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2014年9月18日 (木)

おそろし―三島屋変調百物語 第3夜「邪恋」

公式サイト

期せずして、おちかは女中頭のおしまに自らの陰惨な過去を語ることになる。川崎の旅籠に生まれたおちかは、拾われ子の松太郎(満島真之介) と兄妹のように育った。長じて、おちかに縁談の話が持ち上がったとき、ちょっとした行き違いから松太郎が婚約者の良助(松田悟志) を惨殺し、自殺を遂げるという事件が起きる。それは、松太郎の歪んだ育ち方が、積年の恨みとなって噴出した事件であった...。(公式サイトより)

原作概読です。

今回の語り部はおちか自身でした。
聞き手は、おしま。

おちかは、まず、半年前に婚約した、と語りだします。
相手は同じく川崎の旅籠の息子、良助。
おしまに、どんな人、好きだったの?と聞かれて、うなずきます。

幼馴染だった二人。
兄、喜一と一緒に、幼い頃は仲睦まじく遊んでいた、と。

ここまでは微笑ましい話。おちかの表情もなごやかです。

ところが、松太郎がやってきてから一転してしまったのです。

松太郎とは、ある寒い晩、断崖絶壁にある松の木の枝に引っ掛かっていたところを宿場の皆で助け上げた、男の子のことです。

おちかの旅籠、丸千に担ぎ込まれ、皆の必死の看病で、左手の指を凍傷でなくしはしましたが、なんとか命は取りとめた少年。
本人が何も語らないので、川崎にたどり着くまでのことも、なぜ松の木の枝に引っ掛かっていたのかも、そして名前すら、一切わかりません。

丸千のあるじ、すなわち、おちかの父の喜兵衛たちは助けられた場所から、松太郎、と名づけて世話を焼きます。
けれども、喜一と良助は松太郎を苛めたのです。
止めるおちか。
松太郎を苛めたことを父から叱られた喜一。
のちになって、父が松太郎の面倒を見ることにやきもちを妬いていたのだ、と兄は言ったそうです。

松太郎を発見した行商人が、自分たちには子供がいない、これも何かの縁です引き取りましょう、と言ってくれるのですが、喜兵衛は、行商という仕事がら、いつもは家にいないだろう、それではこの子が不憫だ、と渡そうとしません。
結局、松太郎の意思にまかせよう、ということになり、松太郎は丸千に残ることを選びました。

その後、松太郎から何か知らせされた喜一は、松太郎を苛めることをすっぱりやめ、なおも苛めようとする良助と仲違いをしてしまい、三人はもう一緒に遊ぶことはなくなりました。

おちか六才、喜一11才、良助九才の時のことです。

この松太郎が、おちかのいいなづけの良助を殺した、と聞いて憤慨し、松太郎をなじるおしま。
しかし、おちかは、自分のせいだ、と苦しげに語ります。

長じて、松太郎は働き者となり、跡取りである喜一が店を出て道楽にうつつを抜かすことが多くなった丸千に、なくてはならない存在となっていました。両親を含めて皆が、おちかが松太郎と一緒になって丸千を継げばよい、と軽口を叩くほどに。

軽口。そんなことはありえない。

うんと深い根っこのところで、線引きをしていたのです。

そんなとき、良助から縁談を申し込まれました。
しかし、良助は遊び人となっており、店も寂れてしまっている。
喜兵衛は、おちかには松太郎がいる、と煽りつつ、すっぱり断りました。

そんな頃、かつて松太郎を見つけた行商人が再び来店し、仕事をみっちり仕込んでやりたい、と、今一度松太郎を引き取ることを申し出ますが、喜兵衛は断ります。

あの時、松太郎を外へ出すべきだったのです、とおちか。
一生、抱えきれない恩を背負って丸千にいるよりは。

顔かたちが美しく、働き者の松太郎。
おちかもまんざらではなかった、いや、好きだった。
そんなおちかの様子を心配した母親は、喜兵衛にもおちかにも釘を刺さします。

父には、もう、心にもないことをいうのはよした方がいい。
おちかには、跡取りはあくまでも喜一。松太郎とは釣り合いがとれない、しょせんよそ者なのだ。喜兵衛は冗談を言っているのだ、と。

