、感想も一応書いたのですけれども、まとめきれずに放置しておりました。でも、これ以上のことは書けないなぁ、ということで、アップします(汗
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映画館のHPにある上映予定作品の中で、タイトルや粗筋からは雰囲気が推測できない作品のひとつでした。

興味深そうな題材なので公式サイトを見てみると、なんだか不穏で面白そう、ということで観に行きました。

ネタばれなし・・・にしたつもりの簡単感想です(汗

原題は「Whiplash」、すなわち「鞭打ち」。

不穏、と書きましたが、どんな風に不穏なのかは、公式サイトの予告を見てくださいませ。
教師、フレッチャーが、生徒、ネイマンにイスは投げつけるは、平手打ちはするは・・・これがこの映画の全てでしょう。
だから、面白かったです。

演奏シーンがお飾りになってしまう音楽映画が多い中、予告通り、演奏そのものをメインに据えていて、見応え、聴き応えがありました。
ドラマーが見たら、あの練習方法はどうよ?と感じるかもしれませんけれども。

一見スパルタなのですが、殴られて頑張る、なんていう単純な授業ではなく、芸術が絡んでくるので、教師も生徒も異様なテンションになっていく。このあたり、言葉にするのは難しいのですけれども。

バンドメンバー同士の友情、などという情緒要素など全くない、情け容赦のない展開で、ひたすらこの二人の"対決"をスリリングに描いています。
わずかなシーンでネイマンのバックボーンを伝えているのも、タイトでクールでした。
多少恋愛的要素はありますが、この映画のテーマの非情さを際立たせるエピになっていました。

ネイマンは人付き合いを一切しない、はっきり言って感じの良くない青年ですけれども、それは彼の意識が全て音楽に向かっているためでもある。その一途さをフレッチャーは嗅ぎつけたのでしょう。

ネイマンにとってはフレッチャーは、芸術に潜む悪魔の権化ような存在、あるいは芸術の不条理性そのものです。
ラストの映像が忘れられません。
芽生えたかのように見える絆も、次の曲ではたちまちズタズタになってしまうに違いないのです、最高の音楽を奏でるために。

理想のドラマーを目指して妥協を許さない限り、ずっと"フレッチャー"にいたぶられ続けることを自覚したネイマン。
あの後、どう生きていくでしょうか。
遠い未来、彼自身が"フレッチャー"になるかもしれない・・・

フレッチャーを演じたJ・K・シモンズは言うまでもなく、ネイマンを演じたマイルズ・テラーも鬼気迫る演技、沈んだ色調を貫いた映像も素晴らしかったです。

時間を割いて映画館に行く価値のあった作品でした。

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2015年4月10日 (金)

ジヌよさらば ~かむろば村へ~:映画

2015年 日本 121分 G

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公式サイト

原作:いがらしみきお「かむろば村へ」(小学館 ビッグコミックススペシャル)
監督・脚本:松尾スズキ/ エクゼクティブプロデューサー:坂本雅司/プロデューサー:武部由実子、中田由佳里/撮影:月永雄太/美術:岩本浩典/編集:上野聡一/音楽:佐橋佳幸/主題歌:OKAMOTO’S
出演:松田龍平、阿部サダヲ、松たか子、二階堂ふみ、片桐はいり、中村優子、村杉蝉之介、伊勢志摩 、オクイシュージ、モロ師岡、荒川良々、皆川猿時、松尾スズキ、西田敏行 

お金アレルギーになってしまった銀行マン高見武晴(松田龍平)は会社を辞め、お金を使わない生活をすべく東北の寒村に移住。そこには謎めいた過去を持つ世話焼きな村長(阿部サダヲ)や、自ら神と称し周囲から人望のある老人(西田敏行)など、強烈な個性を持つ村人たちがいた。一筋縄ではいかない彼らと向き合い自給自足の生活を目指すうちに、高見の生活は予期せぬ展開を見せ……。(MOVIXサイトより)

@MOVIX

原作未読です。
大人計画ユニットで、かつて日本の農村の底流にあった猥雑さや、守り神信仰をナンセンスなテイストで描いた映画。

ネタばれなしで、感想のみ書きます。
笑いのツボは各自それぞれですので、この映画をとっても面白かった、と感じた人、ごめんなさい。
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思わず笑ってしまった箇所はいくつもありました。
しかしその笑いは単発的なもので、ストーリーと映像が渾然となっての大きな笑いは感じられませんでした。

