胡桃の部屋 第2話
原作:向田邦子「隣の女」収録作品(文春文庫)
原作未読です。
クリスマス。
借金を含め、父のかわりとなって三田村家のすべてを背負うことを弟妹に宣言する桃子。
三女、陽子は医者の跡取り息子、桧山とデート。
いいところのお嬢さん、で通す陽子。
嘘をつこうとしていたわけではなく、少し前までは多少の誇張はあっても、本当のことだったのですが、家族の現状を相談できるほど親しくはないし、今後も喜怒哀楽をともにできる相手ではないように見えるのですが、どうなのでしょう。
「嘘」がばれた時に桧山がどう出るか、ですね。
桃子に就活に専念すればいい、といわれても、家族に内緒でアルバイトを始める、長男、研太郎。
エリート」である夫の不貞に気がついていはいても、誰にも相談できない、長姉、咲良。
一人になると感情をむき出しにする、母、綾乃。
失踪した父、忠は節子のヒモ状態になることを潔しとせず、立て看持ちのアルバイトを始めます。
そんな忠を少し悲しげに、いとおしそうに見つめる節子。
忠の不在中に節子のアパートを訪ねた、元部下の都築は。
節子から、忠が死ぬつもりだったことを知らされます。
死ぬ、と決めた人は家族や周囲の人たちに迷惑をかけないように、自分の身元となるものを全部捨ててしまう。でも、死ぬ前に、もう一度、生に溢れたきらきらした世界をみたくなる。
忠が節子の部屋に行ったのではなく、節子が道端に座り込んだ忠を連れてきた。
忠の様子から死の影を嗅ぎ取ったのは、節子もかつて・・・ということなのでしょう。
そして忠がこうなるまで気がつかなかった、追い込んだ家族なんて、何がいい家族よ、と。
無言で立ち去る都築。
綾乃と桃子だけのクリスマス。
桃子は、父が失踪するまでの葛藤に想いをはせ、気がつかなかった自分を責めつつ、父が帰ってきたら何もなかったように迎えてあげよう、と綾乃に言います。
綾乃は微笑みながら、同意します。ほっとする桃子。
「だって一番悪い人だから。」
綾乃の微笑みをぎょっとしたように見つめる桃子。
向田作品らしいシーンでした。
お正月。
清水家では、咲良が年賀に訪れる夫の和夫の部下たちを迎える準備に余念がありません。
そこへ一本の電話が。
三田村家では。
何もなかったように迎えよう、と桃子たち姉弟。
しかし、去年まではそこにいた忠、その忠の失踪、という事実は消しようもありません。
ついに綾乃に異変が起こります。
錯乱し、嘔吐を繰り返す綾乃。
子供たちにこんなに気を使わせてっ・・・
そこへ、都築が訪ねてきます。
母の様子を見て、自分はやはり「父」にはなれない、と打ち明ける桃子。
桃子がしっかりしているから綾乃は気持ちを吐き出すことが出来たんだ、君も何かも背負い込まない方がいい、と慰める都築。
初詣の帰りに、お守りを桃子に買ってあげます。
去年までは、父が買ってくれていたお守り、今年はもらえないものだと思っていた、と嬉しそうな桃子。
さらに都築が妻子とは1年も別居状態であることを聞いて・・・
一方、忠は。節子にお守りを買ってあげていました。三田村家のお正月の恒例行事として思わず買ってしまったのか、それとも最初から節子のために買ったのか。節子にとっては嬉しいプレゼントだったでしょうが、もし、自分が彼の子供だったら、絶対見たくない場面かも・・・
家に戻った桃子にかかってきた電話。
それは、節子が万引きで捕まった、という知らせでした。
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と、感想というより、単に粗筋をメインに書いてしまいました(汗)。
綾乃の鬱屈した気持ち、節子の、底辺を見てきた女の気持ち。
都築は、TBS作品で言うと、小林薫さんみたいなスタンスなのでしょうか。
お話は文句なく面白いです。
あとは、贅沢ではありますが、画面から、コクのようなものがもっと感じられたら、と思います。
1980年代、という時代設定が中途半端なためかもしれません。
美術的にも、風俗その他、再現が難しい時代なのかも。
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『母の想い』
内容
父・忠(蟹江敬三)の失踪。
何事もなかったかのように振る舞う母・綾乃(竹下景子)に不安を感じながら。
桃子(松下奈緒)は、家族を支えていくと決意する。
そして父が残した借金の返済をすることを、
妹・陽子(臼田あさ美)弟・研太郎(瀬戸康史...... [続きを読む]
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