初めての海外旅行でロンドン一人旅。 その27:最終回です。
そのうち、話をせよ、と、その電話を渡されました。
でも通話相手は英語。身振り手振りでもわからないものが電話で通じるわけないじゃん、と、思ったら、相手がカタコトにもほどがある日本語を喋る人に代わり、今、日本語が喋れる人をそちらによこす、とのこと。
ああ、良かった。
女性社員に誘導され、カウンターのすみ、エスカレーターの下のスペースで待つことに。
そこには車椅子に乗ったインド人の老婦人とその息子らしき中年男性、会話から判断するに中欧もしくは東欧系の上品な中年女性のペア、そして13、4才くらいのちょっとおデブで眼鏡をかけた白人の少年が集められていました。
いずれもワケありのようで。普通の状態なら、謎の東洋人である自分を含めて、なんかアガサ・クリスティっぽい感じやん、と思うところなんですが(苦笑)。
で。待てども待てども「日本語が喋れる人」は来ず。
出発時間1時間弱ほど前になって、しゃきしゃきしたアフリカ系の女性社員が現れ、ワケあり集団を”有無を言わさず”・・・って有無があるわけはないのですが、この言葉を思わず使いたくなる態度で、税関へと連れていったのです。
重いスーツケースを、入国した時に書きましたが、長い長い廊下を急かされながらひたすら歩かされて。ま、通常でも歩くしかないわけですが・・・ええ、冷静に考えるといちいちもっともなことなんです。が、逆上はおさまっていなかったんですね、まるで連行されているような気分になりました。
白人の少年は英語圏の人だったらしく、しかも子供の一人旅、ということもあるのでしょう、他の人にはクールな社員が親しく話しかけていたのも、仕方がないこととは言え、情けない気持ちに拍車をかけました。この時、かなり自虐的な気分になっていたと思います。
税関を通って手荷物をあずけた後も、ワケあり集団だけ出発直前まで隔離されたまま。
免税店に寄るなんてとんでもない。ドリンク1本買う時間も与えられなかったのです。
チケットは、搭乗する直前に渡されました。
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ドーハと関空間のチケットしかもらえなかったのは未だに謎です。
何を間違ったのか。すぐに旅行会社に問い合わせればよかったでしょうが、帰国直後は冷静に状況を説明する自信がなかったのと、問い合わせること自体が旅全体の思い出を傷つけるような気がして、そうこうしているうちに時が経ち、問い合わせる時期を失ってしまいました。
今回、ブログに書く事で、ようやく若干冷静に状況を伝えることができるようになったかな、というくらい、初心者のためでしょう、思った以上にダメージが大きかったです。時間が経つごとにじわじわきました。
ひょっとするとですが、同じカタール航空でも、関空では一つのカウンターで2枚渡す、という合理的なシステムをとっているけれども・・・ですので、当然ヒースローでもそうだと思い込んでしまったんですが(_ _)・・・しかし、ヒースローでは便ごとに並ばなければならなかったのかもしれません。じゃあ、ロンドン、ドーハ間の受付はいつやっていたのだろうか?それが、わからない。カウンターに並ぶのが早すぎたのか、遅すぎたのか・・・?
