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2014年10月30日 (木)

2014年7月の読書 その1

○新読

まほろ駅前多田便利軒 著:三浦 しをん(文春文庫)
まほろ駅前番外地 著:三浦 しをん(文春文庫)
黒澤明が選んだ100本の映画 著:黒澤 和子(文春新書)

○再読

マザー・グースの唄 著:平野 敬一(中公新書)

以下、敬称略です。

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「まほろ駅前多田便利軒」

まほろ市は東京のはずれに位置する都南西部最大の町。駅前で便利屋を営む多田啓介のもとに高校時代の同級生・行天春彦がころがりこんだ。ペットあずかりに塾の送迎、納屋の整理etc.―ありふれた依頼のはずがこのコンビにかかると何故かきな臭い状況に。多田・行天の魅力全開の第135回直木賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

TVシリーズを見て、映画「まほろ駅前多田便利軒」を見てから、読みました。
氏の作品を読むのは初めてです。

ハードボイルドな小説だと感じました。
ハードボイルドの定義は難しいですが・・・感傷的な要素の多い、平成のハードボイルド。

映画の感想にも書いたことですが、おもに多田の視点で書かれている、つまり語り手スタンスのため、最初は多田の存在感は希薄に感じてしまいます。
それに相方の行天が何かと強烈すぎますし。

しかし、それは、多田から見た「行天」と言う人物が強烈だから、つまり多田の、行天への興味津々さが、読み手にグイグイと伝わるからなのだ、ということが次第にわかってきます。
つまり、多田が語る行天が面白いのです。
そして行天を「観察」することで、多田は過去の封印を解いていく。
徐々に、行天をあきれたり、心配したりする「多田」というキャラが浮かび上がってくるのです。
語り口のうまい、味わい深い作品でした。

星の恋人の話、子供取り違えの話など、TVシリーズに入れられたエピもありますが、大筋は映画どおり、いや、逆ですね、映画が原作に忠実に作られていました。
何より空気感が一緒。
映画には登場しないエピも、映画のごとく目に浮かべながら、思わず一気読みしてしまいました。

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「まほろ駅前番外地」

東京都南西部最大の町・まほろ市の駅前で便利屋を営む多田と、高校時代の同級生・行天。汚部屋清掃、老人の見舞い、庭掃除に遺品整理、子守も料理も承ります―。多田・行天の物語とともに、前作でお馴染みの星、曽根田のばあちゃん、由良、岡老人の細君が主人公となるスピンアウトストーリー七編を収録。 (「BOOK」データベースより)

TVシリーズのエピの半分くらいは、この短編集に入っているようです。
各話によって主人公が変わるというスピンアウト作品ですので、多田と行天の過去は前作のようにはがっつり描かれておらず、その分軽快に感じました。
とても面白かったです。

二人が主人公でないためか、映像化されていない話がまた、面白いんです。
星の日常が意外だったり、岡老人の細君が主人公の話にほのぼのしたり。

特に曾根田のおばあちゃんが便利屋とその助手に語る、若き日の恋物語が素敵でした。
若き自分を取り合う男性二人を、なぜか(笑)、多田と行天に振り当てて語るのです。
これは絶対映像で見たいです。

この本を読んだ直後にうたた寝した時に、夢の中でまほろのストーリーを鑑賞してしまいました。
どんな話を観たのかは忘れましたが、目覚めた時の、ほんわかとした幸せな気分は覚えています。
旅行に持って行くといいかもしれない(^^

両作品とも、まほろファンでまだ読んでおられない方にお薦め。

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「黒澤明が選んだ100本の映画」

巨匠・黒澤明は生前、自分の好きな100本の映画を選んでいた。『荒野の決闘』『欲望という名の電車』『ゴジラ』『ベン・ハー』『ゴッドファーザーPART2』『HANA‐BI』…古今東西の名作への思いを長女の和子さんが再現する。 (「BOOK」データベースより)

最近はほとんど映画評論の本を読んでいなかったのですが、なんとなく、購入しました。

名作百選、という企画には必ず入る誰もが認める名作から、ほとんど知られていない映画まで。
自分の目指すものと同じものを感じる作品から、自分の感性にはないものを感じさせる映画まで。
アンテナに引っ掛かった作品について娘、和子氏に語った言葉の数々。
その短評から、黒澤監督の作りたかった作品が見えてくるような気がしました。

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「マザー・グースの唄」

マザー・グースの唄とは英国伝承童謡の総称。それは格言あり、なぞなぞあり、ナンセンスあり、英語国民の生活感覚や言語感覚の機微に満ち、そのことばは現代英語のイディオムとなっている。こうした英語文化の基盤をなすものへの理解を欠いては、いかなる文化論も文学論もむなしい。本書はマザー・グースの唄を多角的に紹介し、伝承童謡が英語文化の中で果たした役割を考える、英語に関心をもつすべての人にすすめる好著である。(本書カバーより)

「マザー・グース」は、英米文学を深く理解しようと思うならば、知っておいた方がいい知識のひとつなのに、ほとんど何も知らないなあ、ということで昔、入門書として読みました。
すっかり内容を忘れてしまったので、再読。

唄の背景だけでなく、英国伝承童謡が「マザー・グース」としてまとめられた経緯では、政治情勢及び社会認識の変化により削られた唄や歌詞を変更された唄についても、平易な文章でコンパクトに語られています。

「マザー・グース」を英語教育に欠かせない教養だと痛感する著者は、日本の伝承童謡についても洞察しています。

・<前略> 他愛のない唄なのだが、口ずさんでいると、どこか一抹不可解なものが漂っているのを感じないわけにはいかない。

※ここで、著者は京都の古い盆唄を採り上げて、類似性を述べています。

・<前略> イギリス人の童謡に対する親炙の度合いは、日本人のわらべ唄や小学唱歌に対する親しみの度合いとは、桁違いといってもいいほど強いのである。

・英語圏で育った人なら、まず五十篇や百編うを知っているのがふつうであり、あまりにも生活や日常表現と一体になっているため、かえってそれをことさら意識することがないという状態なのでる。

・明治以降の学校教育がわが国の伝承文化(なにも童謡にかぎらない)に対して示した無理解と偏見の成果の一つが、今日におけるわらべ唄のほとんど全面的な消滅となっているのだと私はみている。

<中略>
イギリスの伝承童謡と日本のわらべ唄を並べてみると、生命ゆたかに継承されたものと無残に消滅させられたものというふうに対比したくなってくるのが、なんとしてもざんねんである。

 (以上、本書より抜粋)

初版は1972年。
当時とは英語教育は大きく変わったと思いますが、日本の伝承童謡についてはあまり変わらないような気がします。いや、もう、変われないのかもしれません。
いったん消滅した文化、特に口承文化を生き返らせるのは、本当に難しいです。

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読書:著者&編者別、アカサタナ順INDEX<あーさ>
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