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2015年7月 1日 (水)

ターナー、光に愛を求めて:映画

2014年 英、仏、独 150分 PG12 原題「Mr. Turner」

Photo

公式サイト

監督・脚本:マイク・リー/製作:ジョージナ・ロウ/製作総指揮:ゲイル・イーガン、テッサ・ロス、ノーマン・メリー/撮影:ディック・ポープ/編集:ジョン・グレゴリー/美術:スージー・デイビス/音楽:ゲイリー・ヤーション
出演:ティモシー・スポール、ドロシー・アトキンソン、マリオン・ベイリーソ、ポール・ジェッソン、レスリー・マンビル、ルース・シーン、マーティン・サベッジ

イギリスを代表するロマン主義の画家で、後のモネなど印象派の画家たちにも影響を与えたターナーの人生を、「秘密と嘘」「ヴェラ・ドレイク」で知られる名匠マイク・リー監督が描いたドラマ。ターナーを演じたティモシー・スポールが、2014年・第67回カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した。18世紀末のイギリス。若い頃から高い評価を受けながらも、自由気ままに生きるターナーは、インスピレーションの源を求めて旅を続けてきた。ある時、助手を務めていた父親の死にショックを受けたターナーは旅先で宿を経営するひとりの未亡人と出会う。(映画.comより)

@京都シネマ

ターナーの絵は、この時代のアンソロジー的画集にイギリス代表として必ず納められているので、知ってはいましたけれども、ターナーその人に興味を持ったことはありませんでした。
スタッフ、キャストも未知の人たちばかり。
この時代に興味があるので、観に行きました。

ネタばれしてます。ご注意ください。
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予備知識は、公式サイトの「作品紹介」を読んだだけだったのが幸いでした。
全て映像が進むにつれ、ターナーの境遇、生い立ちが明かされていく様を、ひとつひとつ驚きを持って観ることができる、よくできたミステリーとして、150分間、全く飽きませんでした。

英国画壇に詳しい人なら、実名で登場する画家たちも楽しめるはず。
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以下、画法の変化や画壇関係は飛ばしての粗筋を書きます。

冒頭、スケッチ旅行から帰ったターナーを迎える女中のハンナ。
年齢不詳、猫背で貧弱な女性です。ターナーを見る目つきが粘っこい・・・と思ったら、男女の関係でした。
ターナーが無事帰ってきたことを大喜びするターナーの父。
外貌も体格も、良く似た親子です。最初はどっちが親子かなのかも良くわかりませんでした(汗

ターナーは、自分でも言っていました通り「怪獣」のような顔をしているためか、年齢不詳なのですが、いくら若作りといっても40歳前後だろう、と推測。とすると父は60~70歳・・・以上?
ターナーのために画材を揃えたり、キャンバスを作成したり、挙句に息子の髭まで剃ったりする父の大甘っぷりと、甘える息子に戸惑いました。

そんな親子を訪れたのは、なんとターナーの妻と娘二人。長女が生んだ赤ん坊を見せる、という名目で養育費を請求しにきたのです。
しかし、全く相手にしないターナー。次女には何年間も言葉すらかけていないという、冷え切った関係です。
元妻が、老けて見えるターナーより年上に見えたので、最初は孫を抱いている長女が妻かと思ってしまいました。

ここらへんから、ターナーの境遇がわかり始めます。

ターナーが、すでに名声を博している画家であること。
父はそんなターナーを誇りにしていて、彼の助手及びマネージャーを努めていること。絵を売ることに関しても抜け目がありません。
そして、以前は理髪師だったこと。
・・・あ、なるほど。だから息子の髭を剃るのは、父にとっては自然なことだったんだ。

父が亡くなる時、ターナーに、母を精神病院に入れたこと、それからまもなく死んでしまったことを告白します。
ここで、ターナーたち親子が、精神状態の不安定な母に苦しめられていたこと、妻や娘たちに氷のような態度をとるのは、母の影響があったらしいことが明かされるのです。

父が亡くなった後、父の代わりに画材を飼い揃え、キャンバスを作るハンナ。
しかし、ターナーはハンナを人間扱いしません。欲望のはけ口にしているだけ。
ターナーが、訪れたインテリ女性を褒め称えると、読書に勤しんだりするも、全くかえりみられないハンナ。
彼女の肌は、次第に掻き毟ったように赤くただれていき、動作もぎこちなくなっていきます。

