モーリス
オリジナル・タイトル「Maurice」
1987年 英 140分
原作:E・M・フォースター「モーリス」
監督・脚本:ジェームズ・アイヴォリー/製作:イスマイル・マーチャント/音楽:リチャード・ロビンズ
出演者:ジェームズ・ウィルビー、ヒュー・グラント、ルパート・グレイブス、ビリー・ホワイトロー、デンホルム・エリオット。サイモン・キャロウ、ベン・キングズレー、バリー・フォスター、ジュリアン・ワダム、ヘレナ・ボナム=カーター
1909年、ケンブリッジ大学。キングス・カレッジの寮生モーリス(ジェームズ・ウィルビィ)は、同期生で優等生のリズリー(マーク・タンディ)と討論を交わすために訪れたトリニティ・カレッジで、討論のメンバーであるクライヴ・ダーハム(ヒュー・グラント)と出会った。彼は、知性に満ち、ギリシャの古典的理想主義と同性愛の信奉者で、夏のある日、モーリスに愛を告白した。(goo映画より)
@BSプレミアム
すごく有名な作品ですが、見逃していました。
ジェームズ・アイヴォリー監督の作品は「眺めのいい部屋」「ハワーズ・エンド」「日の名残り」と見ています。
本作は「眺めのいい部屋」「ハワーズ・エンド」と同じくE・M・フォースターの小説が原作。
この作品は死後に出版されたそうです・・・20世紀初頭での出版は難しかったのでしょう。
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以下、簡単に感想のみ書きます。ネタばれはなしです。
性別を越えた純粋なラブストーリーである、という評判通りの作品でした。原作はもっとシニカルなようなのですが。
主人公、モーリスはクライヴたち上級生に誘惑されて同性愛に目覚めたのかな、と思っていたら、途中から、実は幼い時から同性にしか愛情てない自分に悩んでいたことがわかってきます。
性別以外にも、階級差別もある。
クライブはアッパークラス、モーリスはシティで働くミドルクラス(今で言うとアッパーミドルクラス)。そしてワーキングクラスのアレック。
特にモーリスとアレックの間には越え難い意識の壁があり、はじめはそれ故に、アレックを適当にあしらうモーリス。
小間使いの娘に手を出すお屋敷の旦那と同じ感覚かも。
しかし、段々本気になっていきます。
本気であり、危険な恋であるがゆえに相手の真意を疑い、冷たくされることを怖がってしまう心の動きが細やかに描かれていました。
よく出来たラブストーリーは、また上質のミステリーでもある、という言葉がぴたりと当てはまる作品。
旦那様たちの行動を何もかも知っていて、知らぬ顔をしているような、クライブの屋敷に勤める執事が印象に残りました。
古き良きイングランドを美しく撮ることにかけては超一流のアイヴォリー監督。
この作品でもケンブリッジ大学などの建築物や緑茂るマナーハウスなど、堪能できました。
ヒュー・グラントはじめ、皆さん若い。
もし公開当時に観ていたら、もっと影響を受けたかもしれません。
今はラブストーリーそのものにあまり興味がなくなてしまったので、それほどでもなかったのが、ある意味残念。
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