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2017年5月18日 (木)

カフェ・ソサエティ:映画

2016年 アメリカ 96分 原題「Cafe Society」

公式サイト

Photo

監督・脚本:ウッディ・アレン/製作:レッティ・アロンソン、スティーブン・テネンバウム、エドワード・ワルソン/製作総指揮:アダム・B・スターン、マーク・I・スターン、ロナルド・L・シェ撮影:ビットリオ・ストラーロ/美術:サント・ロカスト/衣装:スージー・ベンジンガー/編集:アリサ・レプセルター
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、クリステン・スチュワート、ブレイク・ライブリー、スティーブ・カレル、コリー・ストール、パーカー・ポージー、ケン・ストット、ジーニー・バーリン、サリ・レニック、スティーブン・クンケン、アンナ・キャンプ、キャット・エドモンソン
ナレーション:ウッディ・アレン

ウッディ・アレン監督が1930年代ハリウッド黄金時代を背景に、きらびやかな社交界(カフェ・ソサエティ)に身を置くことになった青年の恋や人生を描いたロマンティックコメディ。

映画業界で働くことを夢見るニューヨーク生まれの青年ボビーは、業界の有力者である叔父フィルを頼ってハリウッドにやってくる。フィルの秘書を務める美女ヴォニーに心を奪われたボビーは、映画スターやセレブリティを相手に、フィルの下で働きながらヴォニーと親密になっていくが、彼女には思いがけない恋人の存在があった。

「ローマでアモーレ」でもアレン監督と組んだジェシー・アイゼンバーグが主演を務め、「トワイライト」シリーズのクリステン・スチュワート、テレビドラマ「ゴシップガール」のブレイク・ライブリー、「マネー・ショート 華麗なる大逆転」のスティーブ・カレルらが共演。アレン監督が自らナレーションを務める。女優陣が着こなすシャネルなどの華やかな衣装にも注目。(映画.comより)
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@TOHOシネマズ

ネタばれあります。ご注意くださいませ。

1920年代を描いた「ミッドナイト・イン・パリ」ほどおしゃれではなく、本映画の主人公と同じく成り上がりのセレブを描いた「ブルージャスミン」のような毒はなく。
時間は元に戻らない、という切なさがひたすらメインの、ラブストーリーでした。
ヴォニーよりボビーの方がはるかに切なそうなのは、いつの時代においても女性の方が現実的、というアレン監督の感慨の反映かも。実際、そうだし(苦笑

ストーリーにはほとんど絡んでこないボビーの兄、ギャングのベンが、キーパーソンだった気がする。
ベンが危なっかしいがために、きらびやで明るい社交界のシーンの底辺に、常にいつか兄の悪行が公になった時、生活も家族も崩壊するんじゃないか、という不穏さが漂うのです。自分には、この不安定感の方がラブストーリーより印象に残りました。

表のテーマであるラブストーリーの方も、不倫、という穏やかならぬ形で再開するのですが・・・時は戻らない、というヴォニーの結論によって大きな破綻なく終わるのです。ベンが家族たちに大きな亀裂を生むことなく、しごくあっさり退場するのと同じく。

故郷NYが大好きなユダヤ人青年、ボビーの青春を淡々とセンチメンタルに描いた、御大の感性の瑞々しさが胸に沁みる映画でした。

決断したあの時はもう、戻ってこない。その「時」の重さは、年を経るごとに深く沈殿していく・・・感傷的はあるけれども湿っぽくはない、沈んでいくけれども重くはない。この塩梅の良さはさずがだな、と思いました。

ほか、印象的な部分をひとつ、ふたつ挙げると・・・まず、とっても監督らしい部分として、ベンの凶悪なギャングっぷりがスプラスティックに描かれていたこと。ベンのキャラをブッラクユーモア的に描いたことで、映画全体が軽やかになったと思います。

それから、ボビーの姉エヴリン。無学なんだけれども、インテリの夫が操るこ難しい言葉の咀嚼力が素晴らしく、名言を連発してたことでした。

あと、西海岸の、からっとした空気感を捉えたシーンも綺麗だったけれども、NYの風景が素敵でした。セントラルパークの緑、しらじらと明けていく街、真紅に暮れる空。すべて美しかったです。
薄暗いジャズラウンジなどを含めて、パリの美しさをひたすら撮った「ミッドナイト・イン・パリ」と同じくちょっと絵葉書臭は漂うのですが・・・NYの美しさに溢れた映画でもありました。

そしてNYの夜景と言えばここでしょう、というくらい超有名なブルックリンブリッジ。スクリーンにこんなに華やかに無垢に映し出されたのを見たのは久しぶりな気がする。
1930年代。アメリカがまだ自身を疑わなかった時代・・・とてもノスタルジックでした。

さらっとした作品ですので、コアな監督ファンには物足らないかもしれないけれども、アレン初心者にはお薦めです。

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