2019年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

自己紹介のようなメモ

  • 気になる、もしくは愛すべき作品にはついついツッコミを入れてしまう、ドラマの感想中心のちょっとおっちょこちょいなブログです。

TBとコメントについて

  • TBとコメントは認証制にしています。頂いたTBには記事と関係がある限り、必ずお返しするようにしていますが、サーバーのご機嫌次第で時々お返しできない時があります。

過去の感想記事について

  • ドラマ感想及びまとめは下記の「クール別:鑑賞したテレビドラマ・映画・DVD一覧」に、 DVD、映画、舞台の感想は「DVD、映画、舞台のINDEX」にアカサタナ順に、 読書は「読書:著者&編者別のINDEX(アカサタナ順)」に収納しています。

クール別:鑑賞したテレビドラマ・映画・DVD一覧

DVD、映画、舞台のINDEX

カテゴリー

今月の読書

無料ブログはココログ

« 2012年夏のドラマ:視聴予定 | トップページ | 平清盛 #26「平治の乱」 »

2012年6月30日 (土)

2012年5月の読書 その2

また月が変わっちゃう・・・

※読書順、敬称略です。

○読書<新読>   

怪談歳時記 著:福澤 徹三(角川ホラー文庫)
文人悪妻 著:嵐山 光三郎(新潮文庫)
後白河法皇~平家を滅亡させた黒幕 著:河合 敦(幻冬舎新書)
源平合戦の虚像を剥ぐ~治承・寿永内覧史研究 著:川合 康(講談社学術文庫)
そろそろ旅に 著:松井 今朝子(講談社文庫)

.

「怪談歳時記」

初詣の夜に妻を見失った男。帰ってきた妻は、以前とはなにかがちがっていた。老人の語りが戦慄を呼ぶ「鬼がくる家」。女子大生の“あたし”は真夏の山中で、われにかえった。見知らぬ車に見おぼえのない服。失われた記憶を求めて恐るべき真相にたどり着く「迷える羊」。平凡なOLが引っ越したマンションには、得体のしれない誰かが住んでいた。女の情念と狂気を描く「九月の視線」。四季を舞台に織りなす12篇の恐怖。 (「BOOK」データベースより)

この作者の作品は初めてです。タイトルに惹かれて何となく購入しました。

サイコミステリーから心霊ミステリー、救いのない話から情話、スプラッタに近いものから何となく怖い、という作品まで。バラエティーに富んだ短篇集で、面白かったです。

「迷える羊」が極北(何の極北かはネタばれになるので書きません)だとは思いますが、「五月の陥穽」の方が主人公の心理が伝わってきて怖かったです。

好みとしては「卒業写真」、「幽霊たちの聖夜」。
中でも、クリスマスイブの晩のラブホテルの従業員たちが出会うほんのわずかな怪奇、そして降りしきる雪で幕が降りる「幽霊たちの聖夜」。けばけばしさをモノクロで描いたような世界がしんみりと心に残りました。

.

「文人悪妻」

夫に殉死した女優妻・松井須磨子、谷崎から譲渡された佐藤春夫の妻、精神錯乱の教師妻・杉田久女、夫に絶縁状を書いた華族出身妻・柳原白蓮、四回の人妻を経験した宇野千代。漱石、鴎外、鏡花、芥川の妻、そして与謝野晶子、林芙美子から幸田文、武田百合子まで、明治・大正・昭和の文壇を彩る53人。逞しく、したたかでパワフルな人妻たちの正体を描く、画期的な評伝集。  (「BOOK」データベースより)

好きな人、尊敬する人、有名な人だから入れとかなきゃ、という人、そして惚れている人。
この人好き、などという直截的な言葉は一切使われていいませんが、文体、文脈があからさまに違うのが面白かったです。

特にあまり好きじゃない人をとりあげた時の、皮肉を含んだ遠回しな文章に、ユーモアが感じられました。

.