でも、でもですね、あのカウンターがドーハ・関空間の乗客用ならば。並んでいる人々のほとんどが日本人以外っていうのはオカシイと思うのね(汗)。カウンターは一ヶ所しかなかったはずだし。
もし自分が間違っていたとしても、eチケットがあるのに、航空会社があれほど強硬な態度を取るのは、渡しているのに渡していないなど、チケット関係での犯罪がらみのトラブルが多かったのかもしれません。どちらにしても旅先でトラブルが起きた時の連絡先を含めて、事前にちゃんと調べておくべきでした。
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まぁ、とりあえず。なんとかドーハまで行くことができました。
おおよそ7~9時間だったでしょうか。あんまり覚えていません。満席でした。お昼を食べていなかったにも関わらず、というか、例によって多過ぎる量の食事を半分以上残したのち、アメリカのシットコムシリーズ「フレンズ」の第5~7シーズンの抜粋篇を見て少し和み、音楽に切り替えてひたすら眠りました。
ドーハに着いたのは真夜中。1時間半くらいのインターバルを経て、ドーハ時間で午前1時半発の関空行きの便に搭乗しました。
関空行きですから、急に周りは日本人だらけに。飛行機までのバス内はフランス帰りの女性たち、ポーランド及び東欧諸国を巡ったらしい学生さんたちなど、会話が弾んでいました。
英国帰りはほとんどいなかったように思います・・・だよなぁ、ロンドン・ドーハ間の機内には東洋人は2割もいたかどうかでしたもの。パスポートの色から判断して、そのうちのほとんどが中国系の人だったと思います。←しつこい(汗)
大規模なツアーがなかったのでしょうか、関空までの便は空いていて、旅慣れていると思われる欧米系の人は、すぐに横一列のブロック、つまり三席まるまる空いている席に移っていました。この行為を咎めるCAがいないのを確かめて、軽食(それでも十分な量だったのでやはり残しました)が終わった後、自分も座席を離れて空いている席に移りました。
おおよそ12時間。体を伸ばしてくつろぐことができて、とても楽でした。
朝・・・なのか昼なのかよくわかりませんが、二度目の食事は焼きそばのようなモノが主食の、何だか日本食っぽいディナーが出ました。CAに日本人がいたかどうかは覚えていません。そんなこと、もう、どうでもよくなっていました。
関空に着いたのは、予定通り午後4時過ぎ。
往復予約をしていた乗合タクシー乗り場まで行く間に、自販機で缶コーヒーを買った時、ロンドンではチケット販売機以外、自販機なるものを見かけなかったことに気がつきました。
時刻を一度も現地時間に合わせなかった携帯は、1秒の狂いもなく日本時間で日にちも時間も刻んでいました。当たり前のことなのですが、不思議な感じ。地球はまさしく丸いんだ、と実感しました。
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現地にいたのはたった三日間なのに、これだけ書く事が起きた、ものすごく濃密な時間でした。
と言っても、半分弱は準備話及ロンドンのホテルに着くまですが。(苦笑)
この準備がいくら初めての海外旅行とはいえ、色々と抜かりっぱなしだったのには、もう、大笑いです。
免税店に寄れなかったためにおみやげも買えなくって、一番の散財がオイスターカードの約4000円っていうのも、今なら笑えます。
色々ありましたが、笑いごとですんで良かったです・・・って、みんなに言われました。(汗)
この旅から1年たって2011年。行きたかったのに行けなかった所が多いこと、特にホテルの隣が大英博物館なのについに行けずじまいだったことなどのリベンジで行ってみたかったのですが、英国に暴動が広がったことや、身辺それどころではなくなったことなどなどで、諦めました。
2012年はオリンピック・イヤーなので、この時以上に混雑するかもしれない、と考慮中。
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ロンドン。不機嫌な街でした。でも、奥深く魅力的な街でもありました。
言葉が通じないことを除けは。いや、会話ができなくても最低限のルールを知っていたら。
厭きることなく散歩や探索を楽しめる街だと思います。もし現地に友人がいれば、もっと楽しめたかもしれません。ま~、頼る人もなく、一人で失敗を重ねて一喜一憂しながら歩くのもいい経験なのかも。飛行機以外は、ですが。
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初めて海外旅行を経験して。
異なる空気、風景、建物、人々・・・異文化、異文明に直接触れることができたのは、素晴らしい体験でした。ほんの少しですが、客観的に日本を見ることができたことも。
また、他国へ行った日本人の体験記などによく書かれてある、否応なしに自分が日本人であることを意識させられる、ということがどういうことなのかを実感することができたのも、大きな収穫でした。
食事に関しては。外食はまずいと評判の英国。名物とされる「フィッシュ&チップス」なんて想像しただけで胸焼けしそう(汗)。ということもあって、食事には全くこだわりはないはずだったのが、予想外に日本食が普及していたこと、それ故に普段、普通に食べていたお米に違和感を感じたのが発見でした。ふわっと炊き上がったお米ってとても贅沢な食べ物なんだなぁ、とも。後、カップヌードル、ありがとうっ
最後に。どこかで書いたかもしれませんが、個人で行った場合。英国、ひょっとしたらフランスも、かもしれませんが、人種ではなく、その国の言葉を喋れるかどうかが、相手に”人間”として扱ってもらるかどうかのボーダーラインだと言うことも、よくわかりました。
再び海外旅行に、英国にいけるかどうかはわかりませんが、その時はもう少し賢くなってから訪れることにします。英語は喋れないだろうけれども・・・って懲りてないですぅ。(爆)
長々とありがとうございました。
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「初めての海外旅行でロンドン一人旅」
完
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その26:帰国の日。
その25:3日目の晩
その24:3日目の夕方
その23:3日目の午後
その22:3日目の朝
その21:2日目の晩の続き
その20:2日目の晩
その19:2日目の夕暮れ
その18:帝国戦争博物館
その17:ニュー・スコットランドヤード周辺散策
その16:ナショナル・ポートレート・ギャラリー
その15:2日目、オイスターカードを買う、そしてバス停へ
その14:ロイヤル・ナショナル・ホテル(後)
その13:ロイヤル・ナショナル・ホテル(前)
その12:ピカデリーラインに乗る。
その11:ピカデリー・ライン・・・ヒースロー空港駅
その10:ドーハ→ヒースロー空港
その9:ドーハ空港
その8:関 空→ドーハ
その7:関空
その6:持って行ったもの
その5 :観光プラン3
その4:観光プラン2
その3:観光プラン1
その2:渡 航費用など。
その1:プロローグ
その0:帰りました。
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Largoさん、お疲れさまでした~((*´∀`*))
書き終えた気分はいかかでしょうか?