「お金アレルギー」という面白い設定が生かしきれていなかったように思ったのです。
確かに村長の生き様も面白いし、その生き様が高見に影響を与える、という展開ではあるのですけれども・・・二つの題材がうまく接合していない。高見と、どこか変な村人たちとの話が、途中から、ありえないほど世話焼きの村長中心の話になってしまって、笑いのエネルギーが分散してしまったように感じました。

村長の話でいったん落としたテンポのままで終わってしまったのも、残念。
中盤まで、不器用で浮世離れした高見と、異常にシャキシャキしている村長のコンビがとても面白かったのに。

笑った部分のほとんどが、阿部サダヲさんのシーンでした。
エキセントリックかつアグレッシブなキャラはオハコとは言え、間の取りかた、表情、そして体のキレが抜群でした。
彼がスクリーンに登場すると、一気に場を持っていってしまうのです。

なので、最初は主人公だった高見が、だんだん脇になってしまう。
村長にあっけにられてしまって、呆然と眺める松田さんは、可笑しくって味がありましたし、傍観者っぽいスタンスがはまってもいましたけれども。
阿部さんと、とことん、それこそスクリーンからはみ出すくらいの勢いで絡ませて欲しかったです。

そうそう、無駄に目が光る神様、ていう設定が、なんとも言えず可笑しかったです。
こういう無意味な笑いをもっと盛り込んで欲しかったのですけれども、これは好みでしょう。

村長の奥さんを演じた松さんが、「小さなおうち」の上品さとは全く違う、泥臭いエロティシズムを漂わせていたのが印象に残りました。すごい女優さんです。

映画のクライマックスには、思わず「馬鹿か、おめえ」 ←序盤の村長の突っ込みです。

色々突っ込みましたが、ちゃんと笑えたコメディ映画は、久しぶりでした。
場内の受けも、特に前半は良かったです。
なお、「特別出演」ありです。これは見ての、お楽しみ。

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2014年4月26日 (土)

そこのみにて光輝く:映画

2013年 日本 120分 R15+

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公式サイト

原作:佐藤泰志
監督:呉美保/脚本:高田亮/製作:永田守、菅原和博/プロデューサー:星野秀樹/撮影:近藤龍人/美術:井上心平/音楽:田中拓人
出演:綾野剛、池脇千鶴、菅田将暉、高橋和也、火野正平、伊佐山ひろ子、田村泰二郎

芥川賞候補に幾度も名を連ねながら受賞がかなわず、41歳で自ら命を絶った不遇の作家・佐藤泰志の唯一の長編小説を、綾野剛の主演で映画化。「オカンの嫁入り」の呉美保監督がメガホンをとり、愛を捨てた男と愛を諦めた女の出会いを描く。仕事を辞めブラブラと過ごしていた佐藤達夫は、粗暴だが人懐こい青年・大城拓児とパチンコ屋で知り合う。ついて来るよう案内された先には、取り残されたように存在する一軒のバラックで、寝たきりの父、その世話に追われる母、水商売で一家を支える千夏がいた。世間からさげすまれたその場所で、ひとり光輝く千夏に達夫はひかれていく。しかしそんな時、事件が起こり……。(映画.comより)

@京都シネマ

原作未読。ストーリーは書いていませんが、後半、ネタばれを含む感想を書いています。ご注意ください。

1970~80年代のATG映画やロマンポルノをほうふつさせる。(朝日新聞より)

こういう映画を面白い、と言うことが格好良いと思っていた時期に、頑張って観ていたジャンルです。
頑張らないと観れないんだ、ということに気がついてからは、映画自体を見る時間が取れなくなったためもあって、すっかり遠ざかっていました。
でも、こういういジャンルもまた日本映画の伝統だしなあ、ということで久しぶりに頑張って(汗)、観に行きました。

私小説っぽい感触と破滅の予感が懐かしかったです。
懐かしいだけでなく、今の底辺の人々・・・自らドロップアウトする若者たち、先行きのない介護と老後を描いていて、作家の世界が確立されていました。
作品の基幹をなすのは、セリフのない長回しのシーンです。
ここから何かを感じることができる人は、引き込まれるだろうと思います。

自分は中途半端に見てしまいました。
映像に引き込まれる時もあったし、ふと現実に戻って、後何分あるんだろう、と思ってしまったり(汗)
冗漫な作品というわけではありません。
時々、登場人物たちの心に寄り添うのに疲れてしまったのです。

