平清盛 #19「鳥羽院の遺言」
後白河の即位が大きな波紋を起こす中、即位を演出した乳人の信西が台頭。
皆、後白河のことをうつけ者、信西のあやつり人形と思っているから、フィクサー信西に取り入ろうとする人々が群がってきました。
信西は自由に政を動かすために、邪魔者、摂関家・・・特に頼長を追い落とすことを企んでいます。そのためには大乱が必要だと。
一方、異母弟、義賢を息子、悪源太こと義平に命じて殺し、源氏の棟梁の証しである剣、「友切」を奪い取る義朝。
父、為義の嘆きも耳に入りません。
かつては父を守る、と言った義朝が・・・。
長年仕えてきた正清は、変わってしまった義朝について行けず、去っていきました。
片や、乱れた政を正し、宋を手本とした理想の国家の設立を夢見ていた信西。
片や、源氏を強くし、武士の世をつくることを夢見ていた義朝。
二人とも、夢を実現するために突き進む内に、何か大きなものを犠牲にしてきたようです。
いや、犠牲にしなければ夢は実現しないと、覚悟を固めています。
即位式の場に崇徳院が送った歌
「あさぼらけ 長き夜を超へ にほひたて くもゐに見ゆる 敷島の君」
確かにそれぞれの頭文字をとると「あなにくし」になります。
後白河は崇徳院を憎み、鳥羽院はその恨みの深さに恐れおののき、帝をやはり重仁にするとまで取り乱します。
しかし、後白河に「ここは私の世じゃ」と言われ、心労がピークとなり、倒れてしまいます。
この時代の人々にとって「恨み」とは、生命を脅かす恐ろしい存在でした。
清盛は自責の念にかられる鳥羽院が写経した「法華七喩 長者窮子」を院に渡すなど、仲裁に動きますが、頑なになった院の心は動きません。
危篤に陥った鳥羽院に、信西は、戦がおこった時は忠誠を誓うための誓紙を出すよう進言します。
しかし、平氏は父と子の仲を割くような戦いには参加しない、と鳥羽院への誓紙にを出さず、崇徳院と鳥羽院の仲を取り持つと宣言する清盛。
池禅尼は忠正(豊原功補)に、いざというときは亡き忠盛の志を守ってくれと頼んだ。(公式サイトより)
もし、忠盛ならば、誓紙を出さないとしても、それはどちらに与するのも危険だし、意思表明しないことで平氏の力を高く売りつけることもできる、という計算の上だったでしょう。
しかし、清盛は乱をおこしたくない、という志はともかく、その根底にあるのは二人の院に自分と忠盛を重ね合わせているだけ。そんな清盛を池禅尼は不安に感じた、という流れでした。
池禅尼の動きが保元の乱では大きな役割をはたした、という記録(愚管抄)を元に作られた話でしょう。
とはいえ。このドラマは清盛を中々一人立ちさせてくれないですねぇ・・・
結局清盛は、義朝にそれでも武家の棟梁かと、そして信西にそなたが最も守りたいものは何だ、と問いただされ、平氏一門をとりました。
危篤に陥った鳥羽院を見舞いに着た崇徳院の前に立ちはだかります。
「少しばかり遅うございました。私には私の守るべきものがございます。」
これで吹っ切れた?
追い返された崇徳院に近づくのは、頼長・・・
近衛帝を呪詛した、との疑いをかけられて政から遠ざけられた頼長。父からも「やりすぎたのだ」と突き放されます。
オウムが唱えるほど、後白河の悪口を言っていたようですが。だんだんと追い詰められてきました。
後に後白河の寵妃となる平滋子が登場しました。
くせっけのお姫様ね。それだけで個性的です。
(人前で姿や顔を見せることがなかった平安時代の女性は、髪の長く美しいことが美人とされてきた、と知った時、だったら天パの女性はそれだけで誰からも相手にされなかったのかなぁ、と思ったことがありました。)
鳥羽院が崩御して、またパワーバランスが崩れました。
徐々に大乱に向かって動いていく様子が面白かったです。
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