ターナーが恋をしたのは、マーゲイトに下宿屋を構える、働き者の中年の未亡人、ブース夫人でした。
ターナーが著名な画家だとは知らないブース夫人。
出会った時は、奴隷船の船大工だった夫、ブースと宿をやっていたのですが、ターナーが父を亡くした後訪れた時は、夫は亡くなっていました。
元々、ブースの、奴隷船を作った罪を悔い、禁酒を誓ったという、寡黙な佇まいに惹かれていたターナー。
ブースとは二度目の結婚で、一度目の夫は難破船の人々を救助しようとして亡くなり、遺体も見つからぬままだ、と語るブース夫人の佇まいに惹かれるターナー・・・と書くと、ロマンチックですが、振る舞いはしごく動物的(汗
しかし、ブース夫人は受け入れるのです。
これにはちょっとびっくりでした。凄いわ、肉食人種。

ターナーの寂しさ、優しさを見出せる稀有の人、ブース夫人の言うことなら、素直に従うターナー。
仲睦まじげに腕を組み、町を散歩する。マーゲイトでのターナーの生活は穏やかそのもの、だったのが、心臓の発作で倒れてしまいます。
医者から無理は禁物、と言われたターナー。
この地に通うのも体に悪いのでは、とターナーの身を案じたブース夫人は、下宿屋を売って、ロンドン郊外はチェルシーに引っ越すのです。
この時には、ターナーが名を成した画家であることを知っていますが、引っ越し費用をねだったりしない、自立した女性。
ターナーは、そういうところに惹かれたのでしょう。

ちなみにマーゲイト、というのは、ロンドンから、今だと電車で1時間30分ほどかかるテムズ河口、ドーバー海峡に面したリゾート地だそうです。おそらく100km以上はあるのでしょうか。
ターナーはここに通うのに、テムズ河を走る大型帆船を利用していたのです。

ブース夫人がチェルシーの小奇麗な家に暮らすようになってからは、ターナーはほとんど家に帰らなくなりました。
次第に朽ち果てていく家と、ハンナ。
ハンナは、ターナーを訪ねてチェルシーを訪れますが、ブース夫人の家を見、そして我が身を振り返って・・・会わずに引き返すのでした。

画壇での紆余曲折を経て、ターナーはブース夫人の家で息を引き取ります。
最後の言葉は「太陽は神だ!」

ターナーが亡くなったあと。
窓を拭きながら、太陽を見て、微かに微笑むブース夫人。
朽ち果てた家で慟哭するハンナ・・・

ターナーを巡る二人の女性の姿があまりにも対照的で、胸を打ちました。

恐らくハンナは、リュウマチなどの進行性の関節の病と、梅毒に罹っていたのではないでしょうか。
病気をうつしたのは、ターナー、ひょっとしたらターナーの父かもしれません。だとすると、ターナーの母の病も・・・?
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セリフではなく、長回しでターナーの人間性に迫る映像に観入りました。

風景の美しさ、色彩の鮮やかさに比べて、美男美女がほとんど登場しないのも印象的でした。
着飾った上流階級の人々を含めて、みんな生活感があるというか、どこか小汚いないのです。
一番美しかったのは、若い娼婦かもしれません。

「ブブブ」と唸るだけで喜怒哀楽を表現すかと思えば、パフォーマンス好きで画家仲間には能弁になる、複雑で傍若無人な超エゴイスト、ターナーを演じたティモシー・スポールの存在感に圧倒されました。
この北大路魯山人を髣髴とさせる怪物的な人物が、余命が少ないことを告げられた時に「自分の存在はなくなるのか・・・」と呟くシーンは忘れられません。

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映画を観てから公式サイトを読んで、腑に落ちたことをいくつか。

ターナーが伯爵の屋敷で女性ピアニストの演奏に惹きつけられるシーンに、ターナーの内縁の妻が、彼より年上のピアニストだったという意味が込められていたこと。

女中のハンナが、訪問客といつも同席することも不思議だったのすが、実は女中ではなく、内縁の妻の姪だったこと。
だから余計にターナーは彼女に対して冷たかったのかもしれません。なんというエゴイスト。

あと、wikiで、ターナーに借金を申し込む画家仲間のヘイドンが、自殺したことを知りました。
伯爵の庭をどんどん歩いて遠ざっていく姿に、彼の行く末が暗示されていたのです。

なお、ターナーの作品群は、彼の遺言どおり、国家に寄贈され、今はロンドンのテート・ブリテン美術館に飾られているそうです・・・って、去年、見てたんです。映画を観て思い出しました。ああ、もったいない(大汗

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