平清盛 #22「勝利の代償」
逃亡中に矢に首を射抜かれた頼長。うう、痛そう。
洛中を逃れた崇徳院は、もはやこれまで、と思い切るも、出家もままならない状況を自嘲。
こうして乱は院側の完敗で終わりました。
犠牲を出しつつも、帝から直々にねぎらいの言葉をかけられ、喜びあう清盛と義朝。
共に戦った義朝の戦いぶりを褒める清盛。
「お前が昔から言うておったように、武士の力を見せつけたのじゃ。
もう、すぐそこまで来ておるのじゃ、武士の世が。
こたび、武士の力なくしては世は収まらぬことを証した。
朝廷に対しても、これまでよりずっとよく物申せるようになろう。
さすれば、世を変えられよう。」
「いかなる世に変えるのだ。」
「さあ、そこじゃ、それをこれから考えることができる。
面白きことを己で考え、面白きことを己で形にする。かように面白きことがあるか?」
夢に近づいたことを語り合う二人。
源氏の宝刀、兄弟と争った例の友切をかざす義朝。
「これを機会に名を変えたい。友を切るとは如何にも縁起が悪い。」
清盛の照れ隠しの一言で髭切に改名する義朝。
この二人がこのように和やかに語らうことは、おそらくもう二度とないでしょう。
明るいゆえに、切ないシーンでした。
乱の後、何処かに落ち延びた忠正、為義たちを案ずる、平氏と源氏の人々。
落ち武者狩りにあっていなければ良いのだが・・・しかし、反逆人となった彼らを探し出し、保護するのは危険。
7月13日夜半。
頼長は瀕死の状態で宇治に逼塞する父、忠実に救いを求めますが、忠実は摂関家のために受け入れを拒否します。
父に受け入れられない、と知った頼長はほろほろと涙し、舌を噛んで自害します。
日が明けても時が経つまま、呆然と縁に座っている忠実。
「ちちうえ」
どこからか衰弱したオウムが舞い込んできます。
「ちちうえ」
息絶えるオウム。
庭に飛び降り、オウムの亡骸を抱きしめ、むせび泣く忠実。
戦火で荒れはれた頼長の屋敷を訪れた信西は、日記を見つけます。
仁平三年九月十七日・・・3年前ですね。
参議に上がった息子たちに与えた訓戒が記されていました。
多くの衣服や、家来の数を求めるな。
忠勤に励み、それで人に嘲られても、恥じるな。
忠を尽くし、決して報いを求めるな。
勤めよや、勤めよや。
いつか私が死んだあと、私を恋しく思うたならば、朝廷にまいるがよい。
我が魂はきっとそこに留まっておるゆえ。
そこでそなたたちが、良き国づくりをするのを、見守っておるゆえな。
・・・涙。
元気に羽ばたくオウムも悲しいシーンでした。
日記をまめに書いていた頼長。
息子たちへの訓戒の内容は事実でしょう。
何とも、不器用な人でした・・・
かつてのライバルの言葉に、信西は何を思ったのでしょうか。
その後、院、院に与した人々苛烈な罰を下していきます。
忠実の荘園は没収。あれほど仲の悪かった忠通が少し庇ったのが救いでした。
出家したとは言え、災の種になる、と、院は流罪に。なんと上皇及び帝の流罪は四百年ぶりなんだそうです。
そして・・・
忠正と為義たちは各一族の館に保護されました。
忠正は清盛が忠清に命じて。平氏の要である、と迎えます。
為義は、鬼武者に不忠な父を見せたくない、という由良御前の意思で。
由良御前から、義朝が従五位下、下野守、そして左馬頭を拝領し、殿上人になったことを知らされて、喜ぶ為義。
播磨守になったことを忠正に誇らしげに報告する清盛。
清盛が言っていたように、播磨は都にも近く身入りのいい、受領としては一等地です。
・・・ああ、保護しなくてもよかったのに。
せめて、どこか違う土地に匿えば、いずれは捕らえられて断罪されようとも、あのような苛烈な命令は受けなかったかもしれない。
でも、それは結果を知っているから言えることで、朝廷の下す罰としては、大昔はともかく、ほとんど前例がなかったことなので、予想もつかなかったのでしょう。
あ、ちょっと先走りすぎました。
あと、描かれていたのは、源氏棟梁家を切り回す由良御前の大きさを認め、一歩退いた常盤。
そうそう、信頼と仲良く双六に興じる後白河帝。この二人の関係は今後どのように描かれるのでしょうか。
勝利にご機嫌な後白河帝に釘をさす美福門院。
この度の勝利は、信西の手腕で得たもの、帝はただ担がれただけ、ということなのでしょうが、でも、我は生きている、と不敵な笑を浮かべる帝。
忠正に頭を下げる池禅尼。頼盛は合わせる顔がない、とのことで姿をあらわしません。
跳ねっ返りの兄を持つと尻拭いが大変だ、と忠正。
自分もずっとそうだった。最大の尻拭いは、清盛。
また清盛と忠正の「物の怪の血」を巡る確執が描かれていました。
これが強調されればされるほど、清盛がいつまでも独り立ちできていないように感じてしまうのです。
このドラマの原点だから仕方がないのかな~。
忠正が亡くなった後は、誰が言い続けるのかな・・・後白河でしょうか。
.
