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2015年7月16日 (木)

天皇の料理番 第12話 最終回

公式サイト

時は戦後 ――
敗戦国となった日本は GHQ による統治を受けることになる。
そのとき 篤蔵 (佐藤健) は、天皇の料理番として果たすべき役割を模索していた。
篤蔵が辿り着いた答えとは…?
亡き妻・俊子 (黒木華) の愛が奇跡を起こす…
ついに、天皇の料理番としての人生に幕が下ろされる。
16歳で料理に見た夢を、彼はどう想うのだろうか…
そして秋山篤蔵が過ごした人生とは…(公式サイトより)

原作未読、文中のセリフは全て概略です。

昭和10年3月。

大膳寮の料理人たちは凍りついておりました。
たった一つ肉を縛った糸をとらずに出してしまったお皿が、なんとお上に出てしまった!
確認はわしの仕事です、わしが責任をとります、とお上の前に立つ篤蔵。

「そこでお上はなんと仰ったと思います?」

その時の話を聞く新太郎と梅。
こちょこちょ・・・この時はお上が何と言ったのか明かしませんでした。

「わしは幸せもんです。あのようなお上におつかえでき。」

戦争拡大が進んでいく日本。
満州皇帝に出した料理を、毒見役たちにぐちゃぐちゃにされて、憤慨する篤蔵。
大膳寮の役人、黒川、町山に、あれが向こうの風習でもあるし、それだけ日本を信用していないのだ、と言われ、料理人のプライドを傷つけられた篤蔵、食って掛かろうとしましたが、俊子の鈴に止められました。

戦況は悪化、日々の暮らしも成り立たなくなります。
お上の、配給のみで料理せよ、というお達しに苦慮する大膳寮。
毎日毎日めざしばかり。
めざしの油煮って、オイルサーディンみないな感じなのでしょうか。

お仏壇に向かって黒川の息子が戦死したことを告げる篤蔵。これで二人とも逝ってしまった。
お仏壇には、父周蔵、兄周太郎、そして俊子の遺影が飾られています。
今はたった一人になってしまった篤蔵。こうして毎晩、お仏壇に語りかけているのね。

陸軍の偕行社(陸軍の士官及び将校以上のための親睦団体)からの依頼に、開店休業中だという辰吉を伴って赴いた篤蔵。
調理場一杯の食料に、思わず激昂します。人々が、お上も粗末なものを食べているのに!
この時は辰吉が止めてくれました。「勝つためだよ・・・」
.

しかし日本は負けてしまいました。

負けたのは悔しいけれども、二人の息子に広報が来る前に戦争が終わったこと、明るい夜を迎えれることに感謝する篤蔵。

ところが戦争に負けたということがどういうことなのかを黒田たちに聞かされて、篤蔵は驚愕し、そんな馬鹿なと目を剥きます。
負けたということは、非占領国、属国になったということ・・・陛下が戦争犯罪人として裁かれるかもしれない。

「秋山さん、天皇陛下バンザイと突撃していったわけです、我々は。それはアメリカから見た日本の姿だったと思います。
彼らには扇動的な指導者に見えていたのではないでしょうか。」

激変する世の中に愕然としながら帰路に着く篤蔵は、新太郎、梅、宇佐美と再会しました。
みんなが無事で良かった、と梅。
焼け跡からお宝を掘り起こしていた新太郎、ほんとに変わりません。

夕食を囲む5人の話題は、陛下が軍事裁判にかけられるかどうか。
みんなから離れた隅っこにいるのは、バンザイ軒の料理人、小柳なのでしょう。

噂によれば、陛下が被告にされるかどうかはかなり危うい局面にあるらしい。
今は宮内省も動けない、と篤蔵。

「だったらお前がなんとかしたらどうだ。お前も宮内省の役人なんだから。」と、宇佐美。
「できるわけないやないですか。役人言うても、料理人なんていうのは下の下の、そのさらに下の木っ端役人ですよ。」
「そうか、陛下のお料理番というのは、言われるままに飯を炊くだけか。俺にもできそうだな。」
「宇佐美さんの言われるのは理想論ですよ。日本は占領させるんですよ。何か一つでも間違いを犯したら、わしらかってお上かってどんなことになるかわからんのに。
俺なんかに何かができるわけがないやないですか。」

