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カテゴリー「#ドラマ:2015年第4クール」の30件の記事

2015年12月31日 (木)

2015年のドラマのまとめ

2015年のテレビドラマで印象に残った作品と俳優さんを挙げます。

各クールの「まとめ」であげた作品、俳優さんとは違う結果になるかもしれませんが、1年を改めて振り返って、ということでお許しください。

※終了していないドラマは除きます。

以下、各クールごとに印象的だった作品を挙げます。

冬クールから「デート~恋とはどんなものかしら~ 」「学校のカイダン」「問題のあるレストラン」
春クールから「天皇の料理番」「64(ロクヨン)」「心がポキっとね」
夏クールから「民王」「ど根性ガエル」「ちゃんぽん食べたか」
秋クールからは「サムライせんせい」「掟今日子の備忘録」「コウノドリ」「破裂」
番外編として見逃し配信で視聴した「おかしの家」

レギュラー感想は書いていなけれども、月のまとめ感想では挙げている作品も含みました。

以下、上位6作品です。

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第5位「民王」
とにかく、可笑しかったです。

第4位「破裂」「64(ロクヨン)」
どちらも見応えがありました。

第3位「おかしの家」
ラストの太郎の悔恨が深く心に残りました。

第2位「天皇の料理番」
正統派で細やかなドラマ作りが気持ちよかったです。

第1位「デート~恋とはどんなものかしら~ 」
ストーリーもテンポが抜群。毎回笑えて、ほろっとさせられました。
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今年もやっぱり近々に見た作品に偏ってしまったかも。
それでも「デート」の1位は揺るぎませんでした。

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印象に残った女優さん
「天皇の料理番」の黒木華さんと迷いましたが、「デート」の杏さんで。

○印象に残った男優さん
長谷川博己さん、菅田将暉さん、佐藤建さん、オダギリジョーさん、ピエール瀧さん、「破裂」の三人・・・今年も多くって迷いましたが、「天皇の料理番」で堂々主役を勤めた佐藤建さんで。

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以上、あくまで、好みです。お許しくださいませ。
2016年もよろしくお願いいたします。

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2015年12月のまとめ<2015年秋クールのドラマ・まとめ>

今期も、ドラマを見る時間もあまりとれない有様で、民放ドラマの感想を書けませんでした。
映画も同じくです・・・。

今後もしばらくこういうパターンになりそうです。

<連続ドラマ>

※書き終えた順番です。
今期のみの作品ではありませんが、一応今期終了した、ということで。
最終回の感想、もしくはまとめ記事にリンクしています。

ぼんくら2
破裂

花燃ゆ

<継続中>

手裏剣戦隊ニンニンジャー
仮面ライダーゴースト 
刑事フォイル

<鑑賞した映画・DVD・演劇>

※面白かった作品に★印を、お金がもったいないと感じた作品に▼を付けていますが、今期は▼はありませんでした。

★バクマン。:映画
ギャラクシー街道:映画 超簡単感想
母と暮らせば:映画 簡単感想

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感想は書いていませんでしたが、最初から最後まで見たドラマは「下町ロケット」「5→9」「サイレーン」「デザイナーベイビー」「偽装の夫婦」「無痛~診える眼~」「オトナ女子」「コウノドリ」「掟今日子の備忘録」「サムライせんせい」です。

結構頑張って見てはいました~(^^;;

※なお、初回の感想や中間の感想へのリンクは一番下に貼ってあります。

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以下、おおよそですが、面白かった順番に短くコメントを書いています。
後の作品になればなるほど突っ込んでいますので、ご注意くださいませ。

まず、全く違うテーストの四作。
順位はつけ難いです。

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「サムライせんせい」
原作未読です。
タイムスリップものをうまくこなしていました。時代説明の手際が良く、また、現代にとまどう武市の姿も、坂本との軽妙なやりとりで描いていました。
ラストには歴史オンチだったスナックのママ、理央がすっかり歴史通になっているのが、いいオチでした。
とにかく、殺陣が格好良かったです。
今期、次回が楽しみだったドラマのひとつです。

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「掟今日子の備忘録」
原作未読です。
1日しか記憶が残らないという特異な設定を、当初は消化しきれていないように感じたのですが、回が進むごとに仄かにしみじとした切なさが伝わってきて、次回が楽しみな作品となりました。
澤野は結局どうなったのか、など、推理物としては突っ込みどころが多々あったのでけれどもね。
厄介の純愛がいつか報われたらいいなあ。

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「コウノドリ」
原作未読です。
あまり興味のないテーマだったのですけれども、真っ直ぐで真摯なドラマ作りに心打たれました。最終話にも思わず涙・・・。
都合良くったっていいから、奇跡が起きて欲しい、と願ってしまいました。
あんな産婦人科が実在していたらなあ、あって欲しい、とも。
サクラのヘスタイルが段々普通になっていった気がする(^^;;

TBSが、こじゃれた軽いタッチのドラマを作るのは得意ではない、とはっきり見切ったのが良かったと思います。

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「破裂」
原作未読です。
今期一番重量級の力作。思わず目を逸らしたくなる現実をつきつけてきたドラマでした。でも、目を逸らすことはできない・・・「コウノドリ」があって良かったです。

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以上、キャストについては書きませんでしたけれども、いずれの作品もキャスティングとチームワークが素晴らしかったです。

ここから少し差があって。
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「無痛~診える眼~」
原作未読です。
予想以上に面白かったです。しかし、ラスト、白神の動機が弱く感じたのと、無痛へのこだわりの根拠がピンときませんでした。

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「偽装の夫婦」
人の数だけ幸せの形がある。
キャスティングがはまっていたのと、誰も死ななかったこともあり、ここ数年の遊川作品の中では、一番面白かったです。
超治と弟子丸のカップルにはセクシャルさが漂っていましたけれど、ヒロとしおりの間には感じませんでした。感じさせないように作ったのでしょう。

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「ぼんくら2」
原作概読です。
宮部作品の味わいをうまくドラマ化していました。

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「下町ロケット」
原作未読です。
勧善懲悪なドラマなので気楽に見れました。
一番の目当ては、ライダー後初ドラマの竹内涼馬さんでしたけれども(^^;;
毎回、誰よりも深くお辞儀していたのが印象的でした。その間、顔が全く映らないのにも関わらず。清々しかったです。
中里はどうなったのかなぁ。
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ここからちょっと差があります、

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「デザイナーベイビー」
原作未読です。
お話は面白かったのですけれども、生後何週間もたっていない赤ちゃんを鞄の中に入れて出歩く、という設定に、視聴モチベーションがダウンしました。

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「サイレーン」
原作未読です。
猪熊が養子であることから、カラとは血縁なのだろう、とは思っていました。
最終回の演出は凝ってはいたけれども、効果的だったかどうかは、うーん、好みですね。
なりたい相手の顔に変える、という動機、及び単独行動が過ぎる里見、警察の無能さ、何よりエリート警察官なのに無条件で他人を信じてしまう猪熊など、無理矢理感がぬぐえませんでした。ラストもあっけなかったですし・・・サイコパス、ハードボイルド、家族ドラマ、恋愛・・・盛りだくさんすぎて中途半端になってしまった気がします。

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「オトナ女子」
主人公二人の恋愛は、まあ、大人の童話ってことで。後味は悪くなかったです。
ラスト、ヒロイン以外の女性二人の描き方が雑になったのが残念です。

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「5→9」
原作未読です。
ヒロインが自分の気持ちに気がついてからは面白くなったのですけれども、ラス前、1話抜けた?と思ってしまう展開にはちょっとがっくりしました。
寺をぶっ壊そうとまでしていた弟が、あっさり改心しすぎ。そもそも、祖母、ひばりはなぜ弟を手放したのでしょうか。まだ幼かったはずなのに。
一橋寺、謎が多すぎます。
ひばりが潤子を超・頑固に嫁として認めない理由が、嫌いだから、だけだったのにも、ちょっと肩透かしを食らいました。何か仕掛けてくると思っていたのになあ。
百絵の腐女子っぷりは楽しかったです。

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番外編「おかしの家」
見逃し配信で視聴していました。

駄菓子屋の「おかし」、子供の時間、優しい時間の象徴としての「おかし」。
しかし、理不尽な悪意によって楽園は奪われてしまった。
「おかし」にこれほど深い意味が込められているとは。
ラストには愕然とし、切なさに涙しました。

かつて、同級生の記憶が曖昧になっていることに愕然とした太郎。
おばあちゃんが自分の名前を忘れたことにショックを受け、おばあちゃんが自ら老人ホームに入所したことに、捨てられたように感じた太郎。
しかし日々の生活に記憶は薄れていく。それが大人になるということなのか。
おばあちゃんはそのことを望んでいたのです。
太郎にとっては深い後悔となるも、おばあちゃんの思いは春馬に引き継がれるのでしょう。

おばあちゃんのために守った家も、仲間と集った庭も、もうない。おそらく跡形も。でも、記憶は残る。思い出そうとする限り。

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「あさが来た」
とにかく毎回ラストの「ひき」が強いです。結局なんでもないことも多く、突っ込みどころもあったりするのですが、朝ドラの王道をしっかり踏まえているので、面白く見ています。朝ドラ名物の「ヒロインあげ」にあまり不快を感じないのは、自分が波瑠さんファンというだけでなく、サブキャラが生き生きしているためもあるでしょう。
今後、母娘の確執がどう描かれるか、ちょっと心配。このままの調子で頑張って欲しいです。
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○印象に残った女優さん
「掟上今日子」の新垣さん、「偽装の結婚」の森川さんが印象に残りましたが・・・すみません、今期はなし、ということで。

○印象に残った男優さん
「おかしの家」のオダギリジョーさん、「掟上今日子」の岡田さん、「偽装の結婚」の沢村さん、「コウノドリ」の網野さん、「サムライ先生」の錦戸さん、神木さんと、男優さんが印象に残ったクールでした。
ここはドラマの内容と併せて圧倒された「破裂」の椎名吉平さん、滝藤賢一さん、仲代達矢さんで。

以上、あくまで、好みです。お許しくださいませ。

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2015年秋のドラマ:視聴予定 
2015年秋クールドラマ 初回感想その1「デザイナーベイビー」「偽装の夫婦」「あさが来た」
2015年秋クールドラマ 初回感想その2「無痛~診える眼~」「掟今日子の備忘録」「破裂」
2015年秋クールドラマ 初回感想その3「5→9」「結婚式の前の日に」「オトナ女子」
2015年秋クールドラマ 初回感想その4「コウノドリ」「下町ロケット」「サイレーン」
2015年秋クールドラマ 短く中間感想

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2015年12月18日 (金)

