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2012年1月21日 (土)

2011年12月の読書 その2

※読書順、敬称略です。

○読書<新読>   

慶応三年生まれ七人の旋毛曲り 著:坪内 祐三(新潮文庫)
決壊 著:小林 信彦(講談社文芸文庫)

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「慶応三年生まれ七人の旋毛曲り」

幕末維新の動乱まっただ中の慶応三年。夏目漱石、宮武外骨、南方熊楠、幸田露伴、正岡子規、尾崎紅葉、斎藤緑雨ら七人は皆、この年に生を受けた。若くして成功する紅葉と露伴、悩める漱石と子規の友情、不敬罪で投獄される外骨、早熟な緑雨の恋愛観、海外に飛び出した熊楠―膨大な文献を手がかりに、七人の瑞々しい青春と明治初期という時代の姿を鮮やかに浮かび上がらせる力作評論。第17回講談社エッセイ賞受賞作。 (amazonより)

文壇史繋がり(「2011年12月の読書 その1」参照)、加えてタイトルに惹かれて、何気に購読しました。

「懐かしき文士たち」シリーズの著者、巌谷大四氏は文学者一家の生まれでしたが、この作品の著者、坪内祐三氏もそうそうたる一族の生まれです。
巌谷氏が50才を超えるまで編集実務に携わったのに対して、実務もしくは学閥にとらわれない、フリーな活動をしておられるようです。

著者がふと、上記の七人が同じ年、しかも翌年が明治、という歴史の境目の生まれであることに気がつき、それを取っ掛りとして明治文壇史を描こうと“試み”たエッセイ・・・”試みた”、とかっこで括ったのは、「途中で飽きてしまって」(あとがきより)、明治の半ばまでしか書かれていないからです。
そのため若くして亡くなった正岡子規、尾崎紅葉、斎藤緑雨が元気なうちに終わっているので、明るい印象は受けました。一方、夏目漱石はまだ、作家にもなっていない(笑)。

著者の明白な意図によって選ばれた(当然ですが)、彼らと彼らの周囲の人々が残した文献の合間に、時代の流れと風俗、そして自身の感想が書き込まれています。
この感想が、フリーランスな人らしくかなり癖があるというか主観的ですので、ちょっと邪魔に感じるかもしれません。ええっと、自分は、邪魔でした。すみません。
著者と同じ感性を持っている人には面白い作品だと思います。

多数引用されている正岡子規の書いた新聞記事が印象に残りました。

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「決壊」

優しさを押し売りする若者を痛烈に批判する中年のディスク・ジョッキイ、テディ・ベア(「金魚鉢の囚人」)、雨もよいの逗子のリゾート・ホテルを舞台に、抑制のきいた文章で綴る鬱屈した人々の一夜(「ビートルズの優しい夜」)、一九六〇年代から八〇年代の“現実”を描き、漂うように生きる主人公たちの心に蟠っている信じきれぬものを抽出。ほかに表題作、「息をひそめて」、「パーティー」の傑作五篇。 (amazonより)

未発表の表題作「決壊」を含め、その後の「東京少年」「日本橋バビロン」「流される」などに繋がる、私小説的な作品を集めた短編集です。

えっと、まず。「金魚鉢の囚人」を「優しさを押し売りする若者を痛烈に批判する」と解説した上記の文はちょっと違うような気がしました。年を経て、なおも第一線で働き続ける中年の疲労感と屈折感が漂っていて、「痛烈」という言葉が当てはまるシーンはひとつも見いだせませんでした。

「東京少年」(新潮社)の直後、学生の時に父に死なれ、老舗だった店をたたんだ著者の境遇と心境が描かれた「息をひそめて」、その後、隠れ場所、そして防塞としてのための栖を確保すべく買った家と新婚生活を描いた「決壊」。
「ビートルズの優しい夜」「パーティ」は創作ではありますが、創作者の宿命とでも言うべき事柄・・・自分の想像力が疲弊しているのではないかという危機感と、発表の場に恵まれない鬱屈感に加え、著者が幼い頃から持ち続けてる人嫌いの面が、私小説より赤裸々に描かれています。

自分の半生を、視点を変えつつ、いくどもいくども繰り返し描くことで、次第に自分自身の真芯に迫ろうとする小林氏の試みを、これからも追っていきたいと思います。

ちなみに、解説は、全くの偶然ですが、今回一作目に挙げた「慶応三年の~」の著者、坪内祐三氏でした。

しかもこの二冊、同時に買ったのです。こんなこともあるんですねぇ。

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