「なるほど、見事に木っ端役人のセリフだな。」

思わず怒って立ち上がる篤蔵。

「俺も焼きがまわった。くずだ、ろくでなしだと言われと言われ続けた料理人が陛下をお救いした、なんてことがあったら、胸のすくような話だと思ってな。
青臭いこと言ってすまなかった。」

家に帰ると、亡くなったはずの周蔵からの手紙が届いていました。
「お、おとうさん・・・あの世から説教ですか。」
そんなことはあるわけもなく、父の遺品を整理していた母、ふきが送ってきたものでした。
書いたはいいけれども照れくさくってついに出せなかった手紙。

「送るのが何よりの供養だと思うので、送ります。」ふき。

「ほういうことですか・・」読みはじめる篤蔵。

「毎日きちんとお勤めしとるか。いくらのくてぇおめえでも、陛下のおそばに上がりながら、まさか不敬なことはしてへんやろな。
今日は、周太郎が逝った時のことを記しておこうと思う。最近物忘れが激しいからの。

周太郎はおめえの作った献立表を聞きながら旅立った。おまえの活躍が我がことのように嬉しい、といった顔をしとった。
なぜあいつは、そのこまで嬉しかったのか。俺はやはりおめえが陛下のお料理番やったからやと思う。
思えばあいつはお国のために働きたいという志をもっとった。
ほやさけ、有名なホテルや料理店ではなく、陛下のお料理番というのが、あいつにとっては何よりも誇らしかったんやと思う。

篤蔵、苦労も多いと思う。しかしどうか、陛下のお料理番を勤め上げて欲しい。
ほれが、今の父の夢です。」

父、兄、俊子のことを思い浮かべる篤蔵。

「一人で叶えた夢やないですもんね。ほうでしたね。わしは陛下のお料理人でした。」

思い込んだらまっしぐら。
篤蔵は動き出します。

まず、大膳寮の黒田たちに「占領軍を第一級の国賓としてもてなすべき。」と主張。
お上の命はアメリカの胸先三寸。食事や掃除、便利使い。やれることは山ほどあるはず。
「お上をお守りすることこそ我々の使命では。ならばこの際・・・」
「大膳寮は家政婦斡旋所ではない!」
一喝される篤蔵。
「これ以上何かやってみろ。即クビだからな」と言い渡されてしまいました。

いよいよGHQがやってきます。

篤蔵は、わしの料理で骨抜きにしてやる、と張り切りますが、そんな篤蔵を、息子を殺された黒川は冷ややかに見ていました。

「よくそこまで割り切れますね。鬼畜米英に媚売ろうなんて。」
「黒川さん、そこは今は飲み込んでいかんことには。」

そこへ、GHQからサンドイッチの注文が入ったと、黒田が告げに入ってきました。
ただし、責任者は黒川。何をするかわからぬ篤蔵は外されてしまう・・・かと思いきや、そんなことはお構いなしに号令をかける篤蔵。
しかし黒川はやる気をすっかりなくしたままです。
篤蔵が雑な仕事ぶりを注意をすると「アメ公はそんなとこまでみていない」と呟く黒川。
「食べ物というのは結局は魂が食らうんですよ。だからこそ、今はアメリカに食わすもんは最大限の真心を込めて作らねばならんのですよ。」
「じゃあ、私は抜けた方がいいですね。」
包丁を置いて出て行きました。