母と暮らせば:映画 簡単感想

2015年 日本 130分 

公式サイト

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監督:山田洋次/脚本:山田洋次、平松恵美子/企画:井上麻矢/プロデューサー:榎望/撮影:近森眞史/美術:出川三男/照明:渡邊孝一/編集:石井巌/録音:岸田和美/音楽:坂本龍一
出演:吉永小百合、二宮和也、黒木華、浅野忠信、加藤健一、広岡由里子、本田望結、小林稔侍、辻萬長、橋爪功

小説家・劇作家の井上ひさしが、広島を舞台にした自身の戯曲「父と暮せば」と対になる作品として実現を願いながらもかなわなかった物語を、日本映画界を代表する名匠・山田洋次監督が映画化。主人公の福原伸子役を「おとうと」「母べえ」でも山田監督とタッグを組んだ吉永小百合が演じ、その息子・浩二役で二宮和也が山田組に初参加。「小さいおうち」でベルリン国際映画祭銀獅子賞(女優賞)を受賞した黒木華が、浩二の恋人・町子に扮する。1948年8月9日、長崎で助産婦をして暮らす伸子の前に、3年前に原爆で死んだはずの息子・浩二が現れる。2人は浩二の恋人・町子の幸せを気にかけながら、たくさんの話をする。その幸せな時間は永遠に続くと思われたが……。(映画.comより)

@MOVIX

寅さんシリーズはあまり好みではなかったのですが、前作「小さいおうち」が良かったので、観に行きました。
前知識は、原爆で亡くなった息子が、3年後に母の前に現れる、という設定のみ。

後半ネタばれありの、簡単感想です。
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幽霊となった息子、浩二が現れるたびに、冒頭のシーン、あの直後に逝ってしまったのだという現実が、重く切なくフィードバックしました。

とは言え、中盤までは、当時の世相スケッチを挟みつつ、伸子の日常を淡々と描いていて、すこし退屈でした。
いや、退屈と言うより、映像とリズムが素晴らしすぎて、まったりしすぎてしまった、と言ったほうが良いかもしれません。

夫を病で早くに亡くした後、長男はビルマで戦死、次男は原爆で逝ってしまった。
今は独りぼっちだけれども手に職を持っていて、親切な隣人がいて、息子の恋人だった娘に何くれとなく世話をしてもらい、がさつだけれども根は優しい闇屋のおっちゃんが気にかけてくれる。
惨劇は過去とのものとなりつつある、ほんわかとした時間が流れている世界。

しかし、ラストにかけて、まったりしているように見えた世界が、伸子にとっては寒々しく孤独な世界だったことが、静かにじわじわと伝わってくるのです。

ほっとした予定調和のうちに終わると思っていたので、粛然としました。

闇屋の通称「上海のおっちゃん」は寅さんへのオマージュでしょう。
伸子が、無教養で無神経なおっちゃんこそ、今一番正直な人、と信用していることを含めて。

黒木さんは期待通りでした。
夏の盛り、スカートを翻して部屋にあがる少女。裾から白いシュミーズがちらりと見えたのがとても印象的でした。
そして数ヶ月、新年を迎えた時はしっとりと着物が似合う女性に。
自然な佇まいが、実に上手い女優さんです。

二宮さんは、生きていた時のままの、生き生きと朗らかな青年が、自分はもう死んでいること、もう無力であることに涙するシーンが胸うちました。
涙を流すと消えていくシーンが、たまらなく寂しい。

吉永さんは。
この映画のヒロインを演じられるのは吉永さんしかいない。
漂ってくる母性と女性のオーラが物凄かったです。

まったりとした展開からじわじわと孤愁が漂ってきて、ラストには孤独が鋭い痛みとなって心に刺さる。

浩二や浩二の兄、川上教授・・・彼らを襲った出来事が、ひたすら恐ろしいです。
そして恐ろしい、ということを絶対に忘れてはいけない。

また一つ、良き日本映画を観させてもらいました。

ここから、感想のみですが、ネタバレを書きます。
ご注意くださいませ。

2_2


浩二は本当に幽霊となって現れたのか。
伸子の願望が作り出したのか。
死期が近づいたことを無意識に感じた伸子が呼び寄せたのか。
浩二は伸子を迎えるために神に使わされた使者だったのか。
浩二の姿をした死神に取り付かれたから伸子は死んでしまったのか・・・これはないかな(汗

どう解釈するかは人それぞれでしょう。

終盤、他人でさえ伸子の体が弱っていくことに気がつくのに、浩二が全く頓着しないのは、幽霊ならではの無邪気さなのか、と思いました。
しかし、いったん立ち去りかけて、伸子の下に戻ってきた浩二の表情は、それまでの、生前の姿そのままの浩二ではない。
父や長男を含め、先に逝った人々を代表して迎えに来た、何者か。

可哀想に、と、一人で死んでいた伸子を抱きしめる富子に、一人じゃなかったんだよ、と思いかけて。
いや違う、現実は、一人だった。
そして、一人で死ぬことが、可哀想なのではないのだと。

避ければ避けれたはずの戦争によって、突然切り取られてしまった未来の中で、一人生きなければならなかった伸子の孤独。
例え本当に幽霊の浩二が死ぬ間際、そしてあの世までともに行ってくれたとしても。
伸子が見たかったのは、今、そして未来を生きている浩二だった。

やっと逝ける、という言葉が、重い余韻となりました。

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2015年12月10日 (木)

ぼんくら2 第7回 最終回「鬼の正体」

公式サイト

葵(小西真奈美)が殺された現場に漂っていた煙草の匂いから、真の下手人への手がかりを突き止めた弓之助(加部亜門)は、そのことを平四郎(岸谷五朗)に伝える。弓之助によると、これは過去にあった殺人事件と関係しており、同一犯によるものだという。その頃、芋洗坂では、その下手人におはつがかどわかされ、葵屋敷に立てこもるという事件が起きる。平四郎たちは、あらゆる人脈を総動員して、下手人の説得に望むが…。(公式サイトより)

原作は最近再読。

いつもと同じく、セリフは概略です。

「喧嘩口論の挙句に、親兄弟、夫婦など、身近なものを手にかけてしまう、という形の殺しは数が多いのです。」

江戸の町の犯罪をプロファイリングしている弓之助とおでこさんの説にうなずく平四郎と政五郎。

そういう場合は佐吉の時同様、表沙汰にしないでもみ消そうとする。
「なかったことにされた罪。
だがそれでも思いは残る。後ろめたさも後悔も。」

あの日の葵は、相対した客に本人に昔の罪を思い出させる何かがあった。葵が知らない何かが。
ゆえに、弓之助たちは過去に手口がないかを探っていたのですが、平四郎の言葉で、鍵は煙草の匂いであることに気がつき、そこから15年前に起きた「牛込古着屋の母殺し」事件を探り当てたのでした。

そこへ芋洗坂から、おはつが何者かにかどわかされた、という一報が届き、何かあったら早く自分のせいだ、と自分を責める弓之助、おはつは葵の家ににる、と。
なぜだ、と怪訝な一同。
なぜなら。

「晴香先生が下手人なんです!」
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15年前の牛込古着屋の母殺しとは。
古着屋には三人姉妹がいたが、真ん中の女の子、おはるは他の姉妹とも母とも気が合わなかった。
姉妹喧嘩をしても、怒られるのはいつもおはるだけ。
これがまたキツそうなおっかさんで・・・とうとうある日、いつものように自分だけを叱る母親にブチ切れたおはるは、母親に長火鉢にかけてあった鉄瓶を投げつけてしまいました。
母親は鉄瓶に入っていた熱湯によるやけどで数日苦しんだあと、息を引き取った・・・その時、母親は、葵が吸っていたのと同じ煙草を吸っていたのです。

事件は内密にされ、おはるは遠縁にひきとられた。それが、晴香だった。

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今、晴香は包丁を持ち、おはつを引き込んで、葵の家の押入れに立てこもっています。

「葵さんを手にかけた時、15年も体の中に眠っていた鬼を呼び出したのです。
ここには、子盗り鬼ではなく、晴香先生の鬼がいたのです。」

弓之助は、晴香の中のおはるという人格がいると仮定して説得をはじめます。

「おはっちゃんを押し込めているのは、牛込古着屋のおはるさんでございますね。
晴香先生、先生ならおはるさんを説き伏せることができるはずです。
今更おはっちゃんを傷つけ、亡き者にしても何もならないと、先生ならおはるさんをなだめることができるはずです。」

何が何だかさっぱりわからない平四郎たち、周囲の大人たちでしたが、弓之助の説得は効果をあげて、晴香はおはつを解放しました。
しかしその後、再び押入れに閉じこもってしまいます。
早く開ければよいのに、という大人たちを制する弓之助。

「開けたら、晴香先生は死にます。」

再び押入れの中の晴香に呼びかけます。

「私の方がおはるさんよりも先生を思いやる気持ちが戸良い。」

そして平四郎にこっそり頼みごとをしました。
頼みごととは、湊屋に以前葵が孫八を撃退するために呼び寄せた幻術一座を貸し出すことでした。
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早速湊屋に急行する平四郎。総右衛門は寄り合いで不在でしたが、息子の宗一郎が代わって手配を請け負ってくれました。
あとは、葵をよく知っているお六を呼び寄せ、お徳と彦一には炊き出しを頼み、再び葵の家に戻ってきます。

時間稼ぎに晴香の立てこもる押入れに向かって延々と論語を奏ずる弓之助。
ほんと、頭の良い子ですわ。

宗一郎の手配は手早く、幻術一座が到着、お徳たちも炊き出し用の材料を持ってやってきて、緊迫した奥の空気とは裏腹に、なんだかお祭り騒ぎの賑々しさとなりました。おにぎり、おいしそう。
その上彦一はお六に一目ぼれしたようで・・・一同、和やかな雰囲気です。

さて、ひと段落して、お徳やお六が引き上げたあと、いよいよ幻術のはじまりです。

どこからともなく現れる葵。白菊の柄の着物を着ています。
そっとのぞいていた平四郎と宗一郎は、あまりに似ているのに驚きます。

晴香の引きこもっている押入れの前に座った葵。

「私はね、ここで亡者に成り果てました。
私は元々業の深い女で、地獄落ちと決まっていましたからね、こうして亡者になって残ったのは、いっそ幸せなのかもしれません。
晴香先生、出てらっしゃいな。」

と、出刃包丁を握り締めたまま、押入れを開く晴香。
葵はすばやく身をかわし、包丁を遠ざけます。

「嫌ですよ、こんな物騒なおもちゃを持ったりして。
よござんすか。ここは私の家なんですよ。
先生があんなことをなすったから、私はここから離れられないんですよ。
亡者は二人もいりやせん。
先生は私の顔をお見忘れですかい?」