そう言われて、改めて周囲を見るおちか。
宿場には、飯盛り女という、家が貧しいが故に客に酌をし、体を売る女たちがいる。
彼女たちと自分たちの間には、越えられない一線がある。

おちかは、給金のいらない奉公人でしかない松太郎と、自分の間にも越えられない線がある、と悟るのです。

松太郎も身の程を心得ていました。
なのに、父や兄は、良助の店の顔を潰すために無責任に煽っていたのです。
それからは、今までのように松太郎と気軽に話をするようなことはしないようにしていたおちか。

しばらくして、もう一度、良助から縁談を持ちかけられました。
良助は改心して真面目になり、お店も持ち直しておりました。
仲違いをしていた喜一に頭を下げて兄さんと呼び、力をあわせてお店を大きくすることを誓う良助に、喜兵衛も喜一も満足そうです。
おちかも、幼き日々の思い出があるので、まんざらでもありません。

こうして縁談はとんとんと進むのですが、ある日、裏庭で二人が話をしているところに、松太郎が偶然居合わせた。
自分が場違いなところに居合わせたと知って、ばつの悪そうな松太郎。

「松太郎さんの顔を見て、どきりとしました。」

もちろん、松太郎は身の程を知っている。しかし、その場を何も言わずに立ち去るには、プライドが許さなかった。

「おめでとうございます。
差し出がましいようですが、お嬢さんをよろしくお願いします。」

ところが、この言葉に良助がキレたのです。

「差し出がましいどころか、図々しいにもほどがある。
つけあがるな!

お前なんかの居場所はねえ。野良犬。みっともない・・・罵倒したあげく、無抵抗の松太郎を殴り、蹴る良助。

「出て行け!」

引きつる松太郎。

「お嬢さんもですか、お嬢さんもそんなふうに思っていたのですか。」

思わぬ展開に立ちすくむおちかは、声も出ません。その瞬間。

「私の目の前で、良助さんを打ち殺しました。」

凶器はいつも薪を割っていた斧。
良助を打ち殺したあと、松太郎は逃げ去ります。

「許さねえ、俺のことを忘れたら、許さねえ。」

と言う言葉をおちかに投げつけて。

そして、松太郎は、その昔、宿場の人から助けられた、あの崖から飛び降りて死んでしまった。

どうして あの時 私のことを手にかけてくれなかったのでしょう
手にかけるほどの価値もない そんな女だったのでしょうか

泣き伏すおちか。
忘れられなくっても、前を向いて歩くしかない、としか言えないおしま。

遠く川崎の丸千に住む兄、喜一もまた、苦しんでいました。
.

松太郎の最後の言葉は、矢のようにおちかを貫き、その矢は、おちかの心深くに突き刺さったまま。
あの言葉は、おちかにだけではなく、丸千、そして自分を取り巻く世界全てに対して吐かれた言葉なのかもしれません。

救われた義理で人生をがんじがらめに囚われてしまった青年。
生涯、ただ働きとは。
おちかの言うとおり、松太郎のことを心から思っているのならば、喜兵衛は手放すべきだったのです。
しかし、松太郎のことなど、本当は畜生と同じほどにしか思っていなかった。
そのことを一番わかっていたのは松太郎でした。なのに。
運命を受け入れていた彼にとって、良助への面当てでおちかとの間を煽られるのは、更なる辱めであり、残酷な仕打ちだったでしょう。

松太郎の話は、今までおちかが聞いた話と重なります。
だからこそ、話したくなるのでしょう。
普段は温厚なのに、かっとなると見境がなくなる青年。
何者かに心を囚われてしまった女性・・・

伊兵衛がおちかを百物語の聞き手にしたのは、今で言うカウセリングのためでした。

おちかの苦しみの根っこは複雑です。
単に松太郎のことを可哀想だと思えれば、楽なのかもしれません。
でも、それでは両親や兄と同じ。だから、そう思ってはいけない。
本当は良助より松太郎が好きだった、という単純なことでもない。

身分違いや親たちの思惑に振り回されてしまった自分が情けない・・・
松太郎を追い込んでしまったのは、誰でもない、私。
いつのまにか、自分を取り巻く、社会の大きな仕組みに取り組まれていた私。
そのことに気がつかなかった、気がつくのが遅かった。

