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2012年9月22日 (土)

薄桜記 第11回 最終回「雪の墓」

公式サイト

吉良邸の警護が長引き、士気の低下を目の当たりにした丹下典膳(山本耕史)。
<中略>
上野介は月見の茶会を催すため、警備強化のために増築した高塀を無粋だと壊してしまう。(公式サイト)

浅野方はこうした気の緩みを待ち受けている、上杉家に頼んで人を入れ替えては、風紀が乱れては士気にかかわる、という典膳の提言に全く耳を傾けない家老たち。
かえって典膳を、そんなに浅野方が怖いのか、と貶める有様です。
典膳の悔しさはいかばかりか。

その上、月が見えぬ、と遂に気に入らなかった高塀を取り払らわせてしまう上野介。
「茶会の亭主は吉良上野介。」
茶会の席を楽しそうにシュミレーションする様子に、小林平八郎も家臣であるが故に口が出せません。

この時、上野介は自分自身を差し出すことで吉良家、そして上杉家の膠着状態を解く決意をしていたのではないでしょうか。
そして、あくまでも風流人として死ぬことを。

楽しげな雰囲気と、秘めたる決意のギャップ。

その場では何も言えなかった典膳はその晩、上野介を訪れます。
もちろん塀を壊すことに反対するために。
そのことで典膳が来ることを予想していた上野介。
が、典膳が茶会を取りやめるよう意見した時に表情が変わります。

「野暮な男よのう。
そこもとの頭の中は勝ち負けじゃの、命のやりとりじゃのと、生ぐさーい臭いがたちこめておる。茶会は遊びではない。
心と心を通い合わせる場じゃ。思いやりの場じゃ。
月を見たい、見せたい、と思う心が尊いのじゃ。」

お茶会の席に討ち入りがあればいかがなさる、と典膳。

「それはそれでいたしかたあるまい。飛び入りの座興とでも思えばよい。
やるかやられるかで怯えて暮らすのは愚の骨頂じゃ。
そこもとはどうじゃ。
敵と味方の探り合い、我慢比べだけで生涯を終えるつもりか。」

「それがしは剣一筋で生きてきたので」

そう、それが典膳の生きてきた世界。

「そう、しゃちほこばらずに。
一つぐらいは優雅な嗜みを持ったらどうじゃ。
嗜みは楽しみに通ずる。
心の中に楽しみの種を植えるのじゃ。
水をやって育てれば、やがて花も咲こう。
楽しみさえあれば、人はあくせくすることもなく、ゆとりを持って生きていける。」

典膳はこの上野介の言葉は理解できなかったでしょう。もし理解できたとしても、追い詰められた今は受け入れることはできない。
楽しみを持てば仕事を真っ当できないだけでなく、今までの自分の生き方を否定することになるのです。武士のプライドを保ち、死に場所だけを求めてきたのだから。
逆に上野介にとっては、嗜み、楽しみを捨てることが自分を否定することになる。

「満月のせいじゃ。月は浅野側の回し者かもしれんな。」

取り壊されていく塀が典膳の心の中を象徴しているようにも見えました。

こうして、12月14日、上野介の計画通りお茶会が開かれることに。
お茶会の情報を手に入れた浅野方は討ち入りを決意します。

前日。
年おさめのお茶会に上杉家の名代として招かれたことを、嬉しげに富子に報告する長尾権兵衛。
吉良邸に務める千春の心配をする富子。
のんびりした風情が目の前に迫っているカタストロフィを際立たせていました。

運命の日。

お三が、今日中に会いたいという安兵衛の言伝を持って典膳を訪れました。
会う、と答える典膳。
今夜、戌の上刻(19時台)、谷中の七面社で。

夕暮れの江戸のまちに雪が降り始めました。
それもまた一興。楽しむ上野介。

「茶会は亭主七分に客三分と言うてな、亭主は客の何倍も気を遣う。それがまた、楽しみなんじゃ。」

安兵衛たち、浅野方は。
明朝、すなわち14日の深夜、15日未明、茶会で気が緩んだところを討ち入ることを最終決定しました。
その時、突然、弥兵衛に討ち入る前に典膳を斬る、と告げる安兵衛。

一方、吉良邸では。千春に身支度を整えてもらう典膳。

「わしはだんだん浅野家の残党が羨ましく思えてきた。
お家が断絶しても、浪人になっても。
あの者たちには生きがいがある。」

生きがい、それは死に場所のこと。

「世間の思惑通り仇討ちをすれば、満天下の喝采を浴び、浅野家の勇名は後世まで語り継がれる。
身勝手ではあるが、ご公儀に一矢を報いると、言えなくもない。
少なくとも浅野方は己を捨て、命を捨てておる。」