ようやく晴香は、謎の女が葵であることに気がつきます。

「まさか・・・」

「先生、あたしみたいになっちゃいけませんよ。まだ死んではなりません。
先生、私は先のおっかさんに似てましたんですかい?」

泣き崩れる晴香。

「もう、勘弁してあげなさいな。先生のおっかさんだって、もう勘弁してくださっていると思いますよ。
あんな鬼を見たような顔はなさいませんようにね。

 

私も倅に会いたかったから、先生をお恨みしてないと言ったら嘘にになるけれど・・・それじゃ先生、お早く帰りなさいね。」

葵は何処へともなく消えました。
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すべてが終わって。番屋で真相を話す晴香。

あの日は、たまたま通りかかっただけ。
お六の子供たちが遊んでいる声を聞きつけて、以前、お六と娘たちが孫八につけ狙われていたことを思い出した晴香。
事が終わったとは聞いていたけれども、その後の様子を聞こうと思い立ち、庭に入っていくと葵がいた。
お六は今、手が塞がっているから、と待つ間、ということでしょう、葵は晴香を座敷に招きいれました。

まず、最初に衣桁にかかった着物が晴香を過去へ引き戻します。
白菊の柄・・・
そして葵が吸い出した煙草、あの日おっかさんが吸っていた煙草と同じ・・・

「葵様に気がつかれたかもしれない。昔の出来事を探り当てられるかもしれない。ここままにしてはおけない。
そう思った時には、もう・・・」

話を聞いていた平四郎。弓之助に、女役者にあの時の着物を着せたのはお前か、と尋ねます。
いや、と弓之助。あれは女役者のお考えだと。

「女が女を殺めて、その場に着物があったのなら、その着物に意味がないわけがござんせん。」

晴香に鉄瓶を投げつけられた時、母親が着ていたのも白菊の着物だったのです。
でも、そのことは晴香が言うまでは誰も知らなかった。
あまりの偶然に「怪談話にもほどがあるぜ」と思わず震え上がる平四郎なのでした。
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数日後、平四郎の屋敷を訪ねてきた佐吉夫婦に、事の顛末を語って聞かせる平四郎。

おはるはどうしたのか、と尋ねる佐吉に、あとは向こうにまかせる、という約束なのでどうなったかは知らない、と言いつつも、佐伯経由で知りえた情報、養い親のところへ戻されたあと、出家するらしいことを教えました。

「牢屋暮らしよりつれえかもしれないあ。
てめえのやったことは何時までもついてまわる。逃げられやしねえ。
けど、おめえにはすまないなあ。」

葵・・・母殺しの犯人を裁きにかけられなかったことをあやまる平四郎。

「そんなこと、ありません。感謝してもしきれねえ。おふくろも成仏できたはずです。」

ついに生きている間に再会できなかった佐吉と葵。
平四郎は、幻術の葵を見せたかった、と口を滑らしますが、弓之助に怖い顔で諌められます。

「叔父上、いくらそっくりでも、あれは幻で本物の葵さんではありません。
ずっと騙られてきた佐吉さんにあんな幻を見せてはいけないのです!」

「はい・・・」

しょぼんとする平四郎。
そこに平四郎の妻、志乃が帰宅。佐吉の妻、お恵の顔を見るや否や、お恵が妊娠していることを見抜きました。
自分も昨日知ったばかりなのに、と驚く佐吉。

弓之助といい、妻の血筋は勘の鋭い一族のようで、ただただまいりました、としか言えない平四郎なのでした。
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ラストはお徳の店。
祝言が整った弓之助のいとこ、おとよに、婚礼の宴のお料理、五十膳を頼まれ、あたふたと無理、と断ろうとするお徳をはげます子女たちと彦一。
手が足りねえから、お六さんにも手伝ってもらおうと算段すえう彦一をにやにやと眺める一同。

「いい気分だ。みんな毎日をこんな風に暮らせたらいいのになあ。
でも、そうはいかねえんだよなあ。
一日一日積み上げるように、てめえで進んでいかねえと。おまんまいただいてさ。
みんな、そうやって日暮しだ。

 

けど、時に間違いが起こるのはなぜなんだろう。
自分で積んだものを自分で崩したくなるのはなぜだろう・・・ま、いいか。めんどくせえや。」

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今も、肉親間の殺人が一番多いそうです。

15年前の事件を自ら呼び起こしてしまった晴香・・・おはる。
おはるの闇に巻き込まれた葵は気の毒ですが、湊屋との因縁が招いたこととも思えます。
世の中は複雑な因縁によって成り立っている。

宗一郎はどうするのでしょう。
湊屋を継ぐのか否か。どちらにしても、この人はちゃんと生きていけそうな気がします。

お徳が店を大きくすることで、久兵衛の、かつてお徳の人の良さを利用した後ろめたさも薄らぐことでしょう。
佐吉も、冤罪を晴らしてもらったこと、子供ができることで、利用されてばかりの過去を脱ぎ捨て、新しい一歩を踏み出せるでしょう。

一方でおふじはどこまで本当のことを言っていたのか。

2シリーズに渡っての事件が解決しての晴れ晴れしさと、それでも残る割り切れなさが、余韻となりました

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原作と比べるのは野暮なのですけれども、2つだけ気になったところを書き留めておきます。

原作だとラストはおとよの祝言の席なのですが。
ラストを変更したので、以前平四郎が女水芸人に入れあげたことがある、というエピが少々蛇足になってしまった気がしました。
自分が女芸人に入れあげた時、志乃はどう思ったかを聞くことで、女性の嫉妬心を理解しようとする平四郎、という面だけは抜き取っていましたけれども。
あと、彦一のエピがあれば、平四郎がお六を呼び寄せた意味ももっと深まったと思うのですが・・・長編を7話にまとめたわけですから、零れ落ちるものがあっても仕方がないでしょう。

人間が営むからこそ、人の善意、熱意、疝気、悪意・・・そして狂気が潜む世界を、切なく描いた宮部ワールドのテーストは伝わってきました。
小さなことですが、深川から芋洗坂までの距離感とか、きっちりと作ってあったのも気持ちが良かったです。

何はともあれ、弓之助、大活躍でした。
平四郎曰く、この子はおつむりのできが違う。

膨大なセリフ、そして論語まで。
加門さん、お疲れ様でした。

平四郎、弓之助のシリーズのはもう一作あるのですけれども、子役さんたちの年齢もあるので、同じ顔ぶれでのドラマ化はこれにて大団円となるでしょう。

ありがとうございました。
今後の時代劇枠にも期待しています。

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ぼんくら2 第1回「哀(かな)しき再会」 
ぼんくら2 第2回「信じる心」
ぼんくら2 第3回「鬼の棲(す)む家」
ぼんくら2 第4回「穏やかなる死体」
ぼんくら2 第5回「新たなる容疑者」
ぼんくら2 第4回「穏やかなる死体」
ぼんくら2 第6回「ただよう香り」

ぼんくらシリーズ

 

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2015年12月 2日 (水)

ぼんくら2 第6回「ただよう香り」

公式サイト

平四郎(岸谷五朗)が葵(小西真奈美)殺しの下手人とにらんだおふじ(遊井亮子)、孫八(なだぎ武)、宗一郎(屋良朝幸)への捜査が進み、真相が徐々に明らかになり始めた頃、この事件は一風変わった「通りもの」の仕業だと断じていた弓之助(加部亜門)は、香りを楽しむ唐渡りの煙草が葵の手元にあったと知り、匂いこそに事件の鍵があるのだと気づく。そんな頃、芋洗坂では、下手人に一度狙われたおはつが、再びかどわかされた。(公式サイトより)

原作は最近再読。

明日は最終回なので、粗筋メインでささっとメモっておきます。セリフは概略。

芋洗坂に着いた弓之助、おでこさん、政五郎。
葵を殺した犯人はこの村に住んでいて、目撃者のおはつを必ず再び襲う。しかしおはつは恐がって何も話してくれない。
気の良い子供好きの下っぴきの杢太郎に、おはつをしっかりガードするよう頼んで立ち去るしかありませんでした。

なかば強引に家に招いてお茶をふるまう、あの人。
弓之助たちと杢太郎の会話から、捜査の進展状況を探ろうとしているとしか思えません。
弓之助は何か気がついているかも?
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一方、川崎の久兵衛を訪ねた平四郎は変わり果てた孫八に引き合わされます。
子盗り鬼の仕掛けで脅されて錯乱状態に陥った直後、熱病に罹ってしまい、今は自分の名前を言うのも精一杯となった孫八。

そこへ平四郎が疑っている人物、湊屋の後とり、宗一郎が訪ねてきます。
手前は湊屋の息子ではない、言いおいた後、5年前、おふじにそのことを告げられた時の言葉が、久兵衛に漏らした「おまえは宗一郎の息子ではないから、いつ追い出されても良いよう、覚悟しておくように」よりもっとえげつないものだったことを話します。

「旦那様のお子じゃない。それは旦那様もご存知のこと。今はお前を跡とりにすえると言っているけど、先はわからない。
考えてもごらん、お前が幼い時から旦那様はお前に冷たかったはす。佐吉なんかをあんなに可愛がって、お前はその半分もかまっておいででなかったじゃないか。」
5年前のおふじ

「それはわたしが跡とりだから。店の身代を背負う身だから。」

「そうじゃないんだよ。お前がわたしが心底惚れた男の種だからなのさ。
だからこそ、あんな男の言いなりになることはない。
実の息子ではないからこそ、わたしはおまえに湊屋の身代を取って欲しいんだよ。」

聞き終わって、おふじらしい、と溜息をつく平四郎。
あんたも苦労がおおかったな、佐吉とおんなじだ、と宗一郎をねぎらいます。
親たちの事情に翻弄されながらも、律儀で正直者。優しい気持ちを保ち続けて生きてきたところなど、佐吉とよく似ている。

2年前、佐吉が鉄瓶長屋の差配人になった時、宗一郎は、佐吉がとうとう湊屋の身代に入り込むことになった、と思ったのだそうです。しかし、長屋はすぐに取り壊され、ふじ屋敷が建った。
なにかおかしい。でも。

「手前は何も決断できず、何も断ち切れず。母を捨てることも、父に歯向かうことも何一つできなかった。手前は腑抜けです。
でも、ふじ屋敷に移り住んだ母は変わりました。
そんな母を見るにつけ、新しくやり直した方がいいと思うようになったのです。」

