2019年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

自己紹介のようなメモ

  • 気になる、もしくは愛すべき作品にはついついツッコミを入れてしまう、ドラマの感想中心のちょっとおっちょこちょいなブログです。

TBとコメントについて

  • TBとコメントは認証制にしています。頂いたTBには記事と関係がある限り、必ずお返しするようにしていますが、サーバーのご機嫌次第で時々お返しできない時があります。

過去の感想記事について

  • ドラマ感想及びまとめは下記の「クール別:鑑賞したテレビドラマ・映画・DVD一覧」に、 DVD、映画、舞台の感想は「DVD、映画、舞台のINDEX」にアカサタナ順に、 読書は「読書:著者&編者別のINDEX(アカサタナ順)」に収納しています。

クール別:鑑賞したテレビドラマ・映画・DVD一覧

DVD、映画、舞台のINDEX

カテゴリー

今月の読書

無料ブログはココログ

« モネ・ゲーム | トップページ | 2013年4月の読書 その2 »

2013年5月24日 (金)

おとうと(1960年)

原作:幸田文「おとうと」(新潮文庫)
監督:市川崑/脚本:水木洋子/製作:永田雅一/音楽:芥川也寸志/撮影:宮川一夫
出演:岸惠子、川口浩、田中絹代、森雅之、江波杏子、浜村純、仲谷昇、星ひかる

幸田文の同名小説(中央公論社版)の映画化で、脚本は水木洋子、監督は市川崑。製作・配給は大映(東京撮影所)。宮川一夫により撮影された映像は、映画初の銀残しといわれる手法で現像され、独特の映像美が施されている。 キネマ旬報ベストワン、監督賞受賞作品。(wikiより)

Photo

@NHK・BS「山田洋次監督が選んだ日本の名作100本~家族編」

NHK「山田洋次監督が選んだ日本の名作100本」サイト

.

大昔に一度観てます。

今回は2年ほど前に録画したまま未見だったのを視聴しました。

白黒映画だと記憶していたので、鮮やかなカラーのオープニングに面食らいました。でも、場面によってはほとんど色彩がなくなる・・・
「銀残し」という手法を使っていたことは今回初めて知りました。

ニュープリントとのこと。映像、サウンドともきれいでした。
特に、セリフがはっきり聞き取れるのがありがたかったです。
.

厳格かと思いきや、息子にはひたすら甘く、家庭内の面倒くさいことは全て女たちに投げ出す一方、生活費にちまちまと苦慮する父。
体が弱いことをアピールして娘に家事をまかせ、宗教にのめり込む継母。
頼られることに生き甲斐を感じつつ、女の部分を時折見せる姉。
弟は・・・こういう人間が家族にいたら大変です。彼が生きている間、周囲の人々は尻拭いに追われたでしょう。

しかし、そんないわば"出来損ない"の少年を決して追い詰めたりしない父と姉。
躾として正しいかどうかはわかりませんが、父と姉弟がじゃれあうような喧嘩をするシーンには温かさを感じました。
が、そこへ継母が入ってくると、すっと温度が下がってしまうのです。

継母が疎外感を感じていることを知りつつも、溝を埋めようとしない子供たちと、妻と子供たちの仲立ちの役目を全く放棄する父。
夫の弱い部分を見透かしつつ、開き直る妻。

家族の愛憎が堂々巡りするどろっとしたストーリーなのに、妙にドライな後味が忘れられませんでした。

今回、何十年かぶりに観て、なぜそう感じたのか、納得したと同時に凄い映画だったことにやっと気がつきました。

市川崑監督の研ぎ澄まされた感覚と宮川一夫撮影監督の映像は全く古びていないどころか、斬新で圧倒されました。
登場人物たちの心のあやを、セリフではなく、映像の力で表現しきっています。

そして、監督の意図を体現するキャストたち。

岸恵子さんは当時20代後半。
弟を演じた川口浩さんは20代半ば・・・感慨深いです。51才で亡くなられたのですねえ。妻の野添ひとみさんも、「犬神家の一族」(1976年版)に出演していた実弟、川口恒さんも早くに亡くなったことを思い出しました。

渋さの中にそこはかとないユーモアを漂わす父役の森雅之さん。
そして継母、つまり”悪役”の田中絹代さん。
しんねりむっつりした意地悪さの中に、全く価値観の違う、普通ではない家庭に後妻として嫁いだ余所者の孤独、疎外感を漂わせての存在感が素晴らしかったです。

田中さんの撮り方が、また凄い。
音、アングル、照明・・・ほとんどホラーです。

その他、岸田今日子さんの薄気味悪い継母の友人、デビュー当時の江波杏子さんのドライな看護婦、医者なのに死神のような浜村純さん。

戦前の日本を背景にした儚く悲しい少年の話をモダンな映像、演出で描いていて、違和感が全くありません。

ノスタルジックな泣かす映画になることをひたすら拒否した、計算しくつされた映画でした。

.

※銀残し:この作業により映像の暗部が非常に暗くなり、画面のコントラストが強くなるので引き締まった映像になる。又、彩度の低い渋い色にもなる。

.

ちなみに英語の題名は「The Quick Draw Kid」なんだそうです。
単純に訳したら「早撃ち小僧」・・・うーん(汗)。
スラングか何かで他の意味があるのでしょうか。

.

.

.

.

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

« モネ・ゲーム | トップページ | 2013年4月の読書 その2 »

*DVD・映画・観劇 あ行」カテゴリの記事

*DVD・映画・観劇 総合」カテゴリの記事

#ドラマ:2013年第2クール」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: おとうと(1960年):

« モネ・ゲーム | トップページ | 2013年4月の読書 その2 »

作品一覧