息子を殺した相手のために真心を込めて料理を作るのは、辛いことです。
黒川の気持ちを汲む余裕のない篤蔵。様々に渦巻く思いの中で、今、一番優先すべきはことはお上を守ること、とまっしぐらに進むのです。
ほんと、変わりませんわ。

サンドイッチを入れた箱の下に英語でメモを忍ばせました。

「このサンドイッチを作りました、陛下のお料理番をしております秋山篤蔵です。
公には言いにくい御用がありましたら、お気軽にご連絡ください。」

そのことを聞いて心配する辰吉。
英語は、以前陛下(皇太子時代)が英国に行った時に勉強したらしい。篤蔵のことだから一生懸命取り組んだのでしょう。

「どんな無茶が飛び出してくるかわからない。
ほら、お前さん、癇癪持ちだしさ。いつかやっちまうんじゃねえか。荒木さんの時みてえに・・・あ、言えた・・・
あの、荒木さんのことなんだけど、手紙渡したのは俺なんだ・・・」

そうかあ、それがずっと引っ掛かってたのね。
篤蔵だけでなく、荒木まで華族会館を辞める原因を作ってしまったこと。
あの時、篤蔵に抱いた嫉妬が、ずっと辰吉の中で疼いていたのでした。

しかし篤蔵は、辰吉の何十年越しの告白を上の空で聞いております(^^;;
掌の中の俊子の鈴を見詰めながら。

「大丈夫です。俊子がついていてくれますから。
わしは石に噛りついてもアメリカに温情を買ってみせるんです。」

「も、いっか・・・」

苦笑いの辰吉。
.

早速GHQに呼び出されてる篤蔵。黒川の目が冷たい・・・

篤蔵は、目に敵意を宿した若い将校に、家の料理人になって欲しいと頼まれます。
さすがに大膳寮の料理番がなるのはヤバイ、ということで・・・辰吉を連れて行きました。辰吉さん、人が良すぎるです~(笑

一方、篤蔵は土産品の収集、靴磨き、便所掃除まで何でもこなしておりました。
焼け跡から新太郎が掘り出した日本人形・・・
そんなの持って帰ったら、祟られそうですけど~(^^;;

そんな時、辰吉に英語が通じない、というクレームが入ります。
辰吉に代わって日本語なまりの英語を操って給仕をする篤蔵。
「だったら最初からてめえでやれよ」とぼやきながら皿洗いをする辰吉。ほんとです。

ところが、将校は、篤蔵に向かって、ただの人間である天皇を神として崇めるとは、日本人は愚かだと挑発しはじめました。
「キリストだってただの人間やったと聞きました。その行いが立派やったから神さんになったと違ううんですか。」

キリストを引き合いにだしたのはマズいです。
いきなり後ろから口を塞がれつつ羽交い絞めにされる篤蔵。「黄色い猿め!」
将校の足を踏んで手を逃れ、ファイティングポーズをとろうとした篤蔵でしたが、自分の行いが迷惑になることを思い起こして、頭を下げて謝ります。
しかし、それでは納得しない将校。土下座を要求しました。
それは・・・握る拳に力の入る篤蔵。
そこへ辰吉が飛び込んできて、床に頭をなすりつけての土下座をしてくれました。

.

「はっきり言って、お前がやることが陛下のおためになるとは思えねえよ。」

バンザイ軒にて、辰吉に意見される篤蔵。無事に帰れたのね。
そこへ、新太郎が、天皇の戦争責任を問われる可能性について書かれた新聞記事を持ってきます。

「まあ、結局、大きなことは大きなとこで決まるわけよ。お前が何をやっても関係ない。やめちまってもいいんじゃないか。」新太郎。梅も篤蔵が巻き込まれることを心配しています。
「けど、お上は良い方なんですよ。」篤蔵。
「篤坊が知ってるのは一部だけだろう。全部のお顔を存じ上げているわけじゃないだろう?」梅。
「絶対良い方なんです。生真面目な優しい良い方なんです。わしにはわかるんです。」
去っていく篤蔵。
「なんでああも頑固かね~」梅。
「飯、作っているからですかね」
微笑みながら呟く辰吉。
「飯って・・・」新太郎。

一方、篤蔵に絡んできた将校は、戦場での悪夢にうなされていました。
突撃してくる日本兵の恐怖がトラウマとなっているのです。
.

