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2011年1月29日 (土)

17歳の肖像

17_2

2008年 英

1961年、ロンドン郊外。ジェニーはオックスフォード大学を目指す16歳。
進学のための味気ない毎日を送る日々。
ある大雨の日、倍も歳の離れた大人の男性デイヴィッドに出会い、初めてのクラシックコンサートやエレガントなディナーなど、刺激的な大人の世界に魅了され、恋の虜になっていく。
だが彼にはある「秘密」があった…。
主演は21世紀のオードリー・ヘップバーンと称されるキャリー・マリガン。(amazonより)

監督:ロネ・シェルフィグ/脚本、製作総指揮:ニック・ホーンビィ
出演:キャリー・マリガン、ピーター・サースガード、ロザムンド・パイク、アルフレッド・モリーナ、カーラ・シーモア、エマ・トンプソン、オリヴィア・ウィリアムズ、サリー・ホーキンス

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年末年始に録画した番組の消化に追われていたため、映画鑑賞は久しぶり。

エマ・トンプソンが出ている、ということで見たかったのですが上映を見逃したので、DVD化を待って、レンタルしました。と言っても、レンタル開始から何ヶ月か経っていますが。

作品そのものの感想より、ストーリーの背景に関する話が多いです。
ネタばれはないつもりですが、ちょっと触れている部分があるかもしれないので、ご注意ください。

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まず・・・DVDジャケットのピーター・サースガードの写真は、修正しすぎ。(笑)

17歳を迎えるヒロインを演じたキャリー・マリガンって1985年生まれだから、この映画の製作時は23歳くらい?童顔なので制服が良く似合っていましたし、また、背伸びをした時の大人びた表情は年相応に見えたりと、中々魅力的な女優さんでした。

上記の粗筋だけ読むと、「マイ・フェア・レディ」や「プリティ・ウーマン」みたいな甘くロマンチックな映画のように思ってしまいますが、そこは英国作品。1人の少女の成長を真面目に描いた、ちょっと苦いお話です。

脚本と製作総指揮が「アバウト・ア・ボーイ」の人であることを、鑑賞した後で知り、納得。

ヒロイン、ジェニーの両親の考え方及び気持ちは、今の日本ではあまりよくわからないと思うので、その背景をネットやら本から抜粋してみました。

原題は「An Education」。
つまり「教育」ですが、学校における教育をだけでなく「能力の開発、仕事や職業の資格を得ること」そして「すてきな食物を味わうために味の識別力をeducateすること。」という意味も含まれているとか。

※イギリスでは、「ディナー」は伝統的に1日の主要な食事を意味している。
19世紀中頃以前の農耕社会では、「ディナー」は昼間に食べられていた。その後の夕方の残り物の軽食は、上流階級の家庭により「ティー」と呼ばれていた。
産業革命以降、中流および上流階級の男性の多くが都会の会社で働き、郊外で暮らす家族を養うようになると夕食の食事が1日のメインとなったため、ミドルクラスではディナー=夕食という意味に変化した。

先祖が上流階級の場合、「ディナー」とも「ティー」とも言わず、区別せずに「サパー」と呼ぶ。「サパー」は伝統的に、集会の後の夜遅くの食事を意味していた。夜半すぎまで続く舞踏会やパーティーの後にたいてい「サパー」がある。(Wikipediaより抜粋、参照)

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以下は、高月園子さんの書かれたエッセイ「ロンドンはやめられない」(新潮文庫)より抜粋しました。←以前「今月の読書」カテで書きましたが、面白い本です。

※ワーキング・クラスの親は子供が勉強したり、楽器などを頑張って続けていても、すぐ足を引っ張ったり、やめさせようとする。何故?
1.子供が良い学校に行くと、インテリのミドル・クラスの親と付き合わなくてはいけないから
。←面倒くさいそうです。
2.間違って大学に行ったりなんかしたら、子供が違う階級の人間となり、違うアクセントで難しい話をしだすのではないか。
←話が合わなくなって寂しくなる、と感じるのだそうです。

