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2011年11月19日 (土)

2011年10月の読書 その3

○読書<新読>   

おまえさん(上下) 著:宮部みゆき(講談社文庫)

○読書<再読> 

ぼんくら(上下) 著:宮部みゆき(講談社文庫)
日暮し(上中下) 著:宮部みゆき(講談社文庫)

宮部さんの時代小説は大好きですので、「おまえさん」は中身も確かめずに「いきなり文庫!」のコピーだけで衝動買い。ページを開くまで、井筒平四郎シリーズとは知らなかったうっかりものです。

シリーズ二作目の「日暮し」を読んでから約3年。お徳たちはおろか、核となる平四郎も含めて、レギュラーの登場人物たちの名前をすっかり忘れていました。が、「弓之助」で思い出しました。
で、こんなに忘れていてはお話にならないと、慌てて本を閉じ、一作目の「ぼんくら」から読み直しました。
※ちなみに、初めて「ぼんくら」を読んだ時は、回向院の茂七が活躍する短編集「本所深川ふしぎ草紙」「初ものがたり」を思わず再読しました。

三作とも、物語の核となる長編の前後に、プロローグ、エピローグとなる短編を配しているのが特徴です。

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「ぼんくら」は暗いというか、動機も含めて、割り切れない読後感が残った作品でした。
読み進めていくうちに、センターにいる平四郎やお徳よりよりも佐吉やおくめが好きになってしまったためかもしれません。
おくめの悲しい運命(さだめ)。
佐吉を理不尽な境遇に追いやった組織が、何のおとがめもなく終わったこと。
そしてエピローグが、佐吉の侘しさをいっそう際だたせていたことなど。

メインキャラのまさかの悲劇で足をすくわれた感がした「孤宿の人」と同じ臭いがしたのです。いや、宮部作品にはよくある展開ではあるのですが。好みでしょうね。
短編ならいいのですが、長編ですと接する時間が長いためなのか、知らず知らずのうちに登場人物に心を寄せてしまうので、ほっとするエンディングを求めてしまうのかもしれません。登場人物に感情移入するように誘導しておいての、どんでん返しなのはわかっているのですが。作者の思うツボにはまってしまうのが、くやしい(汗)。

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しかしその思いは第二作「日暮し」で晴れました。

なるほど。

まず、「ぼんくら」では謎だった人物の人柄がちゃんと描かれていたのが嬉しかったです。
そして前作同様に頼りなくはあるのですが、サポーターとして茂七の跡継ぎ、政五郎の存在感が増したこともあって、平四郎にシリーズものの主人公としての安定感を感じたこと。
また、冒頭に、おでこさんこと三太郎を描いた明るい短編「おまんま」を配しているのが効いているのでしょう。その他のエピソードも、カラクリあり、旅ありで「ぼんくら」に比べると明るい感じがしました。

本作を読んでから気がついたことですが、「ぼんくら」はプロローグから暗かったんですね。"人死に"から始まるのはミステリだから当然、と思っていたのですが。
「日暮し」は、「おまんま」で描かれた三太郎の心根で統一されており、悲劇は起こりますが、温かみのあるエピローグ「鬼は外、福は内」で締められていることもあり、ああ、良かった、と思えました。

このカタルシスは前作「ぼんくら」を読んでいないと、感じられないでしょう。
宮部さんにしてやられた感じです。また、よく書いてくれた、とも。

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新作「おまえさん」。

登場人物たちの人生は「ぼんくら」からずっと繋がっており、今後への伏線ともとれる箇所もあります。
三作目ですので、レギュラー各キャラのバランスもわかってきて安心して読めました。しかし、安心感で満たされると物語は面白くなりません。迷い悩む危なっかしい人物もきちんと配しています。

メインの殺人事件と並行していくつかの話が、それぞれの話に関わる人物が浮かんでは消え、消えては浮かびつつ、進んでいきます。前二作もそうでしたが、今作はさらに入り組んでいるように感じました。
犯人描写には今ひとつ納得できない部分があるのですが・・・長編「おまえさん」の後に続く、三つの短編の構成とつなげ方は、お見事。

政五郎の男前度もさらにアップ。また、薬問屋の娘の史乃、史乃の継母の佐多枝らの美女たちや、のっぽのお仲、丸い顔の丸助など、個性的なキャラが数多く登場するので、犯罪は例によって陰惨でも、どことなく賑やかな印象を受ける作品でした。
中でも本作で初めて登場した弓之助の三番目の兄、遊び人の淳三郎は、今後シリーズが続くなら、絶対にスタメン入りでしょう。キャラや境遇がかたまっておらず、どうにでも便利に動かせそうです。彼を登場させることで、今まで天才児かつ優等生だった弓之助の違う面を描いていました。
弓之助・・・凄いような美形って、どんな顔なんだろう。

語り部的な立場なので、ともすれば個性が埋没してしまう主人公、平四郎が、視点を変えると、何やら泰然自若とした手練れの同心に見えるのも、面白かったです。事件を主人公ではない人物の目線で描くのはよくある手段ですが、効果的だったと思います。

犯人や動機は三作品とも宮部作品らしい、少々トリッキーなものですので好みは別れるでしょう。
好きな人ならば、読み終わった後にがっつり満足感を味わえる作品だと思います。

続きは書いてくれるのでしょうか。期待しています。

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