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2016年6月 6日 (月)

さざなみ:映画 

2015年 英国 95分 原題「45 Years」

公式サイト

原作:デビッド・コンスタンティン「In Another Country」
監督・脚本:アンドリュー・ヘイ/製作:トリスタン・ゴリハー/撮影:ロル・クローリー/美術:サラ・フィンレイ/編集:ジョナサン・アルバーツ
出演:シャーロット・ランプリング、トム・コートネイ、ジェラルディン・ジェームズ、ドリー・ウェルズ、デビッド・シブリー、サム・アレキサンダー、リチャード・カニンガム、ハンナ・チャーマーズ、カミーユ・ウカン、ルーファス・ライト

Photo_2


長年連れ添った夫婦の関係が1通の手紙によって揺らいでいく様子を通し、男女の結婚観や恋愛観の決定的な違いを浮かび上がらせていく人間ドラマ。

結婚45周年を祝うパーティを土曜日に控え、準備に追われていた熟年夫婦ジェフとケイト。ところがその週の月曜日、彼らのもとに1通の手紙が届く。それは、50年前に氷山で行方不明になったジェフの元恋人の遺体が発見されたというものだった。その時からジェフは過去の恋愛の記憶を反芻するようになり、妻は存在しない女への嫉妬心や夫への不信感を募らせていく。

「スイミング・プール」のシャーロット・ランプリングと「カルテット!人生のオペラハウス」のトム・コートネイが夫婦の心の機微を繊細に演じ、第65回ベルリン国際映画祭で主演男優賞と主演女優賞をそろって受賞した。(映画.comより)

@京都シネマ

原作未読はもちろん未読です。
S・ランプリングを見たくて鑑賞しました。
ちょっとネタばれが含まれているので、ご注意くださいませ。
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ほとんどランプリングとコートネィの二人芝居。
夫婦の微妙な機微を静かに描いていて、絶妙でした。

夫のジェフは75才。定年まで真面目に工場を勤め上げた人。
定年まで教師を勤め上げた妻のケイトは、10才ほどは年下なのでしょうか。
おそらく、妻の父は二人の結婚に反対だった。
年の差もあるけれども、夫がブルーカラーだったことが原因だった気がしました。妻はきっと知識階級の出身だろうから。

そういういきさつはあったけれども、45年間、大きな諍いなく暮らしてきたと思われる夫婦です。
子供がいないためでしょう、自分たちの写真はほとんど撮らなかった。今思えば、少しもったいない気もする、とケイト。彼女は過去を振り返らないのです。

舞台となった場所は、運河の「ザ・ブローズ」と観光で賑わっている町があるので、イースト・イングランドのノーフォーク州あたり。

ジェフとケイトが住む村は、豊かな田園ではあるけれども、天候は荒い。
夫妻の心情を表していたと思います。

以前ロンドンからケンブリッジ行きの電車を乗った時に、ゲンブリッジから引き返さずに、終着、キングス・リンまで乗って見たことがあります。
ノーフォーク州の北のはずれにある町でして、10月半ばだったのですが、まあ、風が強くて寒いこと。そして晴れたと思えばいきなり大雨の繰り返しだったことを思い出しました。
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上記の粗筋の通り、50年前に行方不明になった恋人が発見されてから、穏やかだった老夫婦にさざなみが立ちはじめます。
氷河に閉じ込められて、骨になることもなく、そのままの姿で発見された恋人。

妻は過去をさ迷いはじめる夫に苛立ちを感じざるを得ません。
自分が出会う前の夫の過去。自分の存在しない夫の過去。

穏やかかつ生き生きしていたケイトの眼差しが、徐々に悲しみと苦しみに満ちていきます。
しかし夫は、妻の変化に全く気がつかない。

夫婦して禁煙していたのに、お互いが吸いだしてしまう・・・ランプリングが煙草を吸う姿が実に格好良かったです(^^;;

夫婦の心を描いて、凡庸なサスペンス映画など足元にも及ばぬ緊張感が漂っていました。

そして、衝撃の秘密を知ってしまうケイト。
夫が妻にひた隠す秘密。なんという残酷で哀しい秘密。
秘密以上にケイトを打ちのめしたのは、あくまで秘密にしようとする夫の気持ちでした。
例えその気持ちがいたわりからであっても、隠されることが、ケイトにとっては悲しく、そして屈辱ですらあったのです。

ここからのランプリングが凄い。
眼差しが徐々に鋭くなっていき、結婚45周年を祝うパーティ会場の化粧室で自分をじっと見つめる目つきは、まるであの「愛の嵐」のルチアのようでした。

ケイトは一体どんな決意をしたのか。

全くセリフのない、ケイトの表情の変化だけで物語るラストの長回しのダンスシーンが素晴らしかったです。

見終わった後、まず思ったこと。

シャーロット・ランンプリング、凄い!

でした。

ケイトの、そうか、こんなに遠くまで来てしまったんだ、という思いが、セリフではなく、佇まいから伝わってきて、もちろん環境などは全く違うけれども、我が身の過去とリンクしてしまい、思わず泣きそうになりました。

セリフにすると限定化される思い出が、セリフにしないことで、観ている人々それぞれの過去を想起させるのだと思います。
ケイトと観客の共通項は「過去を想う」だけ。その想いを見事に増幅させたランプリングという女優、やっぱり、凄いです。

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