店を出て、手前で生きる道を見つける。ところがおふじが首をくくった。
それからは父の様子がおかしくなった。

「このあいだなど・・・」

ひとり涙する湊屋を見た宗一郎。

「母のために泣いているのではないかと思いましたが、ありそうもないことです。
父は誰か他の人のためにないていたのでしょう。」

母のためには涙を流さぬ父・・・

もういい。この家にはいたくない、と決意した宗一郎は、ついに父に申し出ます。

「この家を出て生きていく道をみつけて、おっかさんを引き取ります。」

しかし、父は。

「好きにするがいい。ただ、私が許すまで、勝手に店を離れてはいけない。」

もう、何が何やらわからぬ状態でもがくしかない宗一郎をみかねた久兵衛。
今回のことを平四郎から説明して欲しいと頼みます。
驚く平四郎、さらに、今回のことは旦那様もお許しくださっています、と聞いて。
自分で説明しないで、人に押しつけるやり方に腹を立てるより、あきれてしまうのでした。

「面倒くせえ。あきあきしてるんだ。」

と、言いつつも、宗一郎のために、長い長いどろどろの因縁話を語って聞かせます。
聞き終わった宗一郎。

「それでわかりました。霧が晴れました。」
いったん口をつぐんだあと。
「もっと先から葵様の居場所を知っていたら、手前が乗り込んでいって、ひょっとしたらひょっとしたかもしれません。」

宗一郎と佐吉は同じ・・・
これでおふじ、孫八、宗一郎と、嫌疑をかけていた人物は誰もいなくなってしまった、と呟く平四郎。
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さて、江戸に戻った平四郎を、弓之助がいつものように訪ねてきますが、何だか様子がおかしい。
小作人のおはつの家が、想像を超えて貧しかったことにショックを受けていたのです。

自分は世間を何にも知らない。おはつが着ていた着物は、うちの家なら雑巾にするだろう。
葵の殺人事件のことより、おはっちゃんの家が少しでも楽に暮らせるにはどうしたらいいか、そちらの方に頭を使わなければいけないのでは。やるべきことがあるのではないか。

格差社会を目の当たりにして、子供らしい義憤にかられる弓之助に、すべて背負い込むな、だが忘れてもいけない、となだめる平四郎。
葵の事件に話を戻し、弓之助の「通りもの」説、そして匂いの件について検討します。

そこで、宗一郎が煙草を吸っていた時のことを思い出す平四郎。

湊屋でただ一人の煙草吸いで煙草には詳しい宗一郎は、唐渡りの品の中に、煙草と言うよりお香という感じの匂いがする「品がある、と。

湊屋が煙草吸いではないことを知らない人から、時々貴重な煙草のお届け物があった。
父はそういうものの中から、時々良いものを選り分けて何処かへ持っていってた。
この夏、その匂いがする煙草のお届け物があった。それもまた・・・多分葵の下に持って行ったのだろう。

事件の起こった日。
来客は煙草好きで、風邪を引いていた葵は珍しい煙草を勧めた。
その煙草を吸ったのが下手人・・・ではないか、と平四郎。

そのことを聞いて、泡を吹いてひっくりかえる弓之助。

「なぜ、そんな大事なことを早く教えてくれなかったですか!
私は検討違いのことをしていたのです。
手口ではない、匂いなのです!」

おでこさんを連れて町を駆け回りだす弓之助。

そのころ、芋洗坂では、おはつが行方不明に!
.

弓之助は芋洗坂に行った後、匂いの元が煙草ではないかと睨んでいたのですが、良い匂いがする煙草などない、と大人たちから否定されるばかりで、行き詰まっていたのです。
その時の煙草は、あまりに高価でめったに吸えないシロモノでした。
だから、皆、匂いのことを知らなかったのです。

.

平四郎は、孫八を懲らしめるために使った幻術使い一座は、本当は違う人に使うつもりだった、でも、使わなくって良かった、と言う言葉に、最初はおふじを驚かすために使おうとしたのではないか、と思っていた。

「でも、そうじゃねえ。」

葵はおふじを騙して気がとがめていた。でも自分が名乗って出てるわけにはいかない。
そこで幻術一座を使っておふじに葵の幽霊でも見せて「もう恨んでなんかいない。あたしの方こそ申し訳なかった」とかなんとか言わせておふじをなだめようとした。

本当はおふじを騙すつもりだった。
「でもね、お前の役に立ったんだから、こっちの方がずっと良かった。」
と事が終わった後に葵にお六に言ったことを聞いて、気がついた。

葵にも後ろめたさ、償いたいという思いがあった。佐吉に対しても。
けどそれはおふじのためだけじゃない。自分のためでもあった。
葵は本当は自分の気持ちを楽にしたかったんだ。

葵の心は揺れていた。
湊屋が佐吉に本当の真実を告げてからもっと揺れていたはず。
佐吉になんと言うか、どう説明するか。
その前に過去を償っておけるなら、そうしたい。

優しさがあった。悔やむ気持ちもあった。過去を埋め合わせたいという思いもあった。 

以上、久兵衛に語った平四郎の推測です。

幻術一座を雇ったことが自分のためではなく、人のためになったことに、ほっとしたのかもしれない。
徹頭徹尾自分中心に動いていた人生の中で、数少ない、他人のために動いた出来事だったのです。

平四郎の優しい推測に、頭を下げる久兵衛。
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原作より、少しキャラの強弱を強めにしており、その割を食っているのがおふじです。

息子をも夫への復讐の道具にしようとしたおふじ。
三人の中で、一番悪者というみたく見えてきました。
しかし、おふじをここまで追い詰めたのは、湊屋と、そして湊屋に愛されていた葵・・・と思うとしてもですねえ、もともとエキセントリックな人だったように思えます。
なので葵が現れなくても、夫婦仲はうまくいったかどうか。

まあ、なんと申しましょうか、平四郎の言う通り、面倒くさい話です。
佐吉と宗一郎が、前を向いて歩めるようになりますように。

弓之助の推理など、まったりと楽しんで見てますけれども、鉄瓶長屋の事件を描いたパート1を見ていない人には、ちょっとややこしいかもしれません。
お徳がなぜこの話に関わっているかも、わかりにくいですし。

次回はいよいよ最終回。
ラストシーンに期待しています。

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ぼんくら2 第1回「哀(かな)しき再会」 
ぼんくら2 第2回「信じる心」
ぼんくら2 第3回「鬼の棲(す)む家」
ぼんくら2 第4回「穏やかなる死体」
ぼんくら2 第5回「新たなる容疑者」

ぼんくらシリーズ

 

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2015年12月 1日 (火)

破裂 #07 最終回

公式サイト

香村(椎名桔平)を命の危険から救ったのは、意外な人物だった。安楽死法案の国会提出を目前に佐久間(滝藤賢一)の「プロジェクト天寿」が大詰めを迎える中、ネオ医療センターでは突然死に怯える被験者が出始め、厨(甲本雅裕)ら職員達にも動揺が広がる。事務次官の林田(佐戸井けん太)は治験の中止を命じようとするが、佐久間に弱みを握られ身動きが取れない。そんな中、香村は公子(坂井真紀)と共に佐久間の身辺を洗い、官房長・城(佐野史郎)に接近。最後の勝負に出る。そしてついに、安楽死法案を推進する超党派の国会議員連盟の集会で、運命の時がやってきた……。(公式サイトより)

原作未読です。
中々まとめきれなくて、すっかり遅くなってしまいました。
もう、まとめきれぬまま、アップします(汗

香村と佐久間の言葉を中心に。いつものように文中のセリフは概略です。
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小池に囚われ、生き埋めにされそうになった香村を救ったのは、佐久間でした。

「相思相愛でしょ、私たち。」

そして小池のことを苦々しく「暴走したバカ」と吐き捨てます。
警察にもマークされ始めているとのこと。

こういうやり方は彼の美意識に反するし、ましてや香村は彼の「分身」なのだから、許せるはずがないのです。
しかし、だからと言って香村と和解するわけもなく。

車のラジオから、安楽死の合法化に向けて超党派の議員連盟が組まれた、とのニュースが流れます。

「俺の研究を悪用したところで、せいぜい百万人しか老人の数は減らせない。」香村

「老人たちを死と苦痛から解放する。そしてこの国を救うことにも繋がる。
でも、安楽死というと抵抗を感じる人も多いでしょ。だから考えました。

よりよく死ぬことは、より良く生きること。

命の自由を保障する法案、自由死法案ってのはどうですか。」

「殺人法案だ。」
「もう、止められませんよ。」
「お前の指図は受けない。」
「私の人生を賭けたプロジェクトだ。誰にも邪魔をさせない。」

去っていく佐久間を見ながら、香村。

「潰してやるよ、俺が。」
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弁護士の松野と連絡を取り合う香村。上川が命を賭けて集めた証拠は小池に消されてしまった。
違う方向から攻めるしかない、という香村に、上川の弔い合戦だと、松野は応じます。

「俺と佐久間は似ている。互いに敵は多い。だが、敵の敵は味方だ。」

ネオ医療センターに復帰した香村は、治験の副作用で治験者が次々と亡くなっていることを指摘。
事実を突きつけられて、医療センターの職員の間に動揺が広がります。

佐久間から渡されたマニュアル通りに動く厨にも、自分の治療で人が次々と死ぬ気持ちはどうだ、と迫る香村。
植物人間状態になった母を抱える厨は、それでも、これが皆を救う方法だと言い張ります。

「安楽死じゃない。ただの殺人鬼だ。

医療ミス、認めて研究を取り戻したが、俺は医者を辞める。

それが考えぬいて選んだ、俺の医者としてのあり方だ。
お前も頭を使え。」

香村の覚悟に打ちのめされる廚。
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世間では「美しく散りたい」というキャッチコピーがブームとなっており、「PPP」、すなわち「ピンピンポックリ」が流行語のようになっています。

お雇いコメンテーターの老婦人の「死との距離が近くなる。あとはどう、うまく死ぬってこと。」との発言に「そもそも日本には安楽死を受け入れる土壌がある。ピンピンポックリ、なんてユーモラスな響きだ。」と呼応する伊達内閣官房副長官、笑いながらうなずく聴衆たち、そしてムードに流されやすい日本人たち。すごくブラックな情景です。

しかし、副作用の件もまた、次第に広まっており、林田国民生活省事務次官は、自分が責任者として追及されることにびびって、この件から手を引きたいと言い出します。
そんな林田を見限ったか、佐久間。城国民生活省官房長に近づき、あなたも真相に薄々気がついているはずだ。次官になりたければ、と脅しながら計画の遂行を「命令」。

佐久間の腹心で、いついかなる事態でも佐久間に付き従っている芹沢は、こっそりと城に佐久間の横柄な態度を、全く寝ていないんです、と謝ります。にこやかに佐久間のために粉骨砕身する芹沢を褒める城。

佐久間がいつも大量にボリボリ服用していたのは、眠気を取る薬だったのね。

香村もまた、城にコンタクトします。
しかし「ギャンブルはやらない」と、突っぱねられました。
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動揺が広がるネオ医療センター、そして厨。
佐久間は厨に睡眠薬を渡します。

