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« 続・最後から二番目の恋 #05 | トップページ | 新解釈・日本史 第四話「伊能忠敬はどのように精巧な日本地図を作ったのか?」 »

2014年5月21日 (水)

ロング・グッドバイ #05 最終回「早過ぎる」

公式サイト

増沢磐二(浅野忠信)は志津香殺しの犯人を割り出した。磐二は調査した事実をもとにギリギリまで犯人を追い詰めるが、うまくかわされてしまう。しかし翌日、犯人は遺書を残して自殺。遺書には生々しい事件の真実が書かれてあった。そうして一連の事件が結末を迎えたころ、磐二に会いたいという台湾人が現れる…。(公式サイトより)

原作未読です。

粗筋を書きます。
文中のセリフは概略です。

.

磐二に、誠一と結婚していたことを問い詰められると、あっさり認める亜似子。

身分違いの誠一との駆け落ち。
結婚生活は、誠一の召集によってわずか一ヶ月で終わったこと。
戦後、誠一と再会した時は、自分は譲治の妻であり、誠一・・・保は志津香の夫だった。

志津香を殺したのは譲治だと語る亜似子を、彼女こそ本物のファムファタールだと賛美する出版社社長、羽村。
しかし翌朝、亜似子は自殺いてしまいます。手のひらに蘭の花を握って。

主治医、高橋は精神不安定な亜似子を薬漬けにしていたを認め、かつて娼婦をしていたこと、譲治に拾われたことを磐二に明かします。

残された遺書には"真実"が書き残されていました。
志津香と譲治を殺したのは自分である、と。

このネタを新聞記者、森田にばらすことで、自分をエサにした磐二。

森田は、平蔵の野心のために父親が酷い目にあったことで、恨みを抱いていた。

犠牲になった人間の何が哀れって、このどうしようもない平凡さ。
俺にとってはたった一人の父親でも、累々たる屍の一つでしかない。
記事にもならない。

このスキャンダルで原田平蔵を潰そうとしており、磐二も誘います。
しかし、断る磐二。

原田を潰したところでまた別の原田が生まれる。
何故か。

人が求めるから。人間の欲望が原田のような権力者を生むんだ。

原田平蔵は、娘のスキャンダルにびくともせず、衆院当選を果たしました。

さて、事務所に帰ると、待ち構えていたのは正虎。
磐二が待っていたエサは、正虎でした。
保のことを記事にしたのを怒って磐二に暴行を働きますが、そこへ岸田率いる警察が踏み込んできて、正虎たちを連行していきました。

岸田の元部下、権田によると。

正虎は原田の庇護の下、あくどい商売をしていたとのこと。
原田と正虎の間を取り持ったのが保であること。
警察が正虎を逮捕できたのは、原田に斬られたから。

保の隠れた顔を知って呆然と夕焼けを眺める磐二。

ともかく、これで一件落着、生活も元に戻ったと思われた頃、謎の人物に呼び出される磐二。
待っていたのは、許氏・・・保でした。

原田の庇護の下、台湾に渡り、自殺工作をし、今は名を変えて台湾で商売をしている。

保に、亜似子の握っていた花びらを渡す磐二。
なぜ、あの晩、原田でも正虎でもなく、私のところに来たのだ、と訊ねます。

「それは、あなたのご存知の通り。
あなたのような人間になりたいと思っていたから。
あの晩が最後の別れ道だった。
あなたに会えば、正しい方を選べるのではないか、と

愚かな男です。」

「時代が違えば、彼とはまた、ギムレットを一緒に飲めたのかもしれません。
さようなら。」

.

森田のナレ。

時代の底では、いつでも、いくつかが潰れている。
亜似子、保、俺の父親。

増沢磐二もまた、やがて潰れるだろう。
いや、増沢磐二のような男という意味だが。

来る新たな時代に、こんな男はもういないのだろう。
さらば、増沢磐二。
この国は行くよ、時代の底に幾千の悲しみを抱いて、輝く未来に。

男の名は増沢磐二。私立探偵である。

.

譲治、羽丘、高橋医師、書生・・・周囲の男たちを次々と魅了してしまう亜似子は、確かにファムファタールでした。
彼女の虚言壁は、薬を常用する以前から、保と引き裂かれてからの困難な日々を送るうち、身を守る術として見に染み付いてしまったものなのかもしれません。
それでも保と再会する前は、諦観とともに虚実の折り合いはついていたのだろうと思います。
しかし、捨て去ったはずの感情が戻ってしまった。
薬がなければ耐えられない現実と、過ぎ去りし愛の記憶の狭間で、彼女の精神は崩壊してしまった。

やはり生きていた保。
亜似子に再会した時、何を思ったのでしょうか。
保もまた、捨てざるおえなかった過去に出会ってしまったのです。
一度は志津香、そして原田の下を去ったのだから、自分の人生を歩こうと試みたのだと思いたいです。
しかし、生き難さゆえに再び原田家に戻り、最後の選択を磐二に委ねてしまった。
自分で選ぶべきだった・・・「愚かな男」。

磐二は、保の無実を信じた。
時代に潰されてしまった、名もなき男の無実を。

権力者を失った多くの人々が新しい権力者を求める中、権力を信じない磐二。
彼の覚めた目は、原田平蔵を憎むことすら拒否する。
自分自身もまた、時代に飲み込まれていくであろうことを受けれつつ、裏切られてもなお、彼の生き方は変わらないのだろう。

.