疲れる、というのが、こういうジャンルを観なくなった理由だったことを思い出しもしました。

傷ついた旅人と母性を持ったヒロイン、そして無防備すぎる子供の話。

メインの三人に悪意がないのが救いもあり、悲劇を際立たせてもいました。
ハッピーエンドにはならないことははっきりしている。でも、せめて命だけは落とさないで欲しい、と願わずにはおれませんでした。
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ヒロイン、千夏を演じた池脇さんの、ぼにゃっとしたボディが素晴らしかったです。
貧困、介護、暴力、そして醜さと愛情。全てが、ヒロインの肉体を通じて描かれていました。

家を守り、男たちに虐げられる。
そういう環境を諦念して受け入れている、可哀想なヒロイン。

諦念。

例えばですが、少し前に見た、東欧移民の悲劇を描いた「エヴァの告白」のヒロインは、決して諦めない。
だからどんなに悲惨な境遇に陥っても、可哀想、とは思いませんでした。

諦念することで精神を守るのが、日本人なのかもしれません。

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ここからネタばれ含む感想です。ご注意ください。

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千夏が会社を一ヶ月でドロップアウトしたのは、本当に「そんな生活がつまらない」と思ったからなのか。
つまらない、と思わなければ、家を守れなかったのか。

何となく異質だったので妙に印象に残ったのが、母が、千夏が作っている料理に錠剤を入れるシーンです。

入れたのは、父親の”普通”の薬だと思っていました。
そして、薬代にも困っている描写。
その直後帰宅した拓児が、その料理をむしゃむしゃ食べ始める。
しかし、母と姉は止めるどころか、全く気にしない。

きっと日常的にあることなのだろう、こんなところまで雑な家族であることを表現しているのだ、と解釈したのでしたのですけれども。

ラスト近くになって、以前起こした暴力事件の記憶がない、という千夏の言葉と照らし合わせて、ひよっとしたらあの薬は父親のではなくて、拓児の薬だったのかも?と一瞬思いましたが、いや、やはり父親の薬、飲むと早く惚けるという方の薬だったのだろうか・・・だとしたら、この家族の悲劇のスパイラルの象徴。

説明セリフがほとんどなく、女たちが本当のことを言っているとは限らないので、色んな推測ができる作品だと思います。
対して、男たちはみな・・・本当のことを言っており、それが皮肉に感じました。

達夫が、拓児の逃亡先に自分のアパートを思い浮かべなかったことに、最初に気づけよと、思わず突っ込んでしまったのですが、そういう男だから拓児がなついたのでしょう。

傷は抱えているけれども、ちょっと格好が良くって、どこまでも優しい男。
もし男性の監督なら、もっと容赦なくダメ男に描いたような気がします。

泣きじゃくる拓児をおさな子のように抱きしめる達夫。
達夫と拓児の二人乗りのシーンが、可愛らしくて哀しかったです。
あんなに汚らしくても美しく観えるのは、若さゆえなのでしょう。

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もし10代もしくは20代の時に観たらトラウマになりそうな、思わず吐き気をもよおすシーンもあり、予想以上に観る人を選ぶ映画でした。

それでも、映画館からの帰り道、彼らのことを考えずにはおられませんでした。

何ごともなく山へ行ったなら、拓児は命を落としたかもしれない。
果たして達夫は千夏を救えたのか、千夏は達夫の差し伸べた手をとったのか・・・

「そこのみにて光輝く」。

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2014年3月15日 (土)

世界にひとつのプレイブック

2012年製作 アメリカ 122分 原題「SILVER LININGS PLAYBOOK」

公式サイト

Photo

原作:マシュー・クイック「世界にひとつのプレイブック」訳:佐宗 鈴夫(集英社文庫)
監督・脚本:デビッド・O・ラッセル/製作:ドナ・ジグリオッティ、ブルース・コーエン、ジョナサン・ゴードン/製作総指揮:ボブ・ワインスタイン、ハーベイ・ワインスタイン、ジョージ・パーラ、ブラッドリー・クーパー/撮影:マサノブ・タカヤナギ/美術:ジュディ・ベッカー/音楽:ダニー・エルフマン
出演:ブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス、ロバート・デ・ニーロ、クリス・タッカー、ジャッキー・ウィーバー、アヌパム・カー、シェー・ウィガム、ジュリア・スタイルズ、ジョン・オーティス、ポール・ハーマン