おちかの、手をかける価値もなかったのか、という恨みともとれる言葉は意外でした。
そんなふうに受け止めたとは。
おちか自身の中にも、自分では抑えきれぬ何者かが住んでいるのかもしれません。

唯一の救いは、無慈悲ではありますが、良助との縁談がなくなったこと。
松太郎への態度を見ると、この先、放蕩がぶり返すだけでなく、今度はおちかを殴るようなるような気がしましたので。

今回はこの世ならざる怪奇なものは登場しませんでした。

原作では、松太郎がもう少し不可思議な存在として描かれていたような気がします。
ですので、お話全体の印象が違うように感じはましたが、ドラマもまた、人の心の危うさ、残酷さを描いていて、宮部さんのストーリーテラー(筋の運びのおもしろさで読者をひきつける小説家)としての凄さを存分に堪能できました。

おちかはどうしたら自分と向き合い、前を向いて歩くようになれるのでしょうか。
次のお話はあまり覚えていないので、楽しみです。

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「おそろしー三島屋変調百物語事始」読書感想

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コメント

こんにちわ~♪
今回は人間のこころの怖さ、深さを見せてもらいました。
>あの言葉は、おちかにだけではなく、丸千、そして自分を取り巻く世界全てに対して吐かれた言葉なのかもしれません。
そもそも、自分たちの所に突然出現した松太郎・・父は運がいいと言っていたけど、なにやら異世界から来た得体のしれないものという思いが最初からあったのでしょうね。心の底から浮かび上がるその思いは一緒に暮らしても一生懸命松太郎が尽くしても消えることがなかった。引き取った父親の中にも見栄や外聞、優越感などがあったでしょう。
松太郎のこころに少しつづ張り付いていった恨みや憎しみ、それがあの日爆発せずにはいられなかったんでしょうね。
そして父や兄が思っていた通りの人間だと証明してしまうことになった松太郎の絶望の深さを思うと哀れです。
>おちかの苦しみの根っこは複雑です。
ホントですよね。
自分の心の中を見ようとしないで何となく父や母に従っていた自分、真綿で首を絞めるように微妙に松太郎を苦しめることに加担していたことに事件が起こって初めて気づいたというか・・・はっきりした加害者ですらないことが償いすらも許されないようで・・・すべてが複雑です。
どうしたら、おちかが幸せになっていい自分を受け入れられるのか・・・切ないけど楽しみですよ~

きこりさん こんにちわ~

>なにやら異世界から来た得体のしれないものという思いが最初からあったのでしょうね。
>引き取った父親の中にも見栄や外聞、優越感などがあったでしょう。
松太郎を取り巻く人々の思い、振る舞いは、自分の中にもあるものを突きつけられたような気もして、いっそう恐ろしかったです。

>自分の心の中を見ようとしないで何となく父や母に従っていた自分
そういう生き方で、何事もなく一生を終える人もいるだろうに。
先入観や偏見などとは無縁な、純粋で素直な良い子だったことが、二重三重におちかを苦しめることになってしまった。何と言ってあげたら言いかわかりません←かなりドラマに食い込んで見てました(^^;;

松太郎が、もし自力でも丸千を飛び出していれば。
それができなかったのは、丸千の恩に縛られすぎていたのか、一人で外で生きていく自信がなかったのか、それともおちかのそばにいたかったのか・・・
でも、丸千を飛び出したら、今度は正真正銘の人別外、つまり戸籍がなくなってしまうわけだから、言うは安しですね。松太郎もまた二重三重に縛りつけられていたんですねえ・・・

>はっきりした加害者ですらないことが償いすらも許されないようで
それでいて、忘れたら許さない、って言われたら、どうやって気持ちの整理をつけたらいいかわからないです。
おちかは今、おそらく17才前後だろうと推測するのですが、この多感な年頃で、昔は早くに大人になるのが早かったとは言え、どう折り合いをつけていいかわからないでしょう。いや、大人でも耐え難い出来事なのだから。

細かいところを覚えていないのが幸いして、原作の確認作業にならずに見れています。
兄さんも絡んできそう。楽しみですね。

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