純粋な推理物として見ると、突っ込みどころは結構ありました。
無粋を承知でいくつか挙げると。

誠一はなぜ自分を抹消し、保として生きることになったのか。
戦場で何があったのか。

亜似子はなぜ原田家にいたのか。

正虎を冷酷に切った平蔵が、なぜ保を庇い続けたのか。
娘を殺した犯人が譲治であれ、亜似子であれ、平蔵には関係のない人間だったのですが。

権田はいつ「元部下」になったのか。元、というのは警察を首になったのか?だとしたらなぜ?
途中で登場した医師は結局何者だったのか、などなど。

人間関係に関する情報がほとんど描かれていませんでした。

しかし、ハードボイルドという苦い幻想を描いて、秀逸だったと思います。
幻想に仔細な種明かしはいらないのです。

保が本名で帰って来れなかったのは、捕虜になったのを恥じたからなのか。
それとも、誠一は日本名で、実は台湾国籍だったからなのか。

磐二はかつてはどこか正規のセクションで、岸田から尊敬を受けるほどの働きをしていた。
自分の信じていた正義が崩れ去った後、磐二の目は、正義の名の下に押しつぶされていく人々に向けられ、その信念は静かではあるけれども、決して揺らぐことはない。

・・・これは自分の勝手な幻想です。

自殺に至るまでの亜似子が漂っていた世界も、磐二に懐いた保の心情も。
すべて、見る人に委ねられました。

浅野さんの磐二は、ニヒリズムとは違う、ニュートラルな中にも譲れない信念を感じました。

亜似子は、現実感や色気がありすぎてはいけないキャラ。
小雪さんは独自の味を醸し出していました。
失礼ながら、こんなに味を持つ女優さんになるとは、全く予想していませんでした(大汗)

全5話。実験的なドラマだったように思います。
ですので、好みは別れるでしょう。
自分はたっぷりと浸れました。
音楽、美術を含めて、贅沢な時間でした。ありがとうございました。

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コメント

おはようございます~!(o´∀`o)ノ
>人間関係に関する情報がほとんど描かれていませんでした。
そうそう、結構脳内で情報を勝手に補充した部分あったよね。
一番気になったのが岸田と磐二の関係。
最初に捕まった時にはただの探偵と刑事って感じだったんだけどその後は岸田からの強い信頼感が伝わってきましたもんね。権田もいつ辞めたんだよ?って思ったわ~(笑
>幻想に仔細な種明かしはいらないのです
そうかもしれないですね。
私も、そういうことが気にせずにドラマの世界に酔うことができました。美しくて鮮やかな幻想だったと思います。
戦争が人々の心の中に空洞を作ってしまった。
保もその穴を原田平蔵のように野心で埋めようと思ったのかもしれません。
心の中は常に亜似子や磐二への思い、様々なしがらみでゆれ動きながら。
>浅野さんの磐二は、ニヒリズムとは違う、ニュートラルな中にも譲れない信念を感じました。
そうそう!強いんだけどしなやかで優しい。
そこにシビレました。保が憧れずにはいられない男、正体がバレるのがわかっていながら会わずにはいられない人・・・というのが伝わってきましたもんね。
わたしゃ、このドラマが好きすぎて抜け殻だよーー
と言いながら今週から始まる「SHERLOCK 3」に賭けてるけど~(笑)

きこりさん、おはようございます。

>そうそう、結構脳内で情報を勝手に補充した部分あったよね。
ええ。補充しまくりました(^^;;
でも、それも楽しかったです。
原作で補填しようとも思わなかったのですし。恐らく似ていても別の作品なような気がして。原作はハードボイルドの名作として、また改めて読んでみようと思います。
>一番気になったのが岸田と磐二の関係。
そう、ラストでね、いい関係だったんだなって。権田のこともあるし、色々と気になりますです~

>戦争が人々の心の中に空洞を作ってしまった。
「幻想」という言葉を使っていいのかどうか迷ったのですが。
亜似子の記憶、磐二のような男の存在・・・映像などから受ける印象と、戦前の仏映画の名作「大いなる幻想」の「幻想」の意も込よかなっと・・・この作品の「幻想」は平和の意なのですが・・・苦さは共通しているような気がして。
でも、一つの幻想に幻滅しても、人々はすぐに新たなる幻想を求める。その中で磐二だけは幻想を見ていない。
っていうこじつけ論を書き出すと長くなるので、やめました(大汗)
>そうそう!強いんだけどしなやかで優しい。
その背景には、苦い苦い挫折があっただろうことを感じさせるのが、またカッコ良かった~
と、まあ、書き出すととまらない(^^;;

>と言いながら今週から始まる「SHERLOCK 3」に賭けてるけど~(笑)
始まりますね!楽しみ!!
リアルタイムでは見れないけれども、あ、感想も書けないと思うけれども、もちろん、必ず見ます。
「ダウントンアビー」は豪華な豪華な昼ドラのようです。建物とロケーションが楽しみ(^^;;

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