「まずはお母さんから楽にしてやってください。」

絶句する厨。

「自分の身内にはできないとでも?」

以前、香村から言われたのと同じことを突きつけられる廚。アプローチが違うだけです。

「通過儀礼。」

廚に自分と同じ道を歩む覚悟があるのかどうか、試した佐久間。

追い詰められた廚。
老母の病室を訪れるも・・・

あくる朝、廚の母親の病室を訪れた香村。老母は生きていました。そこへ廚からの携帯が入ります。

「医者にならなきゃよかった。しんどいな。
結局佐久間さんにも、香村先生にもなれないんだ・・・」

切羽詰った声に「今からそっちへ行く、落ち着け」と香村。
以前なら、冷たく切り捨てていたかもしれません。
駆けつけるも、廚の車に姿はなく、残されていたのは、例のマニュアル。表紙には、廚の手書きで

「香村先生 申し訳ありませんでした」

香村たちは再び城に接触します。
「当たり馬券をやろう」。
小池が代表を務める「福祉ぐるうぷ寿会」が補助金を不正受給してた証拠と、マニュアルを渡す香村、受け取る城。
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安楽死法案についての超党派の会合が開催されます。
しきるのは佐久間。今までこの法案の「顔」になっていた林田の姿はもうありません。

「自然死法案。
生の自由と死の自由を国が保障する、究極の福祉です。」

気は熟した。自信たっぷりに自説を展開しようとする佐久間。
ところがまさにその時、ネットニュースが出席者の中を駆け巡りはじめます。

不正補助金の件で、警察が小池、そして小池の後ろ盾の佐久間の捜査を開始した。

騒然とする場内。
冷然と佐久間を見つめる城と伊達。
それらの様子をみつめる香村。

大量の薬を一気飲みした佐久間は、スピーチを続けます。

「どうせこれから蜘蛛の子を散らかすように皆逃げ出すんでしょ。

うははは。
あんたたちはいつもそうだ。考えたことがあるんですか。あんたたちの無責任、無策がどれだけ国民を苦しめるか。あんたたちは確信犯だ!
みんな私を泳がしていたでしょ。私が裏で何をやっていたか、知っているはずだ。自分に責任が及ばなければいいってね。
いいんですよ、それでこの国が救われるならば。私はいくらでもブラックボックスになりますよ。いくらでも!」

騒ぎに紛れてすらっと退出する官僚たち。腹心の部下のはずの芹沢も、城の目配せを受けて後についていきました。以前芹沢を褒めたのは、ヘットハンティングのサインだったようです。

「医療は本来・・・・
考えて、考えて、考えて・・・人生を捧げる覚悟で答えを出した。間違っているなら教えてくれ。

タイムリミットまであと9年。高齢者が3900万人を超え、医療介護の人材不足は80万人以上、医療給付金は1.5倍、介護給付金は2倍に膨れ上がる。国の借金はGDPの2倍以上、あのギリシャより酷い借金国家だ。

他に解決する手立てがあるなら、教えてくれ。
俺が導き出した答えより良い方法があるなら教えてくれ。

もう時間がない。今、手を打たないと手遅れになる。
この国を救う手立てを持っている奴は他に誰一人もいないのか、誰一人!」

会場に残っていたのは、香村一人。
二人は警察が来るまで見つめ合います。

警察に連行されようとしたその時、突然倒れる佐久間。
脳卒中でした。
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後日、自殺した廚が樹海で発見されます。死因は睡眠薬。佐久間から渡された分を自分が呑んだのでしょう。
林田と佐久間、そして小池は不正支給の件で逮捕されました。

日課のランニングをこなす香村に会いに来た松野は、ネオ医療センターの治験者たちが起こす裁判を引き受ける、と告げます。

「手加減するなよ。」

倉木最後の映画「ノガミ」が完成し、鑑賞に訪れた香村親子を須藤が出迎えます。
もう、めそめそするのはやめた、と須藤。

「誰だっていつかは死ぬ。生きる限り、蓮さんのように人生を楽しんで全うしないと。」

香村親子が撮影現場を見学したシーンが映ります。

スクリーンの中で慟哭する倉木。やがて正面からアップで映し出されます。

「これから何度も裏切られるぞ。一人ぼっちになるかもしれない。
でもな、負けちゃ、だめだ。
戦え。殴られても、蹴られても、跳ね飛ばしてやるんだ。」

息子、孫への遺言。最後に別撮りしたのかもしれません。
涙ぐみ、息子の手を握る香村。
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寝たきりとなった佐久間を見舞う香村。

「俺はネオ医療センターに復帰する。
被験者には、突然死の可能性を改めて知らした。そして、近い将来、必ず研究を実用化させる。お前が減らそうとした百万の命を俺は救ってみせる。」

「この国は破裂するぞ」

「例えそうだとしても、俺にはそれしかできない。」

「私はどうなりますか」

「体の麻痺の回復の見込みは極めて薄い。」

「殺してくれ」

佐久間の顔を覗き込む香村。

「頭を使え。

そうやって目と耳も使えるだろう。未来をこれから見届けるんだ。
他の誰でもない、俺は、お前に、生きて、最後まで、見届けていてもらいたい。」

去っていく香村。
病室には佐久間一人。
ここで照明が明るくなったのが印象的でした。

「やっぱり医者はバカだ。」
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米国に依頼していた研究が着々と進む一方、副作用を抑える療法が全ての患者に効くとは思えない、と、かつては敵視していた北川に非常時のオペについての協力を申し出る香村。

ネオ医療センターのロビーは詰め掛けた老人たちで一杯となり、香村は張り切ります。
皆から声をかけられて、ちょっと英雄気分?

が、しかし。

車椅子に乗った老女の囁きに愕然とするのです。

「先生、死なして。」
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人々は生きることではなく、ポックリを、「破裂」を求めてネオ医療センターに押しかけてきた・・・

重いテーマのドラマでした。
「このドラマはフィクション」云々のテロップもなく。

テーマそのものについては、香村、佐久間それぞれの言葉を書き留めるだけで精一杯です。

医者はバカ。
香村よりグローバルな視点を持っていた佐久間は、より厳しい道を歩んでいた。バカ、というのは自嘲でも比喩などでもなく、そのままの意。

佐久間の憂う日本の将来が、本当に怖いです。
ならばどうすれば良いのだ、という自問を繰り返した末に出した佐久間の答えは、理屈としてなら理解できますが、人を死なすことで国の安泰を図るというのは、それこそ佐久間の言う通り、政治家、官僚たちの無策の結果を国民に押し付ける極北の策。
大事な法案制定を個人の感情に訴えかけ、気分で片付けてしまおうとするのは、この国お得意の手口だし、政治を情で判断する国民性が痛い。

しかし。
自分がどう死を迎えるかについては、自分の問題として考え込まざるおえません。
果たして倉木のように生を全うできる状態を保てるのかどうか。経済なことを含めて。
そして佐久間や廚の親たちのように自分の意思を周りの人々に伝えられなくなったら。
遺書作成の必要性をリアルに感じました。

死に方。自死以外、自分では選べないことに思いまどい、囚われるのは、人間の性なのでしょう。

「香村療法」って保険が効くのかどうか、気になりました。

最終回は滝藤さんオンステージでした。
いつも歪んでいた表情が全身麻痺になってから、まるで少年のようになっていたのが印象に残りました。

佐久間は命を全うするのでしょうか。
体が動かなくでも「頭を使って」何か企むかもしれません。それは自死かもしれない、それとも・・・

香村は何があっても愚直に研究に邁進するのでしょう。
弱点だらけで、正義の味方に決して収まらないところが魅力になっていました。

長編のドラマ化ということもあり、人間関係や内容も複雑なので、ちょっとわかりにくい設定もあったのですが、主役の三人の力が素晴らしかったので見応えのあるドラマになっていたと思います。

ありがとうございました。

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2015年秋クールドラマ 初回感想その2「無痛~診える眼~」「掟今日子の備忘録」「破裂」 
#02 #03 #04 #05 #06

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2015年11月27日 (金)

ぼんくら2 第5回「新たなる容疑者」

公式サイト

葵(小西真奈美)殺しの下手人とにらんだおふじ(遊井亮子)について、衝撃的な事実を知る平四郎(岸谷五朗)。また一人、湊屋の跡取り・宗一郎(屋良朝幸)が総右衛門(鶴見辰吾)の実の子ではないかもしれないと聞き出し、宗一郎にも疑いの目を向ける。一方、おはつという幼子が、葵の家近くで首を締められるという事件があり、葵殺しの下手人が何かの理由で彼女を狙ったのではないかと考えた弓之助(加部亜門)は、その身を案じて芋洗坂へ急ぐ。(公式サイトより)

一週遅れです。

原作・・・がまんできずに再読しちゃいました(汗

粗筋をメモっておきます。

殺害状況から、葵を殺したのはおふじの可能性は低い。しかし、湊屋が庇う相手はおふじしかいない、ということで、湊屋を芋洗坂の屋敷に呼び出し問いただす平四郎。
まず、犯人は佐吉ではない、と啖呵を切ってから、ならば庇っているのはおふじではないのか?

だが、おふじではない、と言い切る湊屋。
なぜなら、おふじは、首括りを失敗してから精神が崩壊してしまい、今や自分がだれかもわからない状態だから。

意外な返事に愕然とする平四郎。

病気療養を兼ねて、この屋敷に身を潜ます以前は、上方で手広く商売をしていたという葵。
その頃の葵を恨んでいたものではないのか、それとも湊屋にダメージを負わしたかった商売敵のしたことではないのか、となおも食い下がる平四郎でしたが、湊屋はいずれも否定します。

葵がここにいることを知っているものはいないし、自分を倒すなら、湊屋の看板、お金を狙うはず、それが商売人だと。
愛人を殺してダメージを与えようなどという迂遠な方法はとらない。

葵が倒れていた部屋で、顔色一つ変えず答える湊屋に、平四郎はもう、何も聞くことはない。
ただひとつ。
今後、二度と佐吉と関わらぬことを約束させました。

あくる日、持病のぎっくり腰で自宅で寝っころがっている平四郎の下へやってきた佐吉に、改めて事件のことを尋ねる平四郎と弓之助。
一番印象に残っているのは、いい匂いが漂ってしたことだと、佐吉。
弓之助曰く、首括りや縊殺等、首が締まって死んだ場合、尿をもらすもの。現場の畳から、確かに尿の匂いがしたことを確認済みの弓之助。さすが寝しょうべんのオーソリティー(笑
その強烈な尿の匂いより勝るほどの良い匂いとは、なんだったのか。
匂い袋よりもっと強烈なものとは?