篤蔵の動きについていけない黒川。ついに退職願を差し出します。
黒川を引きとめようとする篤蔵。
「アメリカを憎んだかて、息子さんは戻ってこんのですよ。」

あらら・・・それ言っちゃったらあかんですよ・・・
去ろうとしていた黒川、血相を変えて篤蔵を殴りました。

「戻ってくる奴は言えますよ!戻ってくるんだ、あんたの息子は!」

その時、GHQから、篤蔵が将校に殴りかかってきたという電話があった、と黒田が怒鳴り込んできました。

「これでもしものことがあったらどうするつもりだ!料理人風情が足りん頭で動き回るからこんなことになるんだろうが!」
「料理人やからやったんです。
お上のお体を心身ともに健やかに保ち、その命をお守りすることがわしの仕事やから。今やらねばならぬことは、アメリカの温情を買うこと。」

「お前の考えなんかどうでもいいんだよ!」
「だったら、GHQの前で腹、かっ捌いて詫びてやる。」

黒川に向かって話を始める篤蔵。

「わしは・・・わしは片田舎のやっかいものでした。
ここまでやってこれたんは、支えてくれた人たちがたくさんおったからです。父や兄や母や嫁や師匠や友人。

わしはみんなに夢を叶えさせてもらったようなものです。
わしは、夢を叶えさせてもろうたもんには、夢を叶え続ける責任があると思います。
お上のお料理番として、力の限り励み続ける責任があると思うんです。

みなさんは違いますか?お上に上ると聞いた時、祝られませんでしたか?
お前は家の誇りだと、心して励めよって、ほう、言われませんでしたか。嫁は子供はどうでしたか。お父さん頑張ってって言われませんでしたか。
そん人らに恥ずかしくないとうに勤めたいと思いませんでしたか。
やれることはやったと、精一杯の真心つくしたと、言いたくありませんか。」

皿を手にとって。

「ほれにわし、わしなんかたまらんのですよ。
お上が裁かれると思うと。

だって毎日毎日、飯、お出ししてたんですよ。
お食べになった皿を見て、ああ、これはお好きではないんかと悩んだり、お好きなものを残されれば、体調がよろしくないんか、それともご気分の問題なのか、はたまた調理が良くなかったんかとか。
ほれがわしの毎日やったんです。
毎日毎日飯を作るというのは、ほうゆうことなんです。ほれがもう20年です。

畏れ多い、本当にもう、畏れ多いですけれど、何かこう、わが子のようなところがあって。
もし、お上に戦争の責任とやらがあったとして、世界中からそう言われたとして、でも、わしがやっぱりお守りしたいと思ってしまうんです。

もう、何を言われても笑ってますさけぇ、どうか、我儘を通させてください。」

頭を下げる篤蔵。そして黒川も、料理人たちも。

そこへ入沼が、お楽しみの件・・・GHQから家族を含むリクレーションの企画はどうなっている、という打診がと篤蔵に入ったことが告げられます。

「これはもう、大膳寮として受けざるおえない規模になってしまいますね。
何としても、お上の御為になるようなものにしてください。
天皇の料理番の名に賭けて、最高のもてなしを。」

歓声を上げ、張り切る篤蔵、黒川、そして料理人たち。
.