それぞれに最愛の人を失い心に傷を負った男女が再生していく姿を、笑いや涙を交えて描いたヒューマンコメディ。監督は「ザ・ファイター」のデビッド・O・ラッセル。主演は「ハングオーバー!」のブラッドリー・クーパーと「ハンガー・ゲーム」のジェニファー・ローレンス。妻の浮気が原因で心のバランスを崩したパットは、仕事も家も失い、両親とともに実家暮らし。いつか妻とよりを戻そうと奮闘していたある日、事故で夫を亡くして心に傷を抱えた女性ティファニーに出会う。愛らしい容姿とは裏腹に、過激な発言と突飛な行動を繰り返すティファニーに振り回されるパットだったが……。パットの両親役でロバート・デ・ニーロ、ジャッキー・ウィーバーが共演。第85回アカデミー賞では作品、監督、脚色、主演・助演男女と主要部門すべてでノミネート。ローレンスが主演女優賞を受賞した。(映画.comより)

@京都シネマ

公開時に見逃し、今年になってから京都シネマの「2013年ベストテン」イベントで鑑賞しました・・・2月にですが(大汗)。

有名な作品でもありますし、多少のネタばれを交えて、ざっくりと書きます。

薬物依存やアルコール中毒を含めて、心のバランスを崩した人々を主人公にした作品は数多いし、また、このジャンルの作品がアメリカでは高い評価を得るのよね、と少し斜めな気分(汗)で見ていました。

突如真夜中に延々と喋りはじめるバット、そんな彼を受け止める両親の姿は、身内のことを思い出して、息苦しかったです。
本人もつらいし、周囲もつらい・・・

薬を服用せず、何とか自力で直そうとするバット。
しかし、スイッチが入ると自己制御できなくなってしまう。
そんな不安定な息子と、フットボールの試合観戦を通じて何とかコンタクトをとろうとする父親。
夫と息子のやりとりを不安ながらもじっと見守る母親。

穏やかな時間を過ごすように努めてはいるのですが、ちょっとしたことですぐに綻びてしまいそうな家族。

精神科学が進歩するに連れ、却って普通と普通でないことの境界線が曖昧になっている今を描いた冒頭しばらくは、家族のヒリヒリした空気が辛かったのですが、ティファニーの登場で流れが変わります。

コメディ度がどんどん増していって、フットボール観戦でのインド人主治医との出会いでは、思わず笑ってしまいました。苦い結果にはなりましたけれども、先生がバット家でしょぼんとしている姿はユーモラスでした。
その他、病院仲間のダニー、恐妻家でストレス溜まりまくりの友人、ロニーなど、サブキャラの使い方がツボでした。

ダンスコンテストの、出番までの緊張感の作り方、点数のオチも良かったです。
父たち、応援団の大歓声に思わずホロリとさせられました。

しかし、何といっても出色だったのは、コンテストでの二人のダンスシーン。

これほどセクシーでパッション溢れる画は久しぶり。
画面から、二人の体臭、感情がほとばしっていました。
下手がゆえに、セックスそのものを感じさせるダンスになってしまう、その塩梅が抜群。
肉食系のセックスアピールはあまり好みじゃないのですけれども、一生懸命さがいとおしく、二人の魂の煌めきに、心地よくドキドキしました。
キャストの熱演を実に上手く撮っていたのにも感動。
まさしく「再生」そのものを撮ったシーンでした。

二人の再生は家族の再生でもある。普通ではないけれども、普通でもある人々のささやかな幸せ。

はっきり言って、彼らの幸せな姿は、こうであって欲しい、という願望です。
でも、夢を描くのがハリウッド。

ハリウッドの良き伝統をベースに、細部まで監督が目の行き届いているのが心地良い作品でした。

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原題の「SILVER LININGS PLAYBOOK」、聞き馴染みのない言葉でしたのでなかったのでweblioで調べてみました。

「SILVER LINING」は希望の兆し、という意。
「PLAYBOOK」はアメフトのフォーメーションを収録してある本のこと。

silver liningは
「Every cloud has a silver lining.」
どんな雲にもみな銀の裏がついている 《憂いの反面には喜びがある》

という諺からきたのだそうです。

なるほど。

日本語のタイトルをつけるのは大変だったでしょう。
原題のまま公開されなくって良かったです。

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2013年12月13日 (金)