頭を捻る一同。

佐吉が帰ったのと入れ違いに、久兵衛が訪ねてきます。
わざわざ久兵衛が来たのは、湊屋がいるとこでは話せないことがあったからだろう、と平四郎。
その通り。
湊屋にはまだ秘密があったのです。

それは、湊屋の長男、宗一郎が湊屋の子供ではないらしい、ということ。

このことは湊屋夫婦とごくわずかな人間しか知らない、私も知らなかった、と前置きして久兵衛は語りました。

おふじは結婚する前に好きな男がいて、結婚後もしばらく付き合っていたいたらしい。
ちなみに宗一郎が生まれたのち、その男は病で死んでしまった。

おふじは、夫、湊屋に、宗一郎はあなたの子供ではない、と告げた。
それから後、湊屋はあてつけのように葵を可愛がりだした、ということらしい。湊屋の本心はわかりませんが。

さらに、おふじは大人になった宗一郎に、おまえは宗一郎の息子ではないから、いつ追い出されても良いよう、覚悟しておくように、と告げたというのです。
久兵衛は、これらのことを宗一郎から聞かされたとのこと。

母親から衝撃の事実を聞かされた後も、今までと同じように真面目に商売に励む宗一郎を、仏様のような男だ、自分ならぐれて家を飛び出してやるぞ、と平四郎。

なぜ、久兵衛が今頃こんな秘密を打ち明けたかと言うと、平四郎がおふじに同情的で、湊屋ばかり悪く見ているため。
ようは、旦那様の弁護をしにきた、ということらしい。どこまでもお家と旦那様のために。

しかし平四郎は、あまりにも入り組んだ湊屋の家族問題に、その日暮らし、精一杯生きているものたちの気持ちは理解できても、お前たち金持ちの気持ちはわからん、俺には手に余る、と不機嫌になってしまいました。

そう、粗筋を書いていても、ややこしいです(汗

宗一郎の父親が湊屋ではないかどうか、おふじにもわからないのです。
それなのに、わざわざ夫と息子に告げた、おふじの気持ち。
おふじをそこまで追い込んだのはやはり湊屋ではないのか・・・
夫婦のあいだのことは他人様にはわかりません。

しかし、宗一郎、そして彼らの息子ではないにしろ、佐吉をふりまわしています。
まあ、大層はた迷惑な夫婦です。
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さて。
平四郎は、今は川崎にある湊屋の寮の番をしているという久兵衛に招かれて、お徳の作った仕出し弁当を携えて旅立ちます。
平四郎が川崎に行っているあいだに、自分は芋洗坂に行って、葵の家、すなわち子盗り鬼の屋敷で首を絞められたという、おはつという少女に会って来る、と弓之助。

政五郎とおでこさんと芋洗坂に向かう道中、弓之助は、今回の事件は「通りもの」ではないか、と自分の推理を話します。
「通りもの」とは。
突然精神錯乱を引き起こして、見境なく人を襲う、という、筋道、動機のない犯罪のこと。
葵を殺したのは、直前まで葵に殺意を持っていなかった人間なのでは。

しかし、と政五郎。
今度の事件は、葵、おはつと2度も同じ場所で行われているという理論だった手口。こういうのは「通りもの」とは違うのでは、と。

そういうのとはまた種類の違う「通りもの」・・・と思案しているうちに何か思いついた弓之助。
あわてて村に向かって走り出します。

はやくおはつを助けなければ!
おはつは、犯人が葵を殺したあと、屋敷を出たところを偶然に見てしまった。
おはつはその人物をよく知っているので、その時は不思議に思わなかった。
しかし、犯人は、おはつに見られたことを知っている。

今度こそ、おはつを殺しに来る!
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と、いうことで、予告の映像を含めると、誰が犯人なのか、おおよそわかってきました。
問題は、動機です。

お徳の仕出し屋家業は、順調な滑り出しです。
平四郎が、川崎の久兵衛を訪れる気になったのは、お徳の料理を久兵衛に味わって欲しい、という思いもあったからでした。
かつて鉄瓶長屋の名差配人だった久兵衛。お徳は今でも、久兵衛を慕っている。
しかし、湊屋が絡んでいるややこしい事情のため(詳しくはドラマもしくは原作の「ぼんくら」を見てください)、久兵衛と会わせるわけにはいかない。
平四郎は、お徳の思いを、お徳の知らないうちに叶えようとしているのです。

前シリーズでは悲しいことばかりだったお徳でしたが、完結編の今シリーズでは新たな生き方を明るく描いていました。

彦一のエピソードは、どこまで描かれるのでしょう。
後2話あるなら、彼の抱える屈託は描いてくれそうです。幸せを予感させる、ラスト付近のエピは端折らずに描いて欲しいなあ。

葵の女中をしていたお六も、今は神田の飯屋で元気に働いています。
はつらつとしたお六を見て、葵も病が癒えたら、あんな風に働きたかったのだろうなあ、と感慨する平四郎。

おふじに殺されたことになった後、ずっと世を捨てていたのではなく、上方などで仕事をバリバリやっていた、ということに、ほっとするのと同時に、平四郎と同じく、切なくも思いました。
息子の成長も見ることもなく。
もっと生きていたかった命。

心にずっと闇を溜め込んでいたおふじ。
彼女を追い込んでいったのは、湊屋。
何かどっちもどっちなような気がします。
彼らには、相手を労わる、という気持ちが全くなかったとしか言いようがありません。
では、湊屋は、葵に対しては優しい気持ちを抱いたのか。
平四郎の見たまぼろしの葵は、湊屋の長所も短所も飲み込んでいたように見えました。
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再読して。
原作は文庫本で3冊もある長編ですから、人物やエピソードを端折らざるおえません。しかし前シリーズと同じく、物語の世界観は上手く映像化していると思いました。

特に霧雨振る中、平四郎の屋敷から帰る途中の佐吉と、平四郎を訪れる途中の久兵衛がすれ違うシーン。
原作にはないシチュエーションでしたが、このワンシーンで、原作に漂う空気を表していたと思います。

そして、改めてですが、葵、若い。
とても佐吉のような大きな息子がいるようには見えません。
おふじはともかくとして、お六より若く見えます。
葵もまた、平四郎の言う「物の怪」たちの一味なのでしょう。
ただでは転ばぬ女。こんな女を敵に回してしまったら、勝ち目はありませんよ、おふじさん・・・

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ぼんくら2 第1回「哀(かな)しき再会」 
ぼんくら2 第2回「信じる心」
ぼんくら2 第3回「鬼の棲(す)む家」
ぼんくら2 第4回「穏やかなる死体」

ぼんくらシリーズ

 

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2015年11月21日 (土)

2015年秋クールドラマ 短く中間感想

今期も民放ドラマの感想を1本も書いていません。
書くかどうか迷っているうちに、時が経ってしまいました。
でも視聴は一応頑張っています(^^;;

視聴予定として挙げていた作品のうち「エンジェル・ハート」と「遺産争族」は初回を録画ミスしたので、未見のままリタイアしました。
「結婚式の前の日に」も3話目を録画ミスしたのを切っ掛けにリタイアしました。

以下、レギュラー感想を書いていないドラマについての、短い感想です・・・て、ほとんどですけれども(汗

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「下町ロケット」
原作未読です。
ロケット編、前半の銀行絡みのストーリーには予想通りでちょっとげんなりしましたが、後半、技術そのものが中心になってからは面白くなってきました。
女性をターゲットにしたドラマが多い中、気分転換になるのと、最後には絶対成功する、という安心感もあるので、気軽に見ています。

しかし・・・裁判で勝ったからって、友達に1億円貸してあげてっていう娘には盛大に突っ込みました(汗
娘を都合良く使い過ぎ。都合が良いのは他の人たちも同じなのですが、ほとんど紅一点なので、都合良さが目立つのかも。キャラ造形にデリカシーが欲しかったです。
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「サイレーン」
原作未読。今週はまだ見ていません。
悪人をやっつけるのがサイコパス、警察はただ翻弄されるだけ、という展開なので、カタルシスが感じられないのが難点。
上司の無能さや、出世のために手段を選ばない同僚、猪熊の無防備さなどなどにイラっとしてしまうのです・・・と言いつつ、カラが何を企んでいるか気になるので、最後まで見ると思います(^^;;
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「偽装の夫婦」
ドラマをあまり見ない友人たちに好評です。特に沢村さんが面白い、とのこと。
某朝ドラのトラウマを引きずりまくっている自分は、急転直下、誰かが死んだりするかもしれない、と余計なことを言ってしまったのですが(ほんと、余計;;)、ヒロが自分の思いに気がついてからは、その切なさに感情移入。朝ドラ以降では、一番面白く見ています。
コメディタッチだけれども、お話自体は重い。軽く見せてくれているのは、主役のお二人の力でしょう。コメディ力が半端ないです。
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「無痛~診える眼~」
原作未読です。
一家殺人事件、ストーカーなど重苦しくはありますが、「破裂」よりはSF色が強いため、その分傍観者といして見れるので気が楽です。
謎だらけなのにあまりフラストレーションが溜まらないのは、映像の作り込みが丁寧なのに加えて、BGMの使い方が秀逸だからなような気がします。
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「コウノドリ」
原作未読。先週まで見ています。
TBSの伝統とキャスティングが良い感じのバランスになっていて、開始当初はあまり食いつかなかったのですが、人間性の裏の部分を描いたドラマが多い今期の中では清涼剤というか、産婦人科という仕事を善の方から真面目に描いていて、結構うるうるしながら見るようになりました。
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「サムライせんせい」
始まるのが遅かったため、初回感想を書き逃してしまいましたけれども、今期一番楽しく見ています。
歴史の端折り方がうまいし、坂本さんの順応ぶりが頼もしくもオカシイ。本格的な歴史ドラマではあまり演じることはないだろう、神木さんの坂本がはまっています。
「トリック」や最近では「民王」と同じく、この枠ならではの、豪華なキャスティングなのにどことなく漂うチープでまったりとした雰囲気が好きです。次回が楽しみなドラマ。
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「掟今日子の備忘録」
原作未読です。
スカスカした画面、犯人及び被害者の動機がマニアックなところ、そしてレギュラーたちのおとぼけっぷりなど、テレ朝の金曜深夜枠のドラマの雰囲気に似ているなあ、深夜枠なら、もっと話題になったかもしれない、と思いつつ見ています。
6話は、大人には全く理解できない女子高生の心を描いて、秀逸でした。女子高生の繊細さを感じ取れる二人も素敵。
今日子とはいつも初対面になってしまう厄介の、それでも今日子に会えるだけで幸せそうな表情が切ないです。
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「オトナ女子」はあまりにも現実からかけ離れた設定に脱落しかけたのですが、トレンディードラマのパロディとして見はじめてからは、何かと無理矢理な設定に楽しく突っ込みつつ、気楽に見れるようになりました。
そんでもって、トレンディーというより、白馬の王子様ストーリーなんだってことが、6話まで見てやっとわかりました。
誰かに無条件に守って欲しい。できれば愛を持って。年齢、性別関係なく。
夢ですな。