なりふりかわまず。

「あの者たちは死に場所を見つけたのだ。
死ぬることが生きがいなのだ。

その生きがいをぶち壊そうしているのは誰だ。
嵐に立ち向かう小舟を沈めようとしているのは誰だ。
邪魔者はこのわしじゃ。丹下典膳に他ならぬ。

千春、安心せい。心のうちの雑念をちと言うてみただけじゃ。
いかなる時も、わしがお前を見捨てることはない。
千春は丹下典膳の妻じゃ。
武士である限り、いつ死ぬるかわからんが、たとえ死んでもお前の心の中で生きていく。」

常に死に場所を求めている男が、妻に向かって、お前を見捨てることはない、というのは彼なりの優しさなのか、それともエゴイズムなのか。
理屈では割り切れない、割り切ってはいけないことなのかもしれない。

常に死と向き合っている夫に妻は・・・いったいどうしたらいいんでしょう。
.

安兵衛に会いに出かける前に文鳥を放しました。
かつて、上野介に、お前にもそんな風流なところがあったのか、とからかわれるほどに可愛がっていた文鳥。

典膳が出かけた後、空になった鳥かごを見て不吉な思いにかられた千春は、勘蔵から事の次第を聞き出し、後を追います。

降りつもる雪の中、谷中で再会する典膳と安兵衛。

浅野家に仕えることになったことを恨んではいない、悔いはない、と安兵衛。

「忠義を尽くして死ぬるは、武門の本筋でござる。」
「ご公儀には不忠だぞ。」
「ご公儀は主君にあらず。」
「わかりやすいな。」
「典膳殿はいかがでござるか。吉良も上杉も主君ではござりますまい。お気の毒でございますな。」

うーん、その通りです・・・(涙)

場所を変えようと言う安兵衛。
安兵衛は斬るために典膳を呼び出したのではなく、討ち入りが終わるまで典膳の身柄を拘束するつもりだったのです。

察した典膳、当然承知するわけもなく。

「わしの面目はどうなる。逃亡したと思われるではないか。」
「お主を手にかけとうござらぬ。」
「手にかけとうはないとは、笑止千万。お前にわしが斬れると思うのか。思い上がるなっ」

安兵衛を挑発し、斬りかかります。

「問答無用!」

立ち会い末、安兵衛の刀を振り落とすし、剣を降りおろそうとする典膳。

「覚悟」

その刹那、落とされた刀を拾った安兵衛に腹を刺し抜かれます。

「これで良かったか。わしにも死に場所があったな。」

倒れる典膳を抱きとめる安兵衛。

「安兵衛、心おきなく、本懐を遂げよ。」

これが典膳の最後の言葉となりました。
典膳の亡骸に手を合わせ、雪がかからぬよう傘を立てて立ち去る安兵衛たち。

そこへ千春がやってきました。

「あなた、目を開けてくだされませ。」

降りしきる雪の中。
吉良邸に討ち入る元浅野家の浪人たち。
安兵衛のアップで、画面は谷中の境内に切り替わります。
雪に埋もれて横たわる典膳と千春。
雀の声が・・・もう、夜が明ける。
.


.
.

久しぶりにセリフを拾った長い感想になっちゃいました。(^^;;
誤字脱字などあれば、後で訂正します。

.

以下、とりとめのない感想です。

雪の墓・・・(涙)

典膳が倒されてからの一気の幕引きは、お見事でした。
余韻が胸に刺さりました。

もし忠臣蔵だったならば、討ち入り、そして上野介のしるしを高々と掲げた引き揚げの様子がクライマックスになるのですが、あくまで主人公は丹下典膳。

あれほど防ごうと屈力した討ち入り前に倒れた男。
それも自ら進んで。討ち入りの場ではなく、安兵衛に斬られることに死に場所を見つけた。

ついに楽しみの種を育てきることなく、愛する人を守りきることもなく、死に場所のみを求め続けた生き方が哀れで切ない。
生き方を変えれるチャンスは幾度もあったのに。
そして、そんな男が全てだった女。

典膳が安兵衛に刺されたのは、ショックな反面、ああ、やはり、とも思いました。

やはり・・・やはり、助からなかったのね・・・(泣)

多くの人々の運命を変えた松の廊下事件。
彼の場合、事件以前から運命の歯車は狂っていたのですが、事件に関わる内に彼の中の暗い部分が増幅し、ついには自分自身を押しつぶしてしまった・・・こういう解釈は現代的すぎるかもしれません。
千坂さんがあんな遺言を残さなければ、いや、生きていてくれれば・・・