<3.は略>


4.かつて自分も勉学に励んで階級アップを夢み挫折した経験があり、子供に同じ落胆を味わわせたくない。
5.子供が自分のできなかたことができるようになると嫉妬を感じる。

なのでワーキング・クラスには一昔前の日本の"家事手伝い"じゃないけれども、定職につかない娘がやたらに多い。
上昇志向の強いミドル・クラスの女の子はキャリア志向。
アッパー・クラスになるとまた、定職を持たない子供達が増える。

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<注>英国の階級名称について。

ワーキング・クラス:労働者階級。
ミドル・クラス:所謂中流階級ですが、ロウアー、ミドル、アッパーなどなど、更に細分化しているとか。アッパー・ミドル・クラスとなると、株で大金持ちになった人など、限りなくアッパー・クラスに近くなるようです。
アッパー・クラス:貴族を含む上流階級。彼らはがつがつと勉強などしないらしい。(参照:「階級にとりつかれた人びと」著:新井潤美/中公文庫)

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ジェニーの両親はまさしくワーキング・クラスからミドル・クラスに這い上がった人々で、娘に対する期待も両方の階級の考え方を行ったり来たりしています。
また、自家用車を乗り回し、音楽会へ行き、「サパー」なんていう言葉を操るデイヴィッドを、限りなくアッパー・ミドル・クラスに近い階級の人間だと判断してからは、彼がユダヤ人であるにも関わらず、卑屈とも言える態度を条件反射的にとってしまいます。このクラスの人々をステロタイプに表現したのかもしれません。

そんな両親を冷ややかに見つめる一方、大学を出たのはいいけれども、女性としても人としても豊かな人生を歩んでいるように見えない真面目な担任教師に反発するジェニー。
デイヴィッドと出会ってから、がんじがらめの英国の階級意識から抜け出ることを夢みますが。

デイヴィッドの仕事の相棒、ダニーの恋人で飛び切りの美女だけど頭はカラッポのヘレンは、本物のアッパー・クラス出身かもしれません。

本作のキモは、王子様であるべきディビットが、格好良いどころか、お腹の出た、しみったっれた中年(と言っても30代ですが)であることでしょう。
初めての旅行で予約したホテルも、アメリカだとモーテルクラス。デリカシーもかけらもありません。しかし何もかも初めての経験で、しかも恋するジェニーは全く気にしないというか、その侘しさに気がつかない。
父親に押さえつけられていた知的好奇心が放たれた開放感に酔っていたのかもしれません。
その行動に生々しいエロスを感じないのは、セクシャルな欲求をともなっていないからかも。

また、それほど痛々しくもみえないのは、大人のデイヴィッドよりもジェニーの方が真実に耐えれる自立した精神の持ち主だからでは、と、思いました。
デイヴィッドのうら寂しさの方がかえって痛々しく感じました。
もしかしたらディビットもかつてはジェニーの父親のように、一つでも上のクラスに上がるべく、必死で頑張ったのかもしれない。だとしたらユダヤ人であることは更にハードルを高くしたでしょう。

英国の複雑な階級意識がわかりやすく描かれていて、興味深かったです。

頭が良すぎて危うく見える女子高生をきりっと演じていたキャリー・マリガンと、少しジャク・レモンに似た風貌のピーター・サースガード。
もちろんシナリオありきですが、脇の人々を含めて、キャスティングも良かったです。
特にキャリー・マリガンの童顔でありながら芯の強さを秘めた表情は印象的でした。

上映時間が1時間50分と、2時間を越えないのもいいです。超えないようにきっちり編集してある。
日本の映画はどうしてあんなに長いのだろう。(汗)

なお、キャリー・マリガンとヘレンを演じたロザムンド・パイクはキーラ・ナイトレイ主演の「プライドと偏見」(2005)でキーラの姉妹役で共演していることを後で知りました。

姉役だったロザムンド・パイクはメイキングでインタビューに応えていることもあって思い出しましたが、妹役のキャリー・マリガンは全く覚えていませんでした。

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