「後白河法皇~平家を滅亡させた黒幕」

貴族社会が揺らぎ、武士の世へと移り変わろうとしていた平安末期。本来「中継ぎ」天皇だった後白河法皇は、宿命のライバルである平清盛や、木曽義仲、源頼朝ら武家の棟梁と渡り合い、何度も幽閉の憂き目に遭いながら、30年以上にわたる異例の院政を敷き続けた。しかし彼は、おそるべき記憶力をもつ一方、奇妙な振る舞いが目立ち、アスペルガー症候群だったという説もある。「平安最後の帝王」は賢帝だったのか、愚帝だったのか。その66年にわたる波瀾万丈の生涯を、新解釈を交えて読み解く。 (「BOOK」データベースより)

大河絡みで購読。だって人間関係がややこしいんだもの。(汗)

何が新解釈なのか、なんてことはわかりませんが、取り巻く人々のことも最小限度踏まえていて、大変わかりやすく、読みやすかったです。

後白河院は清盛が築いた福原を訪れた時に、当時穢れた人間とされていた宋人にも会ったそうで、右大臣の九条兼実に「こんなことは前代未聞であり、まさに天魔の所業だ」と強く批難されたとか。(第3章より)

でも、院にとって、こんな批難など屁でもない。

後白河は、<好奇心>という名の末梢神経が露出したような男であった。好奇心の塊が着物を着たような男、いや正確には好奇心の塊が直衣を着たような男であった。(同じく)

なるほど。面白き人だけど、まわりは難儀したでしょうね・・・

.

「源平合戦の虚像を剥ぐ~治承・寿永内覧史研究」

屍を乗り越え進む坂東武者と文弱の平家公達―。我々がイメージする源平の角逐は、どこまで真実だったのか?「平家物語史観」に基づく通説に対し、テクストの精緻な読みと実証的な探究によって、鋭く修正をせまる。さらに、源平合戦の実像や中世民衆の動向、内乱の歴史的所産としての鎌倉幕府の成立過程までを鮮やかに解明した、中世史研究の名品。  (「BOOK」データベースより)

これは難物でした。
自分のようなミーハーな人間にはアカデミックすぎて、書物というより、入眠剤になってしまった。(大汗)
しかし、その分、読み終えたあとの達成感も半端なかったです。

源氏に敗れたため、平氏の武力が源氏より劣っているように思われているが、実はそうではなかったこと。
それから、

ほんらい武士とは、馬上からの射芸、すなわち「弓馬の芸」(=騎射)という特殊な戦闘技術を身につけた一種の芸能者だったのであり、「職業的な弓射騎兵の戦士」の呼称であった。たんに武装したからといって、誰もが武士とよばれたわけではけっしてなかったのである。(本文より)

何か、格好いい。←ミーハーです。(^^;;

そして、当時の武士たちが強烈な先祖意識を持っていて、その先祖崇拝が、例の「遠くは音にも聞き、近くは目にも見給え。昔朝敵将門を滅ぼし、勧賞蒙りし俵藤太秀郷に十代、足利太郎俊綱が子・・・」(本文より)で始まるいくさばでの氏文読みの慣習の元になっていること。

そうかぁ、義朝が信西に命じられた父親の処刑とは。
人間として過酷であることはもちろんですが、武士としてのアイデンティティーそして誇りを踏みにじられること、あるいは去勢されてしまったことでもあったのかもしれません。

また、頼朝は、氏文読みの中に父の名を堂々と入れれなかったのかもしれない。それは当時の武士としては、とても辛いことだったかもしれない、とも。

.

「そろそろ旅に」

『東海道中膝栗毛』で一世を風靡するのはまだ先のこと。若き日の十返舎一九、与七郎は平穏な暮らしに満たされず、憑かれたように旅を繰り返す。駿府から大坂、そして江戸へ。稀代のユーモア作家が心に抱いた暗闇とは何だったのか。意外な結末が深い感動を呼ぶ、直木賞作家渾身の長編小説。  (「BOOK」データベースより)

1997年に上梓された「東州しゃらくさし」にサブキャラとして登場させた十返舎一九を主人公にした、2008年、単行本として発刊された作品の文庫版です。

「そろそろ旅に」というタイトルが秀逸。
前半は商人の町、大坂を生き生きと、後半は爛熟した文化漂う江戸を描いていて、最初はタイトル通り、口当たりはいいのですが、次第に、虚空なのに何か得体の知れないものが澱となってたまっていく不気味さと、いくら注いでも空っぽなままの器を眺めるがごとき虚無感が漂ってくる。

その全てが、主人公の「そろそろ旅に」という呟きに集約されています。
面白くて、思わず一気に読んでしまいました。

.

.

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

« 2012年夏のドラマ:視聴予定 | トップページ | 平清盛 #26「平治の乱」 »

@今月の読書」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 2012年5月の読書 その2:

« 2012年夏のドラマ:視聴予定 | トップページ | 平清盛 #26「平治の乱」 »

作品一覧