「5→9」も、そんなアホな、と突っ込みながら気楽に見ています。新旧トレンディードラマですな。ところで三休さんて何者なのでしょう。

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番外編「あさが来た」
今週前半まで見ています。
モデルとなった人について書かれた本は買ったのですが、ドラマのようにきれいごとだけじゃないみたいなので、封印しています。

少し強引とはいえ、毎回ラストで引っ張る展開をもってくるのはお見事。
かつての大阪発のど根性ドラマ、花登筐氏の作品を彷彿とさせる雰囲気が懐かしいです。
炭鉱のエピソードでは、あさの態度は如何なものか、と感じましたけれども、夫婦でいちゃつく仕草が可愛かったので、まるっとOK(^^;;
あさが波瑠さん、新次郎が玉木さんで良かったです。
波瑠さんはどんどん綺麗になっていってる気がします。
雁介が今後どう動くのか、気になる~。
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悔しいのは当地方では見れない「おかしの家」。見逃し配信で見てはいますが・・・TVで見たかったなあ。
なお、「デザイナーベイビー」は月曜深夜の再放送で視聴しています。最終回はテニスなどでお休み。次週までおあずけです。

NHK日曜11時の「トミーとタペンス」、ぼちぼち見ています。
クリスティは大好きで、短編を含めほとんど読んでいるのですが、スパイが絡む話は面白くとは思わなかったので、推理よりスパイメインのこのシリーズだけ、未読。

原作シリーズは1922年から1973年(長い!)に渡って書かれているので、時代によって敵は変わるのですが、ドラマでは、1950年代初頭、東西冷戦が背景、主役のトミーとタペンスは、何をやっても続かないダメ〜な中年の夫婦として描かれています。
ちなみに世相に敏感で貪欲なクリスティは、晩年007にも興味を持っていたとのこと。「トミーとタペンス」シリーズの「運命の裏木戸」がクリスティの絶筆です。読んでませんが(大汗

さすがBBC、当時を再現したファション、美術が素晴らしいです。
最初はタペンスの厚化粧にたじろいだのですが、それも伏線、というのがおしゃれ。
援助してくれる叔父さんの関係が如何にも英国的でした。

ミステリー活劇(古い;;)としても面白く、1シリーズ3話、一気に見てしまいました。
トミーがもうちょっとイケメンだったら・・・でも、こういう渋いキャスティングが英国らしいです。

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2015年秋のドラマ:視聴予定 
2015年秋クールドラマ 初回感想その1「デザイナーベイビー」「偽装の夫婦」「あさが来た」
2015年秋クールドラマ 初回感想その2「無痛~診える眼~」「掟今日子の備忘録」「破裂」
2015年秋クールドラマ 初回感想その3「5→9」「結婚式の前の日に」「オトナ女子」
2015年秋クールドラマ 初回感想その4「コウノドリ」「下町ロケット」「サイレーン」

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2015年11月20日 (金)

破裂 #06

公式サイト

香村(椎名桔平)を命の危険から救ったのは、意外な人物だった。安楽死法案の国会提出を目前に佐久間(滝藤賢一)の「プロジェクト天寿」が大詰めを迎える中、ネオ医療センターでは突然死に怯える被験者が出始め、厨(甲本雅裕)ら職員達にも動揺が広がる。事務次官の林田(佐戸井けん太)は治験の中止を命じようとするが、佐久間に弱みを握られ身動きが取れない。そんな中、香村は公子(坂井真紀)と共に佐久間の身辺を洗い、官房長・城(佐野史郎)に接近。最後の勝負に出る。そしてついに、安楽死法案を推進する超党派の国会議員連盟の集会で、運命の時がやってきた……。(公式サイトより)

原作未読です。
香村を中心に。いつものように文中のセリフは概略です。
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倉木が逝って三ヶ月。

佐久間の思惑通り、倉木の死は「尊厳ある安楽死」の広告塔として最大限に利用され、安楽死を良しとするする世論が高まり、香村の開発した療法の被験者は”順調”に増えています。
キャッチコピーは

「桜のように美しく死にたい」

確かに理想的な死。それゆえに恐ろしいです。

PPGのユルキャラが唄うテーマに合わせて楽しげに手を叩く施設の老人たち。
PPG(ピンピン元気で医者知らず)ならぬPPP(ピンピンポックリ)を企んでいる政府に虐殺されようとしているとは、露にも疑ってない無邪気な姿が痛々しいというか、残酷でした。

香村が休職した後、治療の責任者に押し上げられた厨。
香村療法は、今や「厨療法」と名が変わっています。
佐久間の、もう少しでぽっくり第一号で出る、と楽しげな様子に不安そうな表情。

寝たきりで意識の戻らぬ老母を見舞いに行った厨を待ち受けていたのは、髭面の香村でした。

真剣なシーンなのに、あまりにも付髭っぽくって、うっかり笑っちゃいました(^^;;

えーっと、気を取り直して。

驚き怯える厨に、倉木が自分の父親だったことをカミングアウトし、厨を締め上げます。

「これが親父の断末魔だ。
お前に耐えれるか。なら、お前の母にやってみろ!」

認知症は被験対象者じゃない、と厨。
答えになっていない。一掃する香村。

三千、一万、百万の声がお前に耐えられるのか。

「必ず心臓が破裂するとわかっていて、ほんとうにお前にできるのか!」

がっくりうなだれる厨。

「佐久間を潰す手みやげを持って、俺のところへ来い」

香村は休職中、恐らく閉じこもって副作用を抑える療法を研究していたのでした。
療法にめどがついた今、佐久間と戦う時がきた。
髭を剃る香村。
良かった、剃ってくれて(汗
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安楽死法案が制定される流れが止まらない中、佐久間と内閣官房副長官は香村・・・いや、厨療法の被験者が増えた今後、突然死が増えれば、非難の声も増えるだろう、と密談しています。

香村は、弁護士松野の親友でフリージャーナリストの上川から「プロジェクト天寿」の表の顔に祭り上げられている、国民生活省事務次官の林田についての情報を得ていました。
三年前、林田の息子が交通事故を起こした。その時の賠償金を払ったのは、佐久間の下でごそごそと動いている小池だった。
こうして佐久間は林田の弱みを握った、というわけです。

息子の交通事故も佐久間の策略だろう、と香村。
自分から頼んでおいて何だけれども、と何とかして真相を突き止めようとする上川を危ぶみます。

一方、元気にボーリングを楽しむ被験者の老人たち。厨に元気な日常生活を取り戻せたことを感謝します。
でも、ボーリングは危なそう・・・冷や冷やしました。←製作者たちの思う壺(汗

こうしてプロジェクトが順調に進む中、厨は佐久間から一冊のマニュアルを手渡されます。

それは、いざとなると死にたくないと訴える、被験者の老人たちを、死に導くマニュアル。
場合によっては隔離病棟に閉じ込め、肉親からも遠ざける・・・

「無能な奴がやれば犯罪。だが有能な人間がすれば、それは社会の改革に繋がる。倫理や法律に縛られていたんでは、何もできませんよ。」

嘯く佐久間。

後日、診察中被験者が廚の目の前で亡くなります。

知らせを受け「廚療法、第一号。」とほくそ笑む佐久間。
これからいよいよ始まる。

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小池を探っていた上川。
ビルから突き落とされて殺されてしまいました。
音だけするシーンが、小池という男の非情さを表していて秀逸でした。

遺書が残されていたことから自殺とされた上川。
真実を警察に話そうと言う松野を、それだと佐久間に漏れるだろう、と止める香村。

少し話は飛びますが、上川は、殺される前に林田と小池が繋がっている証拠を掴んでおり、万が一の時のために松野に残していました。
それは危険なものだ、香村に手渡すよう言われても、香村を信じられない松野は頑なに拒否。

一方、佐久間は、小池から上川を殺した事とを知らされて激怒します。彼の美意識に抵触する行為だから。
小池は小池で、良かれと思ってやったことを頭ごなしに怒られたため、憤懣やるかたなく、八つ当たり。

後日、佐久間は香村を呼び出します。
香村に「俺とお前は似てるんだからな。」と、上川の殺しは部下の暴走だろう、と指摘され、笑顔でひきつる佐久間。
上川が証拠を残して逝ったことを確信している佐久間は例の手術針を取り出し、取り引きを申し出ます。

香村の手術ミスが公にされれば、地位も名誉もお金も、すべてなくなる。

「直輝君の将来とも関わりますからね。」

この言葉、逆効果な気がする・・・

「わかった。最後の取り引きだ。」
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直輝と公園で話す香村。

中学進学で悩んでいた直輝、さっぱりとした表情で、私立ではなく公立に進む決意を言います。

「普通のふりはしない。僕はそう決めたんだから。」
「お前が決めたんならそれでいい。」

そしておもむろに、父としての倉木についての思いを語りだす香村。
書き忘れていましたが、倉木が亡くなった時、直輝は倉木が実の祖父であることを知らされていたようです。

「倉木はひどい父親だった。そしてお前にとって俺はひどい父親だ。
俺が倉木を憎んだように、お前は俺を恨むかもしれない。

 

でもな、どんなことがあっても、俺はお前の父親だ。それだけは忘れるな。」
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医療過誤訴訟の審理に出頭する香村。
思わず身構える原告の峰丘と、原告の弁護をする松野。

「私は峰丘茂さんの心臓に針を置き忘れました。すべて話します。」

驚く一同を前に、ミスの経過を説明する香村。
念のために術後にレントゲンで確かめたこと、峰丘が急死した後、もしかして、と解剖に立ち会ったこと、針を発見した時、思わず破棄してしまったこと。

「針は確かにあった。
初歩的なミスを犯した自分が許せなかった。それで針を闇に葬り去った。」

頭を深くさげ、謝罪する香村。

「ただし。医学の常識によれば、針の置き忘れによって峰丘さんが亡くなることはありえません。
峰丘さんは予期せぬ急変だったと確信してます。」

なぜ隠したのか、と問う松野。

「裁判沙汰になって、教授の座につけなければ、実用化目前の研究がつまづく。それだけはどうしても避けたかった。」

「研究を守るために仕方がなくやったとでも?
確かにあなたの研究が実用化されれば多くの命が救われる。
でも、そのためなら患者とその家族をないがしろにしてもいいんですか。
一人の命か百万人の命か。結局あなたは天秤にかけた。
命を司る資格がご自分にあるとでも思っているんじゃないですか。」松野。

当然だ。

 

私は命を司る資格を手に入れた。

 

20年前、米国の病院のLABで、心筋を再生させる成長因子を発見した。
医学史に自分の名を刻むに値する画期的な治療法の鍵だ。
心が震えた。狂喜した。自分は選ばれた人間だと。