またも巻き込まれる辰吉(笑
宇佐美も巻き込まれております。
黒田は「陛下という存在を政治的なものではなく、日本の文化の一部であることと捉える直してもらうことはできないか」と提案。
黒川は、もう途絶えてしまった鶴庖丁という作法の復活に励んでいます。

一方GHQでは、例の若い将校が、料理人は信用できないと怒りを込めて力説しておりました。
何も言わずに聞く将軍。

「うまくいきますように。」お仏壇の三人に手を合わす篤蔵。

こうして野外パーティが始まりました。
滑り出しは快調です。

出された料理に舌鼓を打つGHQとその家族たちに、味噌と醤油を日本固有のソースとして紹介する篤蔵。
しかし、途中で俊子の鈴を落としたことに気がつき、池の中を探し始めます。

そんな中、将軍から「あなたたちにとって天皇とは何ですか」と質問される宇佐美。
ただの市井の料理人ですから、と名言を避けると「ただの市井の料理人の意見が聞きたい」と追求されます。
「穏やかなあなたたちが天皇のことになると豹変する、それは彼があなたたちの神だと理解していいのですか。」
答えにつまる宇佐美。

一方、俊子の鈴を探している篤蔵は、例の将校から挑発されていました。
一度は鈴を探し当てるも、再び取り落としてしまい、将校の挑発も石を投げつけたりとエスカレート。他のGHQたちも冷やかし始めます。

「やばいな」冷や冷やと見守っている新太郎と辰吉。
ついに握りこぶしを固めて立ち上がる篤蔵。
その時、鈴の音が響き、池のほとりにあった鈴を見つけます。俊子さん・・・

「どうやっちゃ~!」

鴨の真似を始める篤蔵。
辛いですよね・・・普通の人でも辛いだろうに、ましてや篤蔵だもの。
その時、辰吉と新太郎も池に入って鴨の真似を始めてくれました。
一人じゃなくなって良かった・・・

こうなったら事情をしらないGHQやその家族たちには、料理人三人がじゃれ合っているようにしか見えません。
挑発に失敗した将校、残念そうです。

その様子を見ていた宇佐美と将軍。
天皇のためならなんでもするですね、と言われた宇佐美。

「そうかもしれません、いい意味でも悪い意味でも。
私にとって陛下は味噌です。
大変不敬かつ曖昧な表現だと思いますが、私は無学な料理人です。お許しください。
生まれた時からそこにあり、馴染んできたのですから、味噌に親しみ、慕うことは当たり前です。
その意味を問うたことすらありません。
しかし、ある日突然味噌を今後一切食べるなと言われたら。私はとてつもない寂しさを感じると思います。
そしてあちこちで暴動が起き、私もそれに加わると思います。
天皇の存在を否定すれば、それと同じようなことが起き、統治を難しくするだけではないでしょうか。」

「ご意見参考にします。」

将軍は、わざと日本人に敵意をむき出しにする将校を放置し、篤蔵が将校の挑発に乗るかどうかを試していたように感じました。

21年4月、天皇の戦争責任は問われないことが決定しました。

「ありがとうございました!おかげさまでわしはお料理番をやっとられます。今日も明日もあさっても。
ずっとお料理番です!!」

おてんとうさまに向かって礼を叫ぶ篤蔵。
.

時は過ぎて、昭和47年。
料理人として数々の名誉に彩られた篤蔵の、お料理番としての役目が終わろうとしていました。
お上に最後の挨拶に向かう途中で、かつて糸を取り忘れた時のことを思い出す篤蔵。

「秋山、朕のものだけか。他のものには糸はついていなかったか。」
「はい、陛下のものだけです。」
「それは良かった。糸がついていたのは朕のものだけだったのだな。それは良かった。」

時は過ぎて、最後の拝謁。

「長い間ご苦労だったね。」
「こちらこそお世話になりました。」
「体を大切にするように。あなたが私の身をいたわってくれたのと同じように。
料理は真心だね、秋山厨司長。」

「ありがとうございます・・・」

「時は昭和47年10月18日。幸せな、それはそれは幸せな涙とともに秋山篤蔵は、58年に渡るその料理番人生に幕を下ろしたのでございました。」

鈴を取り出して見上げる篤蔵。

「お疲れ様やったな。俊子。」

.