やっと旅が終わったって感じですかね(笑
最後の最後に大変な目に合いましたね~
いや~外国でのアクシデントなんて、私ならパニックになってしまいますよ~
でも、何年かたったら、笑い話になるかな?
私、海外旅行って、20年前にフランスとスイスにツアーで行っただけですよ~
こってりした料理ばっかでお腹壊してしまいました。
パリに着いて、日本料理の店を見つけて食べたほうれん草のおひたしの美味しかったこと。それが一番憶えてることだったりして・・(笑
>人種ではなく、その国の言葉を喋れるかどうかが、相手に”人間”として扱ってもらるかどうかのボーダーラインだと言うことも、よくわかりました。
そうなのかもしれませんね。自分の国の言葉を話そうとしない相手を尊重することもないって感じなのかな。でも確かに外国の方が日本語で一生懸命コミュニケーション取ろうとしていたら、態度は違うかも・・ま、そんな甘くはないかな?
いろんな体験をして、ますますイギリスへの興味が湧いたのではないですか?
またレポートが読める日を楽しみにしていますよん(p゚∀゚q)
投稿: きこり | 2012年1月10日 (火) 18時02分
きこりさん コメントありがとうございます。
>やっと旅が終わったって感じですかね(笑
まさしく、です。(^^;;
完結しないと次の旅に行けないぞ、という覚悟で、年末年始、かかりっきりで書きました。
そのため、映画が全く観れませんでしたぁ~。
>最後の最後に大変な目に合いましたね~
ほんと、勉強不足でして(汗)。今はもう、笑い話にしてしまっています。
>20年前にフランスとスイスにツアーで行っただけですよ~
いいですね~。こちら方面に行けるチャンスがあれば、ぜひ行ってみたいです。
・・・でも、パックツアーにします。国境を一人で越えるのはさすがに無理かな~と。パックの方がホテルなども安全ですしね。
>日本料理の店を見つけて食べたほうれん草のおひたしの美味しかったこと。
ものすごく、よくわかります(^^)
胃腸の感性は、嘘つかないっていうか。
>自分の国の言葉を話そうとしない相手を尊重することもないって感じなのかな。
少し前、とあるショップで働いていた時のことですが、日本を訪れる欧米の観光客って英語が母国語でない人たちも含めて、ほとんど当然のごとく英語で話しかけてくるんです。
その時は、日本にくるなら片言でも覚えてきてよ、と、思ったのものですが。
自分が行ってみると、他国の言葉はそうは簡単に話せないことがよくわかりました。
と、同時に英語が世界基準なんだな、と。話せて当たり前というか。
>ま、そんな甘くはないかな?
うちの母親は、日本語しか喋れず、アルファベットすら読めなかったのすが、ツアーでではありますが、南極と危険地帯以外、世界を旅していました。言葉が通じなくても親しくなった人もいたようで、そのガッツには、いつも驚かされていました。
甘くはないかもしれませんが、最終的には、人と人なのかもしれません。
まだまだ修業が足らないことを痛感しています。
>ますますイギリスへの興味が湧いたのではないですか?
湧きましたよ♪
次回はパックツアーにして、ツアー仲間で情報を交換し合うのもいいかもしれない、とも思ったりしています。その後、再び、一人旅にチャレンジしてみようかな、と。
と、書きつつ、いきなり一人旅でリベンジするかもしれませんが(笑)。
長いコメント返しで申し訳ありません。
ありがとうございました。
投稿: Largo | 2012年1月11日 (水) 16時31分