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2013年6月21日 (金)

秋刀魚の味(1962年)

1962年公開 日本 113分 英語タイトル「An Autumn Afternoon」

監督:小津安二郎/脚本:野田高梧、小津安二郎/製作:山内静夫/音楽:斎藤高順/撮影:厚田雄春/美術:浜田辰雄
出演:笠智衆、岩下志麻、三上真一郎、佐田啓二、岡田茉莉子、中村伸郎、三宅邦子、北竜二、環三千世、東野英治郎、杉村春子、吉田輝雄、加東大介、岸田今日子、高橋とよ、菅原通済、織田政雄、浅茅しのぶ、牧紀子、須賀不二男

「小早川家の秋」のコンビ、野田高梧と小津安二郎が共同で脚本を執筆。小津安二郎が監督した人生ドラマ。撮影は「愛染かつら(1962)」の厚田雄春。(Movie Walkerより)

@NHK・BS「山田洋次監督が選んだ日本の名作100本~家族編」

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ストーリーは書いていませんが、ネタばれを含む簡単感想です。ご注意下さい。
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「おとうと」の時も書きましたが、フィルム再生技術の進歩は凄い。

小津監督の作品は大昔にテレビで「晩春」(1949年)と「東京物語」(1951年)を観ただけです。

その時は子供だったこともあって、昔の言葉遣いがよくわからない上に、その頃の日本映画の保存状況、特に音が非常に悪かったため、セリフが聞き取りにくいことが気になって、作品の世界にはいっていけずじまいでした。

その後、世界的に「小津調」の名声が高るにつれ、かえって敬遠するようになっていました。はい、へそが曲がってます(汗)
「小津的な」と評される作品を面白い、と感じたことがあまりなかったためでもあります。

ですので、本作が初・小津体験と言っていいと思います。

賛美されている構図へのこだわりなど、実際目にして、ああ、なるほど、と。感じ入りました。
映画製作者たちが思わず取り入れたくなるのも、もっともだなあと。
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静かな画面に秘められた人間の心の機微。
人生の終盤にさしかかった主人公、平山周平の、常に穏やかでにこやかな表情の中にある、悔恨、寂寥感・・・なんてことは言い尽くされているでしょう。

計算しつくされた静かな世界に動きをもたらすのは、食べ物に執着する姿がいじましい、東野英治郎さんが演じる元漢文の教師「ひょうたん」。
それから元艦長だった平山の、加東大介さん演じる元部下。

平山はさぞ、部下に慕われる艦長だったのでしょう。
「もし日本が勝っていたら、今頃ニューヨークにいたかも。」
という元部下の言葉にはどきっとしました。
バーで軍艦マーチに合わせて敬礼をしながら歩き回る、酔っているとはいえ、彼の少しイった目つきが強烈でした。

海軍で艦長と言えば、超エリートです。
平山は日本が負けた後、どんな人生を歩んだのでしょうか。
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ナビゲーターの山本晋也氏が、イタリア映画のような、と言っておられましたが、音楽によるところも大きいと思います。

最も驚いたのが、この音楽の使い方です。

少しラテン系のリズミカルなテーマとBGM。
この明るく軽やかな音楽を、軽いシーン、悲しいシーン問わず、ほとんどのシーンに使っている。
特に、ひょうたんの娘を演じる、杉村春子さんが泣くシーンに使っているのにはびっくりしました。

画面と音楽のミスマッチ感で、恐らく監督の意図通り、このシーンは忘れられなくなりました。
構図は取り入れることはできでも、愁嘆場でこういう音楽を使うセンスというか勇気を取り入れるのは難しいでしょう。
一つ間違えば・・・凡作、駄作。ああ、怖い。

ミスマッチと言えば、音楽だけでなく、セリフと表情の関係もそうでした。

「不潔な感じがする。」
きつい言葉を、普段は温厚な平山が、温厚な表情のまま、友人にはっきり告げるシーンも忘れられません。

ゆるやかに漂うユーモアの奥底にあるひやりとした感触と危うさ。

映画批評においては「小津調」と「完璧」はセットになっていたため、もっと予定調和な世界だと思い込んでいました。

いや、こんなにスリリングだったとは。
もっと早くに観れば良かったです。
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あと、この作品の2年後に、37歳で亡くなられた佐田啓二さん。
顔立ちは似ていないのですが、身体の線、動き方、雰囲気が、中井貴一さんにそっくり・・・いや、逆ですね、中井貴一さんがそっくりなのにしみじみしました。

小津監督の享年60歳、というのも、今思うと、若いです。
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この作品に描かれた昭和30年代の日本は、小津監督の生み出した幻想。
映画とは、多かれ少なかれ、監督含む製作スタッフたちの幻想であることに改めて気づかされ、幻想を映画として創り上げることの大変さに思い至らしてくれた作品でした。

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