わざと隙を作って自ら刺された姿に、上野介の姿がだぶりました。
生き方は違っても、自分の生き方に殉じた男たち。
忠義に生きた安兵衛はもちろん、主人の胸の内を知っていて止めなかった勘蔵も。

千春もお話半ばまでは、ストーカーっぽい、などと冷たい目で見ていましたが、そういう人だからこそのラストでした・・・ううう。
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長塚さんの上野介。複雑な風流人像が斬新で、後半、上野介の登場が増えてからドラマがどんどん深くなって見応えが増しました。

山本さんの典膳は端然としていました。
今、時代劇で端然とした悲しさを自然に演じれる人は、そんなにいないのではないでしょうか。←贔屓目です。すいません(^^;;

そして見る人にキャラを押しつけず、かつ不用意に現代人に近づけさせない。
典膳とはどんな男なのか。なぜそんな風にしか生きれないのか。
脚本も含めてですが、武士の生き方など、時代が違う故によくわからない部分もあり、そこを推測する余地を残してくれているように感じました。
推測していくうちに、だんだんと当時の風俗や生活、感情に興味が湧いてくる。それもまた時代劇及び史劇の面白さだと思うのです。

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今期のドラマの中でも見応えのある、脚本の力を感じることの出来た作品のひとつでした。
最終回でポカーンとなる作品が多い中で、最後の最後まできっちり〆てくれました。

あの後、歴史上の人物はともかく、長尾家の人々は、勘蔵はどうなったのでしょうか・・・題材が題材なだけに、もう少し長くても、という欲も出るのですが、典膳の、典膳と千春の物語ならば、これでいいのかもしれません。

仕草、言葉使いなど本筋以外に気をとられることもなく、じっくりと時代劇を楽しむことができました。
スタッフ、キャストの皆さん、ありがとうございました。

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コメント

いい話でしたよね~……
久しぶりに時代劇見たなって気がします。

忠臣蔵をベースにしているのに、松の廊下がたったあれだけだったり、
内匠頭が春日だったり、大石内蔵助が出て来なかったり、本当に
色々と新鮮でした^^;
全部、主人公たちには関わりあって関わりない人たち。
それを削ぎ落としたストーリー作り、お見事です。

>この時、上野介は自分自身を差し出すことで吉良家、そして上杉家の膠着状態を解く決意をしていたのではないでしょうか。
そして、あくまでも風流人として死ぬことを。

ですよね。私もそう思います。
この吉良さまには優雅に死ぬ、怯えたまま死なないと言う覚悟が出来ていました。
ただ側近たちがあまりにも愚か者でした。
それに無理やり苦言を呈さない優しさもあった方なのでしょうね。

原作を知らずに見ていたので、最終回の展開も解りませんでしたが、
やっぱり…と思うと涙が出ました。
悲劇だと思っちゃいますね…女の目から見ると。

>千春もお話半ばまでは、ストーカーっぽい、などと冷たい目で見ていましたが、そういう人だからこそのラストでした・・・ううう。

はは…私もねー、千春っていうか、長尾家みんなボンクラで嫌いだったから( ̄∇ ̄;)
何せ、他人の腕落として謝らないやつらだし。
千春に好感度持てたのはここ2、3回ですかね…
ラストは悲しかったですね。いい女でした。

くうさん こんばんわ。

>それを削ぎ落としたストーリー作り、お見事です。
そぎ落としたことによって、直接関わりのない出来事が一人の人間の運命を大きく変えていく様が、見事に浮かび上がっていましたね。

>それに無理やり苦言を呈さない優しさもあった方なのでしょうね。
苦言を呈することを野暮、と思っていたのかもしれません。
だからこそ、しっかりしたブレーンが必要だったのに。でも、事件さえさければ、泰平の世、なんの問題もなく過ごせたのかなぁ、ああ、でも危機管理は必要だなぁ、とか、今までの忠臣蔵とは違う見方ができました。

>千春に好感度持てたのはここ2、3回ですかね…
発端が発端でしたからね。あんたらのせいやん、なのに・・・とか思っちゃいました。(汗)
吉良さまに仕え出してからは、龍之進の直接の謝罪もあって、好感が持てるようになりました。
奥女中としての仕草に品があって、安心もしました。

私も原作未読だったので展開は知りませんでした。
悲しい結末・・・予想はしていたものの、落涙・・・。

時代劇の感想をこれほどがっつり書いたのは初めてです。
見応えがありました。

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