カルテット 第7話「人を殺しました…夫婦決死の逃亡劇の結末は」
なぜ、すずめ(満島ひかり)は縛られていたのか?
なぜ、有朱(吉岡里帆)が別荘へ来たのか?
その真相が語られていく……。
そして、真紀(松たか子)・幹生(宮藤官九郎)夫婦の選んだ結末とは…!?
終わりの始まりーー。
激動の第7話をお楽しみに!!(公式サイトより)
この回が最高の出来になるかも、と思っていた前回とは全く趣を変えての、今回もまたとっても面白かったです。
二人がすれ違っていく様を静かに描いた前回とは曲調が変わり、テンポアップ。
巻夫妻のB面物語・・・あ、レコード世代でないと良くわからない例えですね(^^;;
有朱を死なせなかったことで、やっとこのドラマの方向性、少なくともブラックユーモアをオチにはもってこなさそうなことが見えて、ひと安心。
スプラスティックな展開を楽しみつつ、巻夫妻のそれぞれの揺れる思いに集中して見れました。
妙に美しい論高のこけ方。うまいことゲージがぶつかって、ナイス!
駒落とし風の有朱の車のバック。どこまで行くねん、ありえへんやろ~(笑
なぜか「おサルのかごや」を無表情に熱唱する論高と有朱(笑々
などなど、ともすれば日本のドラマでは浮きがちなシュールなエピが、しっとりとした本題と馴染んでいたのが素晴らしかったです。
元はと言えば自分が悪いのだけれども、なんだかんだで殺されそうになったことにも全く頓着しない有朱ちゃん、やっぱり変な子です。お金に困っている、というより、大金が欲しいみたいです。
そして全く役に立たない男たち。
結局真紀に救出される司。
巻き戻すって・・・無視された駄洒落でも連打する論高(笑
あと、病院では包帯でぐるぐる巻きだったせいで、幹生が全く気がつかなかった、という設定にもなんだかニヤニヤ。
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失踪したことを責めない真紀に、罪悪感はあるけれども、母親のように甘えてしまう幹生。
1年のブランクなどなかったかのように、すぐに夫婦の空気に戻る二人。
抱かれたいの・・・見る見る女の顔になっていく真紀。松さん、さすがです。
好きなことを楽しめばいい、という夫に、自分はつまらない、何のとりえもない、と訴える真紀に、何故か涙しました。なんというところのない、普通のシーンなのに。これが女優力というものなのでしょう。
そして夫婦に戻るつもりはないのだろう、と思いつつも、感情の行き先を見届けたくて、幹生の一挙一足に引き付けられました。
食事が終わって後、離婚のことを改めて切り出す幹生を見詰める真紀の表情は、一変していました。
それまで溢れていた女の性が消え失せた、未練を断ち切った表情。半分しかあたっていない照明が効果的でした。
夜の区役所に離婚届を提出した後、ラスト、幹生のハグをスルーする真紀。
警察署の階段を昇って行く元夫を見詰める眼差しはもう、乾いている。
この一年間、夫の帰還を待ち望む一方で、夫がパートナーとしての自分にがっかりしていたことを反芻していた真紀。
いつ、それらの想いを振り切ったのでしょうか。
次回、鏡子と会話を交わす時、多少とも明かしてくれるかもしれません。
幹生からプレゼントされた詩集、見せられたフランス映画は、つまらなくってわからなかった、こんなに面白くないものを面白がる人に興味を持ったのだと、真紀。
自分にないものを持っている人を愛でた真紀、自分と同じ感性を求めた幹生。
つまらないって、面と向かって言っていたら、幹生は真紀のことをミステリアスな人としてずっと愛していたかもしれない、M的発想だけれども(汗
でも、異性愛の力関係って、そんな気がする。
鍋敷きにまでされた詩集、哀れ、火にくべられてしまいました・・・(落涙
あの詩集にこんな運命を背負わすとは。
本と思い出をダブらす手法はよくあるのだけれども、使い方、撮り方がうまい。心に残るカットでした。
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TBS系・火曜ドラマ『カルテット』(公式)
第7話『人を殺しました…夫婦決死の逃亡劇、涙の結末は!!』の感想。
すずめ(満島ひかり)は幹生(宮藤官九郎)に拘束されてしまう。同じ頃、別荘に有朱(吉岡里帆)が侵入し、真紀(松たか子)のバイオリンケースを持ち出そうとする。それを目撃した幹生は、取り返そうとしてもみ合いになり、有朱がテラスから落下。幹生は帰ってきた...... [続きを読む]
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「人を殺しました夫婦決死の逃亡劇、涙の結末は!!」内容雪山を家森(高橋一生)と有朱(吉岡里帆)は、サルを捜していた。ふと、別荘のことを思い出し、家森を置き去りにして別荘を目指す有朱。
一方、別荘のすずめ(満島ひかり)は、真紀(松たか子)の夫・幹生(宮藤官九郎)により、拘束されていた。そこに現れた有朱と幹生は、真紀のヴァイオリンの奪いあいになり、有朱はベランダから転落。そんなとき、真紀が帰ってくる。
幹生がケガをしているのを見て、真紀は、別荘で治療をはじめる。冷静になって別荘の中を... [続きを読む]
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