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2010年4月 2日 (金)

2010年3月の読書

※読書順、敬称略です。

○<新読>

恋いちもんめ  著:宇江佐真里(幻冬舎文庫)
泣きの銀次 著:宇江佐真里(講談社文庫)
岩崎弥太郎と三菱四代 著:河合敦(幻冬舎新書)
千年樹 著:荻原浩(集英社文庫)
複眼の映像―私と黒澤明 著:橋本忍(文春文庫)
天才 勝新太郎 著:春日太一(文春新書)

○<再読>

後巷説百物語 著:京極夏彦(角川文庫)

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「恋いちもんめ」「泣きの銀次」

「恋いちもんめ」
年頃を迎えた水茶屋の娘・お初の前に、前触れもなく現れた若い男。青物屋の跡取り息子で栄蔵と名乗る青年は、彼女の見合い相手だった。その清廉な人柄に、戸惑いながらもしだいに惹かれてゆくお初。だが、ある事件を契機に二人の関係は思わぬ方向へ進み始める…。運命のいたずらに翻弄される純愛の行き着く先は?感涙止まぬ、傑作時代小説。(「BOOK」データベースより)

「泣きの銀次」
誰がお菊を殺したんでェ。最愛の妹の命を奪った下手人を追って、大店の若旦那の地位を捨てた、人呼んで「泣きの銀次」。若き岡っ引きは、物言わぬ死体の声を聞いて涙する。お侠な娘、お芳の健気な想いを背に受けて、めざす敵は果たして討てるのか?鮮やかな筆が冴えわたる女流時代小説作家の人情捕物帳。(「BOOK」データベースより)

「恋いちもんめ」、宇江佐ワールドに心地よく浸りました。ああ、ほっこり。

「泣きの銀次」は、全くのハッピーエンドではないのですが、ラストにほっとしました。
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「岩崎弥太郎と三菱四代」


経営者としての三菱四代を基本的に賛美する作品。HOW TOモノの一種と捉えてもいいかもしれません。奥深い作品ではありませんが、簡潔なので年表がわりにはいいかもしれない。

「千年樹」


荻原浩氏の作品を読むのは初めてです。関東地方にある、小さなまちの小高い山にそびえる老木を巡る連作。背景となる時代は平安から現代にまで渡っています。ジャンルわけするなら幻想怪奇小説?妙に心に残る作品でした。
読後に、千年樹のある寂れた神社の境内で遊ぶ夢を見てしまいました。
木々を渡る風の音がする昼下がり、目線は千年樹で、遊んでいる幼い自分を見下ろしており、だんだん自分の姿がズームアップしていく・・・それだけなのですが、少し恐かったです。風の音もいやにリアルに耳に残りました。

「複眼の映像―私と黒澤明」

本作はタイトルどおり、黒澤監督との関係を中心に自身のシナリオライターとしての歩みが書かれています。そのポイントの絞り方がさすがです。

B・ワイルダー氏、笠原和夫氏といい、シナリオライターというのは、粘着質で頑固でありながら、映像製作と言う集団芸術に関わる限り、人間関係を大事にできる人でないと続けられない仕事なのだな、と改めて感じました。
人間関係を大事にする、というのは、お追従が言える、ということではなく、自分の意を貫くためには議論を尽くし、その結果喧嘩になっても、徹底的に関係を壊すことはあまりない、ということです。その場は喧嘩別れになっても、いざとなると頼りにされる。人徳というか、それだけの才能と気力と体力がある、ということなのでしょう。
色んなタイプの方がおられるとは思いますが、一見相手の意のままに書いているようでも、実は我を通す、というのは共通しているように思います。そうでないと超一流のライターとして生き残れないのだろうと。

逆に、各氏書かれていますが、「ノー」と言えなかった、もしくは言わなかったがために後悔される事の方が多いようです。自分が納得できなかった作品、という意味もあるのでしょうが。

自分が渾身の力で書き上げたシナリオも、現場ではどんどん改作されていく。B・ワイルダー氏はそれに我慢できずに監督になり、橋本氏も監督をされたことがあります。
文中で「シナリオライターから小説家に転向して成功した人は多いが、その逆はない。」と書いておられたのが印象的でした。

名作というものが、いかに網の目のように張り巡らされた偶然の"あや"のようなものによって誕生するかがうかがい知れて、呆然としました。また、その偶然を生かしきれたのは各自の精魂込めた努力の賜物なのだと思うと、改めて「七人の侍」などの作品を観たくなりました。

「天才 勝新太郎」

勝氏関連の本は自伝「俺、勝新太郎」や山城新吾氏の「おこりんぼ さびしんぼ」、田山力哉氏の「市川雷蔵かげろうの死」「田宮二郎いのち純情の死」を読んだことがありますが、実は勝新太郎という大スターにさして興味があったわけではありません。(汗)
上記「「複眼の映像」と一緒に何となく買いました。

本書あとがきでも書かれているように、勝氏本人も意識して増幅させていた「勝新太郎伝説」を追うのではなく、俳優として、また作家でもあった勝氏の類まれなる才能と、それ故の孤独感と苦悩が描かれています。

そして、いかに「座頭市」という役に思い入れがあったかが、当時の関係者へ入念な取材を元に、せつせつと書かれています。

自分は映画の「座頭市シリーズ」は、大昔にテレビで放映されたのを見たくらいで(今、このシリーズが地上波で放映される可能性は皆無かも)、ほとんど知りません。2、3年ほど前に思い立って第一作をDVDで観たのですが、モノクロプリントの状態が良くないためか、全編薄暗く、セリフもよく聞き取れなかったので、それ以上見ようとは思いませんでした。
セリフが聞き取れないのは録音が良くないためだ、と思っていたのですが、この本を読んで、目から鱗でした。

その他、一時代を築いた大スター、という地位に甘んじることなく、更に前に進もうとする、芸術家としての勝氏の生き様が息苦しいほど描かれています。本作には書かれていませんが、現役でトップであり続けることの凄まじさ、という意味で、同じく大スター、「世界のミフネ」の晩年を思い起こしました・・・

「複眼の映像」と合わせて読むと、黒澤監督と勝氏は、もったいないけれども決裂すべきしてなった、としか言いようがないと思いました。

テレビ版の「座頭市シリーズ」は全く観ていませんが、観てみたくなりました。

「複眼の映像―私と黒澤明」と「天才 勝新太郎」、どちらもポイントをうまく絞った上で、著者独自の目線が鋭く表現されている優れた伝記だと思います。

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「後巷説百物語

先月書いた「前巷説百物語」の感想で「ペダンチックになってる」というようなことを書きましたが、改めて読むと本作から充分にペダンチック。(汗)
京極堂シリーズに繋がる人物も登場させたりと、サービス満点です。
「巷説百物語」「続巷説百物語」と大きく違う点は、明治の世をなすこともなく迎えた百介の、又市たち一党を思い出す心境がセンチメンタルな風情を醸し出しているところでしょうか。
現在「怪」に連載されている新シリーズ「西巷説百物語」は、「前巷説百物語」と同じく百介と出会う前のお話だそうですが、又市には明かされていない謎が多いのですよね。
事触れの治平が亡くなったという大事件もまだ描かれていないはず。
気長に待ちますか。

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