 

だが、喜びは日に日に消え去り、やがて恐ろしくなった。
私の研究が実用化されれば、確かに数え切れないほどの命が救われる。
だが、それは同時に実用化が遅れれば遅れるほど、こぼれていく命があるということだ。
一秒、一分、一日、私がこの鍵で扉を開けない限り、むざむざと命が失われていく。
救える命なら救いたい。
途中で投げ出すことは絶対に許されない。走り続けるしかない。

 

だから研究を妨げるものは、何もかも排除した。
そして肉親も実験台にした。
裁判を避けるために針も隠した。
超えてはいけない一線を越えた。

 

真実を知れば、息子はきっと軽蔑するだろう。
だが、どれだけ非難されようと、例えどんな犠牲を払おうと、俺はこの療法を絶対に送り出す。
一人の命は私でなくても救える。
だが、百万人の命は、私にしか救えない。」

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香村が裁判所に赴いたことを聞いたのでしょう、血走った表情の佐久間。

「最高だよ。どんな手を使っても操れない。
あんな男、はじめてだよ。」

イライラとカプセルを大量にボリボリと喰う・・・サプリメントじゃなさそうですが・・・
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審理が終わった後、松野は香村に、上川が残した証拠を渡します。

「そこまで背負わなきゃ、気がすまないの?」

審理の最後に、香村は原告に言い切ったのです。

「ただし、お約束します。
研究を完成させ、世に送り出す使命を全うしたあと、私は医者を辞めます。」

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被験者の突然死が増えていく。
患者が亡くなった報告を受け、リストにチェックを入れる厨。
膨大な被験者リストの画面が目の前を流れていく・・・

米国の研究室から、副作用を抑える実験が上手くいきそうだ、との知らせを受ける香村。

が、しかし、小池に拉致されてしまうのでした。
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証拠は奪い取られそうですが、予告を見る限り、香村は無事なようです。
佐久間が止めるのかもしれません。

香村の、裁判所での言葉。
やはりこの人はマッドドクターです。

人の命がこぼれていく、とは言っていましたが、どんな犠牲を払ってでも、選ばれたものとして、作品としての研究を完成させることが使命だと思っている。
父の死を経てもなお、その信念は変わらないのです。
でも、こういう人間じゃないと発明、発見は進まない。
妥協をしてしまう人間には、決して切り開かれない道。

香村の言葉に、佐久間の言葉が重なります。
命を司る資格。
信念の方向性は違えども、二人は裏表一体。
そして佐久間は香村を操ることに執着し、香村は絶対に服従の道をとらない。
そこには正義も悪もないのです。

「プロジェクト天寿」については、俳優さんたちの演技に集中して見ていたので、見逃した部分た部分があるのでしょう、何かもやっとしています。
香村は副作用のことを公にしました。
被験希望をした人々は、そう長くないうちに破裂することを承知している。いわば覚悟の自殺です。
普通なら認可のおりるはずのない療法だけれども、実験台を希望する人ならば、良いということなのでしょうか。すごく基本的なことですみません(--;;

あと、林田は「天寿」の会議に出席していた時に、プロジェクトの内容を知って愕然していたように記憶しているのですが、香村からはじめて聞かされたように城に言っていたこと。
何らかのアリバイを作っているのかどうか?わかりにくかったです。

佐久間は「安楽死法案」を通過させることで、心筋梗塞以外の高齢者に対しても施術可能にしようとしているのでしょうか。
伊達、城たち政府の人間たちは、今から「プロジェクト天寿」が批判にさらされた時のための保身を図っているようにも感じられましたが、どうなのでしょう。

もし、自分が年をとって認知症を含む病に犯された時、このような療法があったら、施術を希望するかどうか。
周囲のこと、お金のこと、そして自我を保っておられるうちに、死を希望するかもしれません。
しかし、死が近づくにつれ、死への恐怖は増大し、もっと生きたい、とわめくでしょう。佐久間の言う通り。
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次回、最終回・・・ってもう、明日ですけれども(汗々

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2015年秋クールドラマ 初回感想その2「無痛~診える眼~」「掟今日子の備忘録」「破裂」 
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2015年11月19日 (木)

ぼんくら2 第4回「穏やかなる死体」

公式サイト

同心・佐伯錠之介(嶋田久作)をもてなし、葵殺しを調べなおす許しを得た平四郎(岸谷五朗)は、おふじや孫八ら葵に恨みを持つ人物を疑う。だが、弓之助(加部亜門)はあまりにも整然とした葵殺しの現場の様子から、この事件は何かの間違いで起こった咄嗟(とっさ)の犯行ではないかと推理する。平四郎は鍵を握るもう一人の人物、湊屋総右衛門(鶴見辰吾)と会うことにする。(公式サイトより)

原作概読です。
でも、大分前に読んだので、犯人は覚えていない(大汗

子盗り鬼なぞ、いやしないのさ。
恐い鬼なんてここには出やしないよ。
だって鬼より恐いものが住み着いているんだもの。
お六、あたしはね、幽霊なのだよ。
そうさ、子盗り鬼よりもっとひどい、子捨ての親でもあるのだからね。

ストーカー男、孫八をイリュージョンで追い払った後に、葵がお六に語った言葉を聞いた平四郎。
葵が佐吉のことを気にかけていたことを、はじめて知ります。

話は少し飛びますが、イリュージョンを仕掛けたのは見世物一座で、葵は孫八が現れる前から子盗り鬼の仕掛けを用意していたのです。誰かを懲らしめるために。
それはおそらく、おふじだろう、と平四郎。

さて、平四郎は弓之助、小平次とともに、葵の殺害現場を再現します。

殺害当時、葵は風っぴきで元から手ぬぐいを喉に巻いていた。
亡骸は足を、佐吉が立っていた庭に向けて倒れていた。
普通、首を絞めるのは背後から。
もし佐吉が手にかけたとすれば、亡骸の頭は庭の方を向いていたはず。
この推察で、佐吉が下手人の線はますます薄くなりました。

ならば佐吉以外の人間が、部屋の奥に忍んでいた何者かが葵の背後に忍び寄り、手をかけたのか。
それとも、向かい合って座っているうちに手にかけたのか。その場合、葵がかなり気を許している人物の可能性が高い・・・

平四郎は、葵に恨みを持っている孫八とおふじを疑っているのですが、葵がこの二人に気を許す可能性は極めて低いので、頭を抱えてしまいます。

弓之助は、葵の生前の話を聞けば聞くほど、思っていたような女性ではない気がしてきた、と。

前回も書きましたが、そうなんですよね。
本当はどういう人だったのでしょう。

一方、お六の娘、はつが何者かに元の葵の屋敷、通称化け物屋敷に連れ去られる事件がおきます。
下っぴきが探し回り、手習いのお師匠が心配する中、おはつは無事発見されたのですが、首には絞められた赤い痣がついていました。

平四郎の方はと言えば、芋洗坂を縄張りとしている同心、佐伯を、縄張りを越えて捜査することを黙認してもらおうと、お徳の料理でもてなしております。

無口で強面の佐伯をもてあます平四郎でしたが、意外と良い人でした。
接待で食べる高い料亭の料理よりうまい、とお徳の庶民的な味が気に入った様子。
今まで、接待や袖の下でもみ消してきた事件がいくつもある。それが日常になっていた時に食べたお徳の料理が、佐伯の良心に響いたのかもしれません。

捜査が行き詰っているという平四郎に、「湊屋が一番の難物」とアドバイスしてくれました。
湊屋は誰かを庇っている。
ビジネスライクな湊屋が庇うとすれば、身内しかいない。だとしたら、赤の他人の孫八なぞを庇うわけがない。

一方で、佐吉から葵の亡骸を見た時の様子を改めて聞き出します。
お香の良い匂い、衣桁に静かに掛かっていた着物・・・葵も、ただ横たわっているように見えた。
とても今、殺人が行われたとは思えなかった。

私も静けさが気になると弓之助。
もしかしたら、唐突な出来事が起きたのではないか。
それに、おふじが犯人だったら大騒ぎになって、着物もぐちゃぐちゃになっていたはず。

堂々巡りで頭を抱える平四郎に、まっさらにして考えてみませんか、と助言します。
今、平四郎は、葵、おふじ、湊屋、孫八の4人の過去に目くらましされている。
そういう先入観を捨てて、現場の物証を検討してみませんか、と。
弓之助、さすが計測マニア。考え方が科学的です。

弓之助の助言を聞き入れた平四郎。
ともかく、これはどうしても湊屋から、誰を庇っているのか、話を聞かないわけにはいかない、と葵が住んでいた屋敷に呼び出すことにしました。

そして、ふと思うのです。
おふじは全てを知っていたのではないか、と。
その上でわざと佐吉に葵が死んだことを漏らし、葵の下に出向かせようとしたのではないか。

平四郎の推理はここまで。何か根拠があってのことではないので、ここから先は五里霧中の状態です。

政五郎親分一家総出ででの屋敷の大掃除。
もちろんおでこさんもいます。
おでこさん、ひさしぶりの登場です。
彼は、今、弓之助の助けを借りて、データを着々と収集中です。
親の無く、腕力もなく、頭も良くない自分が食べていくには、抜群の記憶力を生かすしかない。そしてそのことが親分のお役に立つはず、と、健気に頑張っていました。
おでこさんの生き方に深く共感した弓之助は、おでこさんが自分の頭に溜めた膨大なデータから、すぐに話が引き出せるための目録を作っているのです。

そこへ手習いの師匠、晴香が訪ねてきて、住む人が決まったのか、尋ねますが、誰が住むと決まったわけではない、と聞いて安堵した様子。何せ子盗り鬼が住む家だから・・・。
この家にさらわれたおはつも、あれ以来、連れ去ったもののことに口を閉ざしたまま、手習いの塾を辞めて家に引きこもっている、と心配そうに語る晴香。

晴香から「いい匂い」がするのに気がついた弓之助。
その匂いは、晴香の匂い袋からしていたのでした。

その晩、いよいよ湊屋が久兵衛を伴って屋敷にやってきました。
この人こそ、化け物かもしれない。

と、今回は、ここでおしまい。

おはつをさらったのは誰なのでしょう。
孫八ならば、さらっただけで済むわけがありませんでしょうし。

湊屋の長男、宗一郎が、わけありげに初登場しました。
どう事件に関わってくるのでしょうか。

弓之助の、犯人だと思われる人間を追い込むための、思い込み優先の捜査はやめよう、という提案が印象に残りました。
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ぼんくら2 第1回「哀(かな)しき再会」 
ぼんくら2 第2回「信じる心」
ぼんくら2 第3回「鬼の棲(す)む家」

ぼんくらシリーズ

 

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