頼長の最期・・・忠実の嘆きと在りし日の姿も悲しく、引き締まったドラマになっていたと思います。清盛と義朝の邂逅、信西の台頭ぶりも良かったですし。
オウムの「ちちうえ」は悲しかったです・・・
.
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
.
.
« 鎌倉散歩 2012初夏 | トップページ | 特命戦隊ゴーバスターズ 第15話 「金の戦士と銀のバディ」 »
「△大河:平清盛」カテゴリの記事
- 平清盛 #50 最終話「遊びをせんとや生まれけむ」(2012.12.24)
- 平清盛 #49「双六が終わるとき」(2012.12.16)
- 平清盛 #48「幻の都」(2012.12.11)
- 平清盛 #47「宿命の敗北」(2012.12.02)
- 平清盛 #46「頼朝挙兵」(2012.11.25)
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 平清盛 #22「勝利の代償」:
» 平清盛 第22回 勝利の代償 [レベル999のgoo部屋]
『勝利の代償』
内容
後白河帝(松田翔太)と崇徳上皇(井浦新)の戦い。。。保元の乱。
清盛(松山ケンイチ)義朝(玉木宏)のついた後白河帝が勝利し戦いは終結。
崇徳上皇だけでなく、上皇についた頼長(山本耕史)らは、逃走を始める。
一方、清盛、義朝は、武士の...... [続きを読む]
» 「平清盛」第22話。 [Flour of Life]
「平清盛」第22話を見ました。「保元の乱」のその後の話です、が…頼長様ー!! [続きを読む]
» 平清盛 第22回「勝利の代償」〜頼長(山本耕史)の「台記」と白いオウム「チチウエ」 [世事熟視〜コソダチP]
『平清盛』第22回「勝利の代償」
宝刀を手にした義朝(玉木宏)は清盛(松山ケンイチ)を前にして「友を切るとはいかにも縁起が悪い」
清盛のことを友達って言ったわけじゃないよって照れちゃう義朝・・・。
清盛は義朝の不精ひげを見て、おふざけで「髭切」にするよう口にすると、義朝はこれを採用・・。
この二人の妙に爽やかな友情とライバル心がない交ぜになった場面はパス!!
取ってつけたような場面は好きじゃありません。
−◆−
清盛(松山ケンイチ)も義朝(玉木宏)も妻のもとに帰還。
... [続きを読む]
» 『平清盛』 第22話「勝利の代償」 [英の放電日記]
戦の終末、そして、それぞれの思惑、悲しみ、絆、愛などが盛りだくさんだった。しかも、それらが単なる羅列ではなく深いものだったので、見ごたえがあった。
頼長の最期
今回一番印象に残った。
頼長(山本耕史)が矢で首を射られたシーンでギクッとさせられ、父・...... [続きを読む]
» 【平清盛】第22回感想と視聴率「勝利の代償」 [ショコラの日記帳]
『ATARU』でもお伝えした通り、裏のFIFAワールドカップサッカー・アジア地区最終予選『日本オマーン』(19:30-21:35)の視聴率は、31.1%(関東地区)でした。そのせいか、今回の関西... [続きを読む]
» 【平清盛】第22回感想と視聴率「勝利の代償」 [ショコラの日記帳・別館]
「勝利の代償」 『ATARU』でもお伝えした通り、裏のFIFAワールドカップサッ [続きを読む]
» 平清盛、義朝は大出世したのです!! [函館 Glass Life]
?宇治か近江国に退いて東国からの援軍を待つ。
?崇徳上皇を奉じて東国に下り東国武士を招集する。
?先手を打って皇居に夜討ちをかける。
為義が献じた三つの策がことごとく拒否されます
京都育ちのお坊ちゃま・頼長には京都から離れて戦う気などなかったの
でしょう...... [続きを読む]
» 平清盛「勝利の代償」 [blog mr]
清盛と義朝のやりとりがさわやかでよかった。 頼長の首に矢が刺さるカット、どうやって撮影したんだろう。何度かスロー再生したんだけどわからなかった。やっぱりCGかねえ…。 [続きを読む]
コメント