篤蔵は最後まで篤蔵でした。
皆に支えられて天皇の料理番になったことの責任をとるために、篤蔵なりに突っ走って、それゆえに周りを巻き込んで。

きっとGHQのパーティの後でも数え切れないほど、俊子の鈴に救われたのでしょう。

癇癪持ちなこと、自分が思い込んだことに専念するとそのことしか見えなくなってしまうこととか。
黒川が怒るのも無理はないです。もし宮前がいたら、篤蔵の言葉足らずな部分をうまくフォローしてくれたかもしれません。

確かに、篤蔵のやっていることは脈絡も意味もなく、ひたすら媚びているようにしか見えないでしょう。
しかし、篤蔵には思想も政治もない。お上を子供として守ろうとしたのでした。だからなりふり構わず突進できる。
毎日毎日料理を作るというのは、そういうこと。

そして天皇の言葉に深く感動した思いは、周太郎の言葉を守り続け、俊子のことを思い続ける一本気さでもって貫いたのでした。

原作ではどう書かれているかわかりませんが、一番難しい時期の、個人と国の関わりを、料理を通じて描ききっていたのはお見事でした。

篤蔵を、その意思はなくとも、焚きつけてしまった宇佐美。最後はちゃんと締めてくれました。

辰吉が土下座したのは、手紙を渡したことへの贖罪もあったのでしょう。
でも、巻き込まれ体質だなぁ、辰吉さん、というおかしみ、気の良さもが伝わってきました。
彼には飯を作り続けることの意味がわかっている、というのも良かったです。

新太郎は、外貌も含めて、ほとんど変わりませんでした。ほとんど妖精(笑
新太郎を変わらせなかったのは、篤蔵の年齢不詳な部分を、時間の経過からあまり浮き上がらずに済ますためでしょう。
新太郎だけおじさんになったらオカシイですもんね。辰吉は元々年齢不詳でしたし(^^;;

辰吉、新太郎それぞれの友情のあり方が心地よかったです。
池に飛び込んだシーンには、思わず涙しました。

篤蔵、辰吉、新太郎は、ずっと一緒に美味しいものを食べ歩いたんだろうなあ。
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料理をテーマに、家族、夫婦の絆の縦軸に揺らぎがなく、時代エピなどの横軸のどこに焦点を当てるかに迷いがなかったドラマでした。

最終回も、子供たちのエピをばっさり切る一方で、黒川の息子たちの戦死と、米将校のトラウマはきちんと入れてくるなど、最後まで、描くべきことを描ききっていました。
特に米将校のエピは効果的で、情緒に流されない作品にしていたと思います。

篤蔵には最後まで突っ込みっぱなしでしたが、主人公が不完全ゆえの躍動感がドラマに満ちていました。

キャスティングも素晴らしかったです。
周太郎をはじめとするレギュラーはもちろん、メインゲスト及びサブキャラに至るまで神経が行き届いていました。

そして俊子。黒木さん以外の俊子は考えられません。
ストーリーは結構あざとかったりしたのですが(汗)、黒木さんの存在で、リアリティーを感じることができました。
「お疲れ様やったな」・・・本当に俊子さん、お疲れ様でした(涙

佐藤さんはまたステップアップして、デビュー当時からのウォッチャーとしては嬉しい限りです。
初の老け役は少し不安だったのですけれども、ギャップ込みの作りになっていてほっとしました・・・ですよね、このドラマのスタッフが、そこを考えないわけがないですもんね。
前回の夫婦の絆のシーンの数々、最終回の大膳寮での長セリフ。良いもの見させてもらいましたです。

天皇の料理番として、そして市井の人として人生を全うした篤蔵という人間の人生を、ハラハラドキドキしながら堪能しました。
スタッフ、キャストの皆さん、ありがとうございました。

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