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2011年11月12日 (土)

2011年10月の読書 その2

※読書順、敬称略です。

○読書<新読>   

夢魔は蠢く 文豪怪談傑作選・明治篇 編:東 雅夫(ちくま文庫)
妖魅は戯る 文豪怪談傑作選・大正篇 編:東 雅夫
(ちくま文庫)
女霊は誘う 文豪怪談傑作選・昭和篇 編:東 雅夫
(ちくま文庫)

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「夢魔は蠢く 文豪怪談傑作選・明治篇」

明治・大正・昭和の文豪怪談に顕著な「夢と幽霊」を描く珠玉の掌篇/小品を全三巻に集成するアンソロジーの第一巻。文豪怪談の黎明を告げる両巨人の幻夢譚―小泉八雲の「きまぐれ草」、夏目漱石の「夢十夜」を中心に、圓朝や子規から水野葉舟、佐々木喜善まで、合理主義の風潮に反旗をひるがえした文士たちの軌跡をたどる。巻末に坪内逍遙自筆の妖怪絵巻「神変大菩薩伝」を装画付きで復刻。 (amazonより)

東雅夫氏が編纂する「文豪怪談傑作選」シリーズのひとつです。
収録作家は三遊亭圓遊、正岡子規、小泉八雲、夏目漱石、水野紫舟、佐々木喜善、坪内逍遙。
読んだことがあるのは「夢十夜」のみです。

雰囲気は損なわれるでしょうが、昔の文章に慣れていないので、新漢字、新仮名づかいというのはありがたいです。
特に私小説、もしくは「日記」として書かれた水野紫舟の夢の世界は現代語で読むと、背景に電車が登場したりするためもあるのでしょうか極めてシャープで、明治の世とは思えないほど生々しく感じました。夢を捉える感覚が自分に近かったためもあるのかもしれません。
時代が変わっても人間が事象を捉える感覚は変わらない部分があるのかもしれない、と思いました。

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「妖魅は戯る 文豪怪談傑作選・大正篇」

近代日本の文豪たちを魅了した「夢と幽霊の掌篇」の系譜を時代ごとに跡づける画期的アンソロジーの第二巻。自由で華やいだ大正の御代に絢爛と開花した夢怪談の数々―鈴木三重吉、中勘助をはじめ「夢十夜」の後裔たる漱石山脈の作家たちに加えて、志賀直哉の知られざる怪談文芸作品を集大成。巻末特別企画として、寺田寅彦、内田百けん、田中貢太郎、岡本綺堂の関東大震災体験記集を収録した。 (amazonより)

東雅夫氏が編纂する「文豪怪談傑作選」シリーズ、時代別第二弾です。
収録作家は鈴木三重吉、中勘助、内田百けん(文字化けしたので)、寺田寅彦、志賀直哉、田中貢太郎、岡本綺堂。

内田百けんの夢話は、幻想小説として完成させることを意識して書かれてあり、また、極めて視覚的。
志賀直哉の「夢から憶い出す」は、きっと誰しも見るであろう、若き日の友人たちや昔の記憶が虚実入り交じって揺れ動く夢を、現実的かつ簡潔な文章で描いてあり、心に染みました。

関東大震災体験記は、惨劇を体験してなお、いや、だからこそでしょうか、科学者であろうとする寺田寅彦、悲劇を人の縁を軸にミステリテイストで描く内田百けん、生々しい現場に嘆くより先にジャーナリスト、もしくは奇談収集家としての血が騒ぐ田中貢太郎、江戸の風情漂う岡本綺堂。
それぞれの個性、スタンスがはっきり現れていて、興味深かったです。

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「女霊は誘う 文豪怪談傑作選・昭和篇」

大正末期の震災に始まり、戦時下の空襲、広島・長崎への原子爆弾投下・・・・・・・再三にわたるカタストロフに見舞われた昭和の日本。瓦礫と灰塵の只中にあって、数多の文豪が、おびただしい死者たちの記憶に手向けるかのごとく「夢と幽霊」の物語を紡ぎあげていった。永井荷風の妖夢譚に始まり、豊島与志雄と久生十蘭の心霊譚、伊藤整の冥界彷徨譚、そして原民喜渾身の悲痛な絶唱(レイクエム)に至る、全11篇を収録。(裏表紙より)

東雅夫氏が編纂する「文豪怪談傑作選」シリーズ、時代別第三弾です。
収録作家は永井荷風、豊島与志雄、久生十蘭、伊藤整、原民喜。

幻想小説というジャンルが確立されてきたためでしょうか、短編として形をなしている作品が多く、濃いアンソロジー。

永井荷風の「来訪者」の主人公"白井"が、かの「吸血鬼ドラキュラ」をはじめとする海外怪奇文学の訳者、紹介者として著名な平井呈一がモデルであり、以前読んだ「真夜中の檻」(絶版かも)が同じ話をもとに、平井本人が書いたとは知らず、驚きました。読み比べてみると面白いです。

ほの薄暗い話が多い中、伊藤整の「幽鬼の街」の、油絵具で書きなぐったような肉食系、かつファンタジックな絶望の世界が、この昭和篇だけでなく、全三巻の中でも異質で印象に残りました。
そして、永遠に失われてしまった「ありふれた日常」に対する嘆きを万華鏡のように描いた原民喜の「鎮魂歌」。

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以上、三巻。夢の話ばかり読んでいると、なにやら平衡感覚を失うような、心もとない気分になってしまいました。

三巻中一番印象に残ったのは、明治篇の、正岡子規の掌編「墓」です。
自分が死んだ後、墓に埋葬された気持ちを想像して書いた話です。発表されたのは寝たきりの状態になった1899年。亡くなったのは3年後の1902年です。

葬られて何年もたつとお参りにくる人もいなくなる。「アア淋しい淋しい」と墓の中で朽ちていき、遺稿が完成したかどうかを気にし、人が来ないから世の中がどうなっているかわからず「友だちは何としているかしらッ」と呟く。

文末のリズミカルでユーモアすら漂う「ッ」に、たまらなく、切なさを感じました。

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