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2012年2月25日 (土)

2012年1月の読書 その2

※読書順、敬称略です。

○読書<新読>   

あすなろ物語 著:井上 靖(新潮文庫)
幼き日のこと・青春放浪 著:井上 靖(新潮文庫)
わが母の記 著:井上 靖(講談社文芸文庫) 

井上靖氏の自伝的小説を読んでいる間に、氏原作の「わが母の記」が映画化され、この春公開されることを知りました。

映画オフィシャルサイト

原作では「私」である役所広司さんが演じる主人公の名は、「しろばんば」「夏草冬涛」「北の海」の主人公、伊上耕作となっているようです。

映画を見に行くかどうかはまだ決めていないのですが、話題に乗って(汗)、氏の自伝的な小説や生い立ちについてのエッセイ集を、続いて三作読みました。

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「あすなろ物語」

天城山麓の小さな村で祖母とふたり土蔵で暮らしていた鮎太少年が、多感な青年時代を経て新聞記者となり、終戦を迎えるまで。
ひとりの人間の少年期から青年期までの成長の過程における感受性の劇を、六つの物語に謳いあげた青春小説。(本書裏書より)

「しろばんば」以前に書かれた連作短篇集です。
小学生、中学生、大学生、記者時代。
ストーリーはフィクションですが、作者本人の生い立ちや経歴、その時々の気持ちのありようがモチーフとして使われています。
戦前の記者時代の経験をベースにした「春の狐火」が印象的でした。

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「幼き日のこと・青春放浪」

両親の許をはなれて、血のつながらない祖母と送った伊豆湯ケ島での幼年時代ー茫漠とした薄明の過去のなかから鮮やかに浮かび上がるなつかしい思い出の数々を愛惜の念を込めて綴った「幼き日のこと」。
ほかに、沼津から金沢・京都と移り住んだ学生時代を"文学放浪"の視点から描いた「青春放浪」、影響を受けた人物、書物、風土など自由な感慨を交えつつ回顧した「私の自己形成史」。(本書裏書より)

こちらは小説ではなく、随筆集です。
「幼き日のこと」は、作者の思い出のどの部分が、どのようなフィクションを交えつつ「しろばんば」などの自伝的長編に反映されたのか。舞台裏を見るようで、興味深かったです。
三部作ではほとんど描かれていない父との数少ない思い出も書かれています。
物心つく前に離れた生誕の地、旭川への思いとともに、若き日の母への幻想に似た思いを描いた挿話もありますが、やはり、祖母との思い出が幼き日のほとんどを占めていることが、精緻な自然描写とともに書かれています。
「青春放浪」では、「夏草冬涛 」「北の海」に登場する友人たちのモデルになった人々に触れられています。
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「わが母の記」

80歳の母を祝う花見旅行を背景にその老いを綴る「花の下」、郷里に移り住んだ85歳の母の崩れてゆく日常を描いた「月の光」、89歳の母の死の前後を記す「雪の面」。
枯葉ほどの軽さのはかない肉体、毀れてしまった頭、過去を失い自己の存在を消してゆく老耄の母を直視し、愛情をこめて綴る『わが母の記』三部作。〈老い〉に対峙し〈生〉の本質に迫る名篇。ほかに「墓地とえび芋」を収録。

父は生きている、ということだけで、子供を死から庇っている。
父が亡くなる、ということは、死と自分との間がふい風通しが良くなること。次は自分の番。それは親子の愛情の問題ではなく、生き物の摂理として。
しかし、母が生きている間は、死の海面の半分は母に依って遮られていた。

その母が亡くなるまでを、疲労しながらも、老いる、ということを考察しつつ見つめる作者と作者の家族たちを、抑制の効いた、さえざえとした文章で綴った作品。
実際はもっと修羅場だったのかもしれませんが、このような端然たる文章で描くことで、作者の、母と母を見届けた人たちに対する労りの思いを表したのではないだろうか、とも感じました。

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