劇場版SPEC ~結(クローズ)~ 爻(コウ)ノ篇:映画

2013年製作 日本 91分 

公式サイト

Spec2

監督:堤幸彦/脚本:西荻弓絵/エグゼクティブプロデューサー:濱名一哉/プロデューサー:植田博樹・今井夏木/アソシエイトプロデューサー:大原真人・渡邉敬介/ラインプロデューサー:市山竜次/音楽:渋谷慶一郎・ガブリエル・ロベルト
出演:戸田恵梨香、加瀬亮、竜雷太、北村一輝、栗山千明、有村架純、載寧龍二、岡田浩暉、松澤一之、香椎由宇、KENCHI、遠藤憲一、渡辺いっけい、三浦貴大、向井理、大島優子/神木隆之介/イ・ナヨン、浅野ゆう子、福田沙紀、城田優、田中哲司、安田顕、真野恵里菜

戸田恵梨香と加瀬亮と堤幸彦監督による、“未詳”こと未詳事件特別対策係捜査官対“SPEC”こと特殊能力者との激戦を描くシリーズ完結編二部作の後編。最終章となる本作では、これまで隠されてきた数々の謎がついに解き明かされる。テレビドラマ版レギュラー陣に加え、向井理に大島優子、香椎由宇に遠藤憲一ら豪華キャストが共演。全人類の未来を左右する、スケールの大きなストーリーの結末から目が離せない。(Yahoo!映画より)

@TOHOシネマズ

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根本的なネタばれなしです。
事前に予想できるシーンのみ、少しやばそうな所は固有名称は書きませんでした。
でもちょっとネタばれを含んでいるかも?(汗)
その上、

ものすごく突っ込んでいます。

ご注意くださいませm(_ _)m
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どんな結末が描かれるのか。

ストーリーはともかく、映画全体の雰囲気は前編を観て大体推測できましたし、前編のパンフで、広げすぎて収拾がつかなくなるかも、というようなことをプロデューサーが語っていたこともあり、相当覚悟を決めて観にいったのですが、予想以上の出来でした(泣)
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まず、世界観から。

人が次々と簡単に亡くなるのは、そういう映画だから、としても。

世界中、いや少なくとも日本を覆った大厄災は、すべてなかったことになったの?
もし、そうだとしたら、亡くなった人たちはどうなったの?
いや、なかったことにはなってないはず。
何故なら彼はああなったままだし、亡くなった人・・・少なくとも彼は亡くなったままだし。
ラストの長い長い長いシーンは、時を漂う彼女の記憶で、実際は破壊された世界が広がっているのか?
だとしたら、ラストの街角のシーンは○ラレル○ールド?

どこまでが○ラレルなのか非常に曖昧でした。
観る人の解釈に任せる、ということなのでしょうが、あまりに任せすぎ。
論理的な部分をもう少し入れ、決めるところは決めてくれないと。
SFとファンタジー(この映画の場合は伝承?)をごちゃまぜにしたままでした。
それでもエンターティメントがあればいいのですが、それも未消化なまま。

次に映像。

ずっと同じところで戦っているのね(溜息)

VFXなどを駆使してはいたのですけれども、美術、衣装・・・アナログの部分が貧弱なので、作品全体がチープに感じてしまいました。
まあ、チープでもいいのですけれどもね。面白ければ。(毒;;

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その他・・・

アクションSF(?)なのに、クライマックスはキャストたちが対峙しあっているだけ。画が動かないので、何とも間延びして見えたのは否めません。

加えて。
同じ場所で、キャストの組み合わせを変えただけで、同じ内容のセリフを二度も言わせる構成はどうなんだろう、と。
そのことが気になって、このセリフが映画の一番の肝なのに、全く感動できませんでした。

前編ラストもそうでしたが、本作も延々と流れるラストシーンなど、映画としての尺を保つため、としか思えなかったです。
大人の事情があるのは察せられるのですけれども、多少長くなっても、前後編を1編にまとめた方が、少なくともスピード感は出たと思います。

浮遊シーンをエンドロールにして、あのカットでさっと終われば、まだ少しは引き締まったかもしれません。

練れていない設定のために悪役・・・の方々まで巻き添えを食ってしまい、薄っぺらなキャラに見えてしまったのは、何ともお気の毒でした。

「結」は当麻の物語だ、と加瀬さんが語っていた通りの内容ではありましたが、前編にはまだあった、当麻と瀬文の掛け合いがほとんどなかったのは、このコンビのファン、すなわちテレビシリーズからのファン、あの独特の世界観を楽しみにしていたファンの期待を裏切るものではないでしょうか。

本作はドラマあっての映画なのだから。

せっかく育てたコンテンツを見事に壊してしまった作品。

観終わった後、若い女性の二人組が「何がどうなったのか、よくわからない」と呟いていました。

そうだよね・・・

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2013年11月16日 (土)

劇場版SPEC ~結(クローズ)~ 漸(ゼン)ノ篇:映画

2013年製作 日本 94分 

Spec1

公式サイト

監督:堤幸彦/脚本:西荻弓絵/エグゼクティブプロデューサー:濱名一哉/プロデューサー:植田博樹・今井夏木/アソシエイトプロデューサー:大原真人・渡邉敬介/ラインプロデューサー:市山竜次/音楽:渋谷慶一郎・ガブリエル・ロベルト
出演:戸田恵梨香、加瀬亮、竜雷太、北村一輝、栗山千明、有村架純、載寧龍二、岡田浩暉、松澤一之、香椎由宇、KENCHI、遠藤憲一、渡辺いっけい、三浦貴大、向井理、大島優子/神木隆之介/イ・ナヨン、浅野ゆう子、福田沙紀、城田優、田中哲司、安田顕、真野恵里菜

戸田恵梨香と加瀬亮がW主演を果たし、“SPEC”こと特殊能力を保持する犯罪者と対峙(たいじ)する特殊捜査官の奮闘に迫る人気シリーズ完結編2部作の前編。宿敵との死闘を終えた未詳と呼ばれる未詳事件特別対策係所属の名コンビが、新たに立ちふさがる敵に向かうさまを活写する。メガホンを取るのは、テレビドラマシリーズから劇場版までを手掛けてきた堤幸彦監督。あらがえない流れに翻弄(ほんろう)される登場人物たちが体験する壮大な展開に息をのむ。(Yahoo!映画より)

@TOHOシネマズ

まだ完結していませんので、いつも以上にネタばれなしの、簡単感想です。

「天」の時に、なぜTVでやらなかったのかなぁ、といったようなことを書きましたが、その答えがパンフレットに掲載されていました。
今回の完結編にしても、同じ理由なのでしょう。
「零」の視聴率を見ると・・・(汗)

仔細を知りたい方はお買い求めくださいませ。
最近は公式サイトが充実しているのでパンフレットを買うことはほとんどないのですけれども、映画を観る前にブロガーさんたちの、買うべき、という記事を読んで買いました。
ちゃんと内容があって、しかも600円、とお値打ちです。
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お話はさすが完結編、というべきなのでしょうか・・・お遊びの部分が少ないハードでシリアスなものでした。
冒頭、不死身な瀬文を、例のごとくおちょくる当麻。
このシーン以外、二人のコミカルなやりとりはあまりありませんでした。
それどころじゃないのはわかるのですが、寂しい。
あ、瀬文の居眠りシーンは爆笑。どこかは、言えませんが(汗)

パンフレットの示唆通り、映画ではなく、TVドラマだと割り切って観ましたので、あちこちにちりばめられている回想シーンも許容しました(_ _)
実際、「天」の内容はほとんど忘れていたので、助かりましたし。(大汗)

でも、ラストは長く感じました。
もちろんそれだけの理由・・・があることはわかっています。
それでも、長かったです。
思いを伝えるのは長さじゃないと思うのですが。
加えて言うと、スクリーン上であんなに嫋嫋と描かれると、観ている方に悲しむ余地がなくなると思います。
冷たい言い方ですが、コントに見えてしまいました。それが狙いだったら・・・ごめんなさい。
いや、そうだとしても、長いと思います。

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まるで「猿の惑星」(もちろんオリジナル第1作)のようだった「天」のラストシーンから、どう世界を広げるのかな、と思っていたら、そうですか、「あれ」をもってきましたか。

それなら何でもありだわねー(^^;;


回収されない伏線はあっても、とりあえず、オチはつけれそうです。

なお、キャスティングに名を連ねている人たちの半分くらいは、回想シーンのみの登場でした。
後編では登場してくれるのでしょうか。
当麻のSPECならば、登場するかもしれません